2020/10/16(金) - 05:44
人気の「グランフォンド・ノヴェコッリ」と同じ丘陵コースを走るジロ・デ・イタリア第12ステージ。気温10度以下の雨風の中を逃げ切ったジョナタン・ナルバエス(イネオス・グレナディアーズ)がチームに3勝目をもたらした。NTTプロサイクリングの攻撃を抑え込んだホアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が首位を守っている。
まだ青空の見えるチェゼナティコをスタート photo:CorVos
毎年1万人以上の参加者を集める「グランフォンド・ノヴェコッリ」のコースをほぼそのまま辿る1日。「ノヴェコッリ(9つの丘)」という名前の通り、チェゼナティコを発着する204kmコースにはアペニン山脈の峠が9つ組み込まれており(そのうち5つがカテゴリー山岳)、ステージの獲得標高差は3,840mに達する。登場する5つの山岳はいずれもカテゴリー3〜4級だが、最大勾配が12〜14%に達する登りが連続し、下りも急勾配で、しかも全体的に道が細い。
故マルコ・パンターニの故郷チェゼナティコにフィニッシュする難易度4つ星ステージは曇りのち雨というタフなコンディションに見舞われた。山間部の気温は常に10度を下回り、部分的に気温は5度まで下がった。
10月15日(木)第12ステージ チェゼナティコ〜チェゼナティコ 204km ☆☆☆☆ photo:RCS Sport
10月15日(木)第12ステージ チェゼナティコ〜チェゼナティコ 204km ☆☆☆☆ photo:RCS Sport
山岳ポイントを最大33ポイントを獲得できるとあって、そして逃げ切りが決まりやすいステージとあって、スタート直後から逃げグループ形成のためのアタック合戦が活発に行われた。先行した13名に長時間単独追走したエクトル・カレテロ(スペイン、モビスター)が追いついて14名の逃げグループが完成。カレテロは追走の際にチームカーから「スティッキーボトル(ボトルを受け取る体裁で押される/引かれること)」を受けたとして200スイスフランの罰金を受けている。
総合で43分44秒遅れのジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)を含む14名の逃げ切りをマリアローザ擁するドゥクーニンク・クイックステップが容認したため、タイム差は一気に13分まで拡大した。
逃げグループを形成した14名
総合42位 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)43分44秒遅れ
総合54位 フランソワ・ビダール(フランス、アージェードゥーゼール)52分12秒遅れ
総合58位 ジョセフ・ロスコフ(アメリカ、CCCチーム)54分25秒遅れ
総合60位 マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・マクラーレン)57分13秒遅れ
総合72位 ジェスパー・ハンセン(デンマーク、コフィディス)
総合81位 サイモン・クラーク(オーストラリア、EFプロサイクリング)
総合86位 マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、アスタナ)
総合91位 エクトル・カレテロ(スペイン、モビスター)
総合93位 シモン・ペロー(スイス、アンドローニジョカトリ・シデルメク)
総合108位 チェザーレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)
総合113位 エティエンヌ・ファンエンペル(オランダ、ヴィーニザブKTM)
総合114位 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、NTTプロサイクリング)
総合121位 アルベルト・トレス(スペイン、モビスター)
総合138位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、UAEチームエミレーツ)
この日最も勾配のある3級山岳バルボット(全長4.5km・平均8.1%・最大17%)に差し掛かると、第10ステージに続いてNTTプロサイクリングがメイン集団の先頭に姿を現した。NTTプロサイクリングがメンバー総動員でペースアップを開始。ディラン・サンダーランド(オーストラリア)、ダニーロ・ヴィス(スイス)、アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(エリトリア)、ルイス・メインチェス(南アフリカ)、ベン・オコーナー(オーストラリア)が順番に力尽きるまでメイン集団を牽引し、逃げグループから脱落したカンペナールツもペースメイクに加わった。
アップダウンしかない「グランフォンド・ノヴェコッリ」のコース photo:LaPresse
14名の強力な逃げグループが形成される photo:CorVos
ドゥクーニンク・クイックステップを先頭に丘陵コースを走る photo:LaPresse
NTTプロサイクリングのペースアップによって、この日4つ目の3級山岳マドンナ・ディ・プリアーノ(全長9.1km・平均5.9%)を下り終えた残り50km地点で、メイン集団の人数は20名ほどにまで絞られるとともに逃げグループとのタイム差は4分30秒に。この時点でアシスト3名を残したドゥクーニンク・クイックステップに対し、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)とヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ)はチームメイトゼロの孤立状態となる。
