2019/03/11(月) - 11:03
全日本学生ロードレース・カップ・シリーズ最終戦となる第13回明治神宮外苑大学クリテリウムが開催された。男子最上位クラスのグループ1は、日本大学の沢田桂太郎が優勝。女子は日本体育大学の中村愛花が優勝した。
日本学生自転車競技連盟が主催するロードレースのシリーズ戦「全日本学生ロードレース・カップ・シリーズ(RCS)」。2018年度は全13戦が開催され、その最終戦として開催されるのが「明治神宮外苑クリテリウム」だ。今年13回目となる東京都心のレースに全国の大学から選手が集まった。
この大会では、毎年海外の大学から選手を招待している。今年はオーストラのメルボルン大学から男子2名、女子1名が来日し、日本の大学生に混じってレースを展開した。
会場の明治神宮外苑は、翌年に控えた東京オリンピックの会場となる新国立競技場の建設が進み、神宮球場や秩父宮ラグビー場など学生スポーツのメッカとも言える施設が並ぶ。前日には青空の下、フォーミュラー・ワンのレースカーがデモランを行なった神宮外苑だが、この日は朝から曇り。しかし寒さはなく、動き回れば暑さを感じるほどの中でのレースとなった。
男子グループ1 集団スプリント勝負を制した日大・沢田桂太郎が優勝
コースは絵画館前をスタートし、銀杏並木の通りを折り返す1周1.5km。男子最上位クラスのグループ1は20周30kmで行われた。
スタート直後、今村駿介(中央大学)が単独で飛び出し、10秒から20秒の差をつけて逃げる。DHバーをつけてるかのようなフォームで逃げる今村を、RCSリーダージャージを着る孫崎大樹(早稲田大学)やメルボルン大学のメンバーが牽引する集団が追走する。5周にわたる今村の逃げが吸収されると、今度は孫崎自ら先行する。しかしこの逃げは長く続かず、集団が吸収してレース中盤へ。
その後はアタックがかかるも長く続く逃げは発生しないまま、レースは終盤へ向かう。最終周回に入って飛び出しも見られたが全て吸収され、勝負は集団スプリントに持ち込まれた。
残り150m、フィニッシュラインに続くゆるい右カーブに先頭で姿を現したのは沢田桂太郎(日本大学)。その後ろに孫崎、大前翔(慶應大学)らの姿も見えるが、沢田が先頭のままフィニッシュ。2017年の岡本隼以来となる神宮優勝を日本大学にもたらした。
「一昨年は岡本先輩の優勝をアシストして、昨年は僕が勝つ気満々でしたが調子良くなくてDNFしてしまったので、今年はいいかげん勝ちたいと思っていたので良かったです。」と、話す沢田。
「日大としては特に作戦は決めず、自足のあるメンバーが中盤に動いて、最後は僕のスプリントで勝負という感じで動きました。レースの流れが定まらず、残り8周あたりでスプリント勝負になると感じていたので、終盤は足を溜めるようにしていました。最終コーナーは4番手でクリアしてスプリントに入りましたが、誰かをマークするのではなく、自分がもがけるラインと番手をキープするように考えました。後ろに孫崎さんとか大前とか、強いスプリンターがいましたが、『これはかかってる!』という感覚があって余裕がありました。」
大学は別だが、2位孫崎とはチームブリヂストンサイクリングのチームメイトでもある。「そういう意味ではワン・ツーになったので、ダントツの力を見せられたと思います。今年はJプロツアーに出られるのでU23賞を狙いたいのと、大学最後の年なのでインカレ優勝はマストと考えています。日大の総合優勝に貢献したいです」と、今年の目標を語った。
RCSシリーズチャンピオンは、この日2位となった孫崎が決めた。
「RCSは大学4年間ずっと上位にはいたんですけれど、最後の最後でチャンピオンを獲れて良かったです。出来れば最後は勝って終わりたかったのですが、沢田選手にスプリントで一歩及ばなかったので、なんとも言えない結果ですね」と、苦笑いする一方、「4月からは(チームブリヂストンサイクリングの)チームメイトとして心強い存在になるので、一緒に上を目指したい」と話す。そして、「プロとして日本のトップ選手になれるよう努力して成長していきたい」と、今後の目標を語った。
この日のレースでは、優勝した沢田、シリーズチャンピオンの孫崎、3位の大前だけでなく、序盤に逃げた今村、日本大学の武山晃輔、順天堂大学の石原悠希と、UCI登録チームにも籍を置く選手の動きが目立った。クリテリウムという限定された環境ではあるものの、そうした選手達が力を示したレースとなった。
日本学生自転車競技連盟が主催するロードレースのシリーズ戦「全日本学生ロードレース・カップ・シリーズ(RCS)」。2018年度は全13戦が開催され、その最終戦として開催されるのが「明治神宮外苑クリテリウム」だ。今年13回目となる東京都心のレースに全国の大学から選手が集まった。
