2019/09/06(金) - 22:55
2年ぶりの開催となるツール・ド・北海道が6日開幕。初日の第1ステージは旭川市から新得町までの181.6kmで行われた。序盤に形成された先頭集団が最後まで逃げきり、終盤のアタック合戦から抜け出したフィリッポ・ザッカンティ(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)が優勝して個人総合首位に立った。25秒遅れの5位に京都産業大学の小出樹が入る健闘を見せた。
昨年の大会直前に起きた北海道胆振東部地震により中止となったツール・ド・北海道。今年は昨年予定されていたコースをほぼそのまま継承。道北・道東地域を舞台に、大雪山の周囲を反時計回りに1周するように設定された3日間3ステージで開催される。
初日の第1ステージは、旭川市から大雪山の西側を南下。美瑛町、富良野市などを経て新得町にフィニッシュする181.6km。コース前半に標高1050mまで登る十勝岳を含む2つの1級山岳、終盤には2級山岳の狩勝峠がひかえる。その他にも等級がつかないようなアップダウンが繰り返され、第1ステージが一番ハードだという声もあるほどだ。
天気予報では雨の可能性もあったが、スタート地点の旭川市の天気は晴れ。レースの進行と共に雲が多くなったものの、フィニッシュの新得町まで雨粒が落ちてくることは無かった。台風の影響もあってか、北海道各地で30℃に迫る最高気温を記録する暑さとなった。
リアルスタートが切られると、長くフラットな直線道路でアタック合戦が始まる。10kmほど行ったところで十数名が先行。何度か出入りが繰り返されたのち、40kmを経過するまでに10名が先行する。メンバーは、山本元喜(キナンサイクリングチーム)、安原大貴(マトリックスパワータグ)、ヌル・アミル・ファルクディン・マズキ(マレーシア、トレンガヌ INC. TSG サイクリングチーム)、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、小出樹(京都産業大学)、ライアン・ガヴァナー(セントジョージ・コンチネンタル・サイクリングチーム)、柴田雅之(那須ブラーゼン)、徳田優(チームブリヂストンサイクリング)、ジョアン・ボウ・カンパニー(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)、サミュエル・クローム(チーム右京)。
さらにフィリッポ・ザッカンティ(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)の2人が追走して合流。小野寺が遅れて11名の先頭集団が形成される。メイン集団はペースダウンし、最大で5分差まで開く。
十勝岳を含む2回連続の1級山岳は、カンパニーが連取。一方メイン集団は、十勝岳を下り切ると30名前後まで人数を減らす。宇都宮ブリッツェンが中心となって集団を牽引するものの、先頭集団との差は縮まらないまま、コース終盤へ。
残り40kmを切ると、先頭集団とメイン集団との差が縮まり始める。3分差のボードが先頭集団に掲示されると、それまで淡々と回っていたローテーションが崩れてアタック合戦が始まる。残り20km過ぎの2級山岳・狩勝峠に向かう登りに入ると、ザッカンティとカンパニーのNIPPO2人がアタックを繰り返す。そして頂上を前にザッカンティが独走態勢を築き、フィニッシュの新得町に向けてダウンヒルしていく。「反応が遅れてしまった」と言う山本らが追走するも追いきれず、差は30秒から40秒と開いていく。メイン集団も2分未満まで迫るものの、先行する集団には追いつけない。
およそ20kmを逃げ切ったザッカンティは右手親指を立てるサムズアップをしながらフィニッシュ。1位のボーナスタイム10秒を得て、2位以下に29秒差をつけて総合首位に立った。先頭集団に唯一残った大学生の小出が5位に入る健闘を見せた。
山岳賞ジャージを獲得したチームメイトのカンパニーと記者会見に応じたザッカンティは「登りの繰り返しで厳しいレースだった。これが2回目の優勝だが、ステージ優勝は初めてなのでとても嬉しい」と喜ぶ。明日総合首位を守るのかの問いには「これから考える」と答えた。
一方、強豪選手に混じって最後まで先頭集団に残った小出は「序盤のアタック合戦で踏んで必死に食らいついていったら先頭集団に入れました。最後の狩勝峠でのアタック合戦は厳しかったけれど、下ったら余裕があって一発狙ってみようと思いました。でも残り500mの看板が見えて、スプリントは不得意なのでダメでした」と、レースを振り返る。「調子は良いけれど、しんどいのでもう走りたくないですね(笑)。でも明日は今日ほどじゃないと聞くので、ちょっと頑張ります」と話した。
第1ステージを終え、個人総合優勝争いは早くも上位8名に絞られた。とは言え、30秒前後の差がついてしまっているので、逆転はかなり難しい。
明日の第2ステージは、標高1137mの三国峠と、同1040mの石北峠を越える171.8km。2つの峠を登った後、フィニッシュまで45kmは下りと平坦なので、差がつきにくいと予想される。あるいは、という展開が起きるか?
