2019/05/23(木) - 20:11
ツアー・オブ・ジャパン第5ステージが長野県飯田市で行われ、スプリント勝負を制したフェデリコ・ズルロ(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)が優勝した。ベンジャミン・ヒル(リュブリャナ・グスト・サンティック)が自ら4位に入り、個人総合首位を維持した。
ツアー・オブ・ジャパンは後半戦に入り佳境を迎える。第5ステージは長野県飯田市での南信州ステージ。JR飯田駅前をパレードスタートし、天竜川を渡って山間部に設定された1周12.2kmの周回コースを10周。再び天竜川を渡って飯田市松尾総合運動公園前にフィニッシュする123.6kmのレースだ。1級山岳に指定される登りもさることながら、カーブが連続する長い下りがこのコースをハードで難しいものとしている。
難コースであることと並んで有名なのが「焼肉」。山岳ポイントの先で毎年オープンする通称「焼肉コーナー」をはじめ、コースのいたるところからおいしそうな香りが漂うのも南信州ステージの名物。独自の観戦スタイルが確立されているのも、開催回数を重ねてきた飯田市ならではだ。
朝から雲ひとつない晴れの1日。前日の美濃に続き27℃を超える暑さの中でのレースとなった。
周回コースに入ってリアルスタートが切られ、逃げが容認されたのは2周目。山岳賞ジャージのフィリッポ・ザッカンティ(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)、メトケル・イヨブ(トレンガヌ・INC・TSG・サイクリングチーム)、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)の3名が飛び出し、さらにエミール・ディマ(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)がブリッジをかけて合流し、4人の逃げ集団が形成される。メイン集団はリーダージャージを着るベンジャミン・ヒルのリュブリャナ・グスト・サンティックがコントロールし、2分40秒前後の差でレースが進行する。
3周目と5周目に設定された山岳賞は2回ともザッカンティが先頭通過し、山岳賞争いを確実なものとする。一方メイン集団は5周目からチーム・ザワーランド・NRW・P/B・SKS・ジャーマニーがコントロールを代わってペースアップし、逃げ集団との差を縮めていく。
8周目、1分未満まで差が詰まったところで、逃げ集団から吸収を嫌った岡がアタック。これにアドリアン・ギロネット(インタープロサイクリングアカデミー)、ドリュー・モレ(トレンガヌ・INC・TSG・サイクリングチーム)が合流して新たに3人の逃げ集団が形成される。しかし9周目に岡が遅れ、最終周回の10周目にはモレが粘って逃げ続けるもメイン集団が吸収し、勝負は集団スプリントへ。
残り1kmのホームストレートに入り、チーム・ブリッジレーンが列車を組んで突進。残り200mからは前日優勝のレイモンド・クレダー(チーム右京)と、フェデリコ・ズルロ(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)が前に出てくる。ズルロのスピードが伸び、ドラムセットを叩くようなポーズをしながらフィニッシュした。
「暑くてハードなステージだった。コーナーが多く登りも厳しいコースだったので、集団の前方に位置するようにして集中して走るようにしていた。最後は集団の人数が絞れて自分に有利な展開になったと思う」とレースを振り返るズルロ。この日はチームメイトの小林海も9位でフィニッシュしたが「マリノは最終周回の登りでとても強かった。今日はマリノに勝ってほしかったけれど、僕が勝ってしまった。ホテルに帰ったら明日は勝てと言うよ」と、コメントした。
リーダージャージはヒルが維持。先頭集団に残り、最後はスプリントに加わり4位でフィニッシュした。「今日ジャージをキープ出来て嬉しい。4位という結果は満足しているけれど、ステージ優勝したかった。明日の富士山ステージは自分の日じゃないから、ジャージのキープは難しいだろう」と、コメントした。
先頭集団に残ったメンバーには、中根英登、伊藤雅和(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、入部正太朗(シマノレーシングチーム)、石橋学(チームブリヂストンサイクリング)、小林海(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)ら、総合上位を目指す日本人選手もきっちりと入った。一方、雨澤毅明(リュブリャナ・グスト・サンティック)がリタイアし、窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)がレース終盤に遅れてポイント賞ジャージを脱ぐことになってしまった。
個人総合順位でトップから1分以内は27名。昨年個人総合優勝のマルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)をはじめ、優勝候補に挙げられる選手の名前が並ぶ。
明日は富士山ステージ。今年のツアー・オブ・ジャパンの天王山を制するのは誰か?
