2019/08/15(木) - 10:27
フルーネウェーヘンとの接戦スプリントを制したサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)がハットトリック達成。ビンクバンク・ツアー第3ステージでアイルランドチャンピオンのベネットが史上初のステージ3連勝を果たした。
ロット・スーダルの選手たちが先頭に並び、1分間の黙祷が捧げられた photo:CorVos
前日にランブレヒトの葬儀が行われたクネセラーレの教会前をレースは通過 photo:CorVos
ビンクバンク・ツアー第3ステージはフランドル地方のアールテルを発着する166.9km。スタート&フィニッシュ地点から5kmほどしか離れていないクネセラーレは、前日に故ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー)の葬儀が行われた街。スタート前にはロット・スーダルの選手たちが最前列に並び、若くして命を落とした才能への黙祷が捧げられた。レースがクネセラーレを通過する際にはランブレヒトの家族に花が贈られている。
平坦基調のステージで序盤から逃げたローレンス・デフリーズ(ベルギー、アスタナ)ら3名は中盤に早くも吸収される。すると、続いて地元出身者ギヨーム・ファンケイルスブルク(ベルギー、CCCチーム)ら3名が新たに逃げグループを形成。メイン集団とのタイム差を1分に広げ、合計3周するアールテルを起点にした33km周回コースを駆け抜けた。
逃げグループを形成した3名
ギヨーム・ファンケイルスブルク(ベルギー、CCCチーム)
ハリー・タンフィールド(イギリス、カチューシャ・アルペシン)
ステイン・スティールス(ベルギー、ルームポット・シャルル)
ステージ後半に逃げるステイン・スティールス(ベルギー、ルームポット・シャルル)ら3名 photo:CorVos
横風に警戒しながら各チームが集団前方に上がる photo:CorVos
チームカー1台がようやく通れるほどの細さと、ベルギーらしい荒いコンクリートの路面と、ところどころ現れる石畳と、風向きがコロコロと変わる周回コース。このクラシックレースのような周回コースを高速で駆け抜けた集団内では落車やパンク、メカトラが多発する。初出場したツール・ド・フランスで3回ステージトップ10フィニッシュしたクサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、ワンティ・グループゴベール)は落車によりリタイアを喫している。
逃げトリオはボーナスタイムが与えられる『ゴールデンキロメーター』を通過後に、フィニッシュまで3.5kmを残して吸収される。横風区間で人数を減らしながら各スプリンターチームが集団先頭に入り乱れる中、残り1kmアーチ通過とともにトレック・セガフレードが先頭に立った。
残り400mの最終コーナーで発生したスリップ&落車によって集団の人数がさらに絞られ、マッズ・ペデルセン(デンマーク、トレック・セガフレード)のリードアウトを受けたエドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)がスプリント開始のタイミングを伺いながら残り200m。その後ろから最初に仕掛けたジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ)が先行した。
トゥーンスが前を塞がれる形になった一方で、フィリプセンのスリップストリームに入ったディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が腰を上げ、さらにその後ろのベネットも加速する。フィリプセンを右側から追い抜いたフルーネウェーヘンと、左側から追い抜いたベネット。両者は横並びのままフィニッシュラインにハンドルを投げ込んだ。
写真判定の末にベネットが数センチ差で先着していることが判明。ベネットが第1ステージから負けなしの開幕3連勝を飾った。
ナーバスなメイン集団が逃げグループを追いかける photo:CorVos
ハンドルを投げ込むディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)とサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
「最終コーナーで誰かが接触してバイクが少し壊れてしまった。変速が飛び飛びになってしまったので上手くスプリントできなかったけど、何とか落ち着いて勝負することにした。UAEの選手(フィリプセン)のスプリントに続いていなければ勝てていなかったと思う。今日はラッキーだった」と、いつもより重めのギアを踏み切ったベネットは語る。
エネコ・ツアー時代を含めて過去にはトム・ボーネン(ベルギー)とタイラー・ファラー(アメリカ)が1大会でステージ3勝という記録を残しているが、ステージ3連勝はベネットが初めて。「今朝、誰も成し遂げていない記録だと言うことを聞かされた。こうして新記録を達成できて嬉しいよ。そしてこのアイルランドカラーを見せつけることができて誇らしい気分だ」。ベネットはシーズン勝利数を11勝まで伸ばすことに成功。ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)とオールイス・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)のシーズン最多12勝に迫っている。
ボーナスタイムによって総合リード拡大に成功したベネットだが、翌日の第4ステージはベルギー東部のワロン地方を走るアップダウンコース。96.2kmという距離に合計9つのカテゴリー山岳が詰め込まれたコースはまさに『アルデンヌクラシック』だ。「明日からは厳しいステージが続くので、リーダージャージを守りきれるかどうか分からない。とても調子が良いので全力を尽くすけど、チームにはアップダウンコース向きの選手も揃っている」と、ブエルタ・ア・エスパーニャに向けて調子の良さを改めて示したベネットは語っている。
開幕3連勝のサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)がリーダージャージを受け取る photo:CorVos
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ビンクバンク・ツアー第3ステージはフランドル地方のアールテルを発着する166.9km。スタート&フィニッシュ地点から5kmほどしか離れていないクネセラーレは、前日に故ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー)の葬儀が行われた街。スタート前にはロット・スーダルの選手たちが最前列に並び、若くして命を落とした才能への黙祷が捧げられた。レースがクネセラーレを通過する際にはランブレヒトの家族に花が贈られている。
平坦基調のステージで序盤から逃げたローレンス・デフリーズ(ベルギー、アスタナ)ら3名は中盤に早くも吸収される。すると、続いて地元出身者ギヨーム・ファンケイルスブルク(ベルギー、CCCチーム)ら3名が新たに逃げグループを形成。メイン集団とのタイム差を1分に広げ、合計3周するアールテルを起点にした33km周回コースを駆け抜けた。
逃げグループを形成した3名
ギヨーム・ファンケイルスブルク(ベルギー、CCCチーム)
ハリー・タンフィールド(イギリス、カチューシャ・アルペシン)
ステイン・スティールス(ベルギー、ルームポット・シャルル)