昨年の大会直前に起きた北海道胆振東部地震により中止となったツール・ド・北海道。今年は昨年予定されていたコースをほぼそのまま継承。道北・道東地域を舞台に、大雪山の周囲を反時計回りに1周するように設定された3日間3ステージで開催される。
初日の第1ステージは、旭川市から大雪山の西側を南下。美瑛町、富良野市などを経て新得町にフィニッシュする181.6km。コース前半に標高1050mまで登る十勝岳を含む2つの1級山岳、終盤には2級山岳の狩勝峠がひかえる。その他にも等級がつかないようなアップダウンが繰り返され、第1ステージが一番ハードだという声もあるほどだ。
天気予報では雨の可能性もあったが、スタート地点の旭川市の天気は晴れ。レースの進行と共に雲が多くなったものの、フィニッシュの新得町まで雨粒が落ちてくることは無かった。台風の影響もあってか、北海道各地で30℃に迫る最高気温を記録する暑さとなった。
リアルスタートが切られると、長くフラットな直線道路でアタック合戦が始まる。10kmほど行ったところで十数名が先行。何度か出入りが繰り返されたのち、40kmを経過するまでに10名が先行する。メンバーは、山本元喜(キナンサイクリングチーム)、安原大貴(マトリックスパワータグ)、ヌル・アミル・ファルクディン・マズキ(マレーシア、トレンガヌ INC. TSG サイクリングチーム)、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、小出樹(京都産業大学)、ライアン・ガヴァナー(セントジョージ・コンチネンタル・サイクリングチーム)、柴田雅之(那須ブラーゼン)、徳田優(チームブリヂストンサイクリング)、ジョアン・ボウ・カンパニー(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)、サミュエル・クローム(チーム右京)。
さらにフィリッポ・ザッカンティ(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)の2人が追走して合流。小野寺が遅れて11名の先頭集団が形成される。メイン集団はペースダウンし、最大で5分差まで開く。
十勝岳を含む2回連続の1級山岳は、カンパニーが連取。一方メイン集団は、十勝岳を下り切ると30名前後まで人数を減らす。宇都宮ブリッツェンが中心となって集団を牽引するものの、先頭集団との差は縮まらないまま、コース終盤へ。
残り40kmを切ると、先頭集団とメイン集団との差が縮まり始める。3分差のボードが先頭集団に掲示されると、それまで淡々と回っていたローテーションが崩れてアタック合戦が始まる。残り20km過ぎの2級山岳・狩勝峠に向かう登りに入ると、ザッカンティとカンパニーのNIPPO2人がアタックを繰り返す。そして頂上を前にザッカンティが独走態勢を築き、フィニッシュの新得町に向けてダウンヒルしていく。「反応が遅れてしまった」と言う山本らが追走するも追いきれず、差は30秒から40秒と開いていく。メイン集団も2分未満まで迫るものの、先行する集団には追いつけない。
およそ20kmを逃げ切ったザッカンティは右手親指を立てるサムズアップをしながらフィニッシュ。1位のボーナスタイム10秒を得て、2位以下に29秒差をつけて総合首位に立った。先頭集団に唯一残った大学生の小出が5位に入る健闘を見せた。
山岳賞ジャージを獲得したチームメイトのカンパニーと記者会見に応じたザッカンティは「登りの繰り返しで厳しいレースだった。これが2回目の優勝だが、ステージ優勝は初めてなのでとても嬉しい」と喜ぶ。明日総合首位を守るのかの問いには「これから考える」と答えた。
一方、強豪選手に混じって最後まで先頭集団に残った小出は「序盤のアタック合戦で踏んで必死に食らいついていったら先頭集団に入れました。最後の狩勝峠でのアタック合戦は厳しかったけれど、下ったら余裕があって一発狙ってみようと思いました。でも残り500mの看板が見えて、スプリントは不得意なのでダメでした」と、レースを振り返る。「調子は良いけれど、しんどいのでもう走りたくないですね(笑)。でも明日は今日ほどじゃないと聞くので、ちょっと頑張ります」と話した。
