ジロ最初の山岳決戦となった第13ステージの選手コメント集。2年ぶりの勝利を挙げたイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)や、共に逃げた選手、総合勢、そして初山翔(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)らの言葉を紹介します。



ステージ優勝:イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)

ステージ優勝を飾ったイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)ステージ優勝を飾ったイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) photo:LaPresse
総合ジャンプアップのことだけを考えていた。少しでもタイムを稼ごうと逃げに飛びついたんだ。ステージ優勝は予想していなかった。だから少し驚きの勝利であると言える。最後は総合成績ためにとにかく力を出し切ることだけを考えて走っていた。ログリッチェはとても強く、間違いなくマリアローザのナンバーワン候補。でもまた明日からのステージで挑戦して、マリアローザを着たい。最終的にトップ5に入れば良いと思っていたけれど、もう少し上を狙えそうな気がする。最後の5kmはものすごくハードだった。最後の勝利から2年空いていたので、自分にとっても大切な勝利になった。

ステージ2位:ミケル・ニエベ(スペイン、ミッチェルトン・スコット)

2位に終わったミケル・ニエベ(スペイン、ミッチェルトン・スコット)2位に終わったミケル・ニエベ(スペイン、ミッチェルトン・スコット) (c)CorVos
予定としては最初の逃げに加わり、最後から2番目の山岳で後ろからやってくる総合勢に加わることだった。作戦通り動き後ろを待っていたけれど、同時に自らのステージ優勝のためにも動いた。最後は勝利まであと少しだった。

後続の動きは把握していなかったけれど、ステージ優勝を逃してしまったので甘くも、苦くもある。でも思った通りに運ばないのもロードレースだ。

最後の山岳では総合成績のためにプッシュしなければならないザカリンとモレマをマークしていた。ザカリンのアタックを残り3kmで捉えた時にステージ優勝のチャンスを感じたが、残り2kmで引き離されてしまった。彼は非常に強かった。

ステージ3位:ミケル・ランダ(スペイン、モビスター)

3位でフィニッシュするミケル・ランダ(スペイン、モビスター)3位でフィニッシュするミケル・ランダ(スペイン、モビスター) (c)CorVos
ものすごく、ものすごくタフな1日だった。アタックしてからゴールまで距離があったし、空気も薄かった。フィニッシュに辿り着く時には完璧に料理されてしまったよ(笑)。結果や僕のチームメイト、そして脚のコンディションにはとても満足している。仲間の働きには感謝してもしきれない。今日はライバルたちの弱点を幾つか見出すことができたし、だからこそアタックを試みた。自信になったし、自分のエネルギーが無くなるまで攻め続けていきたいと思う。ただし今はまだ最終的な総合成績を予想するタイミングとは思えない。まだまだ厳しい山岳ステージが次々とやってくる。

ステージ5位:バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)

逃げ集団に入ったバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)逃げ集団に入ったバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) photo:CorVos
逃げに乗るのにあまり力を使わず、3人もチームメイトが入ってくれたのは大きな助けになった。(ニコラ)コンチが序盤の平坦区間を率い、ブランビ(ブランビッラ)は渓谷沿いと2番目の山岳を、そして次には(ジュリオ)チッコーネ。僕らにとってパーフェクトな1日だった。

最後の山岳では正直メイン集団に捕まると思った。でも、突然タイム差が1分半に拡大したんだ。チッコーネが最後の山岳でペースを作ってくれたので助かった。おそらくメイン集団の選手達も疲れてペースアップができなかったんだろう。今日はプロトン全員にとって厳しい1日だった。

最後の5kmは逃げグループの選手どうしによる戦い。彼ら(ザカリンやランダ)に対してタイムを失ってしまったのは残念だが、自分は限界だったんだ。昨日の厳しいステージでいくつかトラブルを抱えていたけれど、最終的にはすごく上手く行った1日だった。

ステージ6位:ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)

