2020/08/26(水) - 18:00
急ぎ足でピレネー山脈まで駆け抜けたツール・ド・フランスは、休息日を経てフランス西部で再始動。風に注意が必要な平坦ステージや、中央山塊とジュラ山脈の山頂フィニッシュが登場する大会2週目をプレビューします(3週目はこちら)。
9月8日(火)第10ステージ → コースマップ
ル・シャトー=ドレロン〜サンマルタン=ド=レ 168.5km
2020年ツール・ド・フランス第2週は、今大会唯一カテゴリー山岳が設定されないど平坦ステージからスタート。オレロン島から全長3,027mのオレロン島橋を渡って一旦フランス本土に渡り、海岸線やスードル川が作り出した平原を走り、全長2,926mのレ島橋を渡ってレ島へ。今大会最も平坦なステージは、今大会最も海を間近に感じるステージになる。
注目はやはり海風。大西洋に面した一帯がセーリングボートやウィンドサーフィンの盛んな地であることからも分かるように、常に海風が吹き付けている。本土と島を結ぶ橋はもちろんのこと、少し内陸の平坦路であっても海風の脅威にさらされる。風が吹けば常に横風警報発令。繰り返しになるが、山岳ステージで1秒を削り取るクライマーが、平坦ステージで1分を失うことだって十分に考えられる。
サンマルタン=ド=レのフィニッシュ地点ではスプリンターの活躍が予想される。問題はトップと同タイムでフィニッシュする集団の人数は何人か。ちなみに大会主催者はこの日の平均スピードを45km/h前後と見積もってスケジュールを組んでいる。
カテゴリー山岳とスプリントポイント
132.5km地点 スプリントポイント
9月9日(水)第11ステージ → コースマップ
シャトライヨン=プラージュ〜ポアティエ 167.5km
大西洋に別れを告げて、一行は中央山塊とジュラ山脈、アルプス山脈、ヴォージュ山脈に向けて東進を開始。中盤に4級山岳が一つ設定されているものの、ほぼ真っ平らなステージであると言える。マレ・ポワトヴァン地方自然公園を通過するステージ前半はもちろん風に注意が必要。
スプリンターたちのスピードを弱める要素は組み込まれておらず、今大会最も平穏な1日になる可能性が高い。26年ぶりの登場となるポワティエのフィニッシュレイアウトの中で注意したいのは、残り3.4km地点の直角コーナー&橋の組み合わせと、残り3kmから始まる距離600m・4%の緩斜面ぐらい。残り1.6km地点で最終コーナーを曲がると、道幅7.5mの直線路がフィニッシュラインまで続いている。
次にスプリンターにチャンスが回ってくるのは9日後の第19ステージ。それだけにスプリンターチームは正確に逃げグループとの間合いを図り、終盤にかけてリードアウトトレインの隊列を組むはずだ。
カテゴリー山岳とスプリントポイント
91km地点 4級山岳シェルヴー峠(距離1.1km・平均4.4%)
108km地点 スプリントポイント
9月10日(木)第12ステージ → コースマップ
ショヴィニー〜サラン 218km
今大会最長218kmコースには細かいアップダウンが詰め込まれている。しかも終盤にかけてアップダウンの上下量は大きくなり、登場するカテゴリー山岳の難易度も4級、4級、3級、2級と右肩上がり。通過する一帯がミルヴァッシュ・アン・リムーザン自然公園に含まれていることからも分かるように、2012年に新城幸也(現バーレーン・マクラーレン)が総合優勝を飾ったツール・デュ・リムーザンの開催地である。
とにかくアップダウンとワインディングの連続で、最も勾配のある最後の2級山岳シュク・オ・メイの頂上にはボーナスポイントが設定されている。フィニッシュラインが引かれた人口275人の田舎町サランに向かう道も登り勾配であり、スプリンターチームが積極的に状況をコントロールする展開にはならないだろう。まさに『逃げ屋』のためにデザインされたステージだ。
すでに総合争いから脱落したオールラウンダーを含め、短い登りを得意とするパンチャーたちが大逃げを狙って序盤から動くだろう。終盤のアップダウンでは逃げグループ内のステージ優勝争いとメイン集団ないのマイヨジョーヌ争いが同時進行で繰り広げられるはず。実際に前回サランの町がツールに登場した2001年大会の第16ステージでは、メイン集団に25分45秒ものタイム差をつけた7名が逃げ切っている(ステージ優勝はフォイクト)。
