2019/07/11(木) - 09:28
登れるスプリンターを擁する数チームの働きにより、2級山岳でピュアスプリンターが次々にふるい落とされていった第5ステージ。生き残った選手たちが熾烈なスプリントを繰り広げました。生き残った選手とそれを支えたアシストたちを中心に、レースの様子をコメントで振り返ります。
ステージ優勝&ポイント賞 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
懸命に走っていれば、勝利がやってくる。チームメイト全員にありがとうと言いたい。彼らが献身的に仕事をしてくれたおかげで、やっとチームの目標だったツールのステージ勝利ができた。全員にとっていい結果が出せた。みんなで一日中集団をコントロールしたよ。平坦区間も、フィニッシュ地点までも。自分のベストを尽くした。誰だって勝つには幸運といい一日が必要なんだ。(レース公式)
これまでの第1~第4ステージでも言ってきたことなんだけど、我慢強く待っていれば勝利はやってくるんだ。ツール・ド・フランスのステージ優勝には、調子がいいこととうまい戦術が必要なだけじゃなくて、両方がうまくかみ合わないといけない。そんなに単純なことじゃないんだよ。今日はチームメイトの素晴らしい仕事ぶりに心から感謝したい。一日を通して、見事にレースをコントロールしてくれた。平坦でも登りでも、フィニッシュまでのすべてをコントロールした。この勝利は、見事なチームワークの成果なんだ!(チーム公式)
ステージ2位&新人賞 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)
今日のペテル・サガンはものすごく強力なスプリント力を発揮した。さすが、今日みたいなステージのスペシャリストだ。ハードなスプリントだった。残り400メートル地点の最後のランドアバウトではちょっと混乱状態だったけれど、前から4番目に位置取りすることができた。ラスト1kmは向かい風だとわかっていたから、スプリントの開始をできる限り遅らせて、サガンたちの斜め後方から仕掛けるのがいいと思った。でも今は、長く待ち過ぎた気がしている。明日は気楽に過ごせるといいな、と思う。
ステージ3位 マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)
いやあ、昨日の第4ステージで前にいたようなピュアスプリンターにはハードすぎるステージだったね。今日みたいなステージは、彼らにとってはいつもつらいと思う。ペースはよかった。フィニッシュ地点では、登れるスプリンター同士のスプリント合戦になるのはわかっていた。トップ5に食い込むなら、前にいないとだめだってことだよね。
ダリル(インピー)の今日の働きは最高だった。ランドアバウト付近まで、完璧な位置取りをしてくれたんだ。でもサガンがひたすら速かった。僕のあとについていたから、僕の加速を待っているんだと思ったけど、それで十分だった。それから、ワウト・ファンアールトが後ろから飛び出してきた。あとは秒差の問題だったよ。
ステージ4位 ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
少しがっかりしている。だって今日は脚の調子が最高な気がして、すごくいい結果を出せるように思ったんだ。間の悪いことに、人数が比較的少ない集団でのスプリントでこういう結果になってしまった。でもパートナーのマテイ・モホリッチには、すごい働きをしてくれたことに感謝したい。でも時々、肩が押されて彼を見失っていた。
最後のカーブで10位ぐらいにつけていて、それから隊列を立て直そうとしたけれど、チームメイトと離れ離れになってしまっていた。ツールで勝利できる機会はそんなに多くないし、その機会は日を追うごとに減っていく。だから今日のことは残念だ。明日は登りだから、生き残りを賭けて頑張る日になる。でも、その後のステージのどこかで、きっとまた挑戦してみせる。
ステージ5位 グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)
今日の調子については満足している。ステージが始まってすぐ、3チームが逃げをコントロールしていて、逃げ切りのチャンスがないのがわかった。登りではもっと多くの人数が絞られるかと思っていたけれど、最終的に、自分も集団スプリントでステージ優勝を賭けて争う中に入ることができた。並みいるスプリンターたちに対して、自分はできる限りのことをした。フィニッシュ地点手前の最後のランドアバウトでの自分の位置取りに、特に満足している。この先のステージでまた挑戦するつもりだし、それは他のチームメイトたちも一緒だ。毎日戦って、ステージ優勝を勝ち取りたい。
ステージ10位&総合1位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
チームの士気はいつも格別だ。いつも勝利のために一緒に戦ってきた。昨日はエリア・ヴィヴィアーニのために自分が進んで働いたし、今日はチームのみんなが自分のために全力を尽くしてくれた。みんなが明日のステージを気にしているけれど、今日のステージはよかったと思う。マイヨジョーヌを維持したんだから、よくないはずがないよね…気分としては、太陽の下の氷みたいにへろへろと溶けてしまいそうだけど、マイヨジョーヌを着て走る一日一日が、僕にとってはボーナスなんだ。とはいえ、明日はいつもよりも苦しむことになると思う。
