2019/06/19(水) - 09:36
ツール・ド・フランス連覇がかかったゲラント・トーマス(チームイネオス)が落車負傷リタイアする中、ツール・ド・スイス第4ステージを締めくくる大集団スプリントでエリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が勝利。ジロを0勝で終えたイタリアチャンピオンが3ヶ月ぶりの勝利を手にした。
前日のフィニッシュ地点ムルテンをスタートして一路北上し、ドイツとフランス国境に近いアルレスハイムにフィニッシュする163.9kmで行われたツール・ド・スイス第4ステージ。中盤に2級山岳パスワング(距離3.3km/平均8.9%)、そして残り19km地点に3級山岳アイヒェンベルク(距離3km/平均7.5%)が登場するステージの獲得標高差は1,900mあるが、ピュアスプリンターが脱落するほどの難易度ではない。
このスプリンター向きのステージでサイモン・ゲシュケ(ドイツ、CCCチーム)、タコ・ファンデルホールン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)、ロビン・カーペンター(アメリカ、ラリーUHCサイクリング)、ジャン・フリーゼク(スイス、スイスナショナルチーム)の4名が逃げを打った。リーダージャージ擁するボーラ・ハンスグローエの集団コントロールによってタイム差は3分以内に押さえ込まれる。ファンデルホールンを先頭に2級山岳パスワングをクリアする頃にはタイム差は2分30秒に。
逃げ吸収に向けて徐々にスピードを上げるメイン集団では、フィニッシュまで30kmを残して落車が発生する。ツール・ド・フランス連覇がかかったゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)がアンドレイ・ツェイツ(カザフスタン、アスタナ)とともに落車し、自力で立ち上がれないままリタイア。クリストファー・フルーム(イギリス)に続くチームイネオスのリーダーが負傷する事態に見舞われたが、病院での検査の結果、骨折を免れたトーマスは打撲と擦過傷、まぶたの裂傷だけで済んでいる。
最後の3級山岳アイヒェンベルクの登りが始まると先頭はゲシュケとフリーゼクの2人に絞られ、やがてフリーゼクが独走に持ち込んで頂上をクリアする。しかしその後の中間スプリントに向けた緩斜面でフリーゼクはリードを失い、フィニッシュに向けた下り開始手前の残り11km地点でメイン集団に吸収された。
サンウェブがメイン集団をまとめ上げる中、残り6km地点の下りを利用してマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ)がアタックを仕掛け、続いてマティアス・フランク(スイス、アージェードゥーゼール)も飛び出したがメイン集団はこれを許さない。残り3km地点で一塊に戻ったメイン集団を、人数を揃えるトレック・セガフレードが牽引する。最終的に主導権を握ったのはドゥクーニンク・クイックステップだった。
ヤングライダー賞ジャージを着るカスパー・アスグリーン(デンマーク)を先頭に残り1kmアーチを通過し、イヴ・ランパールト(ベルギー)とミケル・モルコフ(デンマーク)、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)という3人のナショナルチャンピオンに引き継ぐ。最終ストレートに入ってデンマークチャンピオンが最終リードアウトを開始。その後ろから、残り200mでイタリアチャンピオンとリーダージャージを着るスロバキアチャンピオンが同時にスプリントを開始した。
トップスピードが70km/hを超えるヴィヴィアーニとサガンの一騎打ちは、ハイケイデンスで伸びやかなスプリントを見せた前者に軍配が上がった。フィニッシュまで踏み切れずに、長めのハンドル投げを行なったサガンはマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)に差し切られてステージ3位。サガンが総合首位に守り、ステージ2位のマシューズが総合2位に浮上している。
ジロ・デ・イタリア第3ステージのスプリントで先着しながらも、ライン保持違反により降格処分を受けたヴィヴィアーニ。その後スプリントで勝てない状態が続き、0勝のまま母国のグランツールをリタイアしたヴィヴィアーニが再び勝利の波に乗った。「この勝利は本当の自信に繋がる」と、シーズン5勝目を飾ったイタリアチャンピオンは語る。
「勝利数を比較すると昨年を下回っているものの、今年はワールドツアーレースでの勝利ばかり。チームメイトたちの働きは完璧で、登りでサポートを受け、最後は世界最高のリードアウトに導かれた」と語るヴィヴィアーニはツール・ド・フランスへの出場を予定している。
リーダージャージを守ったサガンは「調子は良いし、正しい調整ができているステージ優勝を狙ったけど、今日は自分の日じゃなかった。チームが1日中ずっと集団を率いて、最後は全力でスプリントしたけど、ヴィヴィアーニが最速だった」とコメント。翌日の第5ステージもスプリンター向きの難易度の低いレイアウトだ。
前日のフィニッシュ地点ムルテンをスタートして一路北上し、ドイツとフランス国境に近いアルレスハイムにフィニッシュする163.9kmで行われたツール・ド・スイス第4ステージ。中盤に2級山岳パスワング(距離3.3km/平均8.9%)、そして残り19km地点に3級山岳アイヒェンベルク(距離3km/平均7.5%)が登場するステージの獲得標高差は1,900mあるが、ピュアスプリンターが脱落するほどの難易度ではない。
このスプリンター向きのステージでサイモン・ゲシュケ(ドイツ、CCCチーム)、タコ・ファンデルホールン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)、ロビン・カーペンター(アメリカ、ラリーUHCサイクリング)、ジャン・フリーゼク(スイス、スイスナショナルチーム)の4名が逃げを打った。リーダージャージ擁するボーラ・ハンスグローエの集団コントロールによってタイム差は3分以内に押さえ込まれる。ファンデルホールンを先頭に2級山岳パスワングをクリアする頃にはタイム差は2分30秒に。
逃げ吸収に向けて徐々にスピードを上げるメイン集団では、フィニッシュまで30kmを残して落車が発生する。ツール・ド・フランス連覇がかかったゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)がアンドレイ・ツェイツ(カザフスタン、アスタナ)とともに落車し、自力で立ち上がれないままリタイア。クリストファー・フルーム(イギリス)に続くチームイネオスのリーダーが負傷する事態に見舞われたが、病院での検査の結果、骨折を免れたトーマスは打撲と擦過傷、まぶたの裂傷だけで済んでいる。
