2019/09/11(水) - 15:04
NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネの圧勝で終わったツール・ド・北海道。最終日を終えて、集団コントロールで先頭を引きまくった初山翔と伊藤雅和、第2、第3ステージ連続で逃げた増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、大学生最上位の総合7位で終えた小出樹(京都産業大学)の4名に話を聞いた。
チーム総合優勝の表彰に登壇したNIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネのメンバー photo:Satoru Kato
NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネから出場した初山翔と伊藤雅和。第2ステージと第3ステージでは、リーダージャージのフィリッポ・ザッカンティを従えて長時間集団の先頭に立ち、個人総合優勝に大きく貢献した。表彰式後の共同会見で話を聞いた。
「チームにとって重要なレースだった」と初山翔(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) photo:Satoru Kato初山翔「日本人で勝ちたかったのが本音」
「チームにとってすごく大事なレースで、誰かが勝つことは一番の目標でした。チームとしては数少ない日本でのレースなので、日本人で勝ちたかったというのが僕の本音です。でも第1ステージの展開でああいう形になってしまったので、そこからはチームのアシストとして全力を尽くしました。こうしてすべての賞を獲れたことは嬉しいし、満足しています。
第2ステージは勘違いしていて予想以上に逃げメンバーが多くて、かなり苦しみました。でも逃げ9人に対して、手伝ってはもらいましたけれど長い期間2人で5分以上あったタイム差をしっかり詰められたことに対して自分の成長も感じられたし、良い大会だったと思います」
「自分達が一番風を切った」と伊藤雅和(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) photo:Satoru Kato伊藤雅和「この大会で一番風を切って走った2人」
「初日は誰でも狙って良いという作戦だったのですが、(フィリッポ・)ザッカンティと(ジョアン・)ボウ(・カンパニー)が行ったのでそこからは集団待機でした。ザッカンティがリーダーになった2日目からはチームのために働くのが仕事だったので、どうにかして集団をまとめて総合優勝目指して頑張りました。初山と2人で先頭引いていた時間が長かったので、この大会で一番風を切った2人ではないかと思います(笑)。それが結果に結び付けられたので満足です。
今シーズンは海外のレースも走らせてもらって、自分の力が上がってきたことをここでしっかり再確認出来ました」
第2ステージ 初山翔と伊藤雅和の後ろに山岳賞のジョアン・ボウ・カンパニーと、総合首位のフィリッポ・ザッカンティが続く photo:Satoru Kato
増田成幸「可能性にかけてアクションを起こせたが、第1ステージで保守的になりすぎた」
第3ステージ フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)、木村圭佑(シマノレーシングチーム)らと逃げる増田成幸(宇都宮ブリッツェン) photo:Satoru Kato
第2ステージと第3ステージの2日連続で逃げに乗った増田成幸(宇都宮ブリッツェン)。第3ステージではフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)と2人になりながらも終盤まで逃げ続けた。
第3ステージの区間山岳賞で表彰された増田成幸(宇都宮ブリッツェン) photo:Satoru Kato「総合を少しでもシャッフルできる可能性が1%でもあるならチャレンジしたいと思って、可能性にかけて最終日も逃げに乗りました。登りに入って後ろの集団がペースアップして詰めてくるのはわかっていたので、山岳賞の登りで追いつかれると思ったので踏んで行きました。案の定下りで1分45秒くらいになっていたので、踏んで行って正解だったなと思います。シマノの木村(圭佑)選手はきつそうにしていて自分から降りていったけれど、僕はあきらめが悪いので、ここまで足を使ったら最後まで出し切ろうと思って行きました。
今日は調子が良くて、(フランシスコ)マンセボについて行けました。マンセボがあと3人くらいいて、僕もあと3人くらいいたらにげきれたかもしれないなと(笑)。ただ集団にいて時が経つのを待っているのではなくて、アクションを起こしてみんなの力を借りて可能性にかけることが出来たのでワクワクしました。
今年のようなコースは得意だという意識がありすぎて、第1ステージで保守的になってしまった自分がいて、序盤からガンガン行ってたら総合争いに絡めたのかなと思うとちょっと反省しています。チーム全員が逃げ遅れてしまったので、初日が全てでした。
怪我はもう治って、これからも体を大事にして積み重ねていくだけです。怪我と故障に気をつけて、1日1日を大事にしていった先に見えてくると思うので、自分に甘えることなくしっかりやっていきたいです」
小出樹「UCIレースで逃げて上位に入れたのは良い経験」
第1ステージ終盤 フィリッポ・ザッカンティのアタックに反応する小出樹(京都産業大学) photo:Satoru Kato
第1ステージ、大学生として唯一勝ち逃げの集団に入った小出樹(京都産業大学)。ただ逃げの集団に入っただけでなく、ローテーションを回し、終盤のアタック合戦に加わるなど見せ場をつくった。第2、第3ステージは遅れることなくメイン集団でフィニッシュし、35秒遅れを維持して個人総合7位という結果を残した。
