2020/02/16(日) - 09:25
スーパープレスティージュ最終戦でベルギー王者ローレンス・スウィーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)が独走。女子レースは堂々たるレース運びで新世界王者セイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス)が勝利し、それぞれシリーズランキングでも総合優勝を射止めた。
昨年9月末にアメリカ、アイオワ州で開催されたワールドカップ開幕戦から早5ヶ月、ベルギーのウエストフランデレン州の街ミッデルケルケにて、シクロクロス3大シリーズの最終戦となるスーパープレスティージュ第8戦が開催された。
世界選手権1週間後に予定されていた第7戦は欧州を襲った暴風雨「キアラ」で中止となり、迎えた最終戦ミッデルケルケ。コースは固く締まった土+芝をベースに小さなドロップオフとその登り返し、キャンバー、そして深めの砂区間が次々と現れるテクニカルなもので、所々に滑りやすい泥区間も残す。
世界王者マチュー・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス)と前週のDVVトロフェー最終戦で勝利したワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)はロードシーズンに向けて不在だったものの、シーズン最後のビッグレースを見ようと多くのベルギーファンが詰めかけた。
75名以上が顔を揃えた男子エリートレースの序盤にリードしたのはラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・バロワーズ)だった。クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンス・シクロクロスチーム)やベルギー王者ローレンス・スウィーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)、エリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)、トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・バロワーズ)が続き、3周目に入ると世界選手権2位のトーマス・ピッドコック(イギリス、トリニティレーシング)が追いついた。
均衡を破ったのはピッドコックで、勢い余って落車寸前になるピンチを凌ぎながらもアタックを継続。そこに被せるようにスウィークが先頭に立ち、ラインが1本しかない砂区間で2番手イゼルビッドがミスしたことをきっかけにスウィークが独走体制に入った。
スウィークが逃げたことでチームメイトのイゼルビッドとファントーレンハウトはスピードを落とし、テレネット・バロワーズのファンデルハールとアールツが追走する。ヘルマンスとピッドコックが遅れたことでレースはパウェルズサウゼン・ビンゴールvsテレネット・バロワーズという構図に切り替わった。
ファンデルハールが先陣を切って追走したものの、「序盤はフィーリングが良くなかったけれど、強く風が吹く中で芸術的な逃げを決めることができた。追走グループ内で牽制してくれれば良いなと思っていた。チームメイトのイゼルビッドとファントーレンハウトの存在は大きかった」と振り返るスウィークとの距離は縮まらない。独走に持ち込んでから約5周回を逃げ切ったスウィークが勝利し、僅差の争いが続いていたシリーズランキングでも首位を守り抜き総合優勝を達成した。
「エリも勝利を狙っていたと思うけれど、彼はもう既に十分勝っているので今日は僕の番だった。上手く勝利を分け合うことができたと思う。(ベルギー王者に輝いた)今シーズンに不満なんて無い。とても美しい戦いだった」と語るスウィーク。TVインタビューの最後には勝利とシーズン終了を祝うビールを一気に飲み干した。
新世界王者のセイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス)や、世界選手権を筆頭に幾度となく好勝負を繰り広げてきたアンマリー・ワースト(オランダ、777)が集った女子レース。最前列スタートの前U23世界女王インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、CCC・リブ)がチェーン落ちで遅れる中、思い切り良い走りで新ジュニア世界王者のシリン・ファンアンローイ(オランダ)が先行した。
しかし、テレネット・フィデア入りを決めている17歳のリードは1周と持たず、すぐさま頭一つ抜けた実力を誇るアルバラードとワーストが先頭に立った。
今日不在のルシンダ・ブラント(オランダ、テレネット・バロワーズ)と共に世界選手権で激しい三つ巴の戦いを繰り広げた2人の背後からは、世界選手権前に禁止物質摂取による出場停止処分(過失と判断され6ヶ月処分となり波紋を呼んだ)を終えたデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルズサウゼン・ビンゴール)が追走。アルバラードは数度のミス、そしてシューズが壊れるトラブルに見舞われながらも、その度にワーストに追いつく好調ぶりを見せつけた。
