2019/06/13(木) - 09:00
東京・代官山で開催されたピナレロの2020モデル展示会。注目のDOGMA F12や、ディスクブレーキ化を果たしたPRINCE FX。F12に期待を寄せる各ショップスタッフの声や、本社スタッフのメッセージと共にレポート。
場所は代官山の展示会場。ピナレロのフラッグシップ交代ということで多くのショップスタッフが詰め掛けた
2020モデルの披露の場となったのは、ピナレロの発表会会場としてはお馴染みの東京・代官山にあるイベントスペース。1ヶ月前に正式発表された新型フラッグシップモデルDOGMA F12をはじめ、2020モデルのフルラインナップが出揃ったこともあり、会場は午前の部・午後の部と共に満席御礼。改めて新型DOGMAに対する注目度の高さをうかがい知ることとなった。
チームイネオスカラーのDOGMA F12。ワインレッドのグラデーションが魅力的
多くの注目を詰めていたDOGMA F12
トライアスロン用の超高級機、BOLIDE TT
PRINCE FXにはディスクブレーキ版が追加されている
タイヤクリアランスを拡大したRAZHA
アメリカのグラベルレースでも活躍するGREVIL+
2020モデルの注目としては、DOGMA F12はもちろん、チームイネオスの山岳決戦モデルであるX-LIGHTの価格発表(リムブレーキ版税抜90万円/ディスクブレーキ版税抜93万円)、セカンドモデルPRINCE FXとエントリーモデルRAZHAへのディスクブレーキモデル追加、そしてリムブレーキ版RAZHAのタイヤクリアランスが広げられたこと。2019モデルの全バイクが継続される(=型落ちモデルなし)ことは、既存ユーザーにとって嬉しい情報と言えるだろう。
最注目のDOGMA F12はディスクブレーキ版とリムブレーキ版どちらもが展示され、大多数のカラーバリエーションが出揃ったことでより一層注目を集めることに。プレゼンテーションは本社でファウスト・ピナレロ代表の右腕であるルチアーノ・ポーリ氏のメッセージに始まり、F12のテクニカルインフォメーションなどが説明され、会場にはハンドル部分の組み付けを実演するテックコーナーの設置も。私ことCW編集部・磯部もF12デビュー前の本社取材や乗り味の印象について話す役目を仰せつかったのでありました。
私こと磯部も本社取材や乗り味の印象について話す役目を仰せつかった
ハンドル周りのディテールを解説するテックコーナーも設置
ピナレロに乗るちゃりん娘の太郎田水桜さん(左)と詰田朱梨さん(右)もDOGMAに注目?
F12の詳しい情報や乗り味、現地取材の模様はスペシャルコンテンツをご覧頂きたいが、印象的だったのは、来場した多くの方がDOGMAのルックスに注目していたことだ。ここ最近のロードバイクは合理的な設計を突き詰めることで見た目が似通ってきているのも事実だが、デザインスケッチから起こしたという、美しさにこだわるイタリアブランドらしい見た目は実際に多くの興味を引いている模様。各社のハイエンドバイクが急速にディスクブレーキ化を辿る一方、リムブレーキ版を新規開発していることも好印象として捉えられているようだ。
ショップ店長に聞くDOGMA F12
以下は来場していたショップスタッフに聞いた、DOGMA F12に期待する声。”実際に乗ってみたい!”という声が多く、中にはマイバイクとして購入を決めていた方も…。
錦織大祐さん(フォーチュンバイク代表)
錦織大祐さん(フォーチュンバイク代表)
既に雑誌媒体の企画でインプレッションする機会を頂いたのですが、個人的には大絶賛したい出来でした。すごく良くてびっくりです。乗り出しこそ硬いかな、と思いましたが、バイクからライダーへのフィードバックがすごく正確でとても扱いやすい。レーシング要素を感じさせてくれるのがイタリアンバイクの定義だとするならば、まさにこういう感じだよな、と。他ラインナップを見てもやっぱりピナレロってレーシングブランドだし、これからもそうであり続けるというメッセージを感じました。
F10との差は剛性の高さですが、関心したのは剛性が悪目立ちしていないこと。F8、F10と続いた流れがそのままであれば”そんなもんかな”と思ったでしょうが、もう一段階上のレベルに達していた。まだいけるんだ、自転車ってすごいな、と思いましたね。
高木友明さん(アウトドアスペース風魔横浜店長)
高木友明さん(アウトドアスペース風魔横浜店長)
