イタリア王者エリア・ヴィヴィアーニが、ティレーノ〜アドリアティコで4年ぶりとなるイタリア人選手によるステージ優勝。ドゥクーニンク・クイックステップに2連勝をもたらした。



エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)とジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)とジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVosスプリントを狙うフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)スプリントを狙うフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) (c)CorVos

リーダージャージのアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)らを先頭にスタートリーダージャージのアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)らを先頭にスタート (c)www.tirrenoadriatico.it
ティレーノ〜アドリアティコ(UCIワールドツアー)は3日目はトスカーナ州からウンブリア州を駆け抜ける226km。ポマランチェからフォリーニョに向けて西進するコースは今大会最長ステージで、中盤に掛けてアップダウンが連続するものの、後半は小さな丘があるのみというスプリンター向けレイアウトだ。

リーダージャージを纏うアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)を先頭にポマランチェの街を発ち、リアルスタートが切られると同時にセバスティアン・シェーンベルガー(オーストリア、ネーリソットリ・セッライタリア・KTM)がファーストアタック。シェーンベルガーに追従した5名が早々に逃げを決めることとなった。

起伏豊かなトスカーナからウンブリア州を目指す第3ステージ起伏豊かなトスカーナからウンブリア州を目指す第3ステージ (c)CorVos
最大5分弱のリードで逃げた6名のエスケープ最大5分弱のリードで逃げた6名のエスケープ (c)CorVos
プロコンチネンタルチーム所属選手6名で構成されたエスケープが得たリードは最大5分弱。リーダーチームのミッチェルトン・スコットを始め、有力スプリンターを抱えるドゥクーニンク・クイックステップとUAEチームエミレーツが集団牽引にメンバーを送り込み、タイム差を3分半ほどに維持して距離を消化していった。

逃げグループの中では、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) の繰り下がりで山岳賞ジャージを着用するナトナエル・ベルハネ(エリトリア、コフィディス・ソルシオンクレディ)が積極的に山岳ポイントを集めた。ベルハネはアラフィリップを5ポイント上回ることに成功し、ランキング首位浮上を決めている。また、2箇所設定されている中間スプリントではステパン・クリアノフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)が先着している。

落ち着いた展開が暫く続いたが、レース終盤に入ると逃げとメイン集団はどちらもペースアップ。人数を揃えた逃げグループには一時逃げきりの可能性も浮上したが、結局ドゥクーニンク・クイックステップやボーラ・ハンスグローエ、ディメンションデータらが高速牽引するメイン集団が残り4kmでキャッチする。一切の飛び出しを許さない高速巡航でフォリーニョの街並みに突入した。

連続するコーナーによって集団が引き伸ばされ、どのチームも人数を揃えられない混戦状態に。ゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)のリードアウトを利用した元世界王者ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が真っ先にスプリントを開始した。

ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)をパスして突き進むエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)をパスして突き進むエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
大きく手を広げるエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)大きく手を広げるエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
しかし伸びたのは、イタリアチャンピオンジャージを着用するエリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)だった。最高74.2km/hのスプリントでサガンを軽々とパスし、追いすがるフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)を寄せ付けずに先着。昨ステージのアラフィリップに続き、チームにステージ2連勝をもたらした。

「トリッキーなコースにカオスな展開。サガン先頭で最終コーナーをクリアしたけれど、スティービーのおかげで好位置につけてパワフルにスプリントできた。母国レースでチャンピオンジャージを着用して勝つのは最高の気分だし、コンディションが好調なことにもハッピーだ。目標とするミラノ〜サンレモに向けても好感触を得ることができた」と、今期4勝目を掴んだヴィヴィアーニは言う。

ティレーノ〜アドリアティコでイタリア人選手が勝利するのは、2015年大会初日のアドリアーノ・マローリ(現在は引退)以来実に4年ぶり。ステージ4位には、序盤の落車で大きく擦過傷を負ったジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、ディメンションデータ)が入った。

危なげなくリーダージャージを守ったアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)危なげなくリーダージャージを守ったアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) (c)CorVos
総合リーダーのイェーツは危なげなく首位を堅守。ブレント・ブックウォルター(アメリカ、ミッチェルトン・スコット)とのタイム差ゼロ秒、総合3位プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)とのタイム差7秒、総合5位トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)とのタイム差22秒で、終盤にイ・カップチーニ(全長3.6km/平均勾配10.6km/最大勾配19%)が含まれる9.25km周回コースを2周する第4ステージを迎える。激しい総合争い兼ステージ優勝争いが繰り広げられることは間違いない。

ティレーノ〜アドリアティコ2019第3ステージ結果
1位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) 5:26:45
2位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
3位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)
4位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、ディメンションデータ)
5位 イェンス・クークレール(ベルギー、ロット・スーダル)
6位 ダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエルサイクリングアカデミー)
7位 クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)
8位 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)
9位 ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、アスタナ)
10位 ルカ・パチオーニ(イタリア、ネーリソットリ・セッライタリア・KTM)
個人総合成績
1位 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 10:37:19
2位 ブレント・ブックウォルター(アメリカ、ミッチェルトン・スコット)
3位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) 0:00:07
4位 ローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)
5位 トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) 0:00:22
6位 サム・オーメン(オランダ、サンウェブ)
7位 セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、サンウェブ)
8位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 0:00:27
9位 ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) 0:00:47
10位 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、チームスカイ)
山岳賞
1位 ナトナエル・ベルハネ(エリトリア、コフィディス・ソルシオンクレディ) 20pts
2位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 15pts
3位 セバスティアン・シェーンベルガー(オーストリア、ネーリソットリ・セッライタリア・KTM) 12pts
ポイント賞
1位 ミルコ・マエストリ(イタリア、バルディアーニCSF) 16pts
2位 ステパン・クリアノフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ) 14pts
3位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 12pts
ヤングライダー賞
1位 ローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) 10:37:26
2位 サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) 0:00:15
3位 セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、サンウェブ)
text:So.Isobe
photo:CorVos

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