(マイヨジョーヌを1950年代に活躍した往年の名選手ロジェ・ハッセンフォルダーから授与されたことについて)その人は知らなかったけれど、とても親切な言葉を耳にささやいてくれた。元選手にも、どんな人にも、尊敬の念を持っている。どんなに疲れていても、みんなに励まされると元気が出るものなんだ。
逃げに乗ってポイントを獲得した山岳賞 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
今日逃げに乗るには、ちょっと運が必要だった。集団は逃げ切りを容認してくれなかった。これまでいつも、アタックする時はステージ優勝を狙っていた。でも今日は逃げに乗ってわりとすぐ、それは無理そうだと気がついた。だから、山岳ポイントの獲得に集中したし、それはうまくいった。
山岳賞ジャージを着る日々は、いつもいい気分なんだ。ジロでも山岳賞ジャージを着たことはあるけれど、どうということもない気分だった。ツールだといつだって格別なんだ。でも今日、僕の脚はあまり調子がよくなかった。だから明日は一日休んで、トーマス・デヘントに代わりを託すことにした。これまで彼は不運にも逃がしてもらえずに捕まっていたけれど、明日は彼の栄光の一日になるはずだ。そして僕はエネルギーを温存して次の機会を待つことにするよ。
敢闘賞 トムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)
今日は丸一日逃げに乗っていたけれど、ツール初日よりも楽に感じられた。ティム・ウェレンスが山岳ポイントを取らせてくれと頼んできた。逃げ集団がメイン集団とタイム差を開く最高の機会をくれるというんだから、断るわけにはいかなかった。結局、それは全員にとって吉と出た。自分は逃げた4人の中で一番強いと感じていた。メイン集団が近づいてきているのがわかって、もう一度アタックする必要にかられた。脚はもう使い果たしていたけれど、再度のアタックの成果を味わいたかったんだ。最後の登り(3級山岳サンク・シャトー峠)では、自分にはもはや何も残っていなかった。
マシューズ(ステージ7位)のために集団をコントロールしたウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)
今日は勝てると思ったし、勝つためのできることは何もかもやった。レースを掌握して思い通りに進めることができた。今日のステージの間の自分たちの働きについて、みんな誇りに思っていいと思う。残念ながら、最終的にそれが実を結ぶことはなかった。でもこの先にも機会はあるし、挑戦し続ければ勝てるはずだと思う。
※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Taiko.YAMASAKI
ステージ優勝&ポイント賞 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
懸命に走っていれば、勝利がやってくる。チームメイト全員にありがとうと言いたい。彼らが献身的に仕事をしてくれたおかげで、やっとチームの目標だったツールのステージ勝利ができた。全員にとっていい結果が出せた。みんなで一日中集団をコントロールしたよ。平坦区間も、フィニッシュ地点までも。自分のベストを尽くした。誰だって勝つには幸運といい一日が必要なんだ。(レース公式)
これまでの第1~第4ステージでも言ってきたことなんだけど、我慢強く待っていれば勝利はやってくるんだ。ツール・ド・フランスのステージ優勝には、調子がいいこととうまい戦術が必要なだけじゃなくて、両方がうまくかみ合わないといけない。そんなに単純なことじゃないんだよ。今日はチームメイトの素晴らしい仕事ぶりに心から感謝したい。一日を通して、見事にレースをコントロールしてくれた。平坦でも登りでも、フィニッシュまでのすべてをコントロールした。この勝利は、見事なチームワークの成果なんだ!(チーム公式)
ステージ2位&新人賞 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)
今日のペテル・サガンはものすごく強力なスプリント力を発揮した。さすが、今日みたいなステージのスペシャリストだ。ハードなスプリントだった。残り400メートル地点の最後のランドアバウトではちょっと混乱状態だったけれど、前から4番目に位置取りすることができた。ラスト1kmは向かい風だとわかっていたから、スプリントの開始をできる限り遅らせて、サガンたちの斜め後方から仕掛けるのがいいと思った。でも今は、長く待ち過ぎた気がしている。明日は気楽に過ごせるといいな、と思う。
ステージ3位 マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)
いやあ、昨日の第4ステージで前にいたようなピュアスプリンターにはハードすぎるステージだったね。今日みたいなステージは、彼らにとってはいつもつらいと思う。ペースはよかった。フィニッシュ地点では、登れるスプリンター同士のスプリント合戦になるのはわかっていた。トップ5に食い込むなら、前にいないとだめだってことだよね。
ダリル(インピー)の今日の働きは最高だった。ランドアバウト付近まで、完璧な位置取りをしてくれたんだ。でもサガンがひたすら速かった。僕のあとについていたから、僕の加速を待っているんだと思ったけど、それで十分だった。それから、ワウト・ファンアールトが後ろから飛び出してきた。あとは秒差の問題だったよ。