先頭グループではロスコフやナルバエスがペースを上げて逃げグループの人数を絞り、完全ウェットな3級山岳マドンナ・ディ・プリアーノの下りでナルバエスとパデュンが先行を開始。一旦メイン集団のペースが緩んだため、ナルバエスとパデュンはタイム差を6分30秒にまで戻した状態で最後の4級山岳サンジョヴァンニ・イン・ガリレア(全長4.7km・平均5.6%)に突入した。
雨に濡れた気温10度以下の丘陵地帯を、レインジャケットを着込み、凍える指先に息を吹きかけながら走った選手たち。4級山岳サンジョヴァンニ・イン・ガリレアを先頭でクリアしたナルバエスとパデュンの6分後方では、アシストを使い果たしたドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、NTTプロサイクリング)が自らアタックを仕掛けたが決まらない。約15名に絞られたメイン集団は、最も多くの人数を残すドゥクーニンク・クイックステップのコントロールに切り替わった。
ステージ中盤からメイン集団のペースを上げたNTTプロサイクリング photo:LaPresse
先頭で逃げ続けたジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)とマーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・マクラーレン) photo:CorVos
パンクでバイクを交換したマーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・マクラーレン) photo:LaPresse
単独追走クラークに2分、追走グループに4分30秒、メイン集団に6分のタイム差をつけ、逃げ切り勝利に向けて順調に駒を進めていたナルバエスとパデュン。しかし、残り24km地点でパデュンが前輪パンクにより脱落してしまう。すぐ後ろを走るチームカーからスペアバイクを受け取って再スタートしたパデュンは逃げの相棒ナルバエスから30秒ものタイムロスを被ってしまった。
2019年にウクライナの個人TTチャンピオンに輝いているパデュンが先頭ナルバエスとのタイム差を詰めにかかったが、30秒が15秒まで縮まったところでタイム差の縮小はストップ。残り10kmを切ると逆にナルバエスがリードを広げ、チェゼナティコのフィニッシュラインまで続く平坦路を快走した。
最後の最後まで着込んでいたレインジャケットのジッパーを全開にして、胸元のチームロゴをアピールしてフィニッシュしたナルバエス。1分08秒遅れの2位にパデュンが入り、追走を続けたクラークとロスコフ、ペローがそれそれ逃げ切った。20名のメイン集団は8分25秒遅れでこの厳しいステージを終えている。ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)がマリアローザを守った一方で、11分以上遅れた総合10位ハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア、バーレーン・マクラーレン)は総合14位に順位を下げた。
残り24kmを独走するジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) photo:LaPresse
雨のチェゼナティコにフィニッシュするジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)らを先頭に8分25秒遅れでフィニッシュするメイン集団 photo:LaPresse
「ジロ・デ・イタリアの大きなステージで勝つことができた。幸い、僕は雨や気温の低さが問題にならない選手なんだ。長く厳しいステージだったけど、目標を達成できたよ」。総合エースを早々に失ったイネオス・グレナディアーズにステージ3勝目をもたらしたナルバエスはキャリア最大の勝利を喜ぶ。2017年までジロで勝ち星を上げたことがなかったエクアドルだが、2018年のリチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ)を皮切りに毎年ステージ優勝を飾っている。今年は第3ステージのヨナタン・カイセド(EFプロサイクリング)に続く2勝目。隣国コロンビアを上回る成績を残している。
アルメイダやテイオ・ゲイガンハート(イギリス、チームイネオス)、ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFプロサイクリング)らと同じアクセオン・ハーゲンスバーマン出身で、2018年にクイックステップでプロ入りして翌年からイネオスに所属する23歳のナルバエス。9月に開催されたセッティマーナ・コッピエバルタリでは、5ステージのうち4ステージでトップ3フィニッシュ(ステージ1勝)して総合優勝、ポイント賞、ヤングライダー賞を獲得している。
自身2度目のジロでUCIワールドツアーレース初勝利を掴んだナルバエスは「パデュンがパンクした時、チーム監督からは少し待つように言われた。でもアドレナリンが出ているレース中だったので、ステージ優勝に向けて走り続けている自分がいた。補給食もしっかり摂って、最後まで独走する力が残っていた。今シーズンは誰にとっても難しく、(春にかけて)ステイホームの時期が長かったけど、こうしてジロを楽しむことができて嬉しいよ」とコメントしている。