ツアー・オブ・ジャパンは後半戦に入り佳境を迎える。第5ステージは長野県飯田市での南信州ステージ。JR飯田駅前をパレードスタートし、天竜川を渡って山間部に設定された1周12.2kmの周回コースを10周。再び天竜川を渡って飯田市松尾総合運動公園前にフィニッシュする123.6kmのレースだ。1級山岳に指定される登りもさることながら、カーブが連続する長い下りがこのコースをハードで難しいものとしている。
難コースであることと並んで有名なのが「焼肉」。山岳ポイントの先で毎年オープンする通称「焼肉コーナー」をはじめ、コースのいたるところからおいしそうな香りが漂うのも南信州ステージの名物。独自の観戦スタイルが確立されているのも、開催回数を重ねてきた飯田市ならではだ。
朝から雲ひとつない晴れの1日。前日の美濃に続き27℃を超える暑さの中でのレースとなった。
周回コースに入ってリアルスタートが切られ、逃げが容認されたのは2周目。山岳賞ジャージのフィリッポ・ザッカンティ(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)、メトケル・イヨブ(トレンガヌ・INC・TSG・サイクリングチーム)、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)の3名が飛び出し、さらにエミール・ディマ(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)がブリッジをかけて合流し、4人の逃げ集団が形成される。メイン集団はリーダージャージを着るベンジャミン・ヒルのリュブリャナ・グスト・サンティックがコントロールし、2分40秒前後の差でレースが進行する。
3周目と5周目に設定された山岳賞は2回ともザッカンティが先頭通過し、山岳賞争いを確実なものとする。一方メイン集団は5周目からチーム・ザワーランド・NRW・P/B・SKS・ジャーマニーがコントロールを代わってペースアップし、逃げ集団との差を縮めていく。
8周目、1分未満まで差が詰まったところで、逃げ集団から吸収を嫌った岡がアタック。これにアドリアン・ギロネット(インタープロサイクリングアカデミー)、ドリュー・モレ(トレンガヌ・INC・TSG・サイクリングチーム)が合流して新たに3人の逃げ集団が形成される。しかし9周目に岡が遅れ、最終周回の10周目にはモレが粘って逃げ続けるもメイン集団が吸収し、勝負は集団スプリントへ。
残り1kmのホームストレートに入り、チーム・ブリッジレーンが列車を組んで突進。残り200mからは前日優勝のレイモンド・クレダー(チーム右京)と、フェデリコ・ズルロ(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)が前に出てくる。ズルロのスピードが伸び、ドラムセットを叩くようなポーズをしながらフィニッシュした。
「暑くてハードなステージだった。コーナーが多く登りも厳しいコースだったので、集団の前方に位置するようにして集中して走るようにしていた。最後は集団の人数が絞れて自分に有利な展開になったと思う」とレースを振り返るズルロ。この日はチームメイトの小林海も9位でフィニッシュしたが「マリノは最終周回の登りでとても強かった。今日はマリノに勝ってほしかったけれど、僕が勝ってしまった。ホテルに帰ったら明日は勝てと言うよ」と、コメントした。
リーダージャージはヒルが維持。先頭集団に残り、最後はスプリントに加わり4位でフィニッシュした。「今日ジャージをキープ出来て嬉しい。4位という結果は満足しているけれど、ステージ優勝したかった。明日の富士山ステージは自分の日じゃないから、ジャージのキープは難しいだろう」と、コメントした。
先頭集団に残ったメンバーには、中根英登、伊藤雅和(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、入部正太朗(シマノレーシングチーム)、石橋学(チームブリヂストンサイクリング)、小林海(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)ら、総合上位を目指す日本人選手もきっちりと入った。一方、雨澤毅明(リュブリャナ・グスト・サンティック)がリタイアし、窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)がレース終盤に遅れてポイント賞ジャージを脱ぐことになってしまった。
個人総合順位でトップから1分以内は27名。昨年個人総合優勝のマルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)をはじめ、優勝候補に挙げられる選手の名前が並ぶ。
明日は富士山ステージ。今年のツアー・オブ・ジャパンの天王山を制するのは誰か?
第5ステージ:南信州 結果(飯田駅→下久堅周回コース→松尾総合運動公園前 123.6km)
1位 | フェデリコ・ズルロ(イタリア、ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー) | 3時間10分24秒 |
2位 | レイモンド・クレダー(オランダ、チーム右京) | +0秒 |
3位 | ニコラス・ホワイト(オーストラリア、チーム・ブリッジレーン) | |
4位 | ベンジャミン・ヒル(オーストラリア、リュブリャナ・グスト・サンティック) | |
5位 | オールイス・アルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) | |
6位 | パブロ・トーレス・ムイノ(スペイン、インタープロサイクリングアカデミー) | |
7位 | 中根英登(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | |
8位 | ベンジャミン・プラデス・レヴェルテル(スペイン、チーム右京) | |
9位 | 小林 海(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー) | |
10位 | 入部正太朗(シマノレーシングチーム) |
個人総合成績(第5ステージ:南信州 終了時)
1位 | ベンジャミン・ヒル(オーストラリア、リュブリャナ・グスト・サンティック) | 12時間27分54秒 |
2位 | アダム・トーパリック(チェコ、チーム・ザワーランド・NRW・P/B・SKS・ジャーマニー) | +2秒 |
3位 | レイモンド・クレダー(オランダ、チーム右京) | +7秒 |
4位 | 入部正太朗(シマノレーシングチーム) | +9秒 |
5位 | オールイス・アルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) | +11秒 |
6位 | フェデリコ・ズルロ(イタリア、ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー) | +15秒 |
ポイント賞(第5ステージ:南信州 終了時)
1位 | レイモンド・クレダー(オランダ、チーム右京) | 67p |
2位 | フェデリコ・ズルロ(イタリア、ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー) | 57p |
3位 | 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) | 55p |
山岳賞(第5ステージ:南信州 終了時)
1位 | フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | 30p |
2位 | エミール・ディマ(ルーマニア、ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー) | 12p |
3位 | ホアン・ボウ・カンパニー(スペイン、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | 10p |
チーム総合(第5ステージ:南信州 終了時)
1位 | チーム・ブリッジレーン | 37時間24分46秒 |
2位 | チーム右京 | +10秒 |
3位 | マトリックスパワータグ | +11秒 |
text&photo:Satoru Kato
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