2019/04/14(日) - 06:31
6つのカテゴリー山岳を含むイツリア・バスクカントリー最終ステージで総合逆転発生。アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)が逃げ切り勝利を飾り、ボーラ・ハンスグローエの牙城を崩すべく早めに攻撃を仕掛けたアスタナがヨン・イサギレ(スペイン)を総合優勝に導いた。
後半にかけて難易度の高い山岳ステージが連続して設定されたイツリア・バスクカントリー。エイバルを発着する距離118kmという短めの最終ステージには2つの1級山岳を含む6つのカテゴリー山岳が詰め込まれた。山頂フィニッシュではないものの、獲得標高差が2,700mに達する難関山岳ステージだ。
高速アタック合戦の末に形成された18名の逃げグループには山岳賞ジャージを着るアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム)やカルロス・ベローナ(スペイン、モビスター)、ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)、バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)、ドリス・デヴェナインス(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)という強力な面子が入ったが、総合争いを決める重要なステージだけにタイム差は広がらない。デマルキが懸命に山岳ポイントを稼いだものの、中盤の1級山岳アズルキ(全長7.9km/平均6.7%)でメイン集団に吸収されてしまう。
フィニッシュまでまだ65km以上を残したこの1級山岳アズルキでレースは大きく動いた。主導権を握ってペースアップを担ったのはミッチェルトン・スコット。逃げていたダミアン・ホーゾン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)がそのまま先頭でペースメイクを行うとメイン集団は崩壊する。そこから抜け出したのはヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)とヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ)の2人。アスタナが総合ワン&スリー体制を築くボーラ・ハンスグローエを崩しにかかった。
アスタナコンビにはアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)とダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)、タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が追いついた一方で、すでにチームメイトを失っていた総合首位エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)は孤軍奮闘を強いられた。
こうしてアスタナ2名(Iイサギレとフルサング)とUAEチームエミレーツ2名(マーティンとポガチャル)、ミッチェルトン・スコット1名(Aイェーツ)の5名が先行を開始する。誰の協力も得ることができないブッフマンはこの1級山岳アズルキで23秒のリードを失ってしまい、その後もタイム差は拡大の一途をたどった。
第6ステージのスタート時点で総合首位ブッフマンと総合2位Iイサギレの総合タイム差は54秒。リーダージャージキープに黄信号が灯ったシャフマンのグループには援軍となる後続集団が合流したが、総合優勝とステージ優勝に向かって協調体制を築く先頭5名とのタイム差は1分を超える。ボーラ・ハンスグローエは3名(ブッフマン、シャフマン、コンラッド)で集団を牽引したものの、リーダージャージは暫定的にIイサギレのものとなる。
続く1級山岳カラカテ(全長5km/平均8.7%)と2級山岳アセンシオ(全長7km/平均5%)でも状況は大きく変わらず、やがて注目は先頭グループ内でのステージ優勝争い&総合優勝争いに。総合4位マーティンが2級山岳アセンシオでライバルたちを引き離しにかかるが決まらない。5名のままこの日最後のカテゴリー山岳を越えた先頭グループから、フィニッシュ手前の短い登りでAイェーツが単独で飛び出した。
互いをマークする総合2位Iイサギレと総合4位マーティンは総合1分56秒遅れのAイェーツを見送る。最終的にAイェーツが1秒差をつけたまま独走フィニッシュ。ブッフマンを含む集団が1分24秒遅れでフィニッシュしたため、ステージ4位に入ったIイサギレが逆転で総合優勝に輝いた。
「残り65km地点からペースが上がる厳しい展開だったけど、総合逆転を狙うアスタナと良い動きを生み出すことができた。先頭5名は協調体制を築けていたし、フィニッシュまで3〜4kmを残してその中からアタック。最後のチャンスをつかむことができてよかったよ」。今シーズン3勝目を飾るとともに、山岳賞を獲得し、総合5位でバスク一周を終えたAイェーツは喜ぶ。7月のツール・ド・フランスでミッチェルトン・スコットのエースを担うAイェーツの次戦は4月28日のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュの予定だ。
そして総合優勝はIイサギレの手に。「ボーラ・ハンスグローエの強さを考えると、逆転は難しいとも思えた。全てをひっくり返すためのタイム差をつけるのは相当厳しいと思ったけど、アスタナの強力なチームメイトたちと挑戦することにしたんだ。作戦は完璧に遂行された。一緒に逃げたフルサングの働きぶりは本当に素晴らしかった」と、アスタナにシーズン22勝目をもたらすとともに、2003年のイバン・マヨ以来となるバスク人選手によるバスク一周総合優勝を果たした30歳は語る。「イツリア総合優勝は特別。フィニッシュした時点で逆転だと告げられたけど確証がなくて、最終的なリザルトが発表された時は大興奮だった。地元バスクを走るレースで勝ったことを誇りに思う。大きなプレッシャーを受ける中だったけど、コンディションも良かったし、全力で挑んだ甲斐があったよ」。
最後まで懸命に追走を続けたブッフマンはフィニッシュ手前で車両用退避路に進んでしまうトラブルに見舞われたが、レース後にコミッセールはフィニッシュタイムを修正。当初は総合4位と発表されながらも、最終的にブッフマンは総合3位でレースを終えている。
後半にかけて難易度の高い山岳ステージが連続して設定されたイツリア・バスクカントリー。エイバルを発着する距離118kmという短めの最終ステージには2つの1級山岳を含む6つのカテゴリー山岳が詰め込まれた。山頂フィニッシュではないものの、獲得標高差が2,700mに達する難関山岳ステージだ。
高速アタック合戦の末に形成された18名の逃げグループには山岳賞ジャージを着るアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム)やカルロス・ベローナ(スペイン、モビスター)、ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)、バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)、ドリス・デヴェナインス(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)という強力な面子が入ったが、総合争いを決める重要なステージだけにタイム差は広がらない。デマルキが懸命に山岳ポイントを稼いだものの、中盤の1級山岳アズルキ(全長7.9km/平均6.7%)でメイン集団に吸収されてしまう。
フィニッシュまでまだ65km以上を残したこの1級山岳アズルキでレースは大きく動いた。主導権を握ってペースアップを担ったのはミッチェルトン・スコット。逃げていたダミアン・ホーゾン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)がそのまま先頭でペースメイクを行うとメイン集団は崩壊する。そこから抜け出したのはヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)とヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ)の2人。アスタナが総合ワン&スリー体制を築くボーラ・ハンスグローエを崩しにかかった。
アスタナコンビにはアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)とダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)、タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が追いついた一方で、すでにチームメイトを失っていた総合首位エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)は孤軍奮闘を強いられた。
こうしてアスタナ2名(Iイサギレとフルサング)とUAEチームエミレーツ2名(マーティンとポガチャル)、ミッチェルトン・スコット1名(Aイェーツ)の5名が先行を開始する。誰の協力も得ることができないブッフマンはこの1級山岳アズルキで23秒のリードを失ってしまい、その後もタイム差は拡大の一途をたどった。
第6ステージのスタート時点で総合首位ブッフマンと総合2位Iイサギレの総合タイム差は54秒。リーダージャージキープに黄信号が灯ったシャフマンのグループには援軍となる後続集団が合流したが、総合優勝とステージ優勝に向かって協調体制を築く先頭5名とのタイム差は1分を超える。ボーラ・ハンスグローエは3名(ブッフマン、シャフマン、コンラッド)で集団を牽引したものの、リーダージャージは暫定的にIイサギレのものとなる。
続く1級山岳カラカテ(全長5km/平均8.7%)と2級山岳アセンシオ(全長7km/平均5%)でも状況は大きく変わらず、やがて注目は先頭グループ内でのステージ優勝争い&総合優勝争いに。総合4位マーティンが2級山岳アセンシオでライバルたちを引き離しにかかるが決まらない。5名のままこの日最後のカテゴリー山岳を越えた先頭グループから、フィニッシュ手前の短い登りでAイェーツが単独で飛び出した。
互いをマークする総合2位Iイサギレと総合4位マーティンは総合1分56秒遅れのAイェーツを見送る。最終的にAイェーツが1秒差をつけたまま独走フィニッシュ。ブッフマンを含む集団が1分24秒遅れでフィニッシュしたため、ステージ4位に入ったIイサギレが逆転で総合優勝に輝いた。
「残り65km地点からペースが上がる厳しい展開だったけど、総合逆転を狙うアスタナと良い動きを生み出すことができた。先頭5名は協調体制を築けていたし、フィニッシュまで3〜4kmを残してその中からアタック。最後のチャンスをつかむことができてよかったよ」。今シーズン3勝目を飾るとともに、山岳賞を獲得し、総合5位でバスク一周を終えたAイェーツは喜ぶ。7月のツール・ド・フランスでミッチェルトン・スコットのエースを担うAイェーツの次戦は4月28日のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュの予定だ。
そして総合優勝はIイサギレの手に。「ボーラ・ハンスグローエの強さを考えると、逆転は難しいとも思えた。全てをひっくり返すためのタイム差をつけるのは相当厳しいと思ったけど、アスタナの強力なチームメイトたちと挑戦することにしたんだ。作戦は完璧に遂行された。一緒に逃げたフルサングの働きぶりは本当に素晴らしかった」と、アスタナにシーズン22勝目をもたらすとともに、2003年のイバン・マヨ以来となるバスク人選手によるバスク一周総合優勝を果たした30歳は語る。「イツリア総合優勝は特別。フィニッシュした時点で逆転だと告げられたけど確証がなくて、最終的なリザルトが発表された時は大興奮だった。地元バスクを走るレースで勝ったことを誇りに思う。大きなプレッシャーを受ける中だったけど、コンディションも良かったし、全力で挑んだ甲斐があったよ」。
最後まで懸命に追走を続けたブッフマンはフィニッシュ手前で車両用退避路に進んでしまうトラブルに見舞われたが、レース後にコミッセールはフィニッシュタイムを修正。当初は総合4位と発表されながらも、最終的にブッフマンは総合3位でレースを終えている。
イツリア・バスクカントリー2019第6ステージ結果
1位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 2:59:46 |
2位 | ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ) | 0:00:01 |
3位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | |
4位 | ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ) | |
5位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 0:00:07 |
6位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | 0:01:24 |
7位 | ミケル・ランダ(スペイン、モビスター) | |
8位 | ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションファースト) | |
9位 | ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) | |
10位 | ルーカス・ハミルトン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) |
個人総合成績
1位 | ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ) | 19:24:09 |
2位 | ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ) | 0:00:29 |
3位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:31 |
4位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | 0:00:36 |
5位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 0:00:51 |
6位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 0:01:36 |
7位 | ミケル・ランダ(スペイン、モビスター) | 0:02:56 |
8位 | ミケル・ニエベ(スペイン、ミッチェルトン・スコット) | 0:03:13 |
9位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:03:29 |
10位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:03:44 |
ポイント賞
1位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 96pts |
2位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 78pts |
3位 | ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ) | 76pts |
山岳賞
1位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 34pts |
2位 | アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム) | 30pts |
3位 | ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ) | 29pts |
ヤングライダー賞
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 19:25:45 |
2位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:02:08 |
3位 | エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:02:39 |