2019/11/25(月) - 13:41
「砂地獄」コクサイデで開催されたシクロクロスワールドカップ第5戦。第1コーナーの落車に巻き込まれながらも、1周を要さず先頭に上がったマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)が圧勝。女子レースではセイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス)が接戦を制した。
アメリカ2連戦、スイス、そしてチェコで開催されてきたUCIシクロクロスワールドカップが、いよいよシクロクロス大国ベルギーに帰ってきた。舞台は西フランダース、フランドル地方の海に面した街コクサイデ。砂地獄を特徴とする、世界で最も象徴的なシクロクロスコースには数万人もの観客が詰め掛けた。
男子エリートレースは、ホールショットを決めたヨリス・ニューウィンハイス(オランダ、サンウェブ)の背後で大落車が発生する波乱の幕開けでスタート。ニコラス・クレッペ(ベルギー、テレネット・バロワーズ)とティム・メルリエ(ベルギー、クレアフィン・フリスタッズ)が地面に倒れ、中盤スタートの世界王者マチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)は足止めによってほぼ最後尾に転落。痛みをこらえながらメルリエもレース復帰し、有力勢2名は追い上げを強いられることとなる。
しかし「追走せざるを得ない状況だったけれど、ペースを上げた直後から調子の良さを感じたんだ。自分のリズムでレースを進めたけれど、砂レースではそれが一番大切で、簡単な方法だ」と言うファンデルポールは破竹の追走劇を見せた。圧倒的なパワーとスキルを武器に、乗車・降車を問わず次々と選手をパスし、1周目完了時には独走状態にあったローレンス・スウィーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)に合流。その圧倒的な速さにワールドカップリーダーのエリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)たちは太刀打ちできなかった。
2周目に入るとファンデルポールはすぐさま独走を築き上げ、リードを確認して巡航ペースに切り替える。最終的にこの日2位となるスウィークも「彼(ファンデルポール)が迫ってくるのが見えて、すぐさま先に行ってしまった。2位狙いに切り替えた」とファンデルポールの強さを語っている。
スウィークはテレネット・バロワーズ勢(ファンケッセル、ファンデルハール、アールツ、ヘルマンス)やイゼルビッド、マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)、マルセル・マイセン(ドイツ、コレンドン・サーカス)らと共に大きな2番手グループを形成する。1コーナーで落車したメルリエは最終的に9位にまで追い上げた。
ファンデルポールは終始リードを保ち、独走勝利。11月3日のスーパープレスティージュでCXシーズンインしてから負けなしの7勝目を納めた。2位は最終周回に得意の砂区間でライバルを置き去りにしたスウィーク、3位にはベルギー王者アールツが入った。ランキング首位はイゼルビッドが守っている。
45分間の女子レースではオランダ王者のルシンダ・ブラント(オランダ、テレネット・バロワーズ)が先行し、セイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス)やアンマリー・ワースト(オランダ、777)が続く展開でスタート。ワールドカップリーダーのカテリーナ・ナッシュ(チェコ、クリフレーシング)やサンヌ・カント(ベルギー、IKO・クレラン)は終始リズムを掴むことができなかった。
先頭ではブラントに代わったアルバラードが積極的にリードし、欧州王者ヤラ・カステライン(オランダ、777)とU23世界王者インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、CCC・リブ)、そしてワースト、ブラントがトップグループを形成。この日もオランダ勢がレースを掌握した。
好調アルバラードによる2周目のアタックでトップグループが分裂したが、3周目には再び合流。砂の処理に長けるブラントとアルバラードを先頭に、各選手が激しく火花を散らしながら最終周回に突入した。
ブラントは苦しみながらも先頭を牽き続け、耐えきれずにワーストとファンデルヘイデンが脱落。砂区間の入り口では毎回ブラントとアルバラードが熾烈なスプリントを繰り広げる。すると砂の登り区間で2番手のブラントが脚をつき、先行アルバラードは乗車でクリア。ここが勝負の分け目となった。
ブラントを振り切ったアルバラードが、初のワールドカップエリートカテゴリーの勝利を獲得。以降ブラント、カステラインと続き、5位までをオランダ勢が独占した。
アメリカ2連戦、スイス、そしてチェコで開催されてきたUCIシクロクロスワールドカップが、いよいよシクロクロス大国ベルギーに帰ってきた。舞台は西フランダース、フランドル地方の海に面した街コクサイデ。砂地獄を特徴とする、世界で最も象徴的なシクロクロスコースには数万人もの観客が詰め掛けた。
男子エリートレースは、ホールショットを決めたヨリス・ニューウィンハイス(オランダ、サンウェブ)の背後で大落車が発生する波乱の幕開けでスタート。ニコラス・クレッペ(ベルギー、テレネット・バロワーズ)とティム・メルリエ(ベルギー、クレアフィン・フリスタッズ)が地面に倒れ、中盤スタートの世界王者マチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)は足止めによってほぼ最後尾に転落。痛みをこらえながらメルリエもレース復帰し、有力勢2名は追い上げを強いられることとなる。
