2020/09/27(日) - 01:37
1ヶ月のインターバルを経てJプロツアーが再開。第10戦となる「広島森林公園ロードレースDay-1」が開催され、マトリックスパワータグのレオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガがJプロツアー初優勝を挙げた。
ランキング上位勢を先頭にスタートラインに揃ったJプロツアーの選手 photo:Satoru Kato
3ヶ月間の短期決戦となる今年のJプロツアーは、「広島森林公園ロードレース」で1ヶ月ぶりの再開。ここからは毎週開催で最終戦までの残り5戦を一気に駆け抜ける。
別記事でもお伝えした通り、レース出場を見合わせていたシマノレーシングがこのレースから出場。今年のJプロツアー全18チームが初めてスタートラインに揃うことになった。
さらにサプライズを用意してきたのが、昨年の覇者マトリックスパワータグ。スペインからフランシスコ・マンセボが再来日。14日間の隔離期間を経てレース出場が可能になり、広島に姿を現した。安原監督によれば、マンセボ自らスペインの日本大使館に何度も出向いて来日の可能性を探っていたが、8月末からスポーツ選手の入国条件が緩和されたのを機に再来日を果たしたという。加えて小林海がこのレースからマトリックスパワータグの一員として参戦。戦力としてだけでなく、スペイン語圏選手とのコミュニケーション力を期待して招聘したと安原監督は語る。
広島空港の誘導灯をくぐって行く集団 photo:Satoru Kato
前日まで不安定な天気が続いていたという広島周辺だが、この日は雲が多めながらも秋の青空が垣間見える晴れ。前回8月末の灼熱地獄から一転して過ごしやすい気候の中でのレースとなった。
9月26日が誕生日の小森亮平(マトリックスパワータグ )が1周目から逃げる photo:Satoru Kato
レースは1周目から動いた。この日が誕生日の小森亮平(マトリックスパワータグ)がファーストアタックならぬバースデーアタック。しばらく独走していたが、風間翔眞(シマノレーシング)と門田祐介(ヒンカピー・リオモ・ベルマーレ・レーシングチーム)が合流して3名の逃げ集団を形成する。
3連トンネルを行くメイン集団 photo:Satoru Kato
6周目に新たに形成された4名の先頭集団 photo:Satoru Kato
後続のメイン集団は宇都宮ブリッツェンがコントロール。その後那須ブラーゼンに代わり、1分前後の差を維持する。5周目に入り、チームブリヂストンサイクリングが集団コントロールに加わると差は40秒、30秒と縮まり始め、6周目に逃げ集団を吸収する。その後、新城雄大(キナンサイクリングチーム)、阿曽圭佑(eNShare レーシングチーム)、織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、畑中勇介(チーム右京)ら4名が先行するものの、集団コントロールを開始したマトリックスパワータグにより8周目までに吸収される。
レース終盤 メイン集団はマトリックスパワータグがコントロール開始 photo:Satoru Kato
レース終盤 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ )が強力な牽引で集団の人数を絞っていく photo:Satoru Kato
11周目に入ると、マンセボが強力なペースアップを図って集団の人数を一気に20名以下まで絞り込む。その中から、レオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ)と増田成幸(宇都宮ブリッツェン)の2人が抜け出して、最終周回の12周目に入っていく。後続との差は40秒まで開き、勝負はキンテロと増田の2人に絞られた。
最終周回 登りで仕掛ける増田成幸(宇都宮ブリッツェン) photo:Satoru Kato
後方の増田成幸(宇都宮ブリッツェン)を確認するレオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ ) photo:Satoru Kato
レオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ )がJプロツアー初優勝 photo:Satoru Kato
残り3km、展望台への登りで先手を打ったのは増田。一気に加速して振り切りにかかるが、キンテロも数秒差のまま頂上をクリアして下り区間に入っていく。キンテロは徐々に増田との差を詰め、残り300mのホームストレートに先頭で姿を現す。直後に増田も続くが、すでに踏むことをやめている。それを確認したキンテロはガッツポーズを繰り返しながらフィニッシュラインを越え、Jプロツアー初優勝。3位にマンセボが入り、マトリックスパワータグが1-3フィニッシュを達成した。
表彰式 photo:Satoru Kato表彰式でキンテロは「日本で最初の勝利でとても嬉しい。これまで日本にいる間支えてくれた監督をはじめチームメイトにお礼を言いたい。この勝利をチームに捧げたい。日本に来て7ヶ月間大変なこともしんどいこともあったが、将来のために進んでいくしかないので、1日1日しっかりやってもっと良い結果を出したい」と、小林の通訳を介して語った。
ようやく実力を発揮したキンテロだが、その御膳立てをしたのはマンセボだ。シーズンを席巻した昨シーズンとは別のチームを見ているかのようだったマトリックスパワータグだったが、この勝利が反撃の狼煙となるか。
27日は引き続き広島森林公園ロードレースDay-2が開催される。
フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ )が3位 photo:Satoru Kato
プロリーダージャージは増田成幸(宇都宮ブリッツェン)へ photo:Satoru Katol
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3ヶ月間の短期決戦となる今年のJプロツアーは、「広島森林公園ロードレース」で1ヶ月ぶりの再開。ここからは毎週開催で最終戦までの残り5戦を一気に駆け抜ける。
別記事でもお伝えした通り、レース出場を見合わせていたシマノレーシングがこのレースから出場。今年のJプロツアー全18チームが初めてスタートラインに揃うことになった。
さらにサプライズを用意してきたのが、昨年の覇者マトリックスパワータグ。スペインからフランシスコ・マンセボが再来日。14日間の隔離期間を経てレース出場が可能になり、広島に姿を現した。安原監督によれば、マンセボ自らスペインの日本大使館に何度も出向いて来日の可能性を探っていたが、8月末からスポーツ選手の入国条件が緩和されたのを機に再来日を果たしたという。加えて小林海がこのレースからマトリックスパワータグの一員として参戦。戦力としてだけでなく、スペイン語圏選手とのコミュニケーション力を期待して招聘したと安原監督は語る。
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前日まで不安定な天気が続いていたという広島周辺だが、この日は雲が多めながらも秋の青空が垣間見える晴れ。前回8月末の灼熱地獄から一転して過ごしやすい気候の中でのレースとなった。
