2020/04/15(水) - 19:12
4月12日(日)、ズイフト内でチームイネオスの選手たちと共に走るバーチャルグループライドイベント「TEAM INEOS Group Ride」が開催された。普段からズイフトでトレーニングしているCW編集部員の高木が参加した模様をお届けする。
チームイネオスの選手たちがゲスト参加した「TEAM INEOS Group Ride」が開催された
新型コロナウイルスの影響で、世界中のレースやイベントが中止されている状況の中、インドアでバーチャルレースやサイクリングができるズイフトが人気を博している。
最近では、ワールドチームのミッチェルトン・スコットやトレック・セガフレード、ユンボ・ヴィズマ、NTTプロサイクリングなどがズイフト内でプロ選手と走ることができるグループライドを開催している。仮想空間内とはいえ、憧れの選手と一緒に走れるチャンスということでとても人気のイベントだ。
そして今回、常勝チームであるチームイネオスの選手たちが主催するグループライドが初めて開催された。スケジュールとしては、4月12日の夜23:00、23:30、24:00と3回のグループがそれぞれ4つのカテゴリーに分けられた。それぞれのカテゴリーにイネオスの選手がゲストとして参加。グループライドに誰が参加するか事前の発表は無く、蓋を開けてのお楽しみ。
チームイネオスの選手たちはグループライド後にズイフトでは初の試みとなるイネオスの選手同士が熱いを繰り広げるeレースも開催。(※レースレポートはこちら)イネオスの選手たちはグループライドでウォーミングアップをして、その後レースをする流れだ。
今回のグループライドは距離が21kmで獲得標高123mと誰でも走りやすいコース設定だ
ズイフトのレースやライドイベントはパワーウェイトレシオでカテゴリーを分けている
「TEAM INEOS Group Ride」の舞台となったのは、ズイフト内の仮想世界「Watopia」のフラットコース。1周10.3kmのコースを2周走る総距離21km、獲得標高123mのグループライドだ。このコースプロファイルからもわかるように、初心者でも走りやすい設定だ。
ズイフトのレースやライドイベントは"パワーウェイトレシオ"でカテゴリーを分けているが、基本的には自己申告となっておりどのカテゴリーにもエントリーできる。体調や疲労の度合いによってカテゴリーを選ぶことができるのはとても良い。カテゴリー選びにはFTPとパワーウェイトレシオが目安となる。馴染みのない方に簡単に説明しておくと、FTPとは1時間持続することが可能なパワー値のことで、このFTP値をご自身の体重で割るとパワーウェイトレシオが求めることができる。
具体的には、Aカテゴリーは平均3.5~4.0W/kg、Bカテゴリーは平均3.0~3.5W/kg、Cカテゴリーは平均2.5~3.0W/kg、Dカテゴリーは平均2.0~2.5W/kgといったように0.5W/kg刻みでカテゴリー分けされている。まずはFTPを計測することで自身のFTPを知り、適切なカテゴリーで走ることがズイフトを楽しむコツといえる。
「TEAM INEOS Group Ride」へのエントリーはパソコンでも可能だが、ズイフト専用アプリの「Zwift Companion」を使って事前エントリーをするのが簡単だ。「Zwift Companion」アプリを起動し、画面下に表示される"イベント"をタップ。するとレースやイベントが開催時間の近い順に表示されるので、その中から目的のイベント、つまりこの場合は「TEAM INEOS Group Ride」を選択する。これでエントリーは完了だ。
今回は、30分ごとに3回のライドが行われていたが、一番人気は最も早い時間に開催されていた23:00のグループライドで、なんと1万人を超える参加者が参加していた。3回のライド参加者は合計15,530人とズイフト内でも過去最大のイベントとなった。参加者のアバターが乗るバイクも自動でピナレロ DOGMA F12に切り替わり、ウェアもチームイネオスのトレーニングジャージになる徹底ぶり。
CW編集部員の高木がDカテゴリーの「TEAM INEOS Group Ride」に参加した
今回、私がエントリーしたのは23:30にスタートする回のDカテゴリー。この日はインドアトレーニングで既にAカテゴリーレースを4レース走っており、疲れ切っていたため身体に優しいDカテゴリーを選択した。
