2019/05/23(木) - 04:59
平坦コースメインのジロ・デ・イタリア前半戦を締めくくる第11ステージの集団スプリントでカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)が2勝目をマーク。ユアンは未勝利に終わったエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)とともにこの日を最後にジロを去る。
極端すぎるほど平坦なステージが2日連続で登場。モデナ近郊のカルピをスタートするジロ・デ・イタリア第11ステージは、ポー川が作り出した広大な平原を西へ。ひたすら平坦路を走り、ピエモンテ州のノーヴィリグーレにフィニッシュする。翌日から本格的な山岳決戦が始まり、しかも後半戦に登場する集団スプリント向きのコースは第18ステージだけとあって、多くのピュアスプリンターがこの第11ステージを最後にリタイアすることをあらかじめ宣言していた。
そんなジロ前半戦を締めくくるスプリントステージは、マルコ・フラッポルティ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)とダミアーノ・チーマ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)という今大会逃げまくっている2人にミルコ・マエストリ(イタリア、バルディアーニCSF)を加えた3人が逃げる展開。スタート直後から逃げた3人は40km地点で最大5分33秒のリードを得た。
42km/h前後のペースを刻んで平野を逃げ続ける3人を、スプリンターチームがメイン集団の先頭に立って追いかける今大会何度も見た光景。221kmの長いステージの半分を終えたところでタイム差は3分に。危険な風が吹くこともなく、気温25度ほどの陽気に包まれたポー平原をジロは進んでいく。
残り73km地点の第1スプリントをチーマが先頭通過すると、その2分17秒後方ではマリアチクラミーノ(ポイント賞ジャージ)をかけたスプリント争いが繰り広げられる。この日を最後にジロを去る予定だったカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)とエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が最終スプリントに向けて脚を温存する中、ポイント賞1位のパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)と同賞2位のアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)がスプリント。3番手通過したデマールが暫定的にポイント賞トップの座を奪った。
ロット・スーダル、ドゥクーニンク・クイックステップ、グルパマFDJ、ボーラ・ハンスグローエの連合軍が率いるメイン集団は逃げグループとのタイム差を詰め、200km弱におよんだフラッポルティ、チーマ、マエストリの逃げは残り25km地点で終了。スプリンターチームに総合系チームも集団先頭に上がって、強い向かい風が吹く中を40km/h弱で巡航した。
残り4kmを切ってからのクリスティアン・クネース(ドイツ、チームイネオス)のアタックは不発に終わり、CCCチームやイスラエルサイクリングアカデミーが人数を揃えて残り3kmの最終コーナーを曲がる。そこからフィニッシュラインまでは向かい風気味の横風が吹く1%ほどの登り基調。残り1kmアーチを通過すると、グルパマFDJが主導権を奪った。
前日同様にジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、グルパマFDJ)がデマールのために最終リードアウト。しかしボーラ・ハンスグローエが先頭を奪い、リュディガー・ゼーリッヒ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)がアッカーマンを引き上げる。真っ先にスプリントを開始したアッカーマンだったが、前日の落車の影響か、重いギアを踏む脚が重い。アッカーマンのスリップストリームからタイミング良く抜け出るとともに、低い体勢を保って突進したユアンが、追い上げるデマールに並ばせることなくフィニッシュした。
第8ステージに続く今大会ステージ2勝目を飾った24歳のユアンは「昨日よりも距離が長いステージは自分向きだった。最後はパスカル・アッカーマンの番手からスプリント。良いリードアウトを受けた彼の後ろは絶好のポジションだった。スプリント開始のタイミングもバッチリ。トップスプリンターの仲間入りを果たした気分だ」とコメント。ポイント賞3位に浮上したものの、ユアンは予定通り第12ステージをスタートすることなくモナコの自宅に戻る。ユアンはロット・スーダルのエーススプリンターとして7月のツール・ド・フランスに出場する予定だ。
デマールはステージ連勝を逃したものの、アッカーマンに11ポイント差をつけてポイント賞トップに立った。この日も勝てなかったヴィヴィアーニがユアンと同様に第11ステージでジロを去るため、マリアチクラミーノ争いはデマールとアッカーマンの一騎打ちになる見込みだ。
「グランツールで総合成績を狙ったことがないので、これからどうなるか分からない。総合トップ10に入ることができれば上出来だ。とにかく今は明日マリアローザを守ることに集中したい」と語るのは、マリアローザを着て今大会最初の本格山岳ステージに挑むことになったヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ)。終盤に1級山岳モントーゾ(距離8.8km/平均9.5%)が設定された第12ステージでマリアローザ争いがいよいよ本格化する。
極端すぎるほど平坦なステージが2日連続で登場。モデナ近郊のカルピをスタートするジロ・デ・イタリア第11ステージは、ポー川が作り出した広大な平原を西へ。ひたすら平坦路を走り、ピエモンテ州のノーヴィリグーレにフィニッシュする。翌日から本格的な山岳決戦が始まり、しかも後半戦に登場する集団スプリント向きのコースは第18ステージだけとあって、多くのピュアスプリンターがこの第11ステージを最後にリタイアすることをあらかじめ宣言していた。
そんなジロ前半戦を締めくくるスプリントステージは、マルコ・フラッポルティ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)とダミアーノ・チーマ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)という今大会逃げまくっている2人にミルコ・マエストリ(イタリア、バルディアーニCSF)を加えた3人が逃げる展開。スタート直後から逃げた3人は40km地点で最大5分33秒のリードを得た。
42km/h前後のペースを刻んで平野を逃げ続ける3人を、スプリンターチームがメイン集団の先頭に立って追いかける今大会何度も見た光景。221kmの長いステージの半分を終えたところでタイム差は3分に。危険な風が吹くこともなく、気温25度ほどの陽気に包まれたポー平原をジロは進んでいく。
残り73km地点の第1スプリントをチーマが先頭通過すると、その2分17秒後方ではマリアチクラミーノ(ポイント賞ジャージ)をかけたスプリント争いが繰り広げられる。この日を最後にジロを去る予定だったカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)とエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が最終スプリントに向けて脚を温存する中、ポイント賞1位のパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)と同賞2位のアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)がスプリント。3番手通過したデマールが暫定的にポイント賞トップの座を奪った。