「とてもハードだった!ずっと雨が降り、気温が上がらない中を6時間近く走った。厳しい状況にも気持ちを切らさず、走り続ける意志の強さが必要だった」と語るのはマリアローザ9日目を安全に走り切ったアルメイダ。総合2位ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)との34秒差、総合3位ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・マクラーレン)との43秒差をそのままキープしている。「今日のステージ優勝者(ナルバエス)もアクセル・メルクスの育成チーム出身。未来の若手を発掘して育成するアメリカチームの存続を願っている」と、スポンサー撤退により解散が危惧されている古巣チームの将来を憂いた。
30分遅れでフィニッシュする新城幸也(バーレーン・マクラーレン) photo:CorVos
UCIワールドツアーレース初勝利を飾ったジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) photo:LaPresse
マリアローザ着用10日目を迎えるホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:LaPresse
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毎年1万人以上の参加者を集める「グランフォンド・ノヴェコッリ」のコースをほぼそのまま辿る1日。「ノヴェコッリ(9つの丘)」という名前の通り、チェゼナティコを発着する204kmコースにはアペニン山脈の峠が9つ組み込まれており(そのうち5つがカテゴリー山岳)、ステージの獲得標高差は3,840mに達する。登場する5つの山岳はいずれもカテゴリー3〜4級だが、最大勾配が12〜14%に達する登りが連続し、下りも急勾配で、しかも全体的に道が細い。
故マルコ・パンターニの故郷チェゼナティコにフィニッシュする難易度4つ星ステージは曇りのち雨というタフなコンディションに見舞われた。山間部の気温は常に10度を下回り、部分的に気温は5度まで下がった。
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山岳ポイントを最大33ポイントを獲得できるとあって、そして逃げ切りが決まりやすいステージとあって、スタート直後から逃げグループ形成のためのアタック合戦が活発に行われた。先行した13名に長時間単独追走したエクトル・カレテロ(スペイン、モビスター)が追いついて14名の逃げグループが完成。カレテロは追走の際にチームカーから「スティッキーボトル(ボトルを受け取る体裁で押される/引かれること)」を受けたとして200スイスフランの罰金を受けている。
総合で43分44秒遅れのジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)を含む14名の逃げ切りをマリアローザ擁するドゥクーニンク・クイックステップが容認したため、タイム差は一気に13分まで拡大した。
逃げグループを形成した14名
総合42位 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)43分44秒遅れ
総合54位 フランソワ・ビダール(フランス、アージェードゥーゼール)52分12秒遅れ
総合58位 ジョセフ・ロスコフ(アメリカ、CCCチーム)54分25秒遅れ
総合60位 マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・マクラーレン)57分13秒遅れ
総合72位 ジェスパー・ハンセン(デンマーク、コフィディス)
総合81位 サイモン・クラーク(オーストラリア、EFプロサイクリング)
総合86位 マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、アスタナ)
総合91位 エクトル・カレテロ(スペイン、モビスター)
総合93位 シモン・ペロー(スイス、アンドローニジョカトリ・シデルメク)
総合108位 チェザーレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)
総合113位 エティエンヌ・ファンエンペル(オランダ、ヴィーニザブKTM)
総合114位 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、NTTプロサイクリング)
総合121位 アルベルト・トレス(スペイン、モビスター)
総合138位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、UAEチームエミレーツ)
この日最も勾配のある3級山岳バルボット(全長4.5km・平均8.1%・最大17%)に差し掛かると、第10ステージに続いてNTTプロサイクリングがメイン集団の先頭に姿を現した。NTTプロサイクリングがメンバー総動員でペースアップを開始。ディラン・サンダーランド(オーストラリア)、ダニーロ・ヴィス(スイス)、アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(エリトリア)、ルイス・メインチェス(南アフリカ)、ベン・オコーナー(オーストラリア)が順番に力尽きるまでメイン集団を牽引し、逃げグループから脱落したカンペナールツもペースメイクに加わった。
