ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ)が初勝利を掴んだイル・ロンバルディア。真夏のイタリアンモニュメントを制したフルサンや、惜しくも破れたジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ)たちのコメントを紹介します。



第1位 ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ)

トロフィーを掲げるヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ)トロフィーを掲げるヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ) (c)CorVos
これが自分にとって最後の傑作勝利にならないことを願う。シーズン再開後の好調を勝利に繋げたいと思っていただけにスーパーハッピーだ。自分のキャリアにまた一つモニュメントの勝利を刻み込むことができて本当に嬉しく思っているよ。今日は勝てると思っていたけれど、いざそれを現実のものにするのは本当に難しい。

今日はアスタナがとにかく強力で、ウラソフがトレック・セガフレード勢を引き離す素晴らしい働きをしてくれた。スプリントでもジョージ(ベネット)に勝てると思っていたけど、彼がサンフェルモでアタックした時、彼のアタックに鋭さがないと判断して逆にペースを上げたんだ。スケジュールが組み直される難しいシーズンの中で、大きな勝利を手にすることができて嬉しい。

レース中にエヴェネプールがいなくなったことに気づいた。落車したと無線で聞いたものの、それでもレースを続けていると思っていたんだ。彼がすぐ復帰できることを願っているよ。

第2位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ)

フルサンを祝うジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ)フルサンを祝うジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ) (c)CorVos
素晴らしい日だった。何度もこのレースを走っているが、序盤がこれほどハイペースになったことはない。チームはマドンナ・デル・ギザッロ(残り64km地点)まで完璧にアシストしてくれた。最終局面で複数の選手を残していたチームがいくつかいた。それを利用するためできる限りのことをしたが、ある時点から手に負えなくなってしまった。僕のアタックにフルサンが付いてきて、そこから一転して力を見せた。勝てなかったのは残念だが、自分の走りを誇りに思う。これまでのイタリアのレースをチームとして走ってこれたことに満足しているよ。

第3位 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ)

今日はとても良い日だった。僕たちはペースを決め一日中働いていた。素晴らしいチームワークを発揮し3位という順位にも満足している。ヤコブ(フルサン)をサポートし、彼がアタックした後は自分のリズムで走っていた。タフで長いレースだったが、彼がレースの主導権を握ってくれたんだ。レムコ(エヴェネプール)が無事であることと、彼の一日も早い回復を祈っている。

第4位 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)

表彰台を逃したことは少し残念だが、今日は僕より3人が強かっただけだ。チームとしては4位、5位、6位と好調だったと思う。ギザッロ(残り64km地点)を過ぎても(トレックからは)5人残っていが、ソルマーノ(残り50.5km地点)でレースが動き7人まで集団が絞られた。調子はけっこう良かったが、終盤での暑さはすこし辛かった。トップ10の差が大きかったことからも皆暑さに苦しめられていたのだと思う。

脚を攣りながら走っていたというヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)脚を攣りながら走っていたというヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード) (c)CorVos
第5位 ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)

僕らは全てを出し切り、フィニッシュラインまで諦めなかったので多少満足している。だが6人の集団に同じチームの選手が3人入っていると知った時の期待と、この結果には差ができた。チームワークは良かったと思うが、単純に(上位)3人が強かった。個人的としては自分のパフォーマンスに満足している。

第6位 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)

最後の50kmは脚を攣りながら走っていた。バウケ(モレマ)とジュリオ(チッコーネ)の方が良かったので彼らに任せたんだ。最後は複雑かつコンディションに振り回されて思うように踏めなかった。チヴィリオの登り(残り16.7km地点)では、自分とチームメイトの為に一定のペースを保とうとした。レースが動いた瞬間はそれ以上のことをするのが難しく、脚の差が見えた。

第8位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)

8位で終えたディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)8位で終えたディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) (c)CorVos
とてもハードな一日だったが、ベストを尽くした。コンディションは良かったし、ロンバルディアのようなタフなレースで8位という結果に満足している。

第9位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、イスラエル・スタートアップネイション)

ベン・ヘルマンス(ベルギー、イスラエル・スタートアップネイション)ベン・ヘルマンス(ベルギー、イスラエル・スタートアップネイション) (c)CorVos
強烈な逃げがあったので(メイン集団は)ペースを落とすことがなかった。僕らはフルガスで登っていた。まるで残り70km以上が最終局面のように感じたよ。チームメイトのおかげで去年よりもずっと力を貯めておくことができた。このレースでは過去何度もトップ10を惜しいところで逃していた。今年はそれが実現してとても嬉しい。

第10位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)

ソルマーノの壁で遅れたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)ソルマーノの壁で遅れたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) (c)CorVos
予想されていた通り今日は非常に難しいレースだった。レースのペースが驚くほど速かったが、本物のクライマーたちの後を追って10位に残ることができた。予想していなかったほど良い結果だ。ここで優勝争いができるようになれるのだろうか。それはとても難しいだろう。この結果が世界選手権への後押しになることに違いない。

text:Sotaro.Arakawa

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