2010/04/07(水) - 08:44
2010年4月6日、ブエルタ・アル・パイスバスコ(UCIプロツアー)第2ステージが山がちな217kmのロングコースで行なわれ、上り基調のゴールスプリント勝負で、リーダージャージを着るアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)がオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)を力でねじ伏せた。
バスク地方の山岳地帯を進む photo:vueltapaisvasco.diariovasco.comパイスバスコ2日目は、前日よりも山岳の厳しさがアップ。コース全長は大会最長の217kmで、1級から3級のカテゴリー山岳が6つ設定されている。この日も、ゴール手前に設定された3級山岳がキーポイントだ。
20km地点の1つ目の3級山岳でメイン集団から飛び出したのはマイケル・ロジャース(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)とアメツ・チュルカ(スペイン、エウスカルテル)、ホセアルベルト・ベニテス(スペイン、フットオン・セルヴェット)の3名。この中で総合最高位は意外にもベニテスで、バルベルデから2分40秒遅れ。
序盤から逃げたアメツ・チュルカ(スペイン、エウスカルテル)、マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)、ホセアルベルト・ベニテス(スペイン、フットオン・セルヴェット)の3名 photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com3名の逃げグループは、ちょうどレースが折り返す108km地点で最大7分35秒のリード。メイン集団は横風区間で分裂する場面も見られたが、概ね一つにまとまったまま逃げを追走。リーダージャージ擁するケースデパーニュがコントロールし、後半に入るとラボバンクやガーミン・トランジションズも先頭交代に加わった。
やがて4つ目のカテゴリー山岳、2級山岳アルデア峠で先頭からベニテスが脱落し、続いてチュルカもゴール33km手前で脱落。単独で逃げ続けたロジャースもしばらくしてメイン集団に吸収される。集団は一つのまま最後の3級山岳バルゴタ峠に差し掛かった。
ケースデパーニュがコントロールするメイン集団 photo:vueltapaisvasco.diariovasco.comこのゴール8km手前のバルゴタ峠で攻撃を仕掛けたのは、2006年大会の覇者ホセアンヘル・ゴメスマルチャンテ(スペイン、アンダルシア・カハスール)。これにリーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム)が続いたが、メイン集団から大きなリードは奪えず。
ランプレが率いたメイン集団はラスト5kmで全ての逃げを飲み込み、続いて飛び出したエドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ)も吸収。完全に集団を支配するようなスプリンターチームを欠く中、ゴールに向けて再びケースデパーニュが集団を牽引した。
スプリントで競り合うオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ) photo:vueltapaisvasco.diariovasco.comラスト2kmでブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)がスパート。これにライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・トランジションズ)とリゴベルト・ウラン(コロンビア、ケースデパーニュ)が合流。数秒のリードを得たこの3名を、ラボバンク率いるメイン集団が追い上げる展開。
ラスト300mを切るとヘジダル、ウランの順でスプリントを開始。しかしこの2人のスプリントは伸びず、後方から勢い良く飛び出したバルベルデがフレイレを引き連れて先頭へ。上り基調の最終ストレートでバルベルデのスプリントは伸び続け、ゴール直前で抜きに掛かったフレイレを何とか振り切ってゴール。歓喜のガッツポーズを見せた。
フレイレとの一騎打ちを制したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ) photo:vueltapaisvasco.diariovasco.comバルベルデは開幕2連勝。文句無しのリーダージャージキープだ。前日の第1ステージはフレイレの進路妨害による繰り上げの勝利だったが、今回はフレイレを完全に力でねじ伏せての完勝だった。
敗れたフレイレは、スペイン・マルカ紙のインタビューの中で「バルベルデは正しいライン取りでスプリントして勝利した。昨日僕が勝利した時と同じラインだった」と少し皮肉を込めて語っている。「でもそれがロードレース。自分の調子は良いけど、バルベルデの調子も良かった」。
翌第3ステージは、カテゴリー山岳が4つ設定された比較的難易度の低い山岳コース。ゴールの15.8km手前に最後の3級山岳が設定されている。再び集団によるスプリント勝負に持ち込まれる可能性大。バルベルデvsフレイレの3度目の対決に注目したい。
レース展開はレース公式サイト、ならびにストリーミング映像より。
ブエルタ・アル・パイスバスコ2010第2ステージ結果
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ) 5h53'40"
2位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)
3位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ) +01"
4位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、チームHTC・コロンビア)
5位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)
6位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・トランジションズ)
7位 クリスティアン・コレン(スロベニア、リクイガス)
8位 アレクサンドル・コロブネフ(ロシア、カチューシャ)
9位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)
10位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク)
個人総合成績
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ) 9h51'38"
2位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)
3位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・トランジションズ) +01"
