新城幸也(バーレーン・マクラーレン)と別府史之、岡篤志(NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス)が出走したフランスのステージレースで、フランス王者アルノー・デマール(グルパマFDJ)がステージ3勝を挙げる快進撃。個人TTで一時総合成績を落としたものの、最終日にボーナスタイムを得て逆転優勝を飾った。
第1ステージ フランス王者アルノー・デマール(グルパマFDJ)が1勝目を掴む (c)www.tour-poitou-charentes.com
4日間5ステージのツール・ド・ポワトゥー・シャラント (c)www.tour-poitou-charentes.comフランス中西部、旧ポワトー・シャラントゥ地域圏を舞台に8月27日から30日までの4日間開催されたのが「ツール・デュ・ポワトー・シャラントゥ・アン・ヌーベル・アキティーヌ」。平坦基調のステージと個人タイムトライアルで構成されたステージレースであり、大会3日目午前中に100km未満のロードレースが、午後に22.5kmの個人タイムトライアルがダブル開催される合計5ステージの戦いだ。
レースカテゴリーこそ1クラスではあるものの、今年は8のワールドチームと11のプロチーム、そしてフランスのコンチネンタルチーム2つが出場。新城幸也(バーレーン・マクラーレン)や別府史之、岡篤志(NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス)という日本人選手3名が揃ったレースを、新フランス王者に輝いたばかりのアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)が席巻することとなる。
デマールは手始めにアルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)を下してリーダージャージを獲得すると、続く第2ステージでもイバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・マクラーレン)を打破して2連勝。第3ステージこそ序盤から逃げたサンデル・アルメ(ベルギー、ロット・スーダル)の逃げ切りを許したものの、午後の個人タイムトライアルでは優勝したヨセフ・チェルニー(チェコ、CCCチーム)から21秒遅れの区間3位に留める健闘を見せる。それまで総合20位だったチェルニーが首位に躍進したものの、デマールは僅か1秒差の総合2位からスプリントフィニッシュが見込まれる最終日を狙った。
第2ステージ アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)が2日連続勝利 (c)www.tour-poitou-charentes.com
第3ステージ サンデル・アルメ(ベルギー、ロット・スーダル)が逃げ切り (c)www.tour-poitou-charentes.com
第4ステージ(個人TT) トップタイムを叩き出したヨセフ・チェルニー(チェコ、CCCチーム)が1秒差の総合首位に (c)www.tour-poitou-charentes.com
テネゼからポアティエを目指す第5ステージでは、グルパマFDJ勢が序盤の中間スプリントポイントまで逃げを許さず、ポイントを先頭通過したデマールがあっさりとバーチャルリーダーに浮上する。終盤は6日間レースのスペシャリストであるイーリョ・ケイセ(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)が残り5kmで50秒というリードを得ていたものの、グルパマFDJ列車が必死の追走で引き戻し、ラモン・シンケルダム(オランダ)、ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア)とリードアウトを繋いでデマールを発車。ガルシアを下して区間3勝目を挙げ、ダメ押しのボーナスタイム10秒を得たフランス王者が逆転総合優勝を達成した。
第5ステージ グルパマFDJが徹底コントロール (c)www.tour-poitou-charentes.com
先頭でメイン集団をけん引する新城幸也(バーレーン・マクラーレン) (c)www.tour-poitou-charentes.com
第5ステージ ダメ押しの区間3勝目を掴んだアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) (c)www.tour-poitou-charentes.com
「正直今日勝てるとは思っていなかったけれど、タフな展開にケイセはもう脚が残っていなかったようだ。異常な8月の締めくくりにこうして勝利できるなんて素晴らしい」と語ったデマール。今年序盤のUAEツアーではロックダウンによりホテルに閉じ込められ、レース休止期間中にMTBで舟状骨骨折など不運につきまとわれていたが、レース再開後はミラノ〜トリノを皮切りに連勝街道を爆走中。今回の勝利でキャリア通算勝利数も70に乗せている。
日本勢は、ガルシアのアシストとして集団牽引役を担った新城が総合52位、別府が84位、岡は110位で4日間5ステージのレースを終了。