この大会では、毎年海外の大学から選手を招待している。今年はオーストラのメルボルン大学から男子2名、女子1名が来日し、日本の大学生に混じってレースを展開した。
会場の明治神宮外苑は、翌年に控えた東京オリンピックの会場となる新国立競技場の建設が進み、神宮球場や秩父宮ラグビー場など学生スポーツのメッカとも言える施設が並ぶ。前日には青空の下、フォーミュラー・ワンのレースカーがデモランを行なった神宮外苑だが、この日は朝から曇り。しかし寒さはなく、動き回れば暑さを感じるほどの中でのレースとなった。
男子グループ1 集団スプリント勝負を制した日大・沢田桂太郎が優勝
コースは絵画館前をスタートし、銀杏並木の通りを折り返す1周1.5km。男子最上位クラスのグループ1は20周30kmで行われた。
スタート直後、今村駿介(中央大学)が単独で飛び出し、10秒から20秒の差をつけて逃げる。DHバーをつけてるかのようなフォームで逃げる今村を、RCSリーダージャージを着る孫崎大樹(早稲田大学)やメルボルン大学のメンバーが牽引する集団が追走する。5周にわたる今村の逃げが吸収されると、今度は孫崎自ら先行する。しかしこの逃げは長く続かず、集団が吸収してレース中盤へ。
その後はアタックがかかるも長く続く逃げは発生しないまま、レースは終盤へ向かう。最終周回に入って飛び出しも見られたが全て吸収され、勝負は集団スプリントに持ち込まれた。
残り150m、フィニッシュラインに続くゆるい右カーブに先頭で姿を現したのは沢田桂太郎(日本大学)。その後ろに孫崎、大前翔(慶應大学)らの姿も見えるが、沢田が先頭のままフィニッシュ。2017年の岡本隼以来となる神宮優勝を日本大学にもたらした。
「一昨年は岡本先輩の優勝をアシストして、昨年は僕が勝つ気満々でしたが調子良くなくてDNFしてしまったので、今年はいいかげん勝ちたいと思っていたので良かったです。」と、話す沢田。
「日大としては特に作戦は決めず、自足のあるメンバーが中盤に動いて、最後は僕のスプリントで勝負という感じで動きました。レースの流れが定まらず、残り8周あたりでスプリント勝負になると感じていたので、終盤は足を溜めるようにしていました。最終コーナーは4番手でクリアしてスプリントに入りましたが、誰かをマークするのではなく、自分がもがけるラインと番手をキープするように考えました。後ろに孫崎さんとか大前とか、強いスプリンターがいましたが、『これはかかってる!』という感覚があって余裕がありました。」
大学は別だが、2位孫崎とはチームブリヂストンサイクリングのチームメイトでもある。「そういう意味ではワン・ツーになったので、ダントツの力を見せられたと思います。今年はJプロツアーに出られるのでU23賞を狙いたいのと、大学最後の年なのでインカレ優勝はマストと考えています。日大の総合優勝に貢献したいです」と、今年の目標を語った。
RCSシリーズチャンピオンは、この日2位となった孫崎が決めた。
「RCSは大学4年間ずっと上位にはいたんですけれど、最後の最後でチャンピオンを獲れて良かったです。出来れば最後は勝って終わりたかったのですが、沢田選手にスプリントで一歩及ばなかったので、なんとも言えない結果ですね」と、苦笑いする一方、「4月からは(チームブリヂストンサイクリングの)チームメイトとして心強い存在になるので、一緒に上を目指したい」と話す。そして、「プロとして日本のトップ選手になれるよう努力して成長していきたい」と、今後の目標を語った。
この日のレースでは、優勝した沢田、シリーズチャンピオンの孫崎、3位の大前だけでなく、序盤に逃げた今村、日本大学の武山晃輔、順天堂大学の石原悠希と、UCI登録チームにも籍を置く選手の動きが目立った。クリテリウムという限定された環境ではあるものの、そうした選手達が力を示したレースとなった。
男子グループ1 結果(30km)
1位 | 沢田桂太郎(日本大学) | 42分28秒 |
2位 | 孫崎大樹(早稲田大学) | +0秒 |
3位 | 大前 翔(慶應義塾大学) | |
4位 | 中川 拳(早稲田大学) | |
5位 | 渡邉慶太(明治大学) | |
6位 | 徳田 匠(鹿屋体育大学) | +1秒 |
7位 | 今村駿介(中央大学) | |
8位 | デヴィット・ランダル(メルボルン大学) | |
9位 | 堀込統吾(法政大学) | +2秒 |
10位 | 永田吏玖(朝日大学) |
スプリント賞 | 大学対抗結果 |
---|---|
今村駿介(中央大学) | 1位 早稲田大学 |
孫崎大樹(早稲田大学) | 2位 日本大学 |