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チームカー1台がようやく通れるほどの細さと、ベルギーらしい荒いコンクリートの路面と、ところどころ現れる石畳と、風向きがコロコロと変わる周回コース。このクラシックレースのような周回コースを高速で駆け抜けた集団内では落車やパンク、メカトラが多発する。初出場したツール・ド・フランスで3回ステージトップ10フィニッシュしたクサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、ワンティ・グループゴベール)は落車によりリタイアを喫している。
逃げトリオはボーナスタイムが与えられる『ゴールデンキロメーター』を通過後に、フィニッシュまで3.5kmを残して吸収される。横風区間で人数を減らしながら各スプリンターチームが集団先頭に入り乱れる中、残り1kmアーチ通過とともにトレック・セガフレードが先頭に立った。
残り400mの最終コーナーで発生したスリップ&落車によって集団の人数がさらに絞られ、マッズ・ペデルセン(デンマーク、トレック・セガフレード)のリードアウトを受けたエドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)がスプリント開始のタイミングを伺いながら残り200m。その後ろから最初に仕掛けたジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ)が先行した。
トゥーンスが前を塞がれる形になった一方で、フィリプセンのスリップストリームに入ったディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が腰を上げ、さらにその後ろのベネットも加速する。フィリプセンを右側から追い抜いたフルーネウェーヘンと、左側から追い抜いたベネット。両者は横並びのままフィニッシュラインにハンドルを投げ込んだ。
写真判定の末にベネットが数センチ差で先着していることが判明。ベネットが第1ステージから負けなしの開幕3連勝を飾った。
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「最終コーナーで誰かが接触してバイクが少し壊れてしまった。変速が飛び飛びになってしまったので上手くスプリントできなかったけど、何とか落ち着いて勝負することにした。UAEの選手(フィリプセン)のスプリントに続いていなければ勝てていなかったと思う。今日はラッキーだった」と、いつもより重めのギアを踏み切ったベネットは語る。
エネコ・ツアー時代を含めて過去にはトム・ボーネン(ベルギー)とタイラー・ファラー(アメリカ)が1大会でステージ3勝という記録を残しているが、ステージ3連勝はベネットが初めて。「今朝、誰も成し遂げていない記録だと言うことを聞かされた。こうして新記録を達成できて嬉しいよ。そしてこのアイルランドカラーを見せつけることができて誇らしい気分だ」。ベネットはシーズン勝利数を11勝まで伸ばすことに成功。ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)とオールイス・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)のシーズン最多12勝に迫っている。
ボーナスタイムによって総合リード拡大に成功したベネットだが、翌日の第4ステージはベルギー東部のワロン地方を走るアップダウンコース。96.2kmという距離に合計9つのカテゴリー山岳が詰め込まれたコースはまさに『アルデンヌクラシック』だ。「明日からは厳しいステージが続くので、リーダージャージを守りきれるかどうか分からない。とても調子が良いので全力を尽くすけど、チームにはアップダウンコース向きの選手も揃っている」と、ブエルタ・ア・エスパーニャに向けて調子の良さを改めて示したベネットは語っている。
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ビンクバンク・ツアー2019第3ステージ結果
1位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 3:44:04 |
2位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | |
3位 | ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、モビスター) | |
5位 | フロリアン・セネシャル(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
6位 | エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) | |
7位 | ティモシー・デュポン(ベルギー、ワンティ・グループゴベール) | |
8位 | ヤコブ・マレツコ(イタリア、CCCチーム) | |
9位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | |
10位 | アモリー・カピオ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) | |
114位 | 別府史之(日本、トレック・セガフレード) | 0:01:04 |
個人総合成績
1位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 11:11:51 |
2位 | ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ) | 0:00:20 |
3位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | |
4位 | ルカシュ・ヴィシニオウスキー(ポーランド、CCCチーム) | 0:00:22 |
5位 | ギヨーム・ファンケイルスブルク(ベルギー、CCCチーム) | |
6位 | ハリー・タンフィールド(イギリス、カチューシャ・アルペシン) | 0:00:23 |
7位 | ヨセフ・チェルニー(チェコ、CCCチーム) | |
8位 | ラルスイティング・バク(デンマーク、ディメンションデータ) | |
9位 | エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) | 0:00:24 |
10位 | ロバート・スタナード(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) |
ポイント賞
1位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 90pts |
2位 | ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ) | 66pts |
3位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 60pts |
中間スプリント賞
1位 | バティスト・プランカールト(ベルギー、ワロニー・ブリュッセル) | 57pts |
2位 | トーマス・スプレンガース(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) | 24pts |
3位 | ルカシュ・ヴィシニオウスキー(ポーランド、CCCチーム) | 19pts |
チーム総合成績
1位 | スポートフラーンデレン・バロワーズ | 33:37:03 |
2位 | ドゥクーニンク・クイックステップ | |
3位 | トレック・セガフレード |