磯部さんが仰っていた”塊感が薄まった”というコメントには期待したいですよね。”DOGMAは硬くて踏み切れない”という印象は実際に強いですし、そこが改善されているのであれば、ステータスとしてDOGMAを購入したい方でもダウングレードする必要が無くなりますから。私自身早く乗ってみたいですね。
遠藤誠さん(GROVE港北店長)
遠藤誠さん(GROVE港北店長)
店舗としてはスペシャライズドのニーズが強いのですが、それでもピナレロを欲する方は根強いですよね。F12に乗った感想を言葉として聞けたので良かったですし、自分でも体感したいな、と。ルックス的にも良いですし間違いなく2020モデルで注目のバイクになるでしょうね。
吉田幸司さん(ニコー製作所店長)
吉田幸司さん(ワタキ商工株式会社 ニコー製作所店長)
自分用に購入を決め、どの色にするか悩んでいる最中でした(笑)。決め手はやはり所有欲を満たしてくれる他社には無いルックス。”最近のバイクみんな同じだよね”というユーザーの声も少なく無いですが、F12にはイタリアンブランドとしての気概や魅力を感じます。マイバイク兼展示/試乗車にするつもりです。
岩崎正史さん(正屋代表)
岩崎正史さん(正屋代表)
F10がとても良いバイクだったぶん、F12に乗ってみたいな、と思いますよね。パッと見はF10からの大変化はありませんが、様々なディテールに薀蓄が詰まってますから。内装ケーブルなど整備的に難しい面もありますが、各社ある中でも比較的シンプル。何が違うのか自分で確かめてみたいです。
最後に紹介するのは、イタリアから来日したルチアーノ氏へのショートインタビュー。日本のピナレロファンに向けたメッセージや、この展示会が意味することを聞いた。
来日したルチアーノ・ポーリ氏。「総合ブランドとしての歩みを示す展示会」
ルチアーノ氏:今回はDOGMA F12の、ひいてはピナレロに対する大きな注目を再確認でき良い機会になりました。F10のプレゼンテーションの際には”我が社の最高傑作であり、これ以上の進化は難しい”と述べましたが、2年半後の今日再び完璧な進化を果たしたF12をローンチできたことは大きな歓びです。
しかし大事なことは、ピナレロはハイエンドだけのブランドでは無いということ。今回はPRINCE FXのディスクブレーキ版もデビューさせ、他モデルもカラーやグラフィックをリニューアルしています。更に言えばこれ無しではF12のフルインターナル化を成し遂げられなかったTALON ULTRAハンドルや、2種類のレールを用意する新型サドルなどのコンポーネント類、2019春夏モデルから本格始動したアパレルなど、ピナレロはバイクのリニューアルのみならず、総合ブランドとしても確実に歩んでいるのです。
その裏には現在チームイネオスとして活動するチームスカイからのフィードバックがありました。僅か180gながら快適性を両立したサドルは彼らの声を活かしたものですし、その声は当然F12の開発にも欠かせませんでした。
これからピナレロは総合ブランドとしての活動をより一層プッシュしていく。今回のプレゼンテーションにはそのメッセージを込めています。
text&photo:So.Isobe
![場所は代官山の展示会場。ピナレロのフラッグシップ交代ということで多くのショップスタッフが詰め掛けた](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2019/06/13/mka8796.jpg)
2020モデルの披露の場となったのは、ピナレロの発表会会場としてはお馴染みの東京・代官山にあるイベントスペース。1ヶ月前に正式発表された新型フラッグシップモデルDOGMA F12をはじめ、2020モデルのフルラインナップが出揃ったこともあり、会場は午前の部・午後の部と共に満席御礼。改めて新型DOGMAに対する注目度の高さをうかがい知ることとなった。
![チームイネオスカラーのDOGMA F12。ワインレッドのグラデーションが魅力的](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2019/06/13/mka8884.jpg)
![多くの注目を詰めていたDOGMA F12](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2019/06/13/mka8872.jpg)
![トライアスロン用の超高級機、BOLIDE TT](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2019/06/13/mka8832.jpg)
