2019/07/23(火) - 18:02
ツール・ド・フランスは第2週のピレネー連戦を終え、南仏の街ニームで2回めの休息日を迎えた。最後のアプルス決戦を前に息抜きをする選手、作業に追われるメカニックなど、ホテル周辺での様子をフォトレポート。
ピレネーはフォアでの山岳決戦を終えた選手たちの多くはフィニッシュ後、前日のうちに350kmの長距離移動をこなし、南フランスの古都ニームで2回めとなる休息日を迎えた。この日は朝から各チームの記者会見ラッシュ。その合間を縫って周辺で拾った様子をフォトレポート形式でお伝えする。
朝一番のチームイネオスの記者会見はホテルの大会議室で行われた。ツール・ド・フランス常勝チームが迎えた連戦ストップの危機、しかし盛り返すトーマスとベルナルに注目が集まり、15分間だけとはいえ熱気あふれる会見となった。その後選手たちはすぐに2時間半のライドに出かけた。その前後もファンの訪問やサインをねだる声は途切れず、それに応じるトーマスとベルナル。
すぐ隣のホテルでは上り調子のティボー・ピノとマルク・マディオ監督のグルパマFDJの記者会見が続いて開催。ピノは「まだ僕は総合を争う闘いの中にいる。トゥールマレーでの勝利と昨日のレースには満足しているけれど、あの横風分断の日が悔やまれる。アルプスでも攻撃を続ける。シャンゼリゼでの表彰台を狙うが、しかし地に足をつけて、熱くなりすぎないように。レース状況は素早く変化するから、それを見極める冷静なレースをする」と話した。
熱くなることで話題のマディオ監督だが「総合の表彰台はあくまで毎ステージの結果の積み重ねで得られるもの。それを狙って走ったり、先のことを考えないように、毎日を大事に走ることことが大事」と落ち着いたコメント。
マイヨジョーヌを着続けるジュリアン・アラフィリップの記者会見では、冒頭でアマチュアレースの最高峰、ツール・ド・ラヴニールとドゥクーニンク・クイックステップチームがコラボレーションしていくことを発表。具体的に何をするかは触れられなかったが、ラブニール出身でもあるアラフィリップも協力を惜しまないと語り、チームはレースの発展に今後協力していく考えを示した。
チームの泊まるホテルが軒を並べる郊外の一角の駐車場はさながらチーム機材の展示スペースのよう。ドゥクーニンク・クイックステップのバス前にはマイヨジョーヌ授与の際に受け取るLCL銀行のマスコットのライオンのぬいぐるみと花束で飾られたアラフィリップのバイクがディスプレイされ、ファンたちの人気を博していた。
この日を狙ってスペシャライズドは新しいチューブレスタイヤを発表し、アラフィリップのバイクに装着。この場を持って発表とした。すでにツアー・オブ・カリフォルニアでファビオ・ヤコブセンが使用してレースで勝利も挙げているという。「未来のタイヤ」と同社PR担当が言うこのチューブレスタイヤがツール・ド・フランス期間中に使用されるかはわからないが、この日のトレーニングライドに出かける選手たちのバイクにはそれが装着された。
スペシャライズドのEバイクもチームパドックに並べられ、エリア・ヴィヴィアーニが乗り回してはしゃぐ姿も。そしてチームバスのフロントウィンドウにはアラフィリップが着続けたマイヨジョーヌ11日分と同じ数の贈呈されたライオンのぬいぐるみが飾られている。
大会のパートナーであり、アスタナやバーレーン・メリダのエナジーフード(補給食)スポンサーであるNAMED SPORTS(ネイムドスポーツ)はこのツールでPRキャラバン隊の車両にランボルギーニを帯同させている。そのクルマはもちろん選手にも人気で、アスタナのヤコブ・フルサングとアレクセイ・ルツェンコが乗り込み、アクセルを吹かして楽しんでいた。同社のエナジーバーを加えているのはスポンサー向けの撮影サービス。
メカニックたちにとって休息日は絶好のバイク整備の機会だ。レースで乗る決戦バイクのほかにサブバイク、そしてアルプスに臨むために重要になってくるホイールやタイヤの総点検など、各チームは改めてすべての機材をチェックしつつ再調整を行う。そしてもちろん仕上げは明日の平坦スプリントステージに向けたセットアップだ。
マイヨヴェールを守っているペテル・サガンのバイクはBBまでバラしてベアリングを交換。滑らかな回転になるように徹底的に調整がされていた。※初出の文中で「サガンのお兄さん」として紹介したこのメカニックの方はサガンのお兄さんではありません。お詫びして訂正します。
また、今年からは空調機を備えたメカニックトラックが一気に増えて数チームが使用。もともとチームスカイが数年前に始めたものだが、猛暑のニースにおいてもガラス張りの涼しいトレーラー内で作業を行うチームが多くなった。