ロット・スーダル、ドゥクーニンク・クイックステップ、グルパマFDJ、ボーラ・ハンスグローエの連合軍が率いるメイン集団は逃げグループとのタイム差を詰め、200km弱におよんだフラッポルティ、チーマ、マエストリの逃げは残り25km地点で終了。スプリンターチームに総合系チームも集団先頭に上がって、強い向かい風が吹く中を40km/h弱で巡航した。
残り4kmを切ってからのクリスティアン・クネース(ドイツ、チームイネオス)のアタックは不発に終わり、CCCチームやイスラエルサイクリングアカデミーが人数を揃えて残り3kmの最終コーナーを曲がる。そこからフィニッシュラインまでは向かい風気味の横風が吹く1%ほどの登り基調。残り1kmアーチを通過すると、グルパマFDJが主導権を奪った。
前日同様にジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、グルパマFDJ)がデマールのために最終リードアウト。しかしボーラ・ハンスグローエが先頭を奪い、リュディガー・ゼーリッヒ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)がアッカーマンを引き上げる。真っ先にスプリントを開始したアッカーマンだったが、前日の落車の影響か、重いギアを踏む脚が重い。アッカーマンのスリップストリームからタイミング良く抜け出るとともに、低い体勢を保って突進したユアンが、追い上げるデマールに並ばせることなくフィニッシュした。
第8ステージに続く今大会ステージ2勝目を飾った24歳のユアンは「昨日よりも距離が長いステージは自分向きだった。最後はパスカル・アッカーマンの番手からスプリント。良いリードアウトを受けた彼の後ろは絶好のポジションだった。スプリント開始のタイミングもバッチリ。トップスプリンターの仲間入りを果たした気分だ」とコメント。ポイント賞3位に浮上したものの、ユアンは予定通り第12ステージをスタートすることなくモナコの自宅に戻る。ユアンはロット・スーダルのエーススプリンターとして7月のツール・ド・フランスに出場する予定だ。
デマールはステージ連勝を逃したものの、アッカーマンに11ポイント差をつけてポイント賞トップに立った。この日も勝てなかったヴィヴィアーニがユアンと同様に第11ステージでジロを去るため、マリアチクラミーノ争いはデマールとアッカーマンの一騎打ちになる見込みだ。
「グランツールで総合成績を狙ったことがないので、これからどうなるか分からない。総合トップ10に入ることができれば上出来だ。とにかく今は明日マリアローザを守ることに集中したい」と語るのは、マリアローザを着て今大会最初の本格山岳ステージに挑むことになったヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ)。終盤に1級山岳モントーゾ(距離8.8km/平均9.5%)が設定された第12ステージでマリアローザ争いがいよいよ本格化する。
ジロ・デ・イタリア2019第11ステージ結果
1位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) | 5:17:26 |
2位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | |
3位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
5位 | ダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエルサイクリングアカデミー) | |
6位 | シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
7位 | ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ) | |
8位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、ディメンションデータ) | |
9位 | ヤコブ・マレツコ(イタリア、CCCチーム) | |
10位 | ショーン・ベネット(アメリカ、EFエデュケーションファースト) | |
144位 | 初山翔(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | 0:01:30 |
DNS | マッテオ・モスケッティ(イタリア、トレック・セガフレード) |
マリアローザ 個人総合成績
1位 | ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 42:02:05 |
2位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 0:01:50 |
3位 | ナンス・ピーターズ(フランス、アージェードゥーゼール) | 0:02:21 |
4位 | ホセ・ロハス(スペイン、モビスター) | 0:02:33 |
5位 | ファウスト・マスナダ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | 0:02:36 |
6位 | アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター) | 0:02:39 |
7位 | アマーロ・アントゥネス(ポルトガル、CCCチーム) | 0:03:05 |
8位 | ヴァランタン・マデュアス(フランス、グルパマFDJ) | 0:03:27 |
9位 | ジョヴァンニ・カルボーニ(イタリア、バルディアーニCSF) | 0:03:30 |
10位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ) | 0:03:32 |
11位 | ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 0:03:34 |
12位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | 0:03:45 |
14位 | ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:04:08 |
24位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 0:05:36 |
27位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 0:06:19 |
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 194pts |
2位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 183pts |
3位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) | 159pts |
マリアアッズーラ 山岳賞
1位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | 32pts |
2位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 22pts |
3位 | ファウスト・マスナダ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | 18pts |
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位 | ナンス・ピーターズ(フランス、アージェードゥーゼール) | 45:04:26 |
2位 | ヴァランタン・マデュアス(フランス、グルパマFDJ) | 0:01:06 |
3位 | ジョヴァンニ・カルボーニ(イタリア、バルディアーニCSF) | 0:01:09 |
チーム総合成績
1位 | モビスター | 135:11:29 |
2位 | ドゥクーニンク・クイックステップ | 0:06:53 |
3位 | アンドローニジョカトリ・シデルメク | 0:08:04 |
text&photo:Kei Tsuji in Novi Ligure, Italy