2019/05/15(水) - 14:29
ツアー・オブ・カリフォルニア第3ステージで大逃げが決まる。序盤にエスケープし、中盤の超級山岳で独走に持ち込んだレミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が7分以上のリードを得たままフィニッシュ。キャリア初のワールドツアーレース勝利を飾った。
地元スポーツチームのマスコットキャラクターと、ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVos
ツアー・オブ・カリフォルニア2019第3ステージ コースプロフィール (c)www.amgentourofcalifornia.com大会3日目を迎えたアムジェン・ツアー・オブ・カリフォルニア(UCIワールドツアー)。この日の舞台はストックトンからジグザグ状に南西へと向かい、ディアブロ山脈を越えてサンノゼ郊外のモーガンヒルに至る209km。ディアブロ山脈には2級、3級、3級、超級、2級と合計5箇所のカテゴリー山岳が用意され、標高1275mのマウント・ハミルトン(登坂距離7.2km/平均勾配8.4%)は今大会最初の超級山岳だ。
終盤は下りと平坦ではあるものの、山岳の距離が長くスプリンターには厳しいコースレイアウト。フィニッシュ地点のモーガンヒルはスペシャライズドの本拠地であるため、ボーラ・ハンスグローエやドゥクーニンク・クイックステップは何としても勝利が欲しいところだ。
体調不良を訴えたソンドレホルスト・エンゲル(ノルウェー、イスラエルサイクリングアカデミー)が今大会最初のリタイア者となり、総合で42秒遅れのローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ)を含む17名の逃げグループが先行する。ただし強力さを警戒するEFエデュケーションファーストによって引き戻され、レミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)とアレックス・ヘーン(アメリカ、アメリカナショナルチーム)の二人が先行することとなった。
序盤に形成された17名による逃げグループ (c)CorVos
EFエデュケーションファーストがメイン集団のコントロールを行う (c)CorVos
カテゴリー山岳が連続するディアブロ山脈の中を進む (c)www.amgentourofcalifornia.com
10分程度のリードを得て逃げる23歳のカヴァニャと、普段はアメリカ籍のコンチネンタルチームに所属する21歳のヘーン。積極的に山岳ポイントを重ねるヘーンは超級マウント・ハミルトンで千切れたものの、その後も単独で粘り続けたことで山岳ランキング首位浮上に成功する。
ヘーンを切り離したカヴァニャは見る間に1分差を稼ぎ、EFエデュケーションファーストがペースを刻むメイン集団に対して8分リードで超級マウント・ハミルトンをクリア。リクスを冒しながらダウンヒルを攻め、タイムを失うことなく次なる2級山岳に到達。チームイネオスやユンボ・ヴィズマも牽引に加わるメイン集団を尻目に逃げ切りを目指して踏み続けていく。
全開で逃げ続けるU23フランスTT王者のカヴァニャは、9分弱のリードを維持したままディアブロ山脈をクリア。終盤の下りコーナーではオーバースピードで山側の斜面に乗り上げる場面もありつつ、逃げ切りに向けて青信号を灯らせる。終盤の平坦区間でもカヴァニャのスピードは衰えず、最終的に7分以上の大差をつけたまま自身初のワールドツアーレース勝利を飾った。
声援に応えながらフィニッシュするレミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)www.amgentourofcalifornia.com
ツアー・オブ・カリフォルニア2019第3ステージ トップスリー (c)CorVos
「今日のステージはとても長く厳しいものだった。最初から全開で攻め続け、自分のチャンスを見出して飛び乗ったんだ。ヘーンと僕は上手く強調できて十分なリードを稼ぐことができた。アタックしてからはできる限りを尽くしてプッシュを続けた。ダウンヒルはとても難しくて何度か怖い思いをしたけれど、できるだけスピードを乗せるべく攻めたんだ」と語る、"クレルモン=フェランのTGV"と称されるカヴァニャ。「先週はここモーガンヒルのスペシャライズド本社を訪ねて風洞実験で自分のポジションを少し改善し、今日のラスト50kmを下見したんだ。ポジションの修正は大きくなかったけれど、今日大きな助けとなったと思う。スペシャライズドにとっても、僕とチームにとっても勝利になった」と加えた。
最後の山岳で飛び出し、単独で粘っていたヘーンをパスしたベン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)とサイモン・ゲシュケ(ドイツ、CCCチーム)が7分11秒遅れのステージ2位と3位。メイン集団はその37秒にカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)先頭でフィニッシュし、ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFエデュケーションファースト)は危なげなく総合リーダージャージを守った。
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終盤は下りと平坦ではあるものの、山岳の距離が長くスプリンターには厳しいコースレイアウト。フィニッシュ地点のモーガンヒルはスペシャライズドの本拠地であるため、ボーラ・ハンスグローエやドゥクーニンク・クイックステップは何としても勝利が欲しいところだ。
体調不良を訴えたソンドレホルスト・エンゲル(ノルウェー、イスラエルサイクリングアカデミー)が今大会最初のリタイア者となり、総合で42秒遅れのローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ)を含む17名の逃げグループが先行する。ただし強力さを警戒するEFエデュケーションファーストによって引き戻され、レミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)とアレックス・ヘーン(アメリカ、アメリカナショナルチーム)の二人が先行することとなった。
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10分程度のリードを得て逃げる23歳のカヴァニャと、普段はアメリカ籍のコンチネンタルチームに所属する21歳のヘーン。積極的に山岳ポイントを重ねるヘーンは超級マウント・ハミルトンで千切れたものの、その後も単独で粘り続けたことで山岳ランキング首位浮上に成功する。
