2019/10/14(月) - 14:45
砂と泥のギーテンで開幕したスーパープレスティージュ。絶好調エリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)がクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・バロワーズ)との一騎打ちを制した。
ベルギーを中心とするシクロクロスのシリーズ戦「テレネット・スーパープレスティージュ」が、オランダの街ギーテンで開幕した。1982年に開幕し、UCIシクロクロスワールドカップ(1993年にスタート)よりも歴史ある伝統的なシリーズ戦であり、そのプライオリティは非常に高い。今年は10月13日の開幕戦から2020年2月15日のミッデルケルケまで合計8戦が予定されている。
例年開幕戦が行われるギーテンのコースの特徴は、池を囲う砂地と小刻みな登り。今年は雨によって重馬場の泥区間が現れたことで、パワーとランニング能力も問われる欧州らしいレースが繰り広げられた。
男子レースには、アメリカで開催されたワールドカップ2連戦で連勝したエリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)を始め、ベルギー王者トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・バロワーズ)など屈強な欧米勢が多数出場。60分間のレースはジャンニ・フェルメールシュ(ベルギー、クレアフィン・フリスタッズ)の好スタートで幕明けた。
ローレンス・スウィーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)やクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・バロワーズ)、ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、サンウェブ)らがフェルメールシュに代わって先頭グループを組み、2周目にイゼルビッドなど複数名が合流。その中からイゼルビッドとチームメイトのダーン・ソエテ(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)が飛び出す形となる。
絶好調イゼルビッドの先行に待ったをかけたのはヘルマンスだった。全10周回中の4周目に追走グループから抜け出し、イゼルビッドに合流。後続グループは多人数が災いしてか積極的にペースを上げることはできなかった。
勝利の行方は先頭のイゼルビッドとヘルマンスに絞られ、6周目からイゼルビッドが断続的にアタックを繰り出すも、自身のミスとヘルマンスの追走によってパックは崩れない。8周目にはベルギー王者アールツが合流したことでテレネットの数的有利となったものの、アールツは痛恨のチェーンドロップで脱落してしまう。
レース時間が1時間を超えた最終周回に仕掛けたのはイゼルビッドだった。「今日のヘルマンスはとても強く、最後はイチかバチかのアタックだった」と振り返るイゼルビッドは登り区間で一気に5秒を稼ぎ出し、リードを守り抜いたままフィニッシュへ。元U23世界王者のビッグレース3連勝が決まった。
今回の勝利でワールドカップとスーパープレスティージュ共にシリーズランキング首位に立ったイゼルビッドは「予想を遥かに超える開幕だ。できる限りこの調子のままシーズンを過ごしていきたいと思う」と語っている。
6周回で争われた女子レースには、ワールドカップをスキップした世界王者サンヌ・カント(ベルギー、IKO・クレラン)を始め53名が出走。その中にはロード世界王者のアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)も名を連ね注目を集めた。
ベテランのエレン・ファンロイ(ベルギー、テレネット・バロワーズ)らが好スタートを切り、1周目中盤にはセイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス)と欧州王者アンマリー・ワースト(オランダ、777)が先行する形に。2周目に入ると軽やかなランニングを披露するアルバラードが一気にリードを稼いで独走態勢を築き上げた。
アルバラードの勢いは周回遅れの選手に足止めされても止まることなく、レース中盤から追走したカントとヤラ・カステリン(オランダ、777)も届かない。前日にベルギーで開催されたエティアスクロス(昨年まではブリコクロス)第3戦で3位に終わっていたドミニカ出身の21歳が初のスーパープレスティージュ勝利を挙げた。
なおファンフルーテンはラップアウトにより36位フィニッシュ。「自分には泥すぎるコースだったけれど、雰囲気は素晴らしかった。ファンと観客が素晴らしい1日にしてくれた」という言葉と共に、カントと記念撮影した写真をTwitterに残している。
ベルギーを中心とするシクロクロスのシリーズ戦「テレネット・スーパープレスティージュ」が、オランダの街ギーテンで開幕した。1982年に開幕し、UCIシクロクロスワールドカップ(1993年にスタート)よりも歴史ある伝統的なシリーズ戦であり、そのプライオリティは非常に高い。今年は10月13日の開幕戦から2020年2月15日のミッデルケルケまで合計8戦が予定されている。
例年開幕戦が行われるギーテンのコースの特徴は、池を囲う砂地と小刻みな登り。今年は雨によって重馬場の泥区間が現れたことで、パワーとランニング能力も問われる欧州らしいレースが繰り広げられた。
男子レースには、アメリカで開催されたワールドカップ2連戦で連勝したエリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)を始め、ベルギー王者トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・バロワーズ)など屈強な欧米勢が多数出場。60分間のレースはジャンニ・フェルメールシュ(ベルギー、クレアフィン・フリスタッズ)の好スタートで幕明けた。