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レースは1周目から動いた。この日が誕生日の小森亮平(マトリックスパワータグ)がファーストアタックならぬバースデーアタック。しばらく独走していたが、風間翔眞(シマノレーシング)と門田祐介(ヒンカピー・リオモ・ベルマーレ・レーシングチーム)が合流して3名の逃げ集団を形成する。
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後続のメイン集団は宇都宮ブリッツェンがコントロール。その後那須ブラーゼンに代わり、1分前後の差を維持する。5周目に入り、チームブリヂストンサイクリングが集団コントロールに加わると差は40秒、30秒と縮まり始め、6周目に逃げ集団を吸収する。その後、新城雄大(キナンサイクリングチーム)、阿曽圭佑(eNShare レーシングチーム)、織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、畑中勇介(チーム右京)ら4名が先行するものの、集団コントロールを開始したマトリックスパワータグにより8周目までに吸収される。
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11周目に入ると、マンセボが強力なペースアップを図って集団の人数を一気に20名以下まで絞り込む。その中から、レオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ)と増田成幸(宇都宮ブリッツェン)の2人が抜け出して、最終周回の12周目に入っていく。後続との差は40秒まで開き、勝負はキンテロと増田の2人に絞られた。
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残り3km、展望台への登りで先手を打ったのは増田。一気に加速して振り切りにかかるが、キンテロも数秒差のまま頂上をクリアして下り区間に入っていく。キンテロは徐々に増田との差を詰め、残り300mのホームストレートに先頭で姿を現す。直後に増田も続くが、すでに踏むことをやめている。それを確認したキンテロはガッツポーズを繰り返しながらフィニッシュラインを越え、Jプロツアー初優勝。3位にマンセボが入り、マトリックスパワータグが1-3フィニッシュを達成した。
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ようやく実力を発揮したキンテロだが、その御膳立てをしたのはマンセボだ。シーズンを席巻した昨シーズンとは別のチームを見ているかのようだったマトリックスパワータグだったが、この勝利が反撃の狼煙となるか。
27日は引き続き広島森林公園ロードレースDay-2が開催される。
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Jプロツアー第10戦 広島森林公園ロードレース Day-1 結果(147.6km)
1位 | レオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ ) | 3時間43分11秒 |
2位 | 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) | +5秒 |
3位 | フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) | +28秒 |
4位 | トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム) | +32秒 |
5位 | 大前 翔(愛三工業レーシングチーム) | +41秒 |
6位 | 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) | +42秒 |
敢闘賞 門田祐介(ヒンカピー・リオモ・ベルマーレ・レーシングチーム)
中間スプリントポイント
2周回完了時 小森亮平(マトリックスパワータグ )
4周回完了時 門田祐介(ヒンカピー・リオモ・ベルマーレ・レーシングチーム)
6周回完了時 大前 翔(愛三工業レーシングチーム)
Jプロツアーリーダー 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
U23リーダー 織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)
女子は樫木祥子、E1は大町健斗が優勝
女子 樫木祥子(株式会社オーエンス)が今季3勝目を挙げた photo:Satoru Kato
E1 大町健斗(Team Eurasia-iRC TIRE)が残り1周を独走して優勝 photo:Satoru Kato
中間スプリントポイント
2周回完了時 小森亮平(マトリックスパワータグ )
4周回完了時 門田祐介(ヒンカピー・リオモ・ベルマーレ・レーシングチーム)
6周回完了時 大前 翔(愛三工業レーシングチーム)
Jプロツアーリーダー 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
U23リーダー 織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)
女子は樫木祥子、E1は大町健斗が優勝
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F(女子) 結果(86.1km)
1位 | 樫木祥子(株式会社オーエンス) | 2時間29分53秒 |
2位 | 垣田真穂(松山城南高等学校自転車競技部) | +6秒 |
3位 | 大堀博美(MOPS) | +18秒 |
E1 結果(123km)
1位 | 大町健斗(Team Eurasia-iRC TIRE) | 3時間16分18秒 |
2位 | 西本健三郎(東京都立八王子桑志高等学校) | +49秒 |
3位 | 池田渓人(VC福岡(エリート)) | +1分26秒 |
4位 | 東 優仁(VC福岡(エリート)) | +1分30秒 |
5位 | 小林 亮(ALL OUT reric) | +1分31秒 |
6位 | 檜室建斗(VC福岡(エリート)) | +1分31秒 |
E2・E3 結果(86.1km)
1位 | 鎌田晃輝(松山城南高等学校自転車競技部) | 2時間10分58秒 |
2位 | 寺澤アンドリュウ(Team Eurasia-iRC TIRE) | +0秒 |
3位 | 川勝敦嗣(MiNERVA-asahi) | +3秒 |
4位 | 村上裕二郎(松山工業高校) | +51秒 |
5位 | 藤本 怜(松山城南高等学校自転車競技部) | +2分13秒 |
6位 | 石原悠太(松山城南高等学校自転車競技部) |
text&photo:Satoru Kato
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