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NTTプロサイクリングのペースアップによって、この日4つ目の3級山岳マドンナ・ディ・プリアーノ(全長9.1km・平均5.9%)を下り終えた残り50km地点で、メイン集団の人数は20名ほどにまで絞られるとともに逃げグループとのタイム差は4分30秒に。この時点でアシスト3名を残したドゥクーニンク・クイックステップに対し、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)とヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ)はチームメイトゼロの孤立状態となる。
先頭グループではロスコフやナルバエスがペースを上げて逃げグループの人数を絞り、完全ウェットな3級山岳マドンナ・ディ・プリアーノの下りでナルバエスとパデュンが先行を開始。一旦メイン集団のペースが緩んだため、ナルバエスとパデュンはタイム差を6分30秒にまで戻した状態で最後の4級山岳サンジョヴァンニ・イン・ガリレア(全長4.7km・平均5.6%)に突入した。
雨に濡れた気温10度以下の丘陵地帯を、レインジャケットを着込み、凍える指先に息を吹きかけながら走った選手たち。4級山岳サンジョヴァンニ・イン・ガリレアを先頭でクリアしたナルバエスとパデュンの6分後方では、アシストを使い果たしたドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、NTTプロサイクリング)が自らアタックを仕掛けたが決まらない。約15名に絞られたメイン集団は、最も多くの人数を残すドゥクーニンク・クイックステップのコントロールに切り替わった。
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単独追走クラークに2分、追走グループに4分30秒、メイン集団に6分のタイム差をつけ、逃げ切り勝利に向けて順調に駒を進めていたナルバエスとパデュン。しかし、残り24km地点でパデュンが前輪パンクにより脱落してしまう。すぐ後ろを走るチームカーからスペアバイクを受け取って再スタートしたパデュンは逃げの相棒ナルバエスから30秒ものタイムロスを被ってしまった。
2019年にウクライナの個人TTチャンピオンに輝いているパデュンが先頭ナルバエスとのタイム差を詰めにかかったが、30秒が15秒まで縮まったところでタイム差の縮小はストップ。残り10kmを切ると逆にナルバエスがリードを広げ、チェゼナティコのフィニッシュラインまで続く平坦路を快走した。
最後の最後まで着込んでいたレインジャケットのジッパーを全開にして、胸元のチームロゴをアピールしてフィニッシュしたナルバエス。1分08秒遅れの2位にパデュンが入り、追走を続けたクラークとロスコフ、ペローがそれそれ逃げ切った。20名のメイン集団は8分25秒遅れでこの厳しいステージを終えている。ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)がマリアローザを守った一方で、11分以上遅れた総合10位ハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア、バーレーン・マクラーレン)は総合14位に順位を下げた。
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「ジロ・デ・イタリアの大きなステージで勝つことができた。幸い、僕は雨や気温の低さが問題にならない選手なんだ。長く厳しいステージだったけど、目標を達成できたよ」。総合エースを早々に失ったイネオス・グレナディアーズにステージ3勝目をもたらしたナルバエスはキャリア最大の勝利を喜ぶ。2017年までジロで勝ち星を上げたことがなかったエクアドルだが、2018年のリチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ)を皮切りに毎年ステージ優勝を飾っている。今年は第3ステージのヨナタン・カイセド(EFプロサイクリング)に続く2勝目。隣国コロンビアを上回る成績を残している。
アルメイダやテイオ・ゲイガンハート(イギリス、チームイネオス)、ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFプロサイクリング)らと同じアクセオン・ハーゲンスバーマン出身で、2018年にクイックステップでプロ入りして翌年からイネオスに所属する23歳のナルバエス。9月に開催されたセッティマーナ・コッピエバルタリでは、5ステージのうち4ステージでトップ3フィニッシュ(ステージ1勝)して総合優勝、ポイント賞、ヤングライダー賞を獲得している。
自身2度目のジロでUCIワールドツアーレース初勝利を掴んだナルバエスは「パデュンがパンクした時、チーム監督からは少し待つように言われた。でもアドレナリンが出ているレース中だったので、ステージ優勝に向けて走り続けている自分がいた。補給食もしっかり摂って、最後まで独走する力が残っていた。今シーズンは誰にとっても難しく、(春にかけて)ステイホームの時期が長かったけど、こうしてジロを楽しむことができて嬉しいよ」とコメントしている。
「とてもハードだった!ずっと雨が降り、気温が上がらない中を6時間近く走った。厳しい状況にも気持ちを切らさず、走り続ける意志の強さが必要だった」と語るのはマリアローザ9日目を安全に走り切ったアルメイダ。総合2位ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)との34秒差、総合3位ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・マクラーレン)との43秒差をそのままキープしている。「今日のステージ優勝者(ナルバエス)もアクセル・メルクスの育成チーム出身。未来の若手を発掘して育成するアメリカチームの存続を願っている」と、スポンサー撤退により解散が危惧されている古巣チームの将来を憂いた。