ローレンス・スウィーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)やクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・バロワーズ)、ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、サンウェブ)らがフェルメールシュに代わって先頭グループを組み、2周目にイゼルビッドなど複数名が合流。その中からイゼルビッドとチームメイトのダーン・ソエテ(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)が飛び出す形となる。
絶好調イゼルビッドの先行に待ったをかけたのはヘルマンスだった。全10周回中の4周目に追走グループから抜け出し、イゼルビッドに合流。後続グループは多人数が災いしてか積極的にペースを上げることはできなかった。
勝利の行方は先頭のイゼルビッドとヘルマンスに絞られ、6周目からイゼルビッドが断続的にアタックを繰り出すも、自身のミスとヘルマンスの追走によってパックは崩れない。8周目にはベルギー王者アールツが合流したことでテレネットの数的有利となったものの、アールツは痛恨のチェーンドロップで脱落してしまう。
レース時間が1時間を超えた最終周回に仕掛けたのはイゼルビッドだった。「今日のヘルマンスはとても強く、最後はイチかバチかのアタックだった」と振り返るイゼルビッドは登り区間で一気に5秒を稼ぎ出し、リードを守り抜いたままフィニッシュへ。元U23世界王者のビッグレース3連勝が決まった。
今回の勝利でワールドカップとスーパープレスティージュ共にシリーズランキング首位に立ったイゼルビッドは「予想を遥かに超える開幕だ。できる限りこの調子のままシーズンを過ごしていきたいと思う」と語っている。
6周回で争われた女子レースには、ワールドカップをスキップした世界王者サンヌ・カント(ベルギー、IKO・クレラン)を始め53名が出走。その中にはロード世界王者のアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)も名を連ね注目を集めた。
ベテランのエレン・ファンロイ(ベルギー、テレネット・バロワーズ)らが好スタートを切り、1周目中盤にはセイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス)と欧州王者アンマリー・ワースト(オランダ、777)が先行する形に。2周目に入ると軽やかなランニングを披露するアルバラードが一気にリードを稼いで独走態勢を築き上げた。
アルバラードの勢いは周回遅れの選手に足止めされても止まることなく、レース中盤から追走したカントとヤラ・カステリン(オランダ、777)も届かない。前日にベルギーで開催されたエティアスクロス(昨年まではブリコクロス)第3戦で3位に終わっていたドミニカ出身の21歳が初のスーパープレスティージュ勝利を挙げた。
なおファンフルーテンはラップアウトにより36位フィニッシュ。「自分には泥すぎるコースだったけれど、雰囲気は素晴らしかった。ファンと観客が素晴らしい1日にしてくれた」という言葉と共に、カントと記念撮影した写真をTwitterに残している。
スーパープレスティージュ2019-2020第1戦 男子エリート結果
1位 | エリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 1:04:13 |
2位 | クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・バロワーズ) | 1:04:30 |
3位 | コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・バロワーズ) | 1:04:56 |
4位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・バロワーズ) | 1:04:56 |
5位 | イェンス・アダムス(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 1:05:21 |
6位 | ダーン・ソエテ(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 1:05:30 |
7位 | ジャンニ・フェルメールシュ(ベルギー、クレアフィン・フリスタッズ) | 1:05:34 |
8位 | ローレンス・スウィーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 1:05:39 |
9位 | トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・バロワーズ) | 1:05:53 |
10位 | ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、サンウェブ) | 1:06:09 |
スーパープレスティージュ2019-2020第1戦 女子レース結果
1位 | セイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス) | 0:46:24 |
2位 | サンヌ・カント(ベルギー、IKO・クレラン) | 0:47:19 |
3位 | ヤラ・カステリン(オランダ、777) | 0:47:30 |
4位 | エヴァ・リヒナー(イタリア、クレアフィン・フリスタッズ) | 0:47:37 |
5位 | エレン・ファンロイ(ベルギー、テレネット・バロワーズ) | 0:47:42 |
6位 | マウド・カプテインス(オランダ、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 0:47:47 |
7位 | マノン・バッカー(オランダ、エクスペルザ・プロCX) | 0:47:55 |
8位 | ラウラ・フェルドンショット(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 0:47:58 |
9位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ) | 0:48:00 |
10位 | ヘールテ・ホック(オランダ) | 0:48:23 |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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