2019/03/02(土) - 15:51
本日開催のオンループ・ヘットニュースブラッドを境に、ベルギーは石畳クラシックシーズンに突入。翌日開催のクールネ~ブリュッセル~クールネと合わせ、ビッグネームがこぞって参加するセミクラシック2連戦を予習しておきたい。
本日よりフランドルクラシックが開幕。歴史ある急坂や石畳で勝負が繰り広げられる photo:CorVos
「フランドルクラシック」の開幕戦オンループ・ヘットニュースブラッドは、ベルギーのヘットニュースブラッド紙が1913年に創設したロンド・ファン・フラーンデレン(ツール・デ・フランドル)に対抗して、ヘットフォルク紙がオンループ・ヘットフォルクとして1945年に創設したセミクラシックレース。2009年にヘットフォルク紙がヘットニュースブラッド紙と合併したことから現在の名称に改められた。2017年にHC(超級)からUCIワールドツアーに格上げされている。
ミュール・カペルミュールを試走するグレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム) (c)CorVos
極荒れの石畳と急坂が待つフランドルのコース (c)CorVos
昨年からロンド・ファン・フラーンデレンのフィニッシュを踏襲する伝統的なレイアウトが採用されており、モーレンベルグやレベルグなど合計11カ所の定番坂を越え、残り20kmを切ってからミュール・ヴァン・ヘラールツベルヘン(ミュール・カペルミュール)とボズベルグをクリアする。距離は200kmジャストで、昨年はメレルベーケにゴールしていたが、今年はフィニッシュ地点がニノーヴェの中心街に移されたため、最後の登坂頂上からの距離が12kmから13kmに延長。僅か1kmの違いだが、逃げ切りを目論むアタッカーを悩ませるには十分。昨年は残り3kmから飛び出したミケル・ヴァルグレン(デンマーク、現ディメンションデータ)が大集団を振り切っており、今年は展開に差が生まれるかに注目だ。
オンループが「ザ・クラシックハンター向け」ならば、翌日開催のクールネ~ブリュッセル~クールネ(UCI1.HC)は比較的スプリンター向けのレースと言える。201kmのコース中にはオウデ・クワレモントやクルイスベルグ、ノケレベルグなど手強い石畳急坂が用意されているが、後半50kmはオールフラットであり、過去の優勝者リストにはディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)やマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)といった名前も並ぶ。ただし2017年や2016年、2014年は小集団あるいは単独による逃げ切りが決まっており、その率はおよそ半々。アタッカーとスプリンターチームのシーソーゲームが観戦の醍醐味と言えるだろう。
オンループ・ヘットニュースブラッド コースプロフィール (c)www.flandersclassics.be
クールネ~ブリュッセル~クールネ コースマップ (c)www.kuurne-brussel-kuurne.be
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「フランドルクラシック」の開幕戦オンループ・ヘットニュースブラッドは、ベルギーのヘットニュースブラッド紙が1913年に創設したロンド・ファン・フラーンデレン(ツール・デ・フランドル)に対抗して、ヘットフォルク紙がオンループ・ヘットフォルクとして1945年に創設したセミクラシックレース。2009年にヘットフォルク紙がヘットニュースブラッド紙と合併したことから現在の名称に改められた。2017年にHC(超級)からUCIワールドツアーに格上げされている。
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昨年からロンド・ファン・フラーンデレンのフィニッシュを踏襲する伝統的なレイアウトが採用されており、モーレンベルグやレベルグなど合計11カ所の定番坂を越え、残り20kmを切ってからミュール・ヴァン・ヘラールツベルヘン(ミュール・カペルミュール)とボズベルグをクリアする。距離は200kmジャストで、昨年はメレルベーケにゴールしていたが、今年はフィニッシュ地点がニノーヴェの中心街に移されたため、最後の登坂頂上からの距離が12kmから13kmに延長。僅か1kmの違いだが、逃げ切りを目論むアタッカーを悩ませるには十分。昨年は残り3kmから飛び出したミケル・ヴァルグレン(デンマーク、現ディメンションデータ)が大集団を振り切っており、今年は展開に差が生まれるかに注目だ。
オンループが「ザ・クラシックハンター向け」ならば、翌日開催のクールネ~ブリュッセル~クールネ(UCI1.HC)は比較的スプリンター向けのレースと言える。201kmのコース中にはオウデ・クワレモントやクルイスベルグ、ノケレベルグなど手強い石畳急坂が用意されているが、後半50kmはオールフラットであり、過去の優勝者リストにはディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)やマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)といった名前も並ぶ。ただし2017年や2016年、2014年は小集団あるいは単独による逃げ切りが決まっており、その率はおよそ半々。アタッカーとスプリンターチームのシーソーゲームが観戦の醍醐味と言えるだろう。