カテゴリー山岳とスプリントポイント
51km地点 スプリントポイント
104.5km地点 4級山岳サンマルタン=テレシュ峠(距離1.5km・平均8.8%)
121.5km地点 4級山岳エイブールフ峠(距離2.8km・平均5.2%)
177.5km地点 3級山岳ラ・クロワ・デュ・ペイ峠(距離4.8km・平均6%)
192.5km地点 ボーナスポイント/2級山岳シュク・オ・メイ(距離3.8km・平均7.7%)
9月11日(金)第13ステージ → コースマップ
シャテル=ギヨン〜ピュイマリー 191.5km
1週間ぶりにツールが中央山塊にアタック。アルプス山脈やピレネー山脈のような標高のインパクトはないが、登りと下りしかないような『ノコギリ型』のコースプロフィールの難易度は高い。何しろ191.5kmのステージには今大会最も多い7つものカテゴリー山岳が散りばめられた。そしてその獲得標高差は今大会最大の4,400mにおよぶ。
1級山岳セサット峠を皮切りに、標高1,500m〜2,000m級の休火山や死火山が点在するヴォルカン・ドヴェルニュ自然公園に足を踏み入れると、後はフィニッシュまで平坦区間がない。残り31.5kmから先はひたすら標高1,589mのフィニッシュまで登り。まずはボーナスポイントが設定された急勾配の2級山岳ネロンヌ峠をクリアし、そこから短い平地&下りを挟んで最大勾配が15%に達する1級山岳パ・ド・ペイロル/ピュイマリーを駆け上がらないといけない。
ツール11回目の登場となるが、フィニッシュ地点としては初登場となる1級山岳パ・ド・ペイロル/ピュイマリー。近年の通過ステージを見ると、2004年にリシャール・ヴィランクがステージ優勝&マイヨアポワ獲得、2011年にトマ・ヴォクレールがステージ優勝&マイヨジョーヌ獲得、2016年にグレッグ・ファンアーヴェルマートがステージ優勝&マイヨジョーヌ獲得を果たしている。残り2.4km地点から常に12%前後の勾配を刻むこの登りで、総合優勝狙いのビッグネームがマイヨジョーヌを取りに来る。
カテゴリー山岳とスプリントポイント
36km地点 1級山岳セサット峠(距離10.2km・平均6.1%)
63.5km地点 3級山岳ゲリー峠(距離7.8km・平均5%)
85.5km地点 2級山岳モンテ・ド・ラ・ステル(距離6.8km・平均5.7%)
111km地点 スプリントポイント
130.5km地点 3級山岳レスティアード峠(距離3.7km・平均6.9%)
157km地点 3級山岳アングラール=ド=サレ峠(距離3.5km・平均6.9%)
180.5km地点 ボーナスポイント/2級山岳ネロンヌ峠(距離3.8km・平均9.1%)
191.5km地点 1級山岳ピュイマリー(距離5.4km・平均8.1%・最大15%)
9月12日(土)第14ステージ → コースマップ
クレルモン・フェラン〜リヨン 194km
連日レース時間が5時間を超えるロングステージが続き、この日も194kmの長丁場。しかし直前の2日間と比べるとステージの難易度は低い。とは言え単純なスプリントステージにはならない仕掛けが終盤に設定されている。
標高1,390mの2級山岳ベアル峠を含むステージ前半の山岳地帯と、カテゴリーのついていない標高800m前後のステージ後半の連続峠は、スプリンターでも問題なくクリアできるはず。それよりも、残り11kmを切ってから始まるラ・デュシェール峠とラ・クロワルース峠という2連続4級山岳でのアタックをスプリンターチームは封じ込めることができるかどうか。いずれにしても体重のあるピュアスプリンターよりも軽量な登れるスプリンター向きのレイアウトだ。
ちなみにラ・デュシェール峠とラ・クロワルース峠を経てリヨンにフィニッシュするレイアウトは2013年第14ステージにも登場しており、登りアタックを封じ込めた逃げ集団内のスプリントでマッテオ・トレンティンが勝利している。しかし今年は当時よりもフィニッシュ手前の平坦区間が5kmほど短いため、登りアタックが決まりやすいと言える。
カテゴリー山岳とスプリントポイント
32km地点 4級山岳シャトー・ドルトリーブ峠(距離1km・平均8.4%)
38km地点 スプリントポイント
68.5km地点 2級山岳ベアル峠(距離10.2km・平均5.6%)
