コロンビアを舞台にした高地レース「ツアー・コロンビア2.1」が開幕。ベルナルやイギータなどコロンビアンクライマーが揃ったステージレースの初日チームタイムトライアルで、圧倒的なペースを刻んだEFプロサイクリングがステージ優勝に輝いた。
サッカースタジアムで開催されたチームプレゼン。大観衆がスタンドを埋めた (c)CorVos
先のナショナル選手権で大落車したエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)が登場 (c)CorVos
声援に応えるジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
2月11日(火)から16日(日)までの6日間で開催されるツアー・コロンビア2.1は、その名の通りコロンビアを舞台にしたUCIカテゴリー2.1のステージレース。第3回目の開催ではあるものの、昨年にエガン・ベルナル(チームイネオス)がコロンビア史上初めてツール・ド・フランス優勝を成し遂げるなど、爆発的なロードレース人気を象徴するように6つのワールドチーム(ドゥクーニンク・クイックステップ、EFプロサイクリング、イスラエル・スタートアップネイション、モビスター、チームイネオス、UAEチームエミレーツ)が参加し、トップクラスのコロンビア人選手を中心に多数の豪華メンバーが集結。開幕前日のチームプレゼンテーションでは4万人収容のサッカースタジアムがファンで埋め尽くされた。
レースの鍵を握るのは高標高地での心肺能力だ。6日間を通じて標高2500m級の高地を走り続け、クイーンステージとなる最終日は標高3016mの山頂フィニッシュでフィナーレを迎える。言うまでもなく高地出身者が多いコロンビアやエクアドル人選手有利なレイアウトであり、レースは通常と異なる予測不可能な展開になることも考えられる。
標高2679mの都市トゥンハを発着する開幕ステージ (c)CorVos
初日は17km弱のチームタイムトライアルが開催され、2日目はオールフラット(それでも標高は平均して2500m)なスプリントステージ。3日目と5日目は険しい山岳が控えるものの後半戦はフラットで、登りをこなせるスプリンターやアタッカーに利がある。第4ステージは標高差200+αを駆け上がる登坂の先にフィニッシュが用意され、過酷な最終日と共に総合成績をふるい分ける。
1週間前に閉幕したブエルタ・ア・サンフアンから連戦出場するチームも多いが、その多くがクライマーメインのラインナップに変更してきた。チームイネオスは先のコロンビアナショナル選手権で大落車しながらも大怪我を避けたベルナルと標高2,980mという高地出身のジロ・デ・イタリア覇者リチャル・カラパス(エクアドル)を主軸にセバスティアン・エナオ(コロンビア)など6名中5名をコロンビア/エクアドル選手で固めたほか、EFプロサイクリングは同国で爆発的人気を誇るリゴベルト・ウランや新コロンビア王者のセルジオ・イギータ、ダニエル・マルティネス(コロンビア)を、モビスターはカルロス・ベタンクール(コロンビア)を、UAEチームエミレーツはアンドレス・アルディラ(コロンビア)らをラインナップ。
ドゥクーニンク・クイックステップはスプリンターのアルバロホセ・ホッジ(コロンビア)とサンフアン連戦組のジュリアン・アラフィリップ(フランス)をエースに据えたほか、ベルナルなど近年積極的に有望なコロンビア人選手を発掘してきたアンドローニジョカトリ・シデルメクも3名の若手コロンビアンをエントリーさせてきた。またエステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)はチームが不参加のため、弟のブラヤンと共にナショナルチームのメンバーとして参加している。
ステージ1位 EFプロサイクリング (c)CorVos
ステージ2位 ドゥクーニンク・クイックステップ (c)tourcolombiauci.com
ステージ3位 チームイネオス (c)CorVos
コロンビアのボヤカ県にある都市トゥンハ(標高2679m)を舞台にした16.7kmの開幕チームタイムトライアル。南米への機材輸送には大きな負担が強いられるためノーマルバイクを使うこのレースでトップタイムをマークしたのは、コロンビアのスター選手を揃えるEFプロサイクリングだった。
EFプロサイクリングは途中ウランが脱落したものの、残る5名が平均スピード55.615km/hで走りきり、ドゥクーニンク・クイックステップ(平均53.393km/h)を45秒、チームイネオス(平均53.345km/h)を46秒も引き離す圧倒的な走りで初日ステージを2年連続優勝。先頭フィニッシュしたヨナタン・カイセド(エクアドル)がリーダージャージを受け取った。
観客を盛り上げるリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFプロサイクリング) (c)tourcolombiauci.com
リーダージャージを着用したヨナタン・カイセド(エクアドル、EFプロサイクリング) (c)tourcolombiauci.com
これによってカイセド、イギータ、マルティネス、そしてティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)という4名が、他チームのクライマーに対して大きなリードを築くことに成功。翌々日の第3ステージから現れる山岳区間で、予期せぬビハインドを食らったライバル勢が積極的に仕掛けてくるだろう。



