2019/06/21(金) - 09:52
1級山岳フルームサーベルクの山頂フィニッシュが設定されたツール・ド・スイス第6ステージで、逃げグループから飛び出したアントワン・トールク(ユンボ・ヴィズマ)がプロ初勝利。メイン集団のライバルたちをふるい落として2位に入ったエガン・ベルナル(チームイネオス)が首位に立った。
ついに始まったツール・ド・スイスの山岳決戦。前日のフィニッシュ地点アインジーデルンからスイス東部の山岳地帯を目指し、隣国リヒテンシュタインとの国境をかすめながら1級山岳フルームサーベルク(距離8.4km/平均9.2%)へ。獲得標高差1,900mの120.2km短距離コースに140名の選手たちが挑んだ。
総合変動必至のこの山岳ステージで、24名という巨大な逃げ集団が25km地点から先行を開始した。ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)やジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)、ネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン)、フランソワ・ビダール(フランス、アージェードゥーゼール)らを含むこの逃げ集団は、メイン集団から最大4分30秒のリードを奪うことに成功する。
メイン集団とのタイム差をキープしながら中盤の3級山岳ウィルトハウス(距離3.5km/平均5.1%)を越えた逃げ集団。コース誘導ミスによってマッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)とコリン・ジョイス(アメリカ、ラリーUHCサイクリング)、山岳賞ジャージを着るクラウディオ・インホフ(スイス、スイスナショナルチーム)の3名が先行するシーンも見られたが、最後の1級山岳フルームサーベルクに差し掛かる頃までに逃げ集団は一つに。
EFエデュケーションファーストが長時間牽引し、終盤にかけて前日のステージ優勝者エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)も牽引に加わったメイン集団は、逃げ集団から2分遅れで1級山岳フルームサーベルクの麓に到着した。
登坂時間25分前後の1級山岳フルームサーベルクで、逃げ集団内でステージ優勝争いが、メイン集団内で総合争いが同時進行で繰り広げられた。活発に動いたアントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)にルイス・マス(スペイン、モビスター)とパトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム)が合流して先頭は3名。2012年から3年連続で総合優勝を飾っているコスタを含む追走グループから30秒、チームイネオス率いるメイン集団から1分程度のリードで先頭3名は残り5kmを切った。
残り3km地点を前に再びトールクがアタックすると、マスとベヴィンは反応することができずに脱落。こうしてトールクが独走に持ち込んだ一方で、メイン集団からはケニー・エリッソンド(フランス、チームイネオス)に発射される形でエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)が動いた。
追いすがるドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)やヤン・ヒルト(チェコ、アスタナ)らをふるい落としたベルナルが、遅れた逃げメンバーたちを勢いよく追い抜きながらトールクを猛追。しかしベルナルはタイム差を詰め切ることができず、先頭トールクが17秒のリードをもったまま標高1,220mのフィニッシュに飛び込んだ。
「特別な気持ち。3年前に山岳賞ジャージを獲得したワールドツアーレースでプロ初勝利。この感情をうまく表現できない」。大会最初の山頂フィニッシュを制した25歳はそう語る。トールクはジャパンカップで2017年に4位、2018年に2位に入っているクライマー。2019年はジロ・デ・イタリアでプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)のアシストを務めた。
「チームの走りにも感謝している。一緒に逃げたベルトヤン(リンデマン)はとても力強い走りを見せてくれて、彼の牽引は逃げ切りに欠かせないものだった。最後は無線でベルナルが追いかけてきていることを知ったんだ。昨年のカリフォルニアで彼に負けたことがあるので、今回だけは追いつかれたくなかった」と、アスタナに並ぶシーズン28勝目をユンボ・ヴィズマにもたらしたトールクは語っている。
トールクの他にも逃げメンバーのビダールが3位、ベヴィンが6位、コスタが7位に入り、メイン集団から追い上げたベルナルが2位、ヒルトが4位、ポッツォヴィーヴォが5位に。メイン集団の中でヒルトに12秒、ポッツォヴィーヴォに14秒のタイム差をつけたベルナルが総合首位に立った。
ゲラント・トーマス(イギリス)のリタイアによってチームイネオスの単独エースとなったベルナルは「強力なチームメイトたちがハイペースな展開に持ち込んで、そこから一発のアタックで飛び出した。最後は全開走行で、作戦通りイエロージャージを手にすることができたよ。3月のカタルーニャ以来のレース出場なので、この結果は自信につながる」とコメント。
ステージ12位に入ったローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ)が12秒差の総合2位。ベルナルは「これからは総合リードを守る立場。個人タイムトライアルでローハン・デニスからタイムを失うことになる。彼は登りもこなせているので、これからもチームは全力を尽くしたい」と語っている。
ついに始まったツール・ド・スイスの山岳決戦。前日のフィニッシュ地点アインジーデルンからスイス東部の山岳地帯を目指し、隣国リヒテンシュタインとの国境をかすめながら1級山岳フルームサーベルク(距離8.4km/平均9.2%)へ。獲得標高差1,900mの120.2km短距離コースに140名の選手たちが挑んだ。
総合変動必至のこの山岳ステージで、24名という巨大な逃げ集団が25km地点から先行を開始した。ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)やジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)、ネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン)、フランソワ・ビダール(フランス、アージェードゥーゼール)らを含むこの逃げ集団は、メイン集団から最大4分30秒のリードを奪うことに成功する。
メイン集団とのタイム差をキープしながら中盤の3級山岳ウィルトハウス(距離3.5km/平均5.1%)を越えた逃げ集団。コース誘導ミスによってマッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)とコリン・ジョイス(アメリカ、ラリーUHCサイクリング)、山岳賞ジャージを着るクラウディオ・インホフ(スイス、スイスナショナルチーム)の3名が先行するシーンも見られたが、最後の1級山岳フルームサーベルクに差し掛かる頃までに逃げ集団は一つに。
EFエデュケーションファーストが長時間牽引し、終盤にかけて前日のステージ優勝者エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)も牽引に加わったメイン集団は、逃げ集団から2分遅れで1級山岳フルームサーベルクの麓に到着した。