93km地点 3級山岳クロー峠(距離4km・平均5.7%)
184.5km地点 4級山岳ラ・デュシェール峠(距離1.4km・平均5.6%)
189.5km地点 4級山岳ラ・クロワルース峠(距離1.4km・平均4.8%)
9月13日(日)第15ステージ → コースマップ
リヨン〜グラン・コロンビエール 174.5km
大会2週目の最後に、ジュラ山脈が誇る標高1,501mの超級山岳グラン・コロンビエールが登場する。ステージ前半はほぼ真っ平らだが、マイヨヴェール狙いのスプリンターが58km地点のスプリントポイントを狙うことが予想されるため、逃げグループ形成には時間を要しそうだ。
スタートから100km近く走って最初に挑むのは1級山岳セル・ド・フロマンタル。グランコロンビエール山を西側から登るこの1級山岳はとにかく勾配がキツく、頂上手前には22%の激坂区間が登場する。そこから平均勾配8.9%という1級山岳ラ・ビッシュ峠をこなしてグランコロンビエール山の東側に下りるのだが、この時点でメイン集団は20名前後に絞られているだろう。
そしてフィニッシュまで17.4kmを切ったところで超級山岳グラン・コロンビエールの長い登りが始まる。4回目にしてフィニッシュ地点としては初登場となるこの名峰は、登坂距離17.4km・平均勾配7.1%という過酷さ。平坦区間を含むため体感的には平均8〜9%で、12%の急勾配区間も連発する。今大会最初の超級山岳フィニッシュ。逃げも隠れもできない、力と力がぶつかり合うマイヨジョーヌ争いに注目だ。
なお、選手たちは8月9日のツール・ド・ラン第3ステージでこの3連続峠を含む後半100kmを走っており、チームイネオスとユンボ・ヴィスマのバトルの末、プリモシュ・ログリッチがエガン・ベルナルを下している。
カテゴリー山岳とスプリントポイント
58km地点 スプリントポイント
111km地点 1級山岳セル・ド・フロマンタル(距離11.1km・平均8.1%・最大22%)
129km地点 1級山岳ラ・ビッシュ峠(距離6.9km・平均8.9%)
174.5km地点 超級山岳グラン・コロンビエール(距離17.4km・平均7.1%)
9月14日(火)休息日
text:Kei Tsuji in Nice, France
9月8日(火)第10ステージ → コースマップ
ル・シャトー=ドレロン〜サンマルタン=ド=レ 168.5km
2020年ツール・ド・フランス第2週は、今大会唯一カテゴリー山岳が設定されないど平坦ステージからスタート。オレロン島から全長3,027mのオレロン島橋を渡って一旦フランス本土に渡り、海岸線やスードル川が作り出した平原を走り、全長2,926mのレ島橋を渡ってレ島へ。今大会最も平坦なステージは、今大会最も海を間近に感じるステージになる。
注目はやはり海風。大西洋に面した一帯がセーリングボートやウィンドサーフィンの盛んな地であることからも分かるように、常に海風が吹き付けている。本土と島を結ぶ橋はもちろんのこと、少し内陸の平坦路であっても海風の脅威にさらされる。風が吹けば常に横風警報発令。繰り返しになるが、山岳ステージで1秒を削り取るクライマーが、平坦ステージで1分を失うことだって十分に考えられる。
サンマルタン=ド=レのフィニッシュ地点ではスプリンターの活躍が予想される。問題はトップと同タイムでフィニッシュする集団の人数は何人か。ちなみに大会主催者はこの日の平均スピードを45km/h前後と見積もってスケジュールを組んでいる。
カテゴリー山岳とスプリントポイント
132.5km地点 スプリントポイント
9月9日(水)第11ステージ → コースマップ
シャトライヨン=プラージュ〜ポアティエ 167.5km
大西洋に別れを告げて、一行は中央山塊とジュラ山脈、アルプス山脈、ヴォージュ山脈に向けて東進を開始。中盤に4級山岳が一つ設定されているものの、ほぼ真っ平らなステージであると言える。マレ・ポワトヴァン地方自然公園を通過するステージ前半はもちろん風に注意が必要。
スプリンターたちのスピードを弱める要素は組み込まれておらず、今大会最も平穏な1日になる可能性が高い。26年ぶりの登場となるポワティエのフィニッシュレイアウトの中で注意したいのは、残り3.4km地点の直角コーナー&橋の組み合わせと、残り3kmから始まる距離600m・4%の緩斜面ぐらい。残り1.6km地点で最終コーナーを曲がると、道幅7.5mの直線路がフィニッシュラインまで続いている。
