10のワールドチームが出場する4日間5ステージのセッティマーナ・コッピ・エ・バルタリが開幕。初日午前の集団スプリントを若干18歳の研修生オラフ・クーイ(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が制し、午後の短距離チームTTでドゥクーニンク・クイックステップが勝利。ミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)が総合首位に立っている。



第1aステージ オラフ・クーイ(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)やフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・マクラーレン)が横一線でスプリント第1aステージ オラフ・クーイ(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)やフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・マクラーレン)が横一線でスプリント photo:CorVos
第1aステージ エリートレース初勝利を挙げたオラフ・クーイ(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)第1aステージ エリートレース初勝利を挙げたオラフ・クーイ(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) photo:CorVos
イタリア中部のエミリア・ロマーニャ州を舞台にした"コッピバルタリ(正式名称セッティマーナ・インテルナツィオナーレ・コッピ・エ・バルタリ、UCI2.1)"は、1984年に初開催を迎えたステージレース。2000年に亡くなった往年の名選手ジーノ・バルタリと、彼とライバル関係にあったファウスト・コッピを讃え、2001年から現在の名称が使用されている。

開催期間は4日間だが、初日にセミタッパ(ハーフステージ)が2つ(短距離ロードレースとチームタイムトライアル)が行なわれるのが恒例だ。ツール・ド・フランスと重複するが、今年は10のワールドチームとイタリアを代表する11のプロチームが集結。スプリンターや登り系パンチャーが得意とするステージ構成であり、至近距離で行われた先日の「メモリアル・マルコパンターニ」優勝者ファビオ・フェリーネ(イタリア、アスタナ)など、イタリアレース連戦組も多く顔を揃えた(レース主催者はマルコパンターニと同じG.S.エミリア)。

登坂距離900mの2級山岳が含まれた、サンマリノ共和国とほど近い街ガッテーオの周回コースを走る97.8kmの1aステージで勝利したのは、ユンボ・ヴィズマの育成チームに所属する若干18歳のオラフ・クーイ(オランダ)だった。クーイはヨハン・ヤコブス(スイス、モビスター)の単独逃げを吸収した後の集団スプリントで、イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)やフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・マクラーレン)らワールドチーム所属選手を打破。

これまでネイションズカップなどジュニアレースで勝利を重ねてきた若きスプリンターが大舞台でエリートレース初勝利を達成している。ユンボ・ヴィズマにとってはツールのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)と合わせて1日2勝を挙げることとなった。

第1bステージ トップタイムで優勝したドゥクーニンク・クイックステップ第1bステージ トップタイムで優勝したドゥクーニンク・クイックステップ photo:CorVos
第1bステージ 区間3位のボーラ・ハンスグローエ第1bステージ 区間3位のボーラ・ハンスグローエ photo:CorVos
初日を終え総合首位に立ったミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)初日を終え総合首位に立ったミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
午後に開催された13.3kmの短距離チームタイムトライアルでトップタイムを叩き出したのはドゥクーニンク・クイックステップ。3番目スタートのボーラ・ハンスグローエが暫く暫定首位を守っていたものの、イネオス・グレナディアーズが3秒上回り、その6分後にスタートしたドゥクーニンクが平均スピード54.908km/h、タイムでイネオスを8秒上回る好走を見せ、ミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク)がリーダージャージを手に入れた。

「チームとしてこのタイムトライアルを狙っていたけれど、後続チームが全てフィニッシュしてもトップタイムを守っていたことに少し驚いたよ。110%のパワーを出して、高いチーム精神と希望を持ってこのレースに臨んだんだ。重量級選手がいないにも関わらず勝利できたことは、完璧なチームワークができた結果だと思う。昨年はツアー・オブ・グアンシーで特別賞ジャージを着たことがあるけれど、最終的に僕のものにはできなかった。総合リーダーとヤングライダーリーダーに立ったのでしっかりと好成績を狙っていきたい」と、キャリア初の総合リーダーとなったホノレは語っている。
セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ2020 第1aステージ結果
セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ2020 第1bステージ結果
1位 ドゥクーニンク・クイックステップ 14:32
2位 イネオス・グレナディアーズ 0:08
3位 ボーラ・ハンスグローエ 0:11
4位 NTTプロサイクリング 0:14
5位 ユンボ・ヴィズマ 0:17
6位 モビスター 0:18
7位 アスタナ
8位 UAEチームエミレーツ 0:19
9位 バーレーン・マクラーレン
10位 トレック・セガフレード 0:22
個人総合成績
1位 ミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) 2:22:58
2位 ジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
3位 ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)
4位 アンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)
5位 ピーター・セリー(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)
6位 マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) 0:03
7位 イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) 0:04
8位 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) 0:08
9位 ブランドン・リベラ(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)
10位 オウェイン・ドゥール(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
その他の特別賞
ポイント賞 オラフ・クーイ(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
ヤングライダー賞 ミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)
山岳賞 ヨハン・ヤコブス(スイス、モビスター)
text:So.Isobe
photo:CorVos