全5周回中の4周目後半には牽制する2人にベッツィマが追いついたが、勝負の主導権を得ることは叶わない。最終ストレート前の降車区間を先頭で抜け、一足早く乗車、そしてスプリント体制に持ち込んだ世界王者が先行。追い上げ届かないことを察知したワーストは力を緩め、ベッツェマの先行も許した。
同じくワーストを相手にしたスプリント勝負で、直近の2週間、世界選手権とDVV最終戦で連続勝利してきたアルバラードがダメ押しの勝利。余裕すら感じさせるレース運びで今シーズンの勝ち星を15に伸ばすと共に、スーパープレスティージュのシリーズランキングでも総合優勝を勝ち取った。
「また勝つことができた。勝つためには一番先にスプリントに持ち込む必要があったけれど、上手くいった。全員を置き去りにできて、素晴らしいシリーズのランキングでも優勝しただなんてとてもクール。まぐれではなく自分で掴み取った勝利」と、また一つ戦績を書き加えたアルバラードは語っている。
昨年9月末にアメリカ、アイオワ州で開催されたワールドカップ開幕戦から早5ヶ月、ベルギーのウエストフランデレン州の街ミッデルケルケにて、シクロクロス3大シリーズの最終戦となるスーパープレスティージュ第8戦が開催された。
世界選手権1週間後に予定されていた第7戦は欧州を襲った暴風雨「キアラ」で中止となり、迎えた最終戦ミッデルケルケ。コースは固く締まった土+芝をベースに小さなドロップオフとその登り返し、キャンバー、そして深めの砂区間が次々と現れるテクニカルなもので、所々に滑りやすい泥区間も残す。
世界王者マチュー・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス)と前週のDVVトロフェー最終戦で勝利したワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)はロードシーズンに向けて不在だったものの、シーズン最後のビッグレースを見ようと多くのベルギーファンが詰めかけた。
75名以上が顔を揃えた男子エリートレースの序盤にリードしたのはラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・バロワーズ)だった。クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンス・シクロクロスチーム)やベルギー王者ローレンス・スウィーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)、エリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)、トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・バロワーズ)が続き、3周目に入ると世界選手権2位のトーマス・ピッドコック(イギリス、トリニティレーシング)が追いついた。
均衡を破ったのはピッドコックで、勢い余って落車寸前になるピンチを凌ぎながらもアタックを継続。そこに被せるようにスウィークが先頭に立ち、ラインが1本しかない砂区間で2番手イゼルビッドがミスしたことをきっかけにスウィークが独走体制に入った。
スウィークが逃げたことでチームメイトのイゼルビッドとファントーレンハウトはスピードを落とし、テレネット・バロワーズのファンデルハールとアールツが追走する。ヘルマンスとピッドコックが遅れたことでレースはパウェルズサウゼン・ビンゴールvsテレネット・バロワーズという構図に切り替わった。
ファンデルハールが先陣を切って追走したものの、「序盤はフィーリングが良くなかったけれど、強く風が吹く中で芸術的な逃げを決めることができた。追走グループ内で牽制してくれれば良いなと思っていた。チームメイトのイゼルビッドとファントーレンハウトの存在は大きかった」と振り返るスウィークとの距離は縮まらない。独走に持ち込んでから約5周回を逃げ切ったスウィークが勝利し、僅差の争いが続いていたシリーズランキングでも首位を守り抜き総合優勝を達成した。
「エリも勝利を狙っていたと思うけれど、彼はもう既に十分勝っているので今日は僕の番だった。上手く勝利を分け合うことができたと思う。(ベルギー王者に輝いた)今シーズンに不満なんて無い。とても美しい戦いだった」と語るスウィーク。TVインタビューの最後には勝利とシーズン終了を祝うビールを一気に飲み干した。
新世界王者のセイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス)や、世界選手権を筆頭に幾度となく好勝負を繰り広げてきたアンマリー・ワースト(オランダ、777)が集った女子レース。最前列スタートの前U23世界女王インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、CCC・リブ)がチェーン落ちで遅れる中、思い切り良い走りで新ジュニア世界王者のシリン・ファンアンローイ(オランダ)が先行した。
しかし、テレネット・フィデア入りを決めている17歳のリードは1周と持たず、すぐさま頭一つ抜けた実力を誇るアルバラードとワーストが先頭に立った。