2月11日(火)から16日(日)までの6日間で開催されるツアー・コロンビア2.1は、その名の通りコロンビアを舞台にしたUCIカテゴリー2.1のステージレース。第3回目の開催ではあるものの、昨年にエガン・ベルナル(チームイネオス)がコロンビア史上初めてツール・ド・フランス優勝を成し遂げるなど、爆発的なロードレース人気を象徴するように6つのワールドチーム(ドゥクーニンク・クイックステップ、EFプロサイクリング、イスラエル・スタートアップネイション、モビスター、チームイネオス、UAEチームエミレーツ)が参加し、トップクラスのコロンビア人選手を中心に多数の豪華メンバーが集結。開幕前日のチームプレゼンテーションでは4万人収容のサッカースタジアムがファンで埋め尽くされた。
レースの鍵を握るのは高標高地での心肺能力だ。6日間を通じて標高2500m級の高地を走り続け、クイーンステージとなる最終日は標高3016mの山頂フィニッシュでフィナーレを迎える。言うまでもなく高地出身者が多いコロンビアやエクアドル人選手有利なレイアウトであり、レースは通常と異なる予測不可能な展開になることも考えられる。

初日は17km弱のチームタイムトライアルが開催され、2日目はオールフラット(それでも標高は平均して2500m)なスプリントステージ。3日目と5日目は険しい山岳が控えるものの後半戦はフラットで、登りをこなせるスプリンターやアタッカーに利がある。第4ステージは標高差200+αを駆け上がる登坂の先にフィニッシュが用意され、過酷な最終日と共に総合成績をふるい分ける。
1週間前に閉幕したブエルタ・ア・サンフアンから連戦出場するチームも多いが、その多くがクライマーメインのラインナップに変更してきた。チームイネオスは先のコロンビアナショナル選手権で大落車しながらも大怪我を避けたベルナルと標高2,980mという高地出身のジロ・デ・イタリア覇者リチャル・カラパス(エクアドル)を主軸にセバスティアン・エナオ(コロンビア)など6名中5名をコロンビア/エクアドル選手で固めたほか、EFプロサイクリングは同国で爆発的人気を誇るリゴベルト・ウランや新コロンビア王者のセルジオ・イギータ、ダニエル・マルティネス(コロンビア)を、モビスターはカルロス・ベタンクール(コロンビア)を、UAEチームエミレーツはアンドレス・アルディラ(コロンビア)らをラインナップ。
ドゥクーニンク・クイックステップはスプリンターのアルバロホセ・ホッジ(コロンビア)とサンフアン連戦組のジュリアン・アラフィリップ(フランス)をエースに据えたほか、ベルナルなど近年積極的に有望なコロンビア人選手を発掘してきたアンドローニジョカトリ・シデルメクも3名の若手コロンビアンをエントリーさせてきた。またエステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)はチームが不参加のため、弟のブラヤンと共にナショナルチームのメンバーとして参加している。



コロンビアのボヤカ県にある都市トゥンハ(標高2679m)を舞台にした16.7kmの開幕チームタイムトライアル。南米への機材輸送には大きな負担が強いられるためノーマルバイクを使うこのレースでトップタイムをマークしたのは、コロンビアのスター選手を揃えるEFプロサイクリングだった。
EFプロサイクリングは途中ウランが脱落したものの、残る5名が平均スピード55.615km/hで走りきり、ドゥクーニンク・クイックステップ(平均53.393km/h)を45秒、チームイネオス(平均53.345km/h)を46秒も引き離す圧倒的な走りで初日ステージを2年連続優勝。先頭フィニッシュしたヨナタン・カイセド(エクアドル)がリーダージャージを受け取った。


これによってカイセド、イギータ、マルティネス、そしてティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)という4名が、他チームのクライマーに対して大きなリードを築くことに成功。翌々日の第3ステージから現れる山岳区間で、予期せぬビハインドを食らったライバル勢が積極的に仕掛けてくるだろう。
ツアー・コロンビア2.1 2020 第1ステージ結果
1位 | EFプロサイクリング | 18:01 |
2位 | ドゥクーニンク・クイックステップ | 0:45 |
3位 | チームイネオス | 0:46 |
4位 | ラリーサイクリング | 0:59 |
5位 | UAEチームエミレーツ | 1:00 |
6位 | EPM・スコット | |
7位 | モビスター | 1:02 |
8位 | イスラエル・スタートアップネイション | 1:21 |
9位 | チームメデジン | 1:22 |
10位 | ウノX・ノルウェイジャンデベロップメントチーム | 1:32 |
個人総合成績
1位 | ヨナタン・カイセド(エクアドル、EFプロサイクリング) | 18:01 |
2位 | セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) | |
3位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFプロサイクリング) | |
4位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFプロサイクリング) | |
5位 | ローソン・クラドック(アメリカ、EFプロサイクリング) | 0:09 |
6位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:45 |
7位 | ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
8位 | ヤニック・シュタイムレ(ドイツ、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
9位 | ベルト・ファンレルベルフ(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
10位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) |
その他の特別賞
ヤングライダー賞 | セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) |
チーム総合成績 | EFプロサイクリング |
text:So.Isobe
photo:CorVos,tourcolombiauci.com
photo:CorVos,tourcolombiauci.com