最後の3級山岳アイヒェンベルクの登りが始まると先頭はゲシュケとフリーゼクの2人に絞られ、やがてフリーゼクが独走に持ち込んで頂上をクリアする。しかしその後の中間スプリントに向けた緩斜面でフリーゼクはリードを失い、フィニッシュに向けた下り開始手前の残り11km地点でメイン集団に吸収された。
サンウェブがメイン集団をまとめ上げる中、残り6km地点の下りを利用してマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ)がアタックを仕掛け、続いてマティアス・フランク(スイス、アージェードゥーゼール)も飛び出したがメイン集団はこれを許さない。残り3km地点で一塊に戻ったメイン集団を、人数を揃えるトレック・セガフレードが牽引する。最終的に主導権を握ったのはドゥクーニンク・クイックステップだった。
ヤングライダー賞ジャージを着るカスパー・アスグリーン(デンマーク)を先頭に残り1kmアーチを通過し、イヴ・ランパールト(ベルギー)とミケル・モルコフ(デンマーク)、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)という3人のナショナルチャンピオンに引き継ぐ。最終ストレートに入ってデンマークチャンピオンが最終リードアウトを開始。その後ろから、残り200mでイタリアチャンピオンとリーダージャージを着るスロバキアチャンピオンが同時にスプリントを開始した。
トップスピードが70km/hを超えるヴィヴィアーニとサガンの一騎打ちは、ハイケイデンスで伸びやかなスプリントを見せた前者に軍配が上がった。フィニッシュまで踏み切れずに、長めのハンドル投げを行なったサガンはマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)に差し切られてステージ3位。サガンが総合首位に守り、ステージ2位のマシューズが総合2位に浮上している。
ジロ・デ・イタリア第3ステージのスプリントで先着しながらも、ライン保持違反により降格処分を受けたヴィヴィアーニ。その後スプリントで勝てない状態が続き、0勝のまま母国のグランツールをリタイアしたヴィヴィアーニが再び勝利の波に乗った。「この勝利は本当の自信に繋がる」と、シーズン5勝目を飾ったイタリアチャンピオンは語る。
「勝利数を比較すると昨年を下回っているものの、今年はワールドツアーレースでの勝利ばかり。チームメイトたちの働きは完璧で、登りでサポートを受け、最後は世界最高のリードアウトに導かれた」と語るヴィヴィアーニはツール・ド・フランスへの出場を予定している。
リーダージャージを守ったサガンは「調子は良いし、正しい調整ができているステージ優勝を狙ったけど、今日は自分の日じゃなかった。チームが1日中ずっと集団を率いて、最後は全力でスプリントしたけど、ヴィヴィアーニが最速だった」とコメント。翌日の第5ステージもスプリンター向きの難易度の低いレイアウトだ。
ツール・ド・スイス2019第4ステージ結果
1位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 3:46:02 |
2位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | |
3位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) | |
5位 | ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) | |
6位 | セップ・ファンマルク(ベルギー、EFエデュケーションファースト) | |
7位 | レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ) | |
8位 | イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・メリダ) | |
9位 | スタン・デウルフ(ベルギー、ロット・スーダル) | |
10位 | ファビアン・リーンハルト(スイス、スイスナショナルチーム) |
個人総合成績
1位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 11:37:28 |
2位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | 0:00:10 |
3位 | カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:00:15 |
4位 | ローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ) | 0:00:16 |
5位 | ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト) | 0:00:21 |
6位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | 0:00:25 |
7位 | マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) | 0:00:32 |
8位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:33 |
9位 | ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、チームイネオス) | 0:00:34 |
10位 | ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) |
ポイント賞
1位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 29pts |
2位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 20pts |
3位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | 15pts |
山岳賞
1位 | クラウディオ・インホフ(スイス、スイスナショナルチーム) | 21pts |
2位 | ギャビン・マニオン(アメリカ、ラリーUHCサイクリング) | 13pts |
3位 | ファビアン・グルリエ(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) | 9pts |
チーム総合成績
1位 | サンウェブ | 34:53:38 |
2位 | EFエデュケーションファースト | 0:00:15 |
3位 | チームイネオス | 0:00:28 |
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最後はなぜかうまくいくイタリア人
日本経済新聞出版社