2019/08/21(水) - 19:20
ツールのプロバイク特集第16弾は、ステージ4勝を挙げたミッチェルトン・スコット。スペシャルペイントやチームカラーを纏った話題の新型ADDICT RCやFOIL、TTバイクのPLASMAを紹介しよう。
スコット ADDICT、FOIL、PLASMA
ツール・ド・フランス出場4回目のアダム・イェーツ(イギリス)をエースに据え、ツールに臨んだミッチェルトン・スコット。アダムの双子の兄サイモン・イェーツ(イギリス)がステージ2勝、ダリル・インピー(南アフリカ)が1勝、マッテオ・トレンティン(イタリア)が1勝するなど、チームで通算4勝を挙げ大健闘した。
そのミッチェルトン・スコットは2012年のグリーンエッジ創設時から一貫してスコットを駆る。今ツールでの使用バイクは、軽量オールラウンダーの新型ADDICT RC DISCと、エアロロードのFOIL RC DISCだ。総合エースのアダム・イェーツやクライマー系選手はADDICTを、インピーやトレンティンなどの大柄なルーラー系の選手はFOILを主に選択していた。
ツール・ド・フランス直前の6月末に発表された新型ADDICT RC DISC(特集記事へ)。通例であれば、もっとも重要なレースであるツール・ド・フランスには、新型モデルの即時投入は選手の慣れの問題もあり使用が見送られることが多いものだが、サイモンはさっそくこの新モデルを投入しステージ2勝を挙げた。クライマーであるイェーツ兄弟はともにリムブレーキモデルを今まで選択してきたが、今回は重要な山岳ステージにおいてもディスクブレーキモデルを使用。最新モデルとしての完成度の高さもあり、ディスクブレーキの重量増よりもメリットが上回ると感じている左証だろう。特集記事ではサイモン自身が語るADDICT RC DISCのインプレも必読だ。
ホイールはコースによりデュラエースC40とC60の2種を使い分けていた。タイヤはUCIワールドツアーチームで唯一ピレリを採用するチームであり、チューブラーモデルのP ZERO VELOを使用していた。サドルとステム、ハンドル、シートポストはいずれもスコット傘下のパーツブランドであるシンクロスで統一。サイクルコンピューターはガーミンのEdge830とEdge530をメインで使用した。
欧州王者のマッテオ・トレンティンには、ヨーロッパチャンピオンカラーのブルーに星が輝くデザインのスペシャルペイントを施したADDICTとFOILが供給されていた。トレンティンはその2モデルをコースによって使い分け、第17ステージではADDICTに乗り、上りでのアタックを決めて独走優勝した。
南アフリカチャンピオンのダリル・インピーには、ホワイトカラーをベースに国旗をあしらったスペシャルデザインのFOILが供給された。フレームの各部やヘルメットには南アフリカの民族的なシンボルと思われる文様をあしらい、ひときわエスニックな雰囲気を醸し出す。インピーは第9ステージでグループによる逃げを成功させ、スプリント力を活かして自身初のツールステージ優勝を飾った。
ミッチェルトン・スコットはシマノサポートチームだけに、コンポーネントはR9150系(PLASMA)とR9170系(ADDICTとFOIL)のDURA-ACE DI2。イェーツは旧型のサテライトスイッチ(SW-R600)を上ハンドル右前部分にセットするセッティングで走っていた。このあたりは使い慣れたスイッチにこだわるのか、あるいはDi2のシステム上の組み合わせによるものか、興味深いところだ。
TTステージではタイムトライアル/トライアスロンモデルであるPLASMA PREMIUMを駆った。独自のヒンジ構造のヘッド周りと、ケーブルやキャリパーが完全内蔵されるブレーキシステムにより高いエアロダイナミクスを実現したモデルだ。
TTバイクの前輪にはDURA-ACE C60を使用、後輪のディスクホイールには(スポンサー外のため)ロゴを消したライトウェイトのディスクホイールを装着していた。また、個人TTの第13ステージではスペアのTTバイクにPROの3バトンも装着されていた。コースに応じてホイールの選択を変えているものと見られる。
また、ツールのために新たに組まれたTTバイクの中には、旧型DURA-ACE 9070系のフロントディレイラーとリアディレイラーが装着されているバイクもあったのが興味深い。