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3月2日(土)オンループ・ヘットニュースブラッド(200.0km)登坂区間
1 | レベルグ(距離950m/平均勾配4.2%/最大勾配13.8%) |
2 | へリング(距離450m) |
3 | カッテベルグ |
4 | レベルグ(距離950m/平均勾配4.2%/最大勾配13.8%) |
5 | レケルベルグ(距離800m/平均勾配4%/最大勾配9%) |
6 | ファルケンベルグ(距離540m/平均勾配8.1%/最大勾配12.8%) |
7 | ウォルフェンベルグ(距離645m/平均勾配7.9%/最大勾配17.3%) |
8 | モーレンベルグ(距離463m/平均勾配7%/最大勾配14.2%) |
9 | レベルグ(距離950m/平均勾配4.2%/最大勾配13.8%) |
10 | ベーレンドリース(距離940m/平均勾配7%/最大勾配12.3%) |
11 | フォッセンホール(距離1268m/平均勾配3.6%/最大勾配9%) |
12 | ミュール・カペルミュール(距離475m/平均勾配9.3%/最大勾配19.8%) |
13 | ボスベルグ(距離980m/平均勾配5.8%/最大勾配11%) |
3月3日(日)クールネ~ブリュッセル~クールネ(201.1km)登坂区間
1 | フォルケゲンベルグ(距離1000m/平均勾配5%/最大勾配12%) |
2 | エイケンモーレン(距離350m/平均勾配5.9%/最大勾配12.5%) |
3 | オンケレゼレベルグ(距離2100m/平均勾配4%/最大勾配20%) |
4 | ラ・ホウップ(距離1880m/平均勾配4.8%/最大勾配10%) |
5 | カナリベルグ(距離1000m/平均勾配7.7%/最大勾配14%) |
6 | クルイスベルグ(距離1800m/平均勾配4.8%/最大勾配9%) |
7 | ホトンド(距離2700m/平均勾配3.1%/最大勾配7.5%) |
8 | コート・ド・トリユ(距離1260m/平均勾配7%/最大勾配13%) |
9 | オウデ・クワレモント(距離2200m/平均勾配4%/最大勾配11.6%) |
10 | クルイスベルグ(距離1100m/平均勾配6%/最大勾配11%) |
11 | ターイエンベルグ(距離750m/平均勾配5%/最大勾配9%) |
12 | ホルストラート(距離1000m/平均勾配5.2%/最大勾配12%) |
13 | ノケレベルグ(距離350m/平均勾配5.7%/最大勾配7%) |
オンループの出場リストはまさに群雄割拠だ。ティレーノ〜アドリアティコ経由でミラノ〜サンレモとフランドルクラシックを目指すペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)こそ出場しないが、好調を明言している昨年覇者ヴァルグレンを筆頭に、2017・2016年覇者グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)、2015・2014年覇者イアン・スタナード(イギリス、チームスカイ)が今年も参戦する。
コースを試走するドゥクーニンク・クイックステップ (c)CorVos
注目の元CX世界王者ワウト・ファンアールト(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVos
2017・2016年オンループ覇者のグレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム) (c)CorVos
ティム・ウェレンス(ベルギー)ら豪華布陣を揃えるロット・スーダル photo:CorVos
今期既に3勝しているマッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) photo:CorVos
小集団スプリントに強いマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)
春先から積極的なレースを展開しているニキ・テルプストラ(オランダ、ディレクトエネルジー)
更にティム・ウェレンスとティシュ・ベノート(共にベルギー)ら一軍メンバーを揃えたロット・スーダル、フィリップ・ジルベール(ベルギー)やボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク)、ゼネク・スティバル(チェコ)など超強力なドゥクーニンク・クイックステップ、ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)、セップ・ファンマルク(ベルギー、EFエデュケーションファースト)、欧州王者マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)、注目の元CX世界王者ワウト・ファンアールト(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)、ディレクトエネルジーに移籍したニキ・テルプストラ(オランダ)など、屈強なクラシックハンターが勢揃いするため、非常に予測が付けにくい。
可能性は低いものの、集団ゴールとなればマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)、ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)、パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、クリストフ・ラポルテ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)などクラシックに強いスプリンターも控えている。