小出樹(中央)と京都産業大学のメンバー photo:Satoru Kato「もう走りたくないですね(笑)。ごちそうさまでしたという感じです。昨日の第2ステージはスプリントになって、集団ゴールなら順位変わらないと思っていたら着順で順位が変わることを忘れていて総合順位が下がってしまったので、今日(第3ステージ)は着順をちゃんと気にしました。
今日の第3ステージは集団の中はNIPPOがコントロール始めてからはゆったりだったので、楽しげ・・・と言うか、ピリピリした感じではなかったです。最後は位置取り争いでバチバチしてましたが、怖くてもうやりたくないです(笑)。学連で協力して順位を上げようと走っていたのですが、やはりプロは違いますね。
UCIレースで逃げて上位に入れたのは良い経験になりました。これまでにツール・ド・熊野とプレオリンピックに出ましたが、ツール・ド・北海道は距離が長いし、登りのスピードも速いです。今は大学2年生で、まだ20歳になってないんです。来年こそはインカレで優勝して、北海道にもまた出たいです」
text&photo:Satoru Kato
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NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネから出場した初山翔と伊藤雅和。第2ステージと第3ステージでは、リーダージャージのフィリッポ・ザッカンティを従えて長時間集団の先頭に立ち、個人総合優勝に大きく貢献した。表彰式後の共同会見で話を聞いた。
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第2ステージは勘違いしていて予想以上に逃げメンバーが多くて、かなり苦しみました。でも逃げ9人に対して、手伝ってはもらいましたけれど長い期間2人で5分以上あったタイム差をしっかり詰められたことに対して自分の成長も感じられたし、良い大会だったと思います」
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「初日は誰でも狙って良いという作戦だったのですが、(フィリッポ・)ザッカンティと(ジョアン・)ボウ(・カンパニー)が行ったのでそこからは集団待機でした。ザッカンティがリーダーになった2日目からはチームのために働くのが仕事だったので、どうにかして集団をまとめて総合優勝目指して頑張りました。初山と2人で先頭引いていた時間が長かったので、この大会で一番風を切った2人ではないかと思います(笑)。それが結果に結び付けられたので満足です。
今シーズンは海外のレースも走らせてもらって、自分の力が上がってきたことをここでしっかり再確認出来ました」
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増田成幸「可能性にかけてアクションを起こせたが、第1ステージで保守的になりすぎた」
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第2ステージと第3ステージの2日連続で逃げに乗った増田成幸(宇都宮ブリッツェン)。第3ステージではフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)と2人になりながらも終盤まで逃げ続けた。
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今日は調子が良くて、(フランシスコ)マンセボについて行けました。マンセボがあと3人くらいいて、僕もあと3人くらいいたらにげきれたかもしれないなと(笑)。ただ集団にいて時が経つのを待っているのではなくて、アクションを起こしてみんなの力を借りて可能性にかけることが出来たのでワクワクしました。
今年のようなコースは得意だという意識がありすぎて、第1ステージで保守的になってしまった自分がいて、序盤からガンガン行ってたら総合争いに絡めたのかなと思うとちょっと反省しています。チーム全員が逃げ遅れてしまったので、初日が全てでした。
怪我はもう治って、これからも体を大事にして積み重ねていくだけです。怪我と故障に気をつけて、1日1日を大事にしていった先に見えてくると思うので、自分に甘えることなくしっかりやっていきたいです」
小出樹「UCIレースで逃げて上位に入れたのは良い経験」
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第1ステージ、大学生として唯一勝ち逃げの集団に入った小出樹(京都産業大学)。ただ逃げの集団に入っただけでなく、ローテーションを回し、終盤のアタック合戦に加わるなど見せ場をつくった。第2、第3ステージは遅れることなくメイン集団でフィニッシュし、35秒遅れを維持して個人総合7位という結果を残した。
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今日の第3ステージは集団の中はNIPPOがコントロール始めてからはゆったりだったので、楽しげ・・・と言うか、ピリピリした感じではなかったです。最後は位置取り争いでバチバチしてましたが、怖くてもうやりたくないです(笑)。学連で協力して順位を上げようと走っていたのですが、やはりプロは違いますね。
UCIレースで逃げて上位に入れたのは良い経験になりました。これまでにツール・ド・熊野とプレオリンピックに出ましたが、ツール・ド・北海道は距離が長いし、登りのスピードも速いです。今は大学2年生で、まだ20歳になってないんです。来年こそはインカレで優勝して、北海道にもまた出たいです」
text&photo:Satoru Kato
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