ヘーンを切り離したカヴァニャは見る間に1分差を稼ぎ、EFエデュケーションファーストがペースを刻むメイン集団に対して8分リードで超級マウント・ハミルトンをクリア。リクスを冒しながらダウンヒルを攻め、タイムを失うことなく次なる2級山岳に到達。チームイネオスやユンボ・ヴィズマも牽引に加わるメイン集団を尻目に逃げ切りを目指して踏み続けていく。
全開で逃げ続けるU23フランスTT王者のカヴァニャは、9分弱のリードを維持したままディアブロ山脈をクリア。終盤の下りコーナーではオーバースピードで山側の斜面に乗り上げる場面もありつつ、逃げ切りに向けて青信号を灯らせる。終盤の平坦区間でもカヴァニャのスピードは衰えず、最終的に7分以上の大差をつけたまま自身初のワールドツアーレース勝利を飾った。
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「今日のステージはとても長く厳しいものだった。最初から全開で攻め続け、自分のチャンスを見出して飛び乗ったんだ。ヘーンと僕は上手く強調できて十分なリードを稼ぐことができた。アタックしてからはできる限りを尽くしてプッシュを続けた。ダウンヒルはとても難しくて何度か怖い思いをしたけれど、できるだけスピードを乗せるべく攻めたんだ」と語る、"クレルモン=フェランのTGV"と称されるカヴァニャ。「先週はここモーガンヒルのスペシャライズド本社を訪ねて風洞実験で自分のポジションを少し改善し、今日のラスト50kmを下見したんだ。ポジションの修正は大きくなかったけれど、今日大きな助けとなったと思う。スペシャライズドにとっても、僕とチームにとっても勝利になった」と加えた。
最後の山岳で飛び出し、単独で粘っていたヘーンをパスしたベン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)とサイモン・ゲシュケ(ドイツ、CCCチーム)が7分11秒遅れのステージ2位と3位。メイン集団はその37秒にカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)先頭でフィニッシュし、ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFエデュケーションファースト)は危なげなく総合リーダージャージを守った。
ツアー・オブ・カリフォルニア2019第3ステージ結果
1位 | レミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 5h44'22" |
2位 | ベン・キング(アメリカ、ディメンションデータ) | +7'11" |
3位 | サイモン・ゲシュケ(ドイツ、CCCチーム) | |
4位 | カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | +7'47" |
5位 | ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
7位 | ネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン) | |
8位 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、アスタナ) | |
9位 | ゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
10位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) |
個人総合成績
1位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFエデュケーションファースト) | 15h23'28" |
2位 | ジャンニ・モスコン(イタリア、チームイネオス) | +06" |
3位 | カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | +07" |
4位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | +16" |
5位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | +22" |
6位 | ロブ・ブリットン(カナダ、ラリーUHCサイクリング) | +33" |
7位 | ヨナス・グレゴー(デンマーク、アスタナ) | |
8位 | ダヴィ・デラクルス(スペイン、チームイネオス) | +34" |
9位 | フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | +35" |
10位 | ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィズマ) | +36" |
ポイント賞
1位 | カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 22pts |
2位 | レミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 21pts |
3位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 15pts |
山岳賞
1位 | アレックス・ヘーン(アメリカ、アメリカナショナルチーム) | 31pts |
2位 | レミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 30pts |
3位 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、アスタナ) | 29pts |
ヤングライダー賞
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 15h23'44" |
2位 | セルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト) | +20" |
3位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、ラリーUHCサイクリング) | +7'57" |
チーム総合成績
1位 | EFエデュケーションファースト | 46h11'44" |
2位 | コフィディス・ソルシオンクレディ | +40" |
3位 | ラリーUHCサイクリング | +1'07" |
text:So.Isobe
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