4位 アレクサンドル・コロブネフ(ロシア、カチューシャ)
5位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、ケースデパーニュ)
6位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・トランジションズ)
7位 アイマル・スベルディア(スペイン、レディオシャック)
8位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
9位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)
10位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
ポイント賞
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)
山岳賞
ゴンサロ・ルブナル(スペイン、シャコベオ・ガリシア)
チーム総合成績
レディオシャック
text:Kei Tsuji
photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com
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20km地点の1つ目の3級山岳でメイン集団から飛び出したのはマイケル・ロジャース(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)とアメツ・チュルカ(スペイン、エウスカルテル)、ホセアルベルト・ベニテス(スペイン、フットオン・セルヴェット)の3名。この中で総合最高位は意外にもベニテスで、バルベルデから2分40秒遅れ。
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やがて4つ目のカテゴリー山岳、2級山岳アルデア峠で先頭からベニテスが脱落し、続いてチュルカもゴール33km手前で脱落。単独で逃げ続けたロジャースもしばらくしてメイン集団に吸収される。集団は一つのまま最後の3級山岳バルゴタ峠に差し掛かった。
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ランプレが率いたメイン集団はラスト5kmで全ての逃げを飲み込み、続いて飛び出したエドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ)も吸収。完全に集団を支配するようなスプリンターチームを欠く中、ゴールに向けて再びケースデパーニュが集団を牽引した。
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ラスト300mを切るとヘジダル、ウランの順でスプリントを開始。しかしこの2人のスプリントは伸びず、後方から勢い良く飛び出したバルベルデがフレイレを引き連れて先頭へ。上り基調の最終ストレートでバルベルデのスプリントは伸び続け、ゴール直前で抜きに掛かったフレイレを何とか振り切ってゴール。歓喜のガッツポーズを見せた。
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敗れたフレイレは、スペイン・マルカ紙のインタビューの中で「バルベルデは正しいライン取りでスプリントして勝利した。昨日僕が勝利した時と同じラインだった」と少し皮肉を込めて語っている。「でもそれがロードレース。自分の調子は良いけど、バルベルデの調子も良かった」。
翌第3ステージは、カテゴリー山岳が4つ設定された比較的難易度の低い山岳コース。ゴールの15.8km手前に最後の3級山岳が設定されている。再び集団によるスプリント勝負に持ち込まれる可能性大。バルベルデvsフレイレの3度目の対決に注目したい。
レース展開はレース公式サイト、ならびにストリーミング映像より。
ブエルタ・アル・パイスバスコ2010第2ステージ結果
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ) 5h53'40"
2位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)
3位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ) +01"
4位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、チームHTC・コロンビア)
5位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)
6位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・トランジションズ)
7位 クリスティアン・コレン(スロベニア、リクイガス)
8位 アレクサンドル・コロブネフ(ロシア、カチューシャ)
9位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)
10位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク)
個人総合成績
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ) 9h51'38"
2位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)
3位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・トランジションズ) +01"
4位 アレクサンドル・コロブネフ(ロシア、カチューシャ)
5位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、ケースデパーニュ)
6位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・トランジションズ)
7位 アイマル・スベルディア(スペイン、レディオシャック)
8位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
9位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)
10位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
ポイント賞
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)
山岳賞
ゴンサロ・ルブナル(スペイン、シャコベオ・ガリシア)
チーム総合成績
レディオシャック
text:Kei Tsuji
photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com
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