登坂時間25分前後の1級山岳フルームサーベルクで、逃げ集団内でステージ優勝争いが、メイン集団内で総合争いが同時進行で繰り広げられた。活発に動いたアントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)にルイス・マス(スペイン、モビスター)とパトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム)が合流して先頭は3名。2012年から3年連続で総合優勝を飾っているコスタを含む追走グループから30秒、チームイネオス率いるメイン集団から1分程度のリードで先頭3名は残り5kmを切った。
残り3km地点を前に再びトールクがアタックすると、マスとベヴィンは反応することができずに脱落。こうしてトールクが独走に持ち込んだ一方で、メイン集団からはケニー・エリッソンド(フランス、チームイネオス)に発射される形でエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)が動いた。
追いすがるドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)やヤン・ヒルト(チェコ、アスタナ)らをふるい落としたベルナルが、遅れた逃げメンバーたちを勢いよく追い抜きながらトールクを猛追。しかしベルナルはタイム差を詰め切ることができず、先頭トールクが17秒のリードをもったまま標高1,220mのフィニッシュに飛び込んだ。
「特別な気持ち。3年前に山岳賞ジャージを獲得したワールドツアーレースでプロ初勝利。この感情をうまく表現できない」。大会最初の山頂フィニッシュを制した25歳はそう語る。トールクはジャパンカップで2017年に4位、2018年に2位に入っているクライマー。2019年はジロ・デ・イタリアでプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)のアシストを務めた。
「チームの走りにも感謝している。一緒に逃げたベルトヤン(リンデマン)はとても力強い走りを見せてくれて、彼の牽引は逃げ切りに欠かせないものだった。最後は無線でベルナルが追いかけてきていることを知ったんだ。昨年のカリフォルニアで彼に負けたことがあるので、今回だけは追いつかれたくなかった」と、アスタナに並ぶシーズン28勝目をユンボ・ヴィズマにもたらしたトールクは語っている。
トールクの他にも逃げメンバーのビダールが3位、ベヴィンが6位、コスタが7位に入り、メイン集団から追い上げたベルナルが2位、ヒルトが4位、ポッツォヴィーヴォが5位に。メイン集団の中でヒルトに12秒、ポッツォヴィーヴォに14秒のタイム差をつけたベルナルが総合首位に立った。
ゲラント・トーマス(イギリス)のリタイアによってチームイネオスの単独エースとなったベルナルは「強力なチームメイトたちがハイペースな展開に持ち込んで、そこから一発のアタックで飛び出した。最後は全開走行で、作戦通りイエロージャージを手にすることができたよ。3月のカタルーニャ以来のレース出場なので、この結果は自信につながる」とコメント。
ステージ12位に入ったローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ)が12秒差の総合2位。ベルナルは「これからは総合リードを守る立場。個人タイムトライアルでローハン・デニスからタイムを失うことになる。彼は登りもこなせているので、これからもチームは全力を尽くしたい」と語っている。
ツール・ド・スイス2019第6ステージ結果
1位 | アントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 2:43:34 |
2位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) | 0:00:17 |
3位 | フランソワ・ビダール(フランス、アージェードゥーゼール) | 0:00:24 |
4位 | ヤン・ヒルト(チェコ、アスタナ) | 0:00:29 |
5位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 0:00:31 |
6位 | パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム) | 0:00:38 |
7位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 0:00:44 |
8位 | ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル) | |
9位 | パトリック・シェリンク(スイス、スイスナショナルチーム) | 0:00:46 |
10位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) |
個人総合成績
1位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) | 18:40:18 |
2位 | ローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ) | 0:00:12 |
3位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:29 |
4位 | ヤン・ヒルト(チェコ、アスタナ) | 0:00:35 |
5位 | ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル) | |
6位 | マルク・ソレル(スペイン、モビスター) | 0:00:41 |
7位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 0:00:50 |
8位 | フランソワ・ビダール(フランス、アージェードゥーゼール) | 0:00:58 |
9位 | ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 0:01:07 |
10位 | ニコラス・ロッシュ(アイルランド、サンウェブ) |
ポイント賞
1位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 37pts |
2位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 32pts |
3位 | マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) | 19pts |
山岳賞
1位 | クラウディオ・インホフ(スイス、スイスナショナルチーム) | 25pts |
2位 | ギャビン・マニオン(アメリカ、ラリーUHCサイクリング) | 19pts |
3位 | アントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 12pts |
ヤングライダー賞
1位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) | 18:40:18 |
2位 | ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル) | 0:00:35 |
3位 | エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:01:17 |
チーム総合成績
1位 | UAEチームエミレーツ | 56:03:48 |
2位 | サンウェブ | 0:00:21 |
3位 | モビスター | 0:00:58 |
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