次にスプリンターにチャンスが回ってくるのは9日後の第19ステージ。それだけにスプリンターチームは正確に逃げグループとの間合いを図り、終盤にかけてリードアウトトレインの隊列を組むはずだ。
カテゴリー山岳とスプリントポイント
91km地点 4級山岳シェルヴー峠(距離1.1km・平均4.4%)
108km地点 スプリントポイント
9月10日(木)第12ステージ → コースマップ
ショヴィニー〜サラン 218km
今大会最長218kmコースには細かいアップダウンが詰め込まれている。しかも終盤にかけてアップダウンの上下量は大きくなり、登場するカテゴリー山岳の難易度も4級、4級、3級、2級と右肩上がり。通過する一帯がミルヴァッシュ・アン・リムーザン自然公園に含まれていることからも分かるように、2012年に新城幸也(現バーレーン・マクラーレン)が総合優勝を飾ったツール・デュ・リムーザンの開催地である。
とにかくアップダウンとワインディングの連続で、最も勾配のある最後の2級山岳シュク・オ・メイの頂上にはボーナスポイントが設定されている。フィニッシュラインが引かれた人口275人の田舎町サランに向かう道も登り勾配であり、スプリンターチームが積極的に状況をコントロールする展開にはならないだろう。まさに『逃げ屋』のためにデザインされたステージだ。
すでに総合争いから脱落したオールラウンダーを含め、短い登りを得意とするパンチャーたちが大逃げを狙って序盤から動くだろう。終盤のアップダウンでは逃げグループ内のステージ優勝争いとメイン集団ないのマイヨジョーヌ争いが同時進行で繰り広げられるはず。実際に前回サランの町がツールに登場した2001年大会の第16ステージでは、メイン集団に25分45秒ものタイム差をつけた7名が逃げ切っている(ステージ優勝はフォイクト)。
カテゴリー山岳とスプリントポイント
51km地点 スプリントポイント
104.5km地点 4級山岳サンマルタン=テレシュ峠(距離1.5km・平均8.8%)
121.5km地点 4級山岳エイブールフ峠(距離2.8km・平均5.2%)
177.5km地点 3級山岳ラ・クロワ・デュ・ペイ峠(距離4.8km・平均6%)
192.5km地点 ボーナスポイント/2級山岳シュク・オ・メイ(距離3.8km・平均7.7%)
9月11日(金)第13ステージ → コースマップ
シャテル=ギヨン〜ピュイマリー 191.5km
1週間ぶりにツールが中央山塊にアタック。アルプス山脈やピレネー山脈のような標高のインパクトはないが、登りと下りしかないような『ノコギリ型』のコースプロフィールの難易度は高い。何しろ191.5kmのステージには今大会最も多い7つものカテゴリー山岳が散りばめられた。そしてその獲得標高差は今大会最大の4,400mにおよぶ。
1級山岳セサット峠を皮切りに、標高1,500m〜2,000m級の休火山や死火山が点在するヴォルカン・ドヴェルニュ自然公園に足を踏み入れると、後はフィニッシュまで平坦区間がない。残り31.5kmから先はひたすら標高1,589mのフィニッシュまで登り。まずはボーナスポイントが設定された急勾配の2級山岳ネロンヌ峠をクリアし、そこから短い平地&下りを挟んで最大勾配が15%に達する1級山岳パ・ド・ペイロル/ピュイマリーを駆け上がらないといけない。
ツール11回目の登場となるが、フィニッシュ地点としては初登場となる1級山岳パ・ド・ペイロル/ピュイマリー。近年の通過ステージを見ると、2004年にリシャール・ヴィランクがステージ優勝&マイヨアポワ獲得、2011年にトマ・ヴォクレールがステージ優勝&マイヨジョーヌ獲得、2016年にグレッグ・ファンアーヴェルマートがステージ優勝&マイヨジョーヌ獲得を果たしている。残り2.4km地点から常に12%前後の勾配を刻むこの登りで、総合優勝狙いのビッグネームがマイヨジョーヌを取りに来る。
カテゴリー山岳とスプリントポイント
36km地点 1級山岳セサット峠(距離10.2km・平均6.1%)
63.5km地点 3級山岳ゲリー峠(距離7.8km・平均5%)
85.5km地点 2級山岳モンテ・ド・ラ・ステル(距離6.8km・平均5.7%)
