3月22日から24日までの3日間、栃木県内を舞台とするUCI2.2のステージレース「ツール・ド・とちぎ」が開催される。コースと出場チームなど見どころをプレビュー。コースの下見取材を行っての様子を含めてお伝えします。



3回目の開催となる「ツール・ど・とちぎ」。今年は個人タイムトライアルを含む3日間3ステージ・272kmで行われる。各ステージの展望と予想を紹介しよう。

第1ステージ・個人タイムトライアル(3km) 真岡市

第1ステージ コース後半の梅林は散り際第1ステージ コース後半の梅林は散り際 photo:Satoru Kato
第1ステージ うねるような微妙なアップダウンが続く前半第1ステージ うねるような微妙なアップダウンが続く前半 photo:Satoru Kato第1ステージ コース沿いにはこんな標識も第1ステージ コース沿いにはこんな標識も photo:Satoru Kato

昨年大会最終ステージのフィニッシュ地点となった真岡市の井頭公園で、今年のツール・ド・とちぎが開幕。公園内の道路を使用した3kmのコースで個人タイムトライアルが行われる。

スタート直後は道幅が狭く、細かいコーナーが連続するが、その後は2車線分の道幅。ほぼフラットではあるが、うねるような道が続く。ポイントとなりそうなのが、コースのほぼ中間点となるゆるやかな右カーブ。下りながら進入し、出口は登るため、スピードを落とさずにクリアできるかでタイムに影響しそうだ。とは言え、短距離のタイムトライアルなので秒差以下の勝負となるか。

第2ステージ・ロードレース(119km) 矢板市

第2ステージ 周回コースのスタート/フィニッシュ地点となる道の駅やいた第2ステージ 周回コースのスタート/フィニッシュ地点となる道の駅やいた photo:Satoru Kato
第2ステージ コース前半は切り通しのような道が続く第2ステージ コース前半は切り通しのような道が続く photo:Satoru Kato第2ステージ コース後半の平坦区間第2ステージ コース後半の平坦区間 photo:Satoru Kato

第2ステージは、宇都宮市の北に位置する矢板市に設定された周回コースでのロードレース。1周14.8kmを8周する119kmのレースだ。

「道の駅やいた」をスタート/フィニッシュとし、平坦とアップダウンが組み合わされた変化に富むコース。長く厳しい登りこそないものの、前半は曲がりくねったアップダウンが連続し、後半は平坦で道幅が狭く、集団が長く引き伸ばされそうだ。この区間は遮蔽物のない田畑の中を進むので、風が強くなるようなことがあるとレース展開に大きく影響しそうだ。

第3ステージ・ロードレース(150km) 那須烏山市〜足利市

第3ステージ 2回目のKOMへ向かう登りには18%の標識が第3ステージ 2回目のKOMへ向かう登りには18%の標識が photo:Satoru Kato
第3ステージ スタートはJR烏山駅第3ステージ スタートはJR烏山駅 photo:Satoru Kato第3ステージ28km地点 中間スプリントポイントとなるさくら市総合公園第3ステージ28km地点 中間スプリントポイントとなるさくら市総合公園 photo:Satoru Kato

第1回大会ではサルバドール・グアルディオラがトップで足利市総合運動公園のフィニッシュに飛び込んだ第1回大会ではサルバドール・グアルディオラがトップで足利市総合運動公園のフィニッシュに飛び込んだ photo:Satoru.Kato最終日は150kmのラインレース。ツール・ド・とちぎ史上最長距離のステージとなる。

宇都宮市の北東に位置する那須烏山市のJR烏山駅をスタートし、那珂川に沿って北上。さくら市から日光市と西に進み、そこから鹿沼市、栃木市と南下。故・高木秀彰氏が「日本のストラーデ・ビアンケ」と名付けた石灰石採掘場周辺を通り、栃木県南部の佐野市を経て足利市に入る。フィニッシュは第1回大会第1ステージのフィニッシュ地点でもある足利市総合運動公園だ。

コース前半は平坦基調、後半はアップダウンの繰り返し。115.8km過ぎに現れるふたつ目の山岳賞ポイント(KOM)は最大斜度18%の登りで、今大会最大の難所。第1回大会では、最終的に勝負が決まったのは足利市に入ってからだったが、今回はいかに?



