関東地区のクロッサー達にはお馴染み”稲城クロス”の併催イベントとして開催された”キャニオングラベルサイクリング”。この新しい試みをCW編集部高木が実走したレポートをお届けします。



「建国記念の日」でもある2月11日、チャンピオンシステムが主催する”第4回稲城クロス”が開催され、その併催イベントとして実施されたのが”キャニオングラベルサイクリング”だ。多用途性に優れるグラベルロードバイクで、どんな道も長距離も走破できる体験を求めて集った参加者にとって、雲ひとつない快晴に恵まれた絶好のライド日和となった。

2月らしい冬晴れの中、大いに盛り上がった第4回稲城クロス2月らしい冬晴れの中、大いに盛り上がった第4回稲城クロス
丁寧に参加者が乗るレンタルバイクのポジションを合わせる日比谷さん丁寧に参加者が乗るレンタルバイクのポジションを合わせる日比谷さん キャニオンスタッフさんのGrail CF SL 8.0をお借りしてライド帯同キャニオンスタッフさんのGrail CF SL 8.0をお借りしてライド帯同

サイクリング開始前にブリーフィングが行われ、ライドコースや注意事項の説明サイクリング開始前にブリーフィングが行われ、ライドコースや注意事項の説明
ここ数年で、シマノからグラベル専用コンポ”GRX”がリリースされたり各メーカーから続々とグラベルバイクが発表されたりと、日本でもグラベルバイクに対する注目度は確実に上がっている。一方、グラベルバイクに試乗したり気軽にグラベルライドを体験できる機会が少なく、二の脚を踏んでいるライダーも多い事だろう。そこで気軽にグラベル体験と試乗のできるイベントとして開催される事になったのが”キャニオングラベルサイクリング”だ。

”キャニオングラベルサイクリング”は東京都稲城市から町田市にかけての舗装路と未舗装路を組み合わせたコースを走るグラベルライドだ。稲城クロス会場の多摩川河川敷”稲城北緑地公園”を出発し、東京五輪ロードレースリアルスタート地点の是政橋や多摩地区のサイクリストにはお馴染みのスポットのくじら橋、鶴川街道を回り、再び稲城クロスの会場に戻ってくるコース設定となっている。

今日のライド案内人を務めるのは、東京都世田谷区にあるキャニオンジャパンオフィシャルメンテナンスショップ”EFFECT”オーナーの日比谷篤史さん。日比谷さんはメッセンジャーやプロチームのメカニックなどの経験豊富で、自身もシクロクロスやグラベルライドを楽しむライダーだ。もちろん、今日のルートを考えたのも彼だ。

東京五輪ロードレースリアルスタート地点の是政橋を横目に走る東京五輪ロードレースリアルスタート地点の是政橋を横目に走る
多摩川サイクリングロードから稲城市の街中へ多摩川サイクリングロードから稲城市の街中へ
案内人の日比谷さんを先頭に城山道の坂を走り抜けていく案内人の日比谷さんを先頭に城山道の坂を走り抜けていく グレイルの二階建て構造のホバー・バーは登りでリラックスポジションをとりやすいようだグレイルの二階建て構造のホバー・バーは登りでリラックスポジションをとりやすいようだ


今回のイベントに向け、主催者側でレンタルバイク(キャニオン・グレイル)を6台ほど用意していたのだが、想定以上の申し込みでたちまち予約が一杯になってしまったそうだ。やはりここ数年のグラベル人気の盛り上がりはホンモノの様だ。

出発前には、日比谷さんとキャニオンスタッフが参加者とマンツーマンで丁寧にレンタルバイクのポジションを合わせてくれた。快適なグラベルライドを楽しむためには、ライドポジションをしっかり合わせることはとても重要な要素となるだけに、このサービスはとてもありがたい。

走行前のブリーフィングで案内人の日比谷さんが、声かけや手信号をするなど注意事項とともに「グラベルのバイクに乗るのが初めてという方が多いと思います。今回のライドで参加者の方にグラベルバイクで色々な所に行けるということをライド参加者に体感してもらいたいです。こんなところに走れる所があるんだという発見をしてもらって、一緒に楽しみをシェアできるようなライドコースにしました。ゆっくり楽しく走りましょう!」と参加者にエールを送る。

東京五輪の序盤に登場するくじら橋を背景に走る東京五輪の序盤に登場するくじら橋を背景に走る
日比谷さんからグラベルの走り方のアドバイスを受ける参加者日比谷さんからグラベルの走り方のアドバイスを受ける参加者
今回のライドの最大の難所、斜度30%の激坂が満を持して登場今回のライドの最大の難所、斜度30%の激坂が満を持して登場 バイクを降りて押して、頂上を目指すバイクを降りて押して、頂上を目指す