しかし「追走せざるを得ない状況だったけれど、ペースを上げた直後から調子の良さを感じたんだ。自分のリズムでレースを進めたけれど、砂レースではそれが一番大切で、簡単な方法だ」と言うファンデルポールは破竹の追走劇を見せた。圧倒的なパワーとスキルを武器に、乗車・降車を問わず次々と選手をパスし、1周目完了時には独走状態にあったローレンス・スウィーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)に合流。その圧倒的な速さにワールドカップリーダーのエリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)たちは太刀打ちできなかった。
2周目に入るとファンデルポールはすぐさま独走を築き上げ、リードを確認して巡航ペースに切り替える。最終的にこの日2位となるスウィークも「彼(ファンデルポール)が迫ってくるのが見えて、すぐさま先に行ってしまった。2位狙いに切り替えた」とファンデルポールの強さを語っている。
スウィークはテレネット・バロワーズ勢(ファンケッセル、ファンデルハール、アールツ、ヘルマンス)やイゼルビッド、マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)、マルセル・マイセン(ドイツ、コレンドン・サーカス)らと共に大きな2番手グループを形成する。1コーナーで落車したメルリエは最終的に9位にまで追い上げた。
ファンデルポールは終始リードを保ち、独走勝利。11月3日のスーパープレスティージュでCXシーズンインしてから負けなしの7勝目を納めた。2位は最終周回に得意の砂区間でライバルを置き去りにしたスウィーク、3位にはベルギー王者アールツが入った。ランキング首位はイゼルビッドが守っている。
45分間の女子レースではオランダ王者のルシンダ・ブラント(オランダ、テレネット・バロワーズ)が先行し、セイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス)やアンマリー・ワースト(オランダ、777)が続く展開でスタート。ワールドカップリーダーのカテリーナ・ナッシュ(チェコ、クリフレーシング)やサンヌ・カント(ベルギー、IKO・クレラン)は終始リズムを掴むことができなかった。
先頭ではブラントに代わったアルバラードが積極的にリードし、欧州王者ヤラ・カステライン(オランダ、777)とU23世界王者インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、CCC・リブ)、そしてワースト、ブラントがトップグループを形成。この日もオランダ勢がレースを掌握した。
好調アルバラードによる2周目のアタックでトップグループが分裂したが、3周目には再び合流。砂の処理に長けるブラントとアルバラードを先頭に、各選手が激しく火花を散らしながら最終周回に突入した。
ブラントは苦しみながらも先頭を牽き続け、耐えきれずにワーストとファンデルヘイデンが脱落。砂区間の入り口では毎回ブラントとアルバラードが熾烈なスプリントを繰り広げる。すると砂の登り区間で2番手のブラントが脚をつき、先行アルバラードは乗車でクリア。ここが勝負の分け目となった。
ブラントを振り切ったアルバラードが、初のワールドカップエリートカテゴリーの勝利を獲得。以降ブラント、カステラインと続き、5位までをオランダ勢が独占した。
男子エリート結果
1位 | マチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) | 59'58" |
2位 | ローレンス・スウィーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | +25" |
3位 | トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・バロワーズ) | +35" |
4位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・バロワーズ) | +40" |
5位 | クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・バロワーズ) | +50" |
6位 | コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・バロワーズ) | +1'02" |
7位 | マルセル・マイセン(ドイツ、コレンドン・サーカス) | +1'05" |
8位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | +1'19" |
9位 | ティム・メルリエ(ベルギー、クレアフィン・フリスタッズ) | +1'28" |
10位 | トーマス・ピッドコック(イギリス、トリニティレーシング) | +1'33" |
女子レース結果
1位 | セイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス) | 47'09" |
2位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、テレネット・バロワーズ) | +06" |
3位 | ヤラ・カステライン(オランダ、777) | +08" |
4位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、CCC・リブ) | +21" |
5位 | アンマリー・ワースト(オランダ、777) | +24" |
6位 | ラウラ・フェルドンショット(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | +1'00" |
7位 | サンヌ・カント(ベルギー、IKO・クレラン) | +1'24" |
8位 | アリーチェマリア・アルツィッフィ(イタリア、777) | +1'25" |
9位 | エヴァ・リヒナー(イタリア、クレアフィン・フリスタッズ) | +1'47" |
10位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ) | +1'48" |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
Amazon.co.jp