text:Michinari.TAKAGI
photo:Makoto.AYANO
スコット ADDICT、FOIL、PLASMA
ツール・ド・フランス出場4回目のアダム・イェーツ(イギリス)をエースに据え、ツールに臨んだミッチェルトン・スコット。アダムの双子の兄サイモン・イェーツ(イギリス)がステージ2勝、ダリル・インピー(南アフリカ)が1勝、マッテオ・トレンティン(イタリア)が1勝するなど、チームで通算4勝を挙げ大健闘した。
そのミッチェルトン・スコットは2012年のグリーンエッジ創設時から一貫してスコットを駆る。今ツールでの使用バイクは、軽量オールラウンダーの新型ADDICT RC DISCと、エアロロードのFOIL RC DISCだ。総合エースのアダム・イェーツやクライマー系選手はADDICTを、インピーやトレンティンなどの大柄なルーラー系の選手はFOILを主に選択していた。
ツール・ド・フランス直前の6月末に発表された新型ADDICT RC DISC(特集記事へ)。通例であれば、もっとも重要なレースであるツール・ド・フランスには、新型モデルの即時投入は選手の慣れの問題もあり使用が見送られることが多いものだが、サイモンはさっそくこの新モデルを投入しステージ2勝を挙げた。クライマーであるイェーツ兄弟はともにリムブレーキモデルを今まで選択してきたが、今回は重要な山岳ステージにおいてもディスクブレーキモデルを使用。最新モデルとしての完成度の高さもあり、ディスクブレーキの重量増よりもメリットが上回ると感じている左証だろう。特集記事ではサイモン自身が語るADDICT RC DISCのインプレも必読だ。
ホイールはコースによりデュラエースC40とC60の2種を使い分けていた。タイヤはUCIワールドツアーチームで唯一ピレリを採用するチームであり、チューブラーモデルのP ZERO VELOを使用していた。サドルとステム、ハンドル、シートポストはいずれもスコット傘下のパーツブランドであるシンクロスで統一。サイクルコンピューターはガーミンのEdge830とEdge530をメインで使用した。
欧州王者のマッテオ・トレンティンには、ヨーロッパチャンピオンカラーのブルーに星が輝くデザインのスペシャルペイントを施したADDICTとFOILが供給されていた。トレンティンはその2モデルをコースによって使い分け、第17ステージではADDICTに乗り、上りでのアタックを決めて独走優勝した。
南アフリカチャンピオンのダリル・インピーには、ホワイトカラーをベースに国旗をあしらったスペシャルデザインのFOILが供給された。フレームの各部やヘルメットには南アフリカの民族的なシンボルと思われる文様をあしらい、ひときわエスニックな雰囲気を醸し出す。インピーは第9ステージでグループによる逃げを成功させ、スプリント力を活かして自身初のツールステージ優勝を飾った。
ミッチェルトン・スコットはシマノサポートチームだけに、コンポーネントはR9150系(PLASMA)とR9170系(ADDICTとFOIL)のDURA-ACE DI2。イェーツは旧型のサテライトスイッチ(SW-R600)を上ハンドル右前部分にセットするセッティングで走っていた。このあたりは使い慣れたスイッチにこだわるのか、あるいはDi2のシステム上の組み合わせによるものか、興味深いところだ。
TTステージではタイムトライアル/トライアスロンモデルであるPLASMA PREMIUMを駆った。独自のヒンジ構造のヘッド周りと、ケーブルやキャリパーが完全内蔵されるブレーキシステムにより高いエアロダイナミクスを実現したモデルだ。
TTバイクの前輪にはDURA-ACE C60を使用、後輪のディスクホイールには(スポンサー外のため)ロゴを消したライトウェイトのディスクホイールを装着していた。また、個人TTの第13ステージではスペアのTTバイクにPROの3バトンも装着されていた。コースに応じてホイールの選択を変えているものと見られる。
また、ツールのために新たに組まれたTTバイクの中には、旧型DURA-ACE 9070系のフロントディレイラーとリアディレイラーが装着されているバイクもあったのが興味深い。
text:Michinari.TAKAGI
photo:Makoto.AYANO
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