![PRINCE FXにはディスクブレーキ版が追加されている](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2019/06/13/mka8921.jpg)
![タイヤクリアランスを拡大したRAZHA](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2019/06/13/mka8892.jpg)
![アメリカのグラベルレースでも活躍するGREVIL+](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2019/06/13/mka8897.jpg)
2020モデルの注目としては、DOGMA F12はもちろん、チームイネオスの山岳決戦モデルであるX-LIGHTの価格発表(リムブレーキ版税抜90万円/ディスクブレーキ版税抜93万円)、セカンドモデルPRINCE FXとエントリーモデルRAZHAへのディスクブレーキモデル追加、そしてリムブレーキ版RAZHAのタイヤクリアランスが広げられたこと。2019モデルの全バイクが継続される(=型落ちモデルなし)ことは、既存ユーザーにとって嬉しい情報と言えるだろう。
最注目のDOGMA F12はディスクブレーキ版とリムブレーキ版どちらもが展示され、大多数のカラーバリエーションが出揃ったことでより一層注目を集めることに。プレゼンテーションは本社でファウスト・ピナレロ代表の右腕であるルチアーノ・ポーリ氏のメッセージに始まり、F12のテクニカルインフォメーションなどが説明され、会場にはハンドル部分の組み付けを実演するテックコーナーの設置も。私ことCW編集部・磯部もF12デビュー前の本社取材や乗り味の印象について話す役目を仰せつかったのでありました。
![私こと磯部も本社取材や乗り味の印象について話す役目を仰せつかった](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2019/06/13/pinarelloconference-2.jpg)
![ハンドル周りのディテールを解説するテックコーナーも設置](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2019/06/13/mka8813.jpg)
![ピナレロに乗るちゃりん娘の太郎田水桜さん(左)と詰田朱梨さん(右)もDOGMAに注目?](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2019/06/13/mka8928.jpg)
F12の詳しい情報や乗り味、現地取材の模様はスペシャルコンテンツをご覧頂きたいが、印象的だったのは、来場した多くの方がDOGMAのルックスに注目していたことだ。ここ最近のロードバイクは合理的な設計を突き詰めることで見た目が似通ってきているのも事実だが、デザインスケッチから起こしたという、美しさにこだわるイタリアブランドらしい見た目は実際に多くの興味を引いている模様。各社のハイエンドバイクが急速にディスクブレーキ化を辿る一方、リムブレーキ版を新規開発していることも好印象として捉えられているようだ。
ショップ店長に聞くDOGMA F12
以下は来場していたショップスタッフに聞いた、DOGMA F12に期待する声。”実際に乗ってみたい!”という声が多く、中にはマイバイクとして購入を決めていた方も…。
錦織大祐さん(フォーチュンバイク代表)
![錦織大祐さん(フォーチュンバイク代表)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2019/06/13/mka8901.jpg)
既に雑誌媒体の企画でインプレッションする機会を頂いたのですが、個人的には大絶賛したい出来でした。すごく良くてびっくりです。乗り出しこそ硬いかな、と思いましたが、バイクからライダーへのフィードバックがすごく正確でとても扱いやすい。レーシング要素を感じさせてくれるのがイタリアンバイクの定義だとするならば、まさにこういう感じだよな、と。他ラインナップを見てもやっぱりピナレロってレーシングブランドだし、これからもそうであり続けるというメッセージを感じました。