第1ステージを終え、個人総合優勝争いは早くも上位8名に絞られた。とは言え、30秒前後の差がついてしまっているので、逆転はかなり難しい。
明日の第2ステージは、標高1137mの三国峠と、同1040mの石北峠を越える171.8km。2つの峠を登った後、フィニッシュまで45kmは下りと平坦なので、差がつきにくいと予想される。あるいは、という展開が起きるか?
ツール・ド・北海道2019 第1ステージ 旭川-新得町 結果(181.6km)
1位 | フィリッポ・ザッカンティ(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | 4時間29分59秒 |
2位 | サミュエル・クローム(オーストラリア、チーム右京) | +25秒 |
3位 | ヌル・アミル・ファルクディン・マズキ(マレーシア、トレンガヌ INC. TSG サイクリングチーム) | |
4位 | ジョアン・ボウ・カンパニー(スペイン、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | |
5位 | 小出 樹(京都産業大学) | |
6位 | ホセ・ビセンテ・トリビオ・アルコレア(スペイン、マトリックスパワータグ) | |
7位 | 徳田 優(チームブリヂストンサイクリング) | |
8位 | 山本元喜(キナンサイクリングチーム) | |
9位 | ファンホセ・ロバト・デル・ヴァレ(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | +1分38秒 |
10位 | ベンジャミ・プラデス(スペイン、チーム右京) |
個人総合時間順位(第1ステージ終了時)
1位 | フィリッポ・ザッカンティ(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | 4時間29分59秒 |
2位 | サミュエル・クローム(オーストラリア、チーム右京) | +29秒 |
3位 | ヌル・アミル・ファルクディン・マズキ(マレーシア、トレンガヌ INC. TSG サイクリングチーム) | +31秒 |
4位 | ジョアン・ボウ・カンパニー(スペイン、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | +35秒 |
5位 | 小出 樹(京都産業大学) | |
6位 | ホセ・ビセンテ・トリビオ・アルコレア(スペイン、マトリックスパワータグ) |
ポイント賞(第1ステージ終了時)
1位 | フィリッポ・ザッカンティ(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | 25p |
2位 | サミュエル・クローム(オーストラリア、チーム右京) | 20p |
3位 | ヌル・アミル・ファルクディン・マズキ(マレーシア、トレンガヌ INC. TSG サイクリングチーム) | 16p |
山岳賞(第1ステージ終了時)
1位 | ジョアン・ボウ・カンパニー(スペイン、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | 23p |
2位 | 山本元喜(キナンサイクリングチーム) | 19p |
3位 | フィリッポ・ザッカンティ(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | 10p |
チーム総合成績(第1ステージ終了時)
1位 | NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ | 13時間32分0秒 |
2位 | チーム右京 | +1分38秒 |
3位 | キナンサイクリングチーム |
text&photo:Satoru kato
フォトギャラリー
Amazon.co.jp