23:30にスタートするDカテゴリーのライドホストを務めたのはツール・ド・フランス2019でコロンビア人として初の総合優勝を果たしたエガン・ベルナル(コロンビア)と元ロード世界王者のミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド)という豪華な2人。
黄色い王冠のようなマークが付いているのがミカル・クウィアトコウスキーだ
クウィアトコウスキーから「Enjoy everyone ! Super excited.」とグループにメッセージが送られてきた
海底トンネルを走る1857人の大集団
パリ~ルーベのように土埃を巻き上げながらグラベル区間を抜ける
憧れの選手と共に走ることが出来る幸運を噛みしめていると、待機時間はあっという間に過ぎていく。カウントダウンがゼロになると、いよいよスタート。Dカテゴリーの「TEAM INEOS Group Ride」はロード世界王者のミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド)を先頭に走りだした。
ズイフトはライドグループ内でメッセージのやり取りができ、参加者同士はもちろんのこと、憧れの選手と話ながらライドができるのが面白さの1つだ。グループライドが世界的に自粛されている今、走りながらコミュニケーションを取ることができる貴重な場としても、ズイフトの価値は急上昇中だ。
スタートすると早速、クウィアトコウスキーから「Enjoy everyone ! Super excited.(みなさん、楽しもう!すごく興奮するよ)」とグループにメッセージが届いた。チームイネオスのファンのみならず、選手自身も楽しんでいる様子だ。
。
1周目を終えて、2周目に突入していく
チームイネオスのトレーニングジャージを着用し、色とりどりなDOGMA F12に自動で乗り換え
このグループライドの参加者は1985人であった。この大きなグループがズイフト内の仮想世界「Watopia」の山岳地帯、グラベル、海底トンネルを駆け抜けていく。そしてこのグループの後方を見守るのがツール覇者のベルナルだ。
「I am so happy here with the fans.(ファンのみなさんとここにいられて、とても幸せだ)」とベルナルから喜びのメッセージがグループに届いていた。残り3kmはベルナルと共に最後の山岳地帯を抜けて無事ゴールした。
「I am so happy here with the fans.」とベルナルから喜びのメッセージ
ベルナルの後ろに付いていけるのもズイフトならでは
山岳地帯を走るベルナル選手と参加者
ベルナルと共にゴールゲートに向かう
20km少しと短い時間ではあったけれど、「TEAM INEOS Group Ride」は貴重な体験だった。ベルナルやクウィアトコウスキーといった、トップ中のトップ選手と同じ時間、同じ場所を走れることが人生に何度あるだろうか。クウィアトコウスキーの言葉を借りれば、"Super excited"なひと時だった。
もちろん、そう感じたのは私だけではなかったハズだ。ベルナルとクウィアトコウスキーの周りには常にたくさんの参加者が集まっており、少しでも憧れの選手に近づきたいという熱い思いが伝わってくるライドだった。
冒頭でも触れたように、多くのプロチームが積極的にオンラインライドを開催している。日本でも、先日宇都宮ブリッツェンがオンラインライドを開催し、多くのファンが集まっていた。レースやイベントが中止に追い込まれている現状はとても残念だけれども、ポジティブに捉えれば、憧れの選手たちとバーチャル空間でライドを共有できる絶好のチャンスとも言えるはず。
今回のイネオスライドくらいの負荷であれば、誰でも気負わずに参加できるので、ハードルはかなり低いはず。もちろん、頑張りたい方は上のカテゴリーに参加しても良いし、レースへの挑戦もおすすめだ。レースが中止されている現状も相まって、ワールドツアーの選手たちも多くのレースに参戦しており、とてもハイレベルなレースが繰り広げられている。トップレベルの選手たちにチャレンジして、脚試しをしてみるのも面白いはずだ。
text:Michinari.Takagi