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ジロ・デ・イタリア2020第12ステージ結果
1位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | 5:31:24 |
2位 | マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・マクラーレン) | 0:01:08 |
3位 | サイモン・クラーク(オーストラリア、EFプロサイクリング) | 0:06:50 |
4位 | ジョセフ・ロスコフ(アメリカ、CCCチーム) | 0:07:30 |
5位 | シモン・ペロー(スイス、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | 0:07:43 |
6位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | 0:08:25 |
7位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
8位 | ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFプロサイクリング) | |
9位 | ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
10位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
101位 | 新城幸也(日本、バーレーン・マクラーレン) | 0:30:31 |
DNF | アレクサンダー・カタフォード(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション) |
マリアローザ 個人総合成績
1位 | ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 49:21:46 |
2位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | 0:00:34 |
3位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・マクラーレン) | 0:00:43 |
4位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、NTTプロサイクリング) | 0:00:57 |
5位 | ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード) | 0:01:01 |
6位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:01:15 |
7位 | ジェイ・ヒンドレー(オーストラリア、サンウェブ) | 0:01:19 |
8位 | ラファウ・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:01:21 |
9位 | ファウスト・マスナダ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:01:36 |
10位 | ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ) | 0:02:20 |
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 220pts |
2位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 184pts |
3位 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | 51pts |
マリアアッズーラ 山岳賞
1位 | ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFプロサイクリング) | 84pts |
2位 | ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ヴィーニザブKTM) | 76pts |
3位 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | 45pts |
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位 | ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 49:21:46 |
2位 | ジェイ・ヒンドレー(オーストラリア、サンウェブ) | 0:01:19 |
3位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | 0:02:39 |
チーム総合成績
1位 | イネオス・グレナディアーズ | 148:03:33 |
2位 | ドゥクーニンク・クイックステップ | 0:08:16 |
3位 | サンウェブ | 0:09:39 |
text:Kei Tsuji
Amazon.co.jp