2020/06/16(火) - 17:38
レース主催者は6月13日に、ヘント〜ウェヴェルヘムやロンド・ファン・フラーンデレンなど4つレースでのコース短縮を発表。その理由を「開催予定の10月はレースが集中し、チームや選手の負担軽減のため」と説明している。
ベルギー国内のクラシックレースを運営するフランダースクラシックは6月13日、ブラバンツ・ペイル(10月7日)、ヘント〜ウェヴェルヘム(10月11日)、シュヘルデプライス(10月14日)、ロンド・ファン・フラーンデレン(10月18日)の4レースのコース短縮を公式ウェブサイトで発表した。
男女共にワールドツアーのヘント〜ウェヴェルヘムは250kmから238km(女子142km)に、ロンド・ファン・フラーンデレンは267kmから241km(女子135km)に短縮されることになった。
主催者はその理由を「10月に連続して行われるレースの間にチームや選手に十分な休息を与えるため、フランダースクラシックはいくつかのチームと協議した上で、レース距離を僅かながら短縮する決定をしました」と説明している。
その中でも注目されるのが「クラシックの王様」と呼ばれるロンド・ファン・フラーンデレン(ツール・デ・フランドル)で、レースの象徴的存在である「ミュール・カペルミュール(正式名称ミュール・ファン・ヘラールツベルヘン)」が、再びコースから外されることになった。かつては勝負所として数多くのドラマを生んだ石畳の激坂だったが、2017年に5年振りに復活した後は、フィニッシュから100kmほど離れた地点に設定されることが続いていた。
コース短縮のニュースに対し、母国メディアのSporzaの取材に答えたベルギー人クラシックライダーのオリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール)は、距離が与えるレースへの影響について次のように語った。
「残念だ。260kmのコースでは全力を尽くさなければ先頭集団でフィニッシュできない。そういう長いレースが僕の唯一の強みなんだ。200kmのレースが得意な選手が260kmのレースを勝つわけではない。なぜなら200kmに限界値があるからだ。198kmの登りで隣を走っていた選手が、4km過ぎで止まってしまうこともあった」
一方、ロンド・ファン・フラーンデレンとヘント〜ウェヴェルヘムでそれぞれ3回優勝し、2017年に引退したトム・ボーネンは「壁(カペルミュール)がないのは残念だ」としならがも、ここ数年の流行でもあるレースの短縮化に理解を示している。
「新しい物語性のあるレースになるだろう。ロンド・ファン・フラーンデレンや他のクラシックでは最後の1時間で差をつけられる選手がいる。しかし220kmのレースでは、勝利のチャンスのある選手が10%ほど増えるだろう。もし今年のロンド・ファン・フラーンデレンの方が魅力的になれば、将来的にもっと短くなる可能性も十分にあるだろう」
また、昨年のロンド・ファン・フラーンデレン覇者アルベルト・ベッティオル(イタリア)を擁するEFプロサイクリングのジョナサン・ヴォーターズGMは、自身のツイッターで「誰もが興味をもつクラシックレースに変更を加えるのはやめて、代わりに質の低いレースをなくすことを考えてみてはどうだろうか?(大事なのは)量より質だ。自転車界のガバナンスによる意思決定は驚くほど貧弱だ」と、今回の決断に対して批判している。
text:Sotaro.Arakawa
ベルギー国内のクラシックレースを運営するフランダースクラシックは6月13日、ブラバンツ・ペイル(10月7日)、ヘント〜ウェヴェルヘム(10月11日)、シュヘルデプライス(10月14日)、ロンド・ファン・フラーンデレン(10月18日)の4レースのコース短縮を公式ウェブサイトで発表した。
男女共にワールドツアーのヘント〜ウェヴェルヘムは250kmから238km(女子142km)に、ロンド・ファン・フラーンデレンは267kmから241km(女子135km)に短縮されることになった。
主催者はその理由を「10月に連続して行われるレースの間にチームや選手に十分な休息を与えるため、フランダースクラシックはいくつかのチームと協議した上で、レース距離を僅かながら短縮する決定をしました」と説明している。
その中でも注目されるのが「クラシックの王様」と呼ばれるロンド・ファン・フラーンデレン(ツール・デ・フランドル)で、レースの象徴的存在である「ミュール・カペルミュール(正式名称ミュール・ファン・ヘラールツベルヘン)」が、再びコースから外されることになった。かつては勝負所として数多くのドラマを生んだ石畳の激坂だったが、2017年に5年振りに復活した後は、フィニッシュから100kmほど離れた地点に設定されることが続いていた。
コース短縮のニュースに対し、母国メディアのSporzaの取材に答えたベルギー人クラシックライダーのオリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール)は、距離が与えるレースへの影響について次のように語った。
「残念だ。260kmのコースでは全力を尽くさなければ先頭集団でフィニッシュできない。そういう長いレースが僕の唯一の強みなんだ。200kmのレースが得意な選手が260kmのレースを勝つわけではない。なぜなら200kmに限界値があるからだ。198kmの登りで隣を走っていた選手が、4km過ぎで止まってしまうこともあった」
一方、ロンド・ファン・フラーンデレンとヘント〜ウェヴェルヘムでそれぞれ3回優勝し、2017年に引退したトム・ボーネンは「壁(カペルミュール)がないのは残念だ」としならがも、ここ数年の流行でもあるレースの短縮化に理解を示している。
「新しい物語性のあるレースになるだろう。ロンド・ファン・フラーンデレンや他のクラシックでは最後の1時間で差をつけられる選手がいる。しかし220kmのレースでは、勝利のチャンスのある選手が10%ほど増えるだろう。もし今年のロンド・ファン・フラーンデレンの方が魅力的になれば、将来的にもっと短くなる可能性も十分にあるだろう」
また、昨年のロンド・ファン・フラーンデレン覇者アルベルト・ベッティオル(イタリア)を擁するEFプロサイクリングのジョナサン・ヴォーターズGMは、自身のツイッターで「誰もが興味をもつクラシックレースに変更を加えるのはやめて、代わりに質の低いレースをなくすことを考えてみてはどうだろうか?(大事なのは)量より質だ。自転車界のガバナンスによる意思決定は驚くほど貧弱だ」と、今回の決断に対して批判している。
text:Sotaro.Arakawa
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