ツール・ド・ワロニー最終日となる第4ステージは、残り10km地点の登りをクリアしたアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)がフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)とのスプリント勝負に競り勝ち、ステージ2勝目とともに総合優勝にも輝いた。
リーダージャージ姿でスタートを待つアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) (c)CorVos
ステージが進むにつれ過酷さを増していくツール・ド・ワロニー(UCI2.Pro)最終日の第4ステージ。7つのカテゴリー山岳を含む199kmの難コースは、残り10km地点のコート・ド・ベフェ(1.6km/平均勾配8.5%)がスプリンターたちの登坂力を試す、サバイバルなレースになった。
逃げ集団に最後まで残ったのは、スタン・デウルフ(ベルギー、ロット・スーダル)、アンドレアス・クローン(デンマーク、リワル・レディーネス サイクリングチーム)、ゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)、ディラン・サンダーランド(オーストラリア、NTTプロサイクリング)、そして山岳賞ジャージを着用するミハウ・ゴワシュ(ポーランド、チームイネオス)の5名。
逃げ集団を引くゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
AG2Rラモンディアールやチームイネオスなどがそれぞれ選手を送り出し集団先頭を引くなか、残り23kmを過ぎた辺りからグレッグ・ファンアーヴェルマート(べルギー)で勝利を狙うCCCチームが選手を集め、本格的にコントロールを始める。
残り10km地点から始まるコート・ド・ベフェ(1.6km/平均勾配8.5%)が迫ると各チームが先頭で位置取りを始め、スピードの上がったメイン集団は逃げを吸収。10%の勾配に突入したところで集団先頭に立ったルーク・ロウが急激にペースを上げると、ひとまとまりだったメイン集団が一瞬にして崩壊した。
早々に集団から遅れるマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、バーレーン・マクラーレン) (c)CorVos
危険な走行をする選手に声を荒げるシーンも見せた新城幸也(バーレーン・マクラーレン) (c)CorVos
下りを使い集団から飛び出すジョナタン・ナルバエス(エクアドル、チームイネオス) (c)CorVos
登りで有力スプリンターたちを置き去りにしようと、スプリントを嫌う選手たちがアタックを試みるも決まらない。だがコート・ド・ベフェ頂上からの下りを利用しジョナタン・ナルバエス(エクアドル、チームイネオス)が飛び出すと、集団とギャップを生み出すことに成功する。
単独のナルバエスを追う集団は平坦区間で再び人数を揃え、登りで遅れを取ったリーダージャージを着用したアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)もアシストの力で集団に復帰。そのままグルパマFDJが先頭に立ちナルバエスを追う展開に。
ジルベールとのスプリントを制したアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) (c)CorVos
一時は20秒差をつけたナルバエスだったが、フィニッシュラインまで500mと迫ったところで吸収。残り300mから大きく右に曲がると、集団内で息を潜めていたフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)が大外から飛び出し、その後をデマール、ファンアーヴェルマートが追う。最後はデマールがスプリントで差し込み、2日目に続くステージ2勝目と、総合優勝リーダージャージを守り抜いた。
「いまの脚があれば限界はない。とても強いチームがいるのでなおさらだ。週明け(レース開催時)はまさか総合優勝できるなんて思ってもいなかったが、チームがとても強かったので勝つことができた。第2ステージを勝っていたから、思い切り行くことができた。ボーナスタイムが今日のアドバンテージにもなった。この二日間のコースでは、登りの後の数キロ(の平坦区間)があったおかげで(集団先頭に)戻ってくることができたんだ」と話すデマールは、予定しているジロ・デ・イタリアへの弾みをつけた。
ステージ2勝を上げリーダージャージを守ったアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) (c)CorVos
総合優勝したデマールはポイント賞も獲得し、山岳賞は2日連続逃げに乗ったゴワシュがキープ、ヤングライダー賞にはこの日の終盤に飛び出したナルバエスが輝いている。
レース終盤に集団先頭で位置取りする働きを見せた新城幸也(バーレーン・マクラーレン)は、この日トップから2分24秒遅れの51位で4日間のレースを終えている。

ステージが進むにつれ過酷さを増していくツール・ド・ワロニー(UCI2.Pro)最終日の第4ステージ。7つのカテゴリー山岳を含む199kmの難コースは、残り10km地点のコート・ド・ベフェ(1.6km/平均勾配8.5%)がスプリンターたちの登坂力を試す、サバイバルなレースになった。
逃げ集団に最後まで残ったのは、スタン・デウルフ(ベルギー、ロット・スーダル)、アンドレアス・クローン(デンマーク、リワル・レディーネス サイクリングチーム)、ゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)、ディラン・サンダーランド(オーストラリア、NTTプロサイクリング)、そして山岳賞ジャージを着用するミハウ・ゴワシュ(ポーランド、チームイネオス)の5名。