今日不在のルシンダ・ブラント(オランダ、テレネット・バロワーズ)と共に世界選手権で激しい三つ巴の戦いを繰り広げた2人の背後からは、世界選手権前に禁止物質摂取による出場停止処分(過失と判断され6ヶ月処分となり波紋を呼んだ)を終えたデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルズサウゼン・ビンゴール)が追走。アルバラードは数度のミス、そしてシューズが壊れるトラブルに見舞われながらも、その度にワーストに追いつく好調ぶりを見せつけた。
全5周回中の4周目後半には牽制する2人にベッツィマが追いついたが、勝負の主導権を得ることは叶わない。最終ストレート前の降車区間を先頭で抜け、一足早く乗車、そしてスプリント体制に持ち込んだ世界王者が先行。追い上げ届かないことを察知したワーストは力を緩め、ベッツェマの先行も許した。
同じくワーストを相手にしたスプリント勝負で、直近の2週間、世界選手権とDVV最終戦で連続勝利してきたアルバラードがダメ押しの勝利。余裕すら感じさせるレース運びで今シーズンの勝ち星を15に伸ばすと共に、スーパープレスティージュのシリーズランキングでも総合優勝を勝ち取った。
「また勝つことができた。勝つためには一番先にスプリントに持ち込む必要があったけれど、上手くいった。全員を置き去りにできて、素晴らしいシリーズのランキングでも優勝しただなんてとてもクール。まぐれではなく自分で掴み取った勝利」と、また一つ戦績を書き加えたアルバラードは語っている。
男子エリート結果
1位 | ローレンス・スウィーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 1:02:30 |
2位 | トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・バロワーズ) | 0:15 |
3位 | エリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 0:22 |
4位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・バロワーズ) | 0:32 |
5位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 0:39 |
6位 | トーマス・ピッドコック(イギリス、トリニティレーシング) | 1:01 |
7位 | クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンス・シクロクロスチーム) | 1:08 |
8位 | トム・メーウセン(ベルギー、グループヘンス・マースコンテナーズ) | 1:45 |
9位 | ニールス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | 1:57 |
10位 | ヨリス・ニューウィンハイス(オランダ、サンウェブ) | 2:02 |
女子レース結果
1位 | セイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス) | 41:34 |
2位 | デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 0:01 |
3位 | アンマリー・ワースト(オランダ、777) | |
4位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ) | 0:35 |
5位 | エヴァ・リヒナー(イタリア、クレアフィン・フリスタッズ) | 0:46 |
6位 | ヤラ・カステリン(オランダ、777) | 1:10 |
7位 | エレン・ファンロイ(ベルギー、テレネット・バロワーズ) | 1:17 |
8位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、CCC・リブ) | 1:21 |
9位 | アンナ・ケイ(イギリス、エクスペルザ・プロCX) | 1:29 |
10位 | サンヌ・カント(ベルギー、IKO・コレンドン) | 1:43 |
男子シリーズランキング最終結果
1位 | ローレンス・スウィーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 84pts |
2位 | エリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 81pts |
3位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・バロワーズ) | 76pts |
女子シリーズランキング最終結果
1位 | セイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス) | 96pts |
2位 | ヤラ・カステリン(オランダ、777) | 86pts |
3位 | アンマリー・ワースト(オランダ、777) | 78pts |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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