いよいよ出発。グラベルライドへの期待を胸に10名の参加者が稲城北緑地公園からスタートしていく。今年の7月に迫った東京五輪ロードレースリアルスタート地点の是政橋を横目に多摩川サイクリングロードを上流に向かって行く。快晴の自転車日和に走るのはやっぱり気持ち良い。

サイクリングロードを外れ、東京五輪コースをなぞる様に稲城市内へ。ライド当日は祝日と言う事もあり交通量が多いが、頻繁な声掛けや手信号で安全に走っていく。東京五輪の序盤に登場するくじら橋、若葉台公園の付近を通過。グラベル区間までは何度も坂が登場するが、ライド参加者たちは軽々とクリアしていく。今回の参加者は乗っている姿からも走れる人が集まった印象だ。

しばらく舗装路を走ると、お待ちかねのグラベル区間が登場。ここで一旦止まり、日比谷さんからこの先のコース説明と走り方のアドバイスを受けてから、順番にグラベル区間へ入っていく。グラベルに入ると落ち葉や石などがある登坂が幾度も登場するが、トラクションを上手くかけながらスムーズに走っていく。

グラベル区間を終えて市内の舗装路を走るグラベル区間を終えて市内の舗装路を走る
ライド中は常に笑顔が絶えなかったライド中は常に笑顔が絶えなかった
会場付近に近付くとオープンレースの終盤に差し掛かっていた会場付近に近付くとオープンレースの終盤に差し掛かっていた
そして今回のライドの最大の難所、斜度30%の激坂が満を持して登場。距離は100mほどだが、路面は荒れていて砂利や落ち葉が落ちているため、ライン選びや荷重移動、トラクションコントロールが試される。難なくクリアしていく人、バイクを降りて押す人など方法は様々だが、全員が何とか頂上に辿り着く。

この激坂をクリアし暫くグラベルを下ると、幻想的な竹林が広がる。この竹林で長めの休憩を取ることになり、私も一息入れながら糖分補給。舗装路と違い、グラベルは舗装路と違い、走る距離や時間が短くともカロリー消費が大きいので、こまめな補給も大切だ。周りでは参加者同士でグラベルトークに華が咲き、とても楽しそう。

この先は稲城クロスの会場に戻るのみだが、日比谷さん考案のルートはグラベルを走り続け参加者を楽しませてくれる。こうして参加者全員が無事ゴールを迎え、キャニオングラベルサイクリングを終えた。

ライドが終わり、健闘を讃えて握手を交わす案内人の日比谷さんと参加者ライドが終わり、健闘を讃えて握手を交わす案内人の日比谷さんと参加者
サイクリングの感想やグラベルバイクについての質問が飛び交っていたサイクリングの感想やグラベルバイクについての質問が飛び交っていた
最後はキャニオンブース前で記念撮影して終了!お疲れ様でした!最後はキャニオンブース前で記念撮影して終了!お疲れ様でした!
今日のイベントは、私も心から楽しいと感じられるものでした。知らない道を走るだけでも冒険心をくすぐられましたし、複数人で話しながらライドを楽しむのはやっぱり良いなと感じました。自転車の新たな楽しみを探している方々に、ぜひチャレンジしてもらいたい素敵な体験でした。

グラベルサイクリングの案内人を務めた『EFFECT』のオーナーメカニック日比谷篤史さんのコメント

キャニオングラベルサイクリングの案内人を務めた『EFFECT』のオーナーメカニック日比谷篤史さんキャニオングラベルサイクリングの案内人を務めた『EFFECT』のオーナーメカニック日比谷篤史さん 「最初はグラベルサイクリングと言ってもどんなところを走るのか不安な方が多かったと思います。でも、走って行くうちにライド参加者の皆さんがグラベルの楽しさを発見できていたみたいでした。参加者の皆さんがすごく良い笑顔をしていたのでその楽しさが私にも伝わりました。今回は稲城クロスとキャニオンさんのイベントの一つとしてライドイベントをやりましたが、今後は自分のお店のライドイベントでも可能性はあるのではないかなと感じました。自分自身もルートを新たに開拓したりして行きたいと考えています。今後はこのようなライドを通して楽しみの和をもっと広げていけたら良いなと思っています。ありがとうございました!」

text&photo:Michinari.TAKAGI
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