ステージ4位 ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
少しがっかりしている。だって今日は脚の調子が最高な気がして、すごくいい結果を出せるように思ったんだ。間の悪いことに、人数が比較的少ない集団でのスプリントでこういう結果になってしまった。でもパートナーのマテイ・モホリッチには、すごい働きをしてくれたことに感謝したい。でも時々、肩が押されて彼を見失っていた。
最後のカーブで10位ぐらいにつけていて、それから隊列を立て直そうとしたけれど、チームメイトと離れ離れになってしまっていた。ツールで勝利できる機会はそんなに多くないし、その機会は日を追うごとに減っていく。だから今日のことは残念だ。明日は登りだから、生き残りを賭けて頑張る日になる。でも、その後のステージのどこかで、きっとまた挑戦してみせる。
ステージ5位 グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)
今日の調子については満足している。ステージが始まってすぐ、3チームが逃げをコントロールしていて、逃げ切りのチャンスがないのがわかった。登りではもっと多くの人数が絞られるかと思っていたけれど、最終的に、自分も集団スプリントでステージ優勝を賭けて争う中に入ることができた。並みいるスプリンターたちに対して、自分はできる限りのことをした。フィニッシュ地点手前の最後のランドアバウトでの自分の位置取りに、特に満足している。この先のステージでまた挑戦するつもりだし、それは他のチームメイトたちも一緒だ。毎日戦って、ステージ優勝を勝ち取りたい。
ステージ10位&総合1位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
チームの士気はいつも格別だ。いつも勝利のために一緒に戦ってきた。昨日はエリア・ヴィヴィアーニのために自分が進んで働いたし、今日はチームのみんなが自分のために全力を尽くしてくれた。みんなが明日のステージを気にしているけれど、今日のステージはよかったと思う。マイヨジョーヌを維持したんだから、よくないはずがないよね…気分としては、太陽の下の氷みたいにへろへろと溶けてしまいそうだけど、マイヨジョーヌを着て走る一日一日が、僕にとってはボーナスなんだ。とはいえ、明日はいつもよりも苦しむことになると思う。
(マイヨジョーヌを1950年代に活躍した往年の名選手ロジェ・ハッセンフォルダーから授与されたことについて)その人は知らなかったけれど、とても親切な言葉を耳にささやいてくれた。元選手にも、どんな人にも、尊敬の念を持っている。どんなに疲れていても、みんなに励まされると元気が出るものなんだ。
逃げに乗ってポイントを獲得した山岳賞 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
今日逃げに乗るには、ちょっと運が必要だった。集団は逃げ切りを容認してくれなかった。これまでいつも、アタックする時はステージ優勝を狙っていた。でも今日は逃げに乗ってわりとすぐ、それは無理そうだと気がついた。だから、山岳ポイントの獲得に集中したし、それはうまくいった。
山岳賞ジャージを着る日々は、いつもいい気分なんだ。ジロでも山岳賞ジャージを着たことはあるけれど、どうということもない気分だった。ツールだといつだって格別なんだ。でも今日、僕の脚はあまり調子がよくなかった。だから明日は一日休んで、トーマス・デヘントに代わりを託すことにした。これまで彼は不運にも逃がしてもらえずに捕まっていたけれど、明日は彼の栄光の一日になるはずだ。そして僕はエネルギーを温存して次の機会を待つことにするよ。
敢闘賞 トムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)
今日は丸一日逃げに乗っていたけれど、ツール初日よりも楽に感じられた。ティム・ウェレンスが山岳ポイントを取らせてくれと頼んできた。逃げ集団がメイン集団とタイム差を開く最高の機会をくれるというんだから、断るわけにはいかなかった。結局、それは全員にとって吉と出た。自分は逃げた4人の中で一番強いと感じていた。メイン集団が近づいてきているのがわかって、もう一度アタックする必要にかられた。脚はもう使い果たしていたけれど、再度のアタックの成果を味わいたかったんだ。最後の登り(3級山岳サンク・シャトー峠)では、自分にはもはや何も残っていなかった。
マシューズ(ステージ7位)のために集団をコントロールしたウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)
今日は勝てると思ったし、勝つためのできることは何もかもやった。レースを掌握して思い通りに進めることができた。今日のステージの間の自分たちの働きについて、みんな誇りに思っていいと思う。残念ながら、最終的にそれが実を結ぶことはなかった。でもこの先にも機会はあるし、挑戦し続ければ勝てるはずだと思う。
※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Taiko.YAMASAKI
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