逃げグループにフォルモロが入ったので、作戦としては彼でステージ優勝を狙うことだった。今日は多くの総合勢がタイムを失った一方、数名がタイムを稼いだ面白いステージになった。まだまだ先が長いので予想はできないね。最終盤はものすごくタフだった。ダヴィデの力を借りてモレマたちに追いつこうと試みたが不可能だった。これからも攻め続ける姿勢を保ちたい。

ステージ8位:ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)

ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) (c)CorVos
とてもタフで戦略が絡み合った複雑な1日。僕の結果とパフォーマンス的にはOK。チームとしても戦えることを示せたし、中でもポッツォヴィーヴォは素晴らしかった。

マリアローザ:ヤン・ポランツェ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

マリアローザを守ったヤン・ポランツェ(スロベニア、UAEチームエミレーツマリアローザを守ったヤン・ポランツェ(スロベニア、UAEチームエミレーツ photo:LaPresse
ビッグネームに最後まで付いていけるとは思っていなかった。ハードなステージになるとは思っていたけど、ここまでハードだとは思わなかった。マリアローザを少なくともあと1日は長く着ることができる。ヴェローナまで着続けるのは非現実的なので、毎日様子を見ながら走りたい。

マリアアッズーラ:ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)

マリアアッズーラは再びジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)の手にマリアアッズーラは再びジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)の手に photo:LaPresse
今までで一番厳しいステージだったけれど、チームとして素晴らしく機能できた。チャンスを掴んで、全員が全力で一致団結しながらモレマの総合成績のために攻め続けたんだ。最後の山岳ではモレマのために全力で踏み続けた。すごく重要な1日となった。チームに対しても、自分に対しても嬉しく感じているよ。

マリアビアンカ:パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームイネオス)

マリアビアンカを着用したパヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームイネオス)マリアビアンカを着用したパヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームイネオス) (c)CorVos
ログリッチェとニバリに対してアタックしたわけではない。彼らは互いに見合っていたので、それを見て自分のペースを刻もうとしたんだ。最後の山岳はまるでTTを走っているかのようで、終盤は視界がぼやけていた。ログリッチェとニバリが戻ってきてからも自分の身体と相談しながらベストを尽くした。

マリアビアンカの獲得はとてもクールで、信じられない気分だ。これから先はもっと厳しい戦いになるだろう。今日ロペスはバッドラックがあっただけなので、彼は相変わらず強い。マリアビアンカのためだけではなく、ジロの総合成績を狙っている彼との戦いは厳しいものになるだろう。全力を尽くしていきたい。

メカトラで遅れたミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

2級山岳ピアン・デル・ルーポでペースアップを試みるアスタナ2級山岳ピアン・デル・ルーポでペースアップを試みるアスタナ photo:CorVos
全て上手く運んでいた。ニバリやマイカ、ログリッチェと同じグループに入っていても調子は良かったんだ。でも突然メカトラは起こってしまった。どうしてか分からないけれど、突然だった。止まらないといけなかった。チームカーはかなり後ろだったのでスペアバイクを受け取るまでに随分と時間が掛かってしまった。遅れた分を取り返そうと全力を尽くしたけれど、届かなかった。もちろん落ち込んでいるけれど、明日はまたやってくる。ベストを尽くしたい。

初山翔(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)

グルペット内で第13ステージを終えた初山翔(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)グルペット内で第13ステージを終えた初山翔(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) photo:Kei Tsuji
今日は10kmちょっとしかメイン集団で走ってないです。最初の4km登り(21km地点)でメイン集団から千切れてしまい、そこから前の集団に追いついたと思ったらその集団もメイン集団から脱落した選手たちだった。デマールのいるグルペットの中で走り、結局最後までメイン集団に追いつくことはありませんでした。タイムカットの時間は知らされていたので大丈夫でした。(冗談で)辛うじて生きてますが、明日はもっと厳しいステージになりそうです

text:So.Isobe
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