小野寛斗(早稲田大学) | 3位 法政大学 |
女子 日体大・中村愛花がスプリントを制して久々の優勝
大学生以外でも出場できる女子のレースは、8周12kmで行われた。
スタート直後から、3人を揃えたLive GARDEN BICI STELLEが集団前方でアタックとペースアップを繰り返す。さらにメルボルン大学のエマ・チルターンもペースアップを図り、集団の人数を絞っていく。しかし決定的な逃げは発生しないままスプリント勝負に持ち込まれ、中村愛花(日本体育大学)が優勝した。
「表彰台の一番高いところは久々ですね」と笑顔を見せる中村。「しばらくトラック中心だったのでロードレースも久々だったのですが、今日はクリテリウムなのでトラックの延長線上のように走ることが出来ました。最初からペースが上がりましたが、それほどキツく感じなかったのでリラックスして走ることが出来ました。
最後はスプリントに備えて前に位置取れるようにして、最終コーナーから仕掛けていこうと思っていた通りに行けました。後ろに岡本選手が迫ってきていたので、危なかったです。もっと練習します」と、反省を含めてレースを振り返る。
4月から3年になる中村。「欲張らず、地道に練習して、また一番を獲れるようにします」と、今後の目標を語った。
女子クリテリウム 結果(12km)
1位 | 中村愛花(日本体育大学) | 19分27秒 |
2位 | 岡本二菜(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ) | +0秒 |
3位 | エマ・チルターン(メルボルン大学) | |
4位 | 太郎田水桜(東京成徳大学高校) | +0秒 |
5位 | 野寺 楓(順天堂大学) | +1秒 |
6位 | 阿部セラ(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ) | |
スプリント賞 | 岡本二菜(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ) |
グループ2(12km)
A | B | |||
---|---|---|---|---|
1位 | 小嶋健太(日本大学) | 17分8秒 | 清水貴梨(日本大学) | 17分22秒 |
2位 | 成海大聖(鹿屋体育大学) | +0秒 | 佐々木洸太(明星大学) | +0秒 |
3位 | 花田凱成(明治大学) | 河藤相真(鹿屋体育大学) | ||
4位 | 林 欣司(朝日大学) | 松村恭輔(明治大学) | ||
5位 | 長松大祐(鹿屋体育大学) | +1秒 | 中村圭佑(鹿屋体育大学) | +1秒 |
6位 | 栗原 悠(日本大学) | 根本雄眞(日本大学) |
グループ3(6km)
A | B | C | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 岡田俊平(筑波大学) | 8分58秒 | 東矢圭吾(中央大学) | 8分48秒 | 板野 匠(東京大学) | 8分53秒 |
2位 | 田仲駿太(鹿屋体育大学) | +0秒 | 岸田 剛(鹿屋体育大学) | +1秒 | 山本耀介(北海道大学) | +0秒 |
3位 | 藤原遼祐(東海大学) | 依田淳之介(東京大学) | +3秒 | 三浦隆也(東京大学) | ||
4位 | 池田鉄朗(学習院大学) | 原田将樹(久留米大学) | +4秒 | 玉置千智(東京工業大学) | ||
5位 | 秋山智広(信州大学) | +1秒 | 橋本嶺登(長野大学) | 三浦大輝(同志社大学) | +2秒 | |
6位 | 石井悠太郎(慶應義塾大学) | +2秒 | 奥内直人(新潟大学) | 田原一機(防衛大学校) |
マスターズクリテリウム(12km)
1位 | 小川惠佑(なるしまフレンドレーシングチーム) | 17分22秒 |
2位 | 小畑 郁(なるしまフレンドレーシングチーム) | +1秒 |
3位 | 高岡亮寛(Roppongi Express) | |
4位 | 半澤雄高(Link TOHOKU) | |
5位 | 高橋 誠(Roppongi Express) | +2秒 |
6位 | 石塚将人(湾岸サイクリングユナイテッド) | +3秒 |
スプリント賞 | 大友 守(ARCCレーシングチーム) |
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text&photo:Satoru Kato
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