5日間で開催されるツール・ド・ルクセンブルク(UCI2.Pro)初日の登坂フィニッシュでディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)が今季初勝利を飾った。
ツール初日に膝を割ったフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)が早くも復帰 photo:CorVos
アルノー・デマール(フランス)やケヴィン・ジュニエ(ルクセンブルク)を揃えるグルパマFDJ photo:CorVos
ツール・ド・ルクセンブルク2020 コースマップ (c)www.skodatour.lu9月15日から19日までの5日間で開催されるツール・ド・ルクセンブルク(正式名称はシュコダ・ツール・ド・ルクセンブルク、UCI2.Pro)は、2,586㎡と神奈川県、もしくは佐賀県と同じくらいの面積を持つ小国ルクセンブルクを舞台にしたステージレース。
1935年に初開催され、シュレク兄弟やボブ・ユンゲルス(ドゥクーニンク・クイックステップ)を輩出したルクセンブルク全土を複雑に駆け巡る歴史ある同大会。最高標高が560mというルクセンブルクゆえに難関山岳が登場せず、短距離登坂が多く組み込まれるコースでは毎年登坂力に優れるパンチャーが総合上位を占めてきた。
ツール・ド・フランスと重複開催される2020年大会には、8月末の国内選手権で長年ルクセンブルクチャンピオンの座を守ったユンゲルスを下し新王者となったケヴィン・ジュニエ(ルクセンブルク、グルパマFDJ)をはじめ、好調アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)、ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)、ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ)といった面々が集結。また、ツール初日の大落車で膝を割ったフィリップ・ジルベール(ベルギー)と、同じく初日落車でタイムアウトに終わったジョン・デゲンコルプ(ドイツ)のロット・スーダルコンビが早くも戦線復帰している。
エスケープしたトニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼル)ら5名 photo:CorVos
集団を牽引するUAEチームエミレーツやグルパマFDJ photo:CorVos
ルクセンブルクの首都ルクセンブルク市北側の丘陵地帯を走り、最後は距離900m/平均勾配5.3%の勾配(2級山岳)を駆け上がってフィニッシュする133.5kmの開幕ステージでは、ゼッケン1のトニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼル)や、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンスの研修生として走るアクセル・ザングル(フランス)など5名がファーストエスケープ。
クロスカントリーMTB上がりのザングルは途中の山岳ポイントを稼ぎランキング首位に立ったものの、残り43km地点の下りコーナーでオーバースピードによってガードレール外へと転落。幸い軟着陸で怪我のなかったザングルは3分半遅れでフィニッシュし、翌日の山岳賞ジャージを決めている。
単独となっても逃げ続けたガロパンは残り10kmで吸収され、残り5kmを切ったタイミングでマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、バーレーン・マクラーレン)がメカトラによって集団離脱。フィニッシュまで駆け上がる最終登坂に突入すると、残り1km地点でディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)がアタックを繰り出した。
迫る集団を抑えて先行するディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
今期初勝利を収めたディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)と5位のジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
好調のエドゥアルド・グロス(ルーマニア、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス)を連れてリードを奪ったウリッシは、後続との距離を確認しながらグロスを先行させ、集団が背後まで迫った残り150m地点で自らスプリントを開始する。登坂で消耗した集団は目の前で逃げるウリッシを捉えきれず、ウリッシが技ありの初日ステージ優勝を達成。ジロ・デ・イタリアに向けて調子を上げる31歳が今季初勝利を掴んだ。
「良いスプリントができた。惜しいレースが続いていた中ようやく勝利を掴むことができたよ。難しくないステージだったがラスト20kmは混沌としていて、特に残り1000mはタフだったが今日は良い脚があった」と語るウリッシは、総合リーダーとして小集団スプリントが見込まれる翌日第2ステージを走ることとなる。
黄色いリーダージャージを獲得したディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos



1935年に初開催され、シュレク兄弟やボブ・ユンゲルス(ドゥクーニンク・クイックステップ)を輩出したルクセンブルク全土を複雑に駆け巡る歴史ある同大会。最高標高が560mというルクセンブルクゆえに難関山岳が登場せず、短距離登坂が多く組み込まれるコースでは毎年登坂力に優れるパンチャーが総合上位を占めてきた。
ツール・ド・フランスと重複開催される2020年大会には、8月末の国内選手権で長年ルクセンブルクチャンピオンの座を守ったユンゲルスを下し新王者となったケヴィン・ジュニエ(ルクセンブルク、グルパマFDJ)をはじめ、好調アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)、ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)、ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ)といった面々が集結。また、ツール初日の大落車で膝を割ったフィリップ・ジルベール(ベルギー)と、同じく初日落車でタイムアウトに終わったジョン・デゲンコルプ(ドイツ)のロット・スーダルコンビが早くも戦線復帰している。


ルクセンブルクの首都ルクセンブルク市北側の丘陵地帯を走り、最後は距離900m/平均勾配5.3%の勾配(2級山岳)を駆け上がってフィニッシュする133.5kmの開幕ステージでは、ゼッケン1のトニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼル)や、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンスの研修生として走るアクセル・ザングル(フランス)など5名がファーストエスケープ。
クロスカントリーMTB上がりのザングルは途中の山岳ポイントを稼ぎランキング首位に立ったものの、残り43km地点の下りコーナーでオーバースピードによってガードレール外へと転落。幸い軟着陸で怪我のなかったザングルは3分半遅れでフィニッシュし、翌日の山岳賞ジャージを決めている。
単独となっても逃げ続けたガロパンは残り10kmで吸収され、残り5kmを切ったタイミングでマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、バーレーン・マクラーレン)がメカトラによって集団離脱。フィニッシュまで駆け上がる最終登坂に突入すると、残り1km地点でディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)がアタックを繰り出した。


好調のエドゥアルド・グロス(ルーマニア、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス)を連れてリードを奪ったウリッシは、後続との距離を確認しながらグロスを先行させ、集団が背後まで迫った残り150m地点で自らスプリントを開始する。登坂で消耗した集団は目の前で逃げるウリッシを捉えきれず、ウリッシが技ありの初日ステージ優勝を達成。ジロ・デ・イタリアに向けて調子を上げる31歳が今季初勝利を掴んだ。
「良いスプリントができた。惜しいレースが続いていた中ようやく勝利を掴むことができたよ。難しくないステージだったがラスト20kmは混沌としていて、特に残り1000mはタフだったが今日は良い脚があった」と語るウリッシは、総合リーダーとして小集団スプリントが見込まれる翌日第2ステージを走ることとなる。

ツール・ド・ルクセンブルク2020第1ステージ結果
1位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 3:13:15 |
2位 | アモリ・カピオ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) | |
3位 | エドゥアルド・グロス(ルーマニア、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス) | |
4位 | ジョン・アベラストゥリ(カハルラル・セグロスRGA) | |
5位 | ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | ルイ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | |
7位 | アレクサンダー・クリーガー(ドイツ、アルペシン・フェニックス) | |
8位 | エロス・カペッキ(イタリア、バーレーン・マクラーレン) | |
9位 | マルクス・フールゴー(ノルウェー、ウノエックス・ノルウェージャンデヴェロップメントチーム) | |
10位 | ヨルディ・ワルロップ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) |
個人総合成績
1位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 3:13:02 |
2位 | アモリ・カピオ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)0:07 | 0:07 |
3位 | エドゥアルド・グロス(ルーマニア、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス) | |
4位 | ペトル・ヴァコッチ(チェコ、アルペシン・フェニックス) | 0:12 |
5位 | ジョン・アベラストゥリ(カハルラル・セグロスRGA) | 0:13 |
6位 | ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ) | |
7位 | ルイ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | |
8位 | アレクサンダー・クリーガー(ドイツ、アルペシン・フェニックス) | |
9位 | エロス・カペッキ(イタリア、バーレーン・マクラーレン) | |
10位 | マルクス・フールゴー(ノルウェー、ウノエックス・ノルウェージャンデヴェロップメントチーム) |
その他の特別賞
山岳賞 | アクセル・ザングル(フランス、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス) |
ポイント賞 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) |
ヤングライダー賞 | アレッサンドロ・フェデーリ(イタリア、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス) |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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