F10との差は剛性の高さですが、関心したのは剛性が悪目立ちしていないこと。F8、F10と続いた流れがそのままであれば”そんなもんかな”と思ったでしょうが、もう一段階上のレベルに達していた。まだいけるんだ、自転車ってすごいな、と思いましたね。
高木友明さん(アウトドアスペース風魔横浜店長)
![高木友明さん(アウトドアスペース風魔横浜店長)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2019/06/13/mka8788.jpg)
磯部さんが仰っていた”塊感が薄まった”というコメントには期待したいですよね。”DOGMAは硬くて踏み切れない”という印象は実際に強いですし、そこが改善されているのであれば、ステータスとしてDOGMAを購入したい方でもダウングレードする必要が無くなりますから。私自身早く乗ってみたいですね。
遠藤誠さん(GROVE港北店長)
![遠藤誠さん(GROVE港北店長)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2019/06/13/mka8856.jpg)
店舗としてはスペシャライズドのニーズが強いのですが、それでもピナレロを欲する方は根強いですよね。F12に乗った感想を言葉として聞けたので良かったですし、自分でも体感したいな、と。ルックス的にも良いですし間違いなく2020モデルで注目のバイクになるでしょうね。
吉田幸司さん(ニコー製作所店長)
![吉田幸司さん(ワタキ商工株式会社 ニコー製作所店長)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2019/06/13/mka8939.jpg)
自分用に購入を決め、どの色にするか悩んでいる最中でした(笑)。決め手はやはり所有欲を満たしてくれる他社には無いルックス。”最近のバイクみんな同じだよね”というユーザーの声も少なく無いですが、F12にはイタリアンブランドとしての気概や魅力を感じます。マイバイク兼展示/試乗車にするつもりです。
岩崎正史さん(正屋代表)
![岩崎正史さん(正屋代表)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2019/06/13/mka8809.jpg)
F10がとても良いバイクだったぶん、F12に乗ってみたいな、と思いますよね。パッと見はF10からの大変化はありませんが、様々なディテールに薀蓄が詰まってますから。内装ケーブルなど整備的に難しい面もありますが、各社ある中でも比較的シンプル。何が違うのか自分で確かめてみたいです。
最後に紹介するのは、イタリアから来日したルチアーノ氏へのショートインタビュー。日本のピナレロファンに向けたメッセージや、この展示会が意味することを聞いた。
![来日したルチアーノ・ポーリ氏。「総合ブランドとしての歩みを示す展示会」](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2019/06/13/mka8970.jpg)
ルチアーノ氏:今回はDOGMA F12の、ひいてはピナレロに対する大きな注目を再確認でき良い機会になりました。F10のプレゼンテーションの際には”我が社の最高傑作であり、これ以上の進化は難しい”と述べましたが、2年半後の今日再び完璧な進化を果たしたF12をローンチできたことは大きな歓びです。
しかし大事なことは、ピナレロはハイエンドだけのブランドでは無いということ。今回はPRINCE FXのディスクブレーキ版もデビューさせ、他モデルもカラーやグラフィックをリニューアルしています。更に言えばこれ無しではF12のフルインターナル化を成し遂げられなかったTALON ULTRAハンドルや、2種類のレールを用意する新型サドルなどのコンポーネント類、2019春夏モデルから本格始動したアパレルなど、ピナレロはバイクのリニューアルのみならず、総合ブランドとしても確実に歩んでいるのです。
その裏には現在チームイネオスとして活動するチームスカイからのフィードバックがありました。僅か180gながら快適性を両立したサドルは彼らの声を活かしたものですし、その声は当然F12の開発にも欠かせませんでした。
これからピナレロは総合ブランドとしての活動をより一層プッシュしていく。今回のプレゼンテーションにはそのメッセージを込めています。
text&photo:So.Isobe
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