海外5チーム+国内8チーム+大学2チーム 計15チームが出場
ツール・ド・とちぎ出場チーム
宇都宮ブリッツェン
那須ブラーゼン
キナンサイクリングチーム
チーム右京
インタープロ・サイクリングアカデミー
マトリックスパワータグ
チームブリヂストンサイクリング
シマノレーシング
日本大学
明治大学
チーム・サプラ・サイクリング(マレーシア)
HKSIプロ・サイクリング・チーム(香港)
サルカノ・サカリヤ・BBチーム(トルコ)
LXサイクリング・チーム(韓国)
オリヴァーズ・リアルフード・レーシング(オーストラリア)
昨年は増田成幸と雨澤毅明が牽引した宇都宮ブリッツェン。今年はどちらも不在だが・・・昨年は増田成幸と雨澤毅明が牽引した宇都宮ブリッツェン。今年はどちらも不在だが・・・ photo:Satoru Kato昨年の第3ステージで優勝したレイモンド・クレダー(チーム右京)昨年の第3ステージで優勝したレイモンド・クレダー(チーム右京) photo:Satoru Kato

ホストチームとなる宇都宮ブリッツェンと那須ブラーゼンは、悲願の地元勝利が最大の目標。ただし、ナショナルチームで海外遠征中の増田成幸の不在がブリッツェンにとってどう影響するか?

昨年アジアツアーランキング1位のキナンサイクリングチームは、山本元喜・大喜兄弟をメインに日本人主体の選手構成。対してチーム右京は、昨年第3ステージで優勝したレイモンド・クレダーら外国人選手と、畑中勇介、横塚浩平が出場する。

修善寺の再現となるか?マトリックスパワータグ修善寺の再現となるか?マトリックスパワータグ photo:Satoru Kato修善寺Day-2では唯一4人を勝ち逃げに送り込んだシマノレーシング修善寺Day-2では唯一4人を勝ち逃げに送り込んだシマノレーシング photo:Satoru Kato

マトリックスパワータグは、先日のJプロツアー開幕戦で力を見せたフランシスコ・マンセボとオールイス・アルベルト・アウラールら外国人選手と、安原大喜、小森亮平の組み合わせ。

シマノレーシングはキャプテン木村圭佑を筆頭とするメンバー。修善寺では全員の調子が揃っているように見えたが、とちぎではいかに?

第1回大会第3ステージで53㎞に渡る逃げを見せた石橋学(ブリヂストンアンカー・サイクリングチーム:当時)第1回大会第3ステージで53㎞に渡る逃げを見せた石橋学(ブリヂストンアンカー・サイクリングチーム:当時) photo:Satoru.Katoインタープロサイクリングアカデミーから出場する元ボーラ・ハンスグローエのアレクセイス・サラモンティンス(ラトビア)インタープロサイクリングアカデミーから出場する元ボーラ・ハンスグローエのアレクセイス・サラモンティンス(ラトビア) (c)CorVos

チームブリヂストンサイクリングは、ブリヂストンのチームとしては第1回大会以来2年ぶり。現体制になってからは初出場だ。今年加入の4選手に加え、第1回大会の第3ステージで果敢な逃げを見せた石橋学、昨年の全日本TT2位の近谷涼も名を連ねる。

インタープロ・サイクリングアカデミーは初出場。栃木県出身の石原悠希ら日本人4選手に加え、元ボーラ・ハンスグローエのアレクセイ・サラモティンスが出場する。

大学チームは、昨年のインカレ総合優勝の日本大学と、明治大学が出場。プロ相手に一矢報いることが出来るか?

海外チームでは、日本でもおなじみとなった香港のHKSIプロ・サイクリング・チーム、韓国のLXサイクリング・チーム、第1回大会に出場したオーストラリアのオリヴァーズ・リアルフード・レーシングに加え、マレーシアのチーム・サプラ・サイクリングと、トルコのサルカノ・サカリヤ・BBチームの2チームが初出場となる。



FRESH!サイクルロードレースTVで毎日中継

レースの模様はインターネット放送「FRESH!サイクルロードレースTV」で毎日生中継。栃木県内のみとなるが、とちぎテレビでは毎晩30分のダイジェスト番組が放送される。

レース会場では様々なイベントや出店が予定されている。3日間ともに天気が良いので、レース観戦を兼ねてお出かけしてみてはいかがだろうか。

詳細情報は、下記リンクからツール・ド・とちぎ公式サイトへ。

text:Satoru Kato

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