text&photo:Makoto.AYANO in Nimes, FRANCE
ピレネーはフォアでの山岳決戦を終えた選手たちの多くはフィニッシュ後、前日のうちに350kmの長距離移動をこなし、南フランスの古都ニームで2回めとなる休息日を迎えた。この日は朝から各チームの記者会見ラッシュ。その合間を縫って周辺で拾った様子をフォトレポート形式でお伝えする。
朝一番のチームイネオスの記者会見はホテルの大会議室で行われた。ツール・ド・フランス常勝チームが迎えた連戦ストップの危機、しかし盛り返すトーマスとベルナルに注目が集まり、15分間だけとはいえ熱気あふれる会見となった。その後選手たちはすぐに2時間半のライドに出かけた。その前後もファンの訪問やサインをねだる声は途切れず、それに応じるトーマスとベルナル。
すぐ隣のホテルでは上り調子のティボー・ピノとマルク・マディオ監督のグルパマFDJの記者会見が続いて開催。ピノは「まだ僕は総合を争う闘いの中にいる。トゥールマレーでの勝利と昨日のレースには満足しているけれど、あの横風分断の日が悔やまれる。アルプスでも攻撃を続ける。シャンゼリゼでの表彰台を狙うが、しかし地に足をつけて、熱くなりすぎないように。レース状況は素早く変化するから、それを見極める冷静なレースをする」と話した。
熱くなることで話題のマディオ監督だが「総合の表彰台はあくまで毎ステージの結果の積み重ねで得られるもの。それを狙って走ったり、先のことを考えないように、毎日を大事に走ることことが大事」と落ち着いたコメント。
マイヨジョーヌを着続けるジュリアン・アラフィリップの記者会見では、冒頭でアマチュアレースの最高峰、ツール・ド・ラヴニールとドゥクーニンク・クイックステップチームがコラボレーションしていくことを発表。具体的に何をするかは触れられなかったが、ラブニール出身でもあるアラフィリップも協力を惜しまないと語り、チームはレースの発展に今後協力していく考えを示した。
チームの泊まるホテルが軒を並べる郊外の一角の駐車場はさながらチーム機材の展示スペースのよう。ドゥクーニンク・クイックステップのバス前にはマイヨジョーヌ授与の際に受け取るLCL銀行のマスコットのライオンのぬいぐるみと花束で飾られたアラフィリップのバイクがディスプレイされ、ファンたちの人気を博していた。
この日を狙ってスペシャライズドは新しいチューブレスタイヤを発表し、アラフィリップのバイクに装着。この場を持って発表とした。すでにツアー・オブ・カリフォルニアでファビオ・ヤコブセンが使用してレースで勝利も挙げているという。「未来のタイヤ」と同社PR担当が言うこのチューブレスタイヤがツール・ド・フランス期間中に使用されるかはわからないが、この日のトレーニングライドに出かける選手たちのバイクにはそれが装着された。
スペシャライズドのEバイクもチームパドックに並べられ、エリア・ヴィヴィアーニが乗り回してはしゃぐ姿も。そしてチームバスのフロントウィンドウにはアラフィリップが着続けたマイヨジョーヌ11日分と同じ数の贈呈されたライオンのぬいぐるみが飾られている。
大会のパートナーであり、アスタナやバーレーン・メリダのエナジーフード(補給食)スポンサーであるNAMED SPORTS(ネイムドスポーツ)はこのツールでPRキャラバン隊の車両にランボルギーニを帯同させている。そのクルマはもちろん選手にも人気で、アスタナのヤコブ・フルサングとアレクセイ・ルツェンコが乗り込み、アクセルを吹かして楽しんでいた。同社のエナジーバーを加えているのはスポンサー向けの撮影サービス。
メカニックたちにとって休息日は絶好のバイク整備の機会だ。レースで乗る決戦バイクのほかにサブバイク、そしてアルプスに臨むために重要になってくるホイールやタイヤの総点検など、各チームは改めてすべての機材をチェックしつつ再調整を行う。そしてもちろん仕上げは明日の平坦スプリントステージに向けたセットアップだ。
マイヨヴェールを守っているペテル・サガンのバイクはBBまでバラしてベアリングを交換。滑らかな回転になるように徹底的に調整がされていた。※初出の文中で「サガンのお兄さん」として紹介したこのメカニックの方はサガンのお兄さんではありません。お詫びして訂正します。
また、今年からは空調機を備えたメカニックトラックが一気に増えて数チームが使用。もともとチームスカイが数年前に始めたものだが、猛暑のニースにおいてもガラス張りの涼しいトレーラー内で作業を行うチームが多くなった。
text&photo:Makoto.AYANO in Nimes, FRANCE