新型コロナウイルスの影響で、世界中のレースやイベントが中止されている状況の中、インドアでバーチャルレースやサイクリングができるズイフトが人気を博している。
最近では、ワールドチームのミッチェルトン・スコットやトレック・セガフレード、ユンボ・ヴィズマ、NTTプロサイクリングなどがズイフト内でプロ選手と走ることができるグループライドを開催している。仮想空間内とはいえ、憧れの選手と一緒に走れるチャンスということでとても人気のイベントだ。
そして今回、常勝チームであるチームイネオスの選手たちが主催するグループライドが初めて開催された。スケジュールとしては、4月12日の夜23:00、23:30、24:00と3回のグループがそれぞれ4つのカテゴリーに分けられた。それぞれのカテゴリーにイネオスの選手がゲストとして参加。グループライドに誰が参加するか事前の発表は無く、蓋を開けてのお楽しみ。
チームイネオスの選手たちはグループライド後にズイフトでは初の試みとなるイネオスの選手同士が熱いを繰り広げるeレースも開催。(※レースレポートはこちら)イネオスの選手たちはグループライドでウォーミングアップをして、その後レースをする流れだ。


「TEAM INEOS Group Ride」の舞台となったのは、ズイフト内の仮想世界「Watopia」のフラットコース。1周10.3kmのコースを2周走る総距離21km、獲得標高123mのグループライドだ。このコースプロファイルからもわかるように、初心者でも走りやすい設定だ。
ズイフトのレースやライドイベントは"パワーウェイトレシオ"でカテゴリーを分けているが、基本的には自己申告となっておりどのカテゴリーにもエントリーできる。体調や疲労の度合いによってカテゴリーを選ぶことができるのはとても良い。カテゴリー選びにはFTPとパワーウェイトレシオが目安となる。馴染みのない方に簡単に説明しておくと、FTPとは1時間持続することが可能なパワー値のことで、このFTP値をご自身の体重で割るとパワーウェイトレシオが求めることができる。
具体的には、Aカテゴリーは平均3.5~4.0W/kg、Bカテゴリーは平均3.0~3.5W/kg、Cカテゴリーは平均2.5~3.0W/kg、Dカテゴリーは平均2.0~2.5W/kgといったように0.5W/kg刻みでカテゴリー分けされている。まずはFTPを計測することで自身のFTPを知り、適切なカテゴリーで走ることがズイフトを楽しむコツといえる。
「TEAM INEOS Group Ride」へのエントリーはパソコンでも可能だが、ズイフト専用アプリの「Zwift Companion」を使って事前エントリーをするのが簡単だ。「Zwift Companion」アプリを起動し、画面下に表示される"イベント"をタップ。するとレースやイベントが開催時間の近い順に表示されるので、その中から目的のイベント、つまりこの場合は「TEAM INEOS Group Ride」を選択する。これでエントリーは完了だ。
今回は、30分ごとに3回のライドが行われていたが、一番人気は最も早い時間に開催されていた23:00のグループライドで、なんと1万人を超える参加者が参加していた。3回のライド参加者は合計15,530人とズイフト内でも過去最大のイベントとなった。参加者のアバターが乗るバイクも自動でピナレロ DOGMA F12に切り替わり、ウェアもチームイネオスのトレーニングジャージになる徹底ぶり。

今回、私がエントリーしたのは23:30にスタートする回のDカテゴリー。この日はインドアトレーニングで既にAカテゴリーレースを4レース走っており、疲れ切っていたため身体に優しいDカテゴリーを選択した。
23:30にスタートするDカテゴリーのライドホストを務めたのはツール・ド・フランス2019でコロンビア人として初の総合優勝を果たしたエガン・ベルナル(コロンビア)と元ロード世界王者のミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド)という豪華な2人。




憧れの選手と共に走ることが出来る幸運を噛みしめていると、待機時間はあっという間に過ぎていく。カウントダウンがゼロになると、いよいよスタート。Dカテゴリーの「TEAM INEOS Group Ride」はロード世界王者のミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド)を先頭に走りだした。
ズイフトはライドグループ内でメッセージのやり取りができ、参加者同士はもちろんのこと、憧れの選手と話ながらライドができるのが面白さの1つだ。グループライドが世界的に自粛されている今、走りながらコミュニケーションを取ることができる貴重な場としても、ズイフトの価値は急上昇中だ。
スタートすると早速、クウィアトコウスキーから「Enjoy everyone ! Super excited.(みなさん、楽しもう!すごく興奮するよ)」とグループにメッセージが届いた。チームイネオスのファンのみならず、選手自身も楽しんでいる様子だ。
。


このグループライドの参加者は1985人であった。この大きなグループがズイフト内の仮想世界「Watopia」の山岳地帯、グラベル、海底トンネルを駆け抜けていく。そしてこのグループの後方を見守るのがツール覇者のベルナルだ。
「I am so happy here with the fans.(ファンのみなさんとここにいられて、とても幸せだ)」とベルナルから喜びのメッセージがグループに届いていた。残り3kmはベルナルと共に最後の山岳地帯を抜けて無事ゴールした。




20km少しと短い時間ではあったけれど、「TEAM INEOS Group Ride」は貴重な体験だった。ベルナルやクウィアトコウスキーといった、トップ中のトップ選手と同じ時間、同じ場所を走れることが人生に何度あるだろうか。クウィアトコウスキーの言葉を借りれば、"Super excited"なひと時だった。
もちろん、そう感じたのは私だけではなかったハズだ。ベルナルとクウィアトコウスキーの周りには常にたくさんの参加者が集まっており、少しでも憧れの選手に近づきたいという熱い思いが伝わってくるライドだった。
冒頭でも触れたように、多くのプロチームが積極的にオンラインライドを開催している。日本でも、先日宇都宮ブリッツェンがオンラインライドを開催し、多くのファンが集まっていた。レースやイベントが中止に追い込まれている現状はとても残念だけれども、ポジティブに捉えれば、憧れの選手たちとバーチャル空間でライドを共有できる絶好のチャンスとも言えるはず。
今回のイネオスライドくらいの負荷であれば、誰でも気負わずに参加できるので、ハードルはかなり低いはず。もちろん、頑張りたい方は上のカテゴリーに参加しても良いし、レースへの挑戦もおすすめだ。レースが中止されている現状も相まって、ワールドツアーの選手たちも多くのレースに参戦しており、とてもハイレベルなレースが繰り広げられている。トップレベルの選手たちにチャレンジして、脚試しをしてみるのも面白いはずだ。
text:Michinari.Takagi
リンク
Amazon.co.jp