AG2Rラモンディアールやチームイネオスなどがそれぞれ選手を送り出し集団先頭を引くなか、残り23kmを過ぎた辺りからグレッグ・ファンアーヴェルマート(べルギー)で勝利を狙うCCCチームが選手を集め、本格的にコントロールを始める。
残り10km地点から始まるコート・ド・ベフェ(1.6km/平均勾配8.5%)が迫ると各チームが先頭で位置取りを始め、スピードの上がったメイン集団は逃げを吸収。10%の勾配に突入したところで集団先頭に立ったルーク・ロウが急激にペースを上げると、ひとまとまりだったメイン集団が一瞬にして崩壊した。



登りで有力スプリンターたちを置き去りにしようと、スプリントを嫌う選手たちがアタックを試みるも決まらない。だがコート・ド・ベフェ頂上からの下りを利用しジョナタン・ナルバエス(エクアドル、チームイネオス)が飛び出すと、集団とギャップを生み出すことに成功する。
単独のナルバエスを追う集団は平坦区間で再び人数を揃え、登りで遅れを取ったリーダージャージを着用したアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)もアシストの力で集団に復帰。そのままグルパマFDJが先頭に立ちナルバエスを追う展開に。

一時は20秒差をつけたナルバエスだったが、フィニッシュラインまで500mと迫ったところで吸収。残り300mから大きく右に曲がると、集団内で息を潜めていたフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)が大外から飛び出し、その後をデマール、ファンアーヴェルマートが追う。最後はデマールがスプリントで差し込み、2日目に続くステージ2勝目と、総合優勝リーダージャージを守り抜いた。
「いまの脚があれば限界はない。とても強いチームがいるのでなおさらだ。週明け(レース開催時)はまさか総合優勝できるなんて思ってもいなかったが、チームがとても強かったので勝つことができた。第2ステージを勝っていたから、思い切り行くことができた。ボーナスタイムが今日のアドバンテージにもなった。この二日間のコースでは、登りの後の数キロ(の平坦区間)があったおかげで(集団先頭に)戻ってくることができたんだ」と話すデマールは、予定しているジロ・デ・イタリアへの弾みをつけた。

総合優勝したデマールはポイント賞も獲得し、山岳賞は2日連続逃げに乗ったゴワシュがキープ、ヤングライダー賞にはこの日の終盤に飛び出したナルバエスが輝いている。
レース終盤に集団先頭で位置取りする働きを見せた新城幸也(バーレーン・マクラーレン)は、この日トップから2分24秒遅れの51位で4日間のレースを終えている。
ツール・ド・ワロニー2020 第4ステージ結果
1位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 4:51:33 |
2位 | フィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル) | |
3位 | グレッグ・ファンアーヴェルマート(べルギー、CCCチーム) | |
4位 | クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、AG2Rラモンディアール) | |
5位 | ジャスパー・デブイスト(ベルギー、ロット・スーダル) | |
6位 | アモリ・カピオ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) | |
7位 | フロリアン・セネシャル(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
8位 | アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、AG2Rラモンディアール) | |
9位 | ロメン・アルディ(フランス、アルケア・サムシック) | 0:04 |
10位 | ブライアン・コカール(フランス、B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト) |
個人総合成績
1位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 17:48:51 |
2位 | グレッグ・ファンアーヴェルマート(べルギー、CCCチーム) | 0:20 |
3位 | アモリ・カピオ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) | 0:25 |
4位 | フロリアン・セネシャル(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:26 |
5位 | クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、AG2Rラモンディアール) | 0:27 |
6位 | アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、AG2Rラモンディアール) | |
7位 | ジャスパー・デブイスト(ベルギー、ロット・スーダル) | |
8位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、チームイネオス) | 0:30 |
9位 | ロメン・アルディ(フランス、アルケア・サムシック) | 0:31 |
10位 | オリバー・ナーセン(ベルギー、AG2Rラモンディアール) | 0:32 |
その他の特別賞
山岳賞 | ミハウ・ゴワシュ(ポーランド、チームイネオス) |
ポイント賞 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) |
ヤングライダー賞 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、チームイネオス) |
チーム総合成績 | AG2Rラモンディアール |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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