昨年クールネ覇者のディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVos
クラシカ・アルメリアで今期初勝利を挙げたパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVos
アンドレ・グライペル(ドイツ、アルケア・サムシック) photo:CorVos
アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) (c)CorVos
スプリント勝負の可能性が上がるクールネでは、各チームはスプリンターやスピードマンの割合を増やす。すでに今期2勝を得ているアッカーマンやコルブレッリ、トレンティン、ボアッソンハーゲンらはオンループとの連戦に挑み、昨年覇者フルーネウェーヘン、アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)、アンドレ・グライペル(ドイツ、アルケア・サムシック)、ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)らが戦線に加わる。フルーネウェーヘンはダニー・ファンポッペル(オランダ)を従えての参戦だ。クラシックハンターを揃えるロット・スーダルやドゥクーニンク・クイックステップなどがどう対抗してくるかが見ものだ。
なお、石畳クラシック経験も豊富な別府史之(トレック・セガフレード)はミヒャエル・ゴグル(オーストリア)に代わってメンバー入り。2日間を通してストゥイヴェンなどのアシスト役をこなしていく。さらに土曜日開催のオンループ女子レースには與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)が参戦。欧州レースのシーズンインを行う予定だ。
text:So.Isobe
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更にティム・ウェレンスとティシュ・ベノート(共にベルギー)ら一軍メンバーを揃えたロット・スーダル、フィリップ・ジルベール(ベルギー)やボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク)、ゼネク・スティバル(チェコ)など超強力なドゥクーニンク・クイックステップ、ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)、セップ・ファンマルク(ベルギー、EFエデュケーションファースト)、欧州王者マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)、注目の元CX世界王者ワウト・ファンアールト(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)、ディレクトエネルジーに移籍したニキ・テルプストラ(オランダ)など、屈強なクラシックハンターが勢揃いするため、非常に予測が付けにくい。
可能性は低いものの、集団ゴールとなればマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)、ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)、パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、クリストフ・ラポルテ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)などクラシックに強いスプリンターも控えている。
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スプリント勝負の可能性が上がるクールネでは、各チームはスプリンターやスピードマンの割合を増やす。すでに今期2勝を得ているアッカーマンやコルブレッリ、トレンティン、ボアッソンハーゲンらはオンループとの連戦に挑み、昨年覇者フルーネウェーヘン、アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)、アンドレ・グライペル(ドイツ、アルケア・サムシック)、ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)らが戦線に加わる。フルーネウェーヘンはダニー・ファンポッペル(オランダ)を従えての参戦だ。クラシックハンターを揃えるロット・スーダルやドゥクーニンク・クイックステップなどがどう対抗してくるかが見ものだ。
なお、石畳クラシック経験も豊富な別府史之(トレック・セガフレード)はミヒャエル・ゴグル(オーストリア)に代わってメンバー入り。2日間を通してストゥイヴェンなどのアシスト役をこなしていく。さらに土曜日開催のオンループ女子レースには與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)が参戦。欧州レースのシーズンインを行う予定だ。
text:So.Isobe
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