新城は「チームは集団スプリントをコルティナで狙う作戦だったので、出来るだけ、少ない人数での逃げにしたかったが、逃げた5人が脚が揃っていて、捕まえるのも大変で164kmのステージで14km地点のボーナスポイント以降、休んだ記憶がないほど、全力でステージを駆け抜けました。残念なことにコルティナは2位だった。アシストの仕事が報われるのは、エースが勝った時。それがロードレースだしね。別府さんと久しぶりに走れて楽しかった。やっぱり、集団に同じ国の選手が要るのは気分が違うよね。チェコからワロン、プルエーにポワトゥーと怒涛のレース1ヶ月だった。個人の成績は残せなかったが、脚の調子良さを確認出来たのは、何よりもの収穫。タイで乗り込みができていたおかげだ。引き続き、頑張ってきます」とコメントしている。
最終日に落車に巻き込まれた岡は「個人的な感想としては、力も経験も足りず、出来た仕事は多くなかったが、素晴らしいチームメイトや監督のお陰で、苦しくも充実した4日間だった。コンデションも満足の行くものではなかったが、何とか最後まで乗り切れたので次に繋がるレースになったと思いたい。4日間で800km近く走り、怪我もしたので少々休んでから再スタートします。ありがとうございました」と自身のブログで振り返った。


レースカテゴリーこそ1クラスではあるものの、今年は8のワールドチームと11のプロチーム、そしてフランスのコンチネンタルチーム2つが出場。新城幸也(バーレーン・マクラーレン)や別府史之、岡篤志(NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス)という日本人選手3名が揃ったレースを、新フランス王者に輝いたばかりのアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)が席巻することとなる。
デマールは手始めにアルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)を下してリーダージャージを獲得すると、続く第2ステージでもイバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・マクラーレン)を打破して2連勝。第3ステージこそ序盤から逃げたサンデル・アルメ(ベルギー、ロット・スーダル)の逃げ切りを許したものの、午後の個人タイムトライアルでは優勝したヨセフ・チェルニー(チェコ、CCCチーム)から21秒遅れの区間3位に留める健闘を見せる。それまで総合20位だったチェルニーが首位に躍進したものの、デマールは僅か1秒差の総合2位からスプリントフィニッシュが見込まれる最終日を狙った。



テネゼからポアティエを目指す第5ステージでは、グルパマFDJ勢が序盤の中間スプリントポイントまで逃げを許さず、ポイントを先頭通過したデマールがあっさりとバーチャルリーダーに浮上する。終盤は6日間レースのスペシャリストであるイーリョ・ケイセ(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)が残り5kmで50秒というリードを得ていたものの、グルパマFDJ列車が必死の追走で引き戻し、ラモン・シンケルダム(オランダ)、ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア)とリードアウトを繋いでデマールを発車。ガルシアを下して区間3勝目を挙げ、ダメ押しのボーナスタイム10秒を得たフランス王者が逆転総合優勝を達成した。



「正直今日勝てるとは思っていなかったけれど、タフな展開にケイセはもう脚が残っていなかったようだ。異常な8月の締めくくりにこうして勝利できるなんて素晴らしい」と語ったデマール。今年序盤のUAEツアーではロックダウンによりホテルに閉じ込められ、レース休止期間中にMTBで舟状骨骨折など不運につきまとわれていたが、レース再開後はミラノ〜トリノを皮切りに連勝街道を爆走中。今回の勝利でキャリア通算勝利数も70に乗せている。
日本勢は、ガルシアのアシストとして集団牽引役を担った新城が総合52位、別府が84位、岡は110位で4日間5ステージのレースを終了。
新城は「チームは集団スプリントをコルティナで狙う作戦だったので、出来るだけ、少ない人数での逃げにしたかったが、逃げた5人が脚が揃っていて、捕まえるのも大変で164kmのステージで14km地点のボーナスポイント以降、休んだ記憶がないほど、全力でステージを駆け抜けました。残念なことにコルティナは2位だった。アシストの仕事が報われるのは、エースが勝った時。それがロードレースだしね。別府さんと久しぶりに走れて楽しかった。やっぱり、集団に同じ国の選手が要るのは気分が違うよね。チェコからワロン、プルエーにポワトゥーと怒涛のレース1ヶ月だった。個人の成績は残せなかったが、脚の調子良さを確認出来たのは、何よりもの収穫。タイで乗り込みができていたおかげだ。引き続き、頑張ってきます」とコメントしている。
最終日に落車に巻き込まれた岡は「個人的な感想としては、力も経験も足りず、出来た仕事は多くなかったが、素晴らしいチームメイトや監督のお陰で、苦しくも充実した4日間だった。コンデションも満足の行くものではなかったが、何とか最後まで乗り切れたので次に繋がるレースになったと思いたい。4日間で800km近く走り、怪我もしたので少々休んでから再スタートします。ありがとうございました」と自身のブログで振り返った。