111km地点 スプリントポイント
130.5km地点 3級山岳レスティアード峠(距離3.7km・平均6.9%)
157km地点 3級山岳アングラール=ド=サレ峠(距離3.5km・平均6.9%)
180.5km地点 ボーナスポイント/2級山岳ネロンヌ峠(距離3.8km・平均9.1%)
191.5km地点 1級山岳ピュイマリー(距離5.4km・平均8.1%・最大15%)
9月12日(土)第14ステージ → コースマップ
クレルモン・フェラン〜リヨン 194km
連日レース時間が5時間を超えるロングステージが続き、この日も194kmの長丁場。しかし直前の2日間と比べるとステージの難易度は低い。とは言え単純なスプリントステージにはならない仕掛けが終盤に設定されている。
標高1,390mの2級山岳ベアル峠を含むステージ前半の山岳地帯と、カテゴリーのついていない標高800m前後のステージ後半の連続峠は、スプリンターでも問題なくクリアできるはず。それよりも、残り11kmを切ってから始まるラ・デュシェール峠とラ・クロワルース峠という2連続4級山岳でのアタックをスプリンターチームは封じ込めることができるかどうか。いずれにしても体重のあるピュアスプリンターよりも軽量な登れるスプリンター向きのレイアウトだ。
ちなみにラ・デュシェール峠とラ・クロワルース峠を経てリヨンにフィニッシュするレイアウトは2013年第14ステージにも登場しており、登りアタックを封じ込めた逃げ集団内のスプリントでマッテオ・トレンティンが勝利している。しかし今年は当時よりもフィニッシュ手前の平坦区間が5kmほど短いため、登りアタックが決まりやすいと言える。
カテゴリー山岳とスプリントポイント
32km地点 4級山岳シャトー・ドルトリーブ峠(距離1km・平均8.4%)
38km地点 スプリントポイント
68.5km地点 2級山岳ベアル峠(距離10.2km・平均5.6%)
93km地点 3級山岳クロー峠(距離4km・平均5.7%)
184.5km地点 4級山岳ラ・デュシェール峠(距離1.4km・平均5.6%)
189.5km地点 4級山岳ラ・クロワルース峠(距離1.4km・平均4.8%)
9月13日(日)第15ステージ → コースマップ
リヨン〜グラン・コロンビエール 174.5km
大会2週目の最後に、ジュラ山脈が誇る標高1,501mの超級山岳グラン・コロンビエールが登場する。ステージ前半はほぼ真っ平らだが、マイヨヴェール狙いのスプリンターが58km地点のスプリントポイントを狙うことが予想されるため、逃げグループ形成には時間を要しそうだ。
スタートから100km近く走って最初に挑むのは1級山岳セル・ド・フロマンタル。グランコロンビエール山を西側から登るこの1級山岳はとにかく勾配がキツく、頂上手前には22%の激坂区間が登場する。そこから平均勾配8.9%という1級山岳ラ・ビッシュ峠をこなしてグランコロンビエール山の東側に下りるのだが、この時点でメイン集団は20名前後に絞られているだろう。
そしてフィニッシュまで17.4kmを切ったところで超級山岳グラン・コロンビエールの長い登りが始まる。4回目にしてフィニッシュ地点としては初登場となるこの名峰は、登坂距離17.4km・平均勾配7.1%という過酷さ。平坦区間を含むため体感的には平均8〜9%で、12%の急勾配区間も連発する。今大会最初の超級山岳フィニッシュ。逃げも隠れもできない、力と力がぶつかり合うマイヨジョーヌ争いに注目だ。
なお、選手たちは8月9日のツール・ド・ラン第3ステージでこの3連続峠を含む後半100kmを走っており、チームイネオスとユンボ・ヴィスマのバトルの末、プリモシュ・ログリッチがエガン・ベルナルを下している。
カテゴリー山岳とスプリントポイント
58km地点 スプリントポイント
111km地点 1級山岳セル・ド・フロマンタル(距離11.1km・平均8.1%・最大22%)
129km地点 1級山岳ラ・ビッシュ峠(距離6.9km・平均8.9%)
174.5km地点 超級山岳グラン・コロンビエール(距離17.4km・平均7.1%)
9月14日(火)休息日
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