第1ステージ結果 モントモロー~ロアイヤン(199.9km)
1位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 4:59:58 |
2位 | アルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
3位 | アレクサンダー・クリーガー(ドイツ、アルペシン・フェニックス) | |
4位 | アッティリオ・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス) | |
5位 | アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、AG2Rラモンディアール) |
第2ステージ結果 ロアイヤン~エシレ(186.3km)
1位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 4:07:43 |
2位 | イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・マクラーレン) | |
3位 | アレクサンダー・クリーガー(ドイツ、アルペシン・フェニックス) | |
4位 | ルカ・モザト(イタリア、B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト) | |
5位 | トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・スーダル) |
第3ステージ結果 シャッスヌイユ・デュ・ポワト~ジョネイ マリニー(97.9km)
1位 | サンデル・アルメ(ベルギー、ロット・スーダル) | 2:11:13 |
2位 | ルカ・モザト(イタリア、B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト) | +0:03 |
3位 | アルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
4位 | ピエール・バルビエ(フランス、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス) | |
5位 | ロレンゾ・マンザン(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) |
第4ステージ (ITT)結果 フュテュロスコープ~ジョネイ マリニー(22.5km)
1位 | ヨセフ・チェルニー(チェコ、CCCチーム) | 26:01 |
2位 | アレクシー・グジャール(フランス、AG2Rラモンディアール) | +0:17 |
3位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | +0:21 |
4位 | ジョセフ・ロスコフ(アメリカ、CCCチーム) | +0:25 |
5位 | バンジャマン・トマ(フランス、グルパマFDJ) | +0:26 |
第5ステージ結果 テネゼ~ポアティエ(164.6km)
1位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 3:34:13 |
2位 | イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・マクラーレン) | |
3位 | アレクサンダー・クリーガー(ドイツ、アルペシン・フェニックス) | |
4位 | トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・スーダル) | |
5位 | シルヴァン・ディリエ(スイス、AG2Rラモンディアール) |
個人総合成績
1位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 15:18:59 |
2位 | ヨセフ・チェルニー(チェコ、CCCチーム) | +0:12 |
3位 | ジョセフ・ロスコフ(アメリカ、CCCチーム) | +0:32 |
4位 | ティボー・ゲルナレック(フランス、チーム アルケア・サムシック) | +0:39 |
5位 | アレクシー・グジャール(フランス、AG2Rラモンディアール) | +0:45 |
52位 | 新城幸也(バーレーン・マクラーレン) | +4:14 |
84位 | 別府史之(NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス) | +9:41 |
110位 | 岡篤志(NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス) | +20:22 |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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