2019/01/21(月) - 12:17
1月20日に閉幕したUCIワールドツアー初戦サントス・ツアー・ダウンアンダーでシーズンインした新城幸也(バーレーン・メリダ)。「去年よりもチームからの評価は高い。やはりシーズンの目標はグランツール出場」と、良い感触をもって2019年に駆け出した新城に話を聞いた。
自身4度目の出場となったダウンアンダーをバーレーン・メリダの新城は総合39位で終えた。これは2014年総合56位、2017年総合70位、2018年総合43位と比べて最も良い成績だが、「今回と同じコークスクリューとウィランガヒルが登場した2014年の方が総合順位は良かったんじゃないですか?」とインタビュアーに聞き返すほど、順位は気にしていなかった。
「総合50位以内であれば10ポイント獲得できることは知っていましたが、自分の総合成績は全く気にしていませんでした。第3ステージを終えた時点で総合50位以内にいたので、そこから大きく下がることはなかった。最終的にローハン(デニス)が総合5位に入ったので、チームとしては悪くない結果だったと思います。とても良い結果ではないけど、悪くない結果」。総合39位フィニッシュにより新城はUCIポイントを10ポイント獲得している。
平坦ステージでフィル・バウハウス(ドイツ)のスプリントを、そして山岳ステージではローハン・デニス(オーストラリア)とドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア)の総合成績を狙って走ったバーレーン・メリダ。そのいずれのステージでも、新城はアシストとして常にエースの傍にいた。「スプリントの日も総合の日も働いて、今回の働きぶりはしっかりと評価されています。去年はスプリンターがいなくて総合狙いだけだったので、どのステージでも働くことができた今年の方がチームからの評価は高い」と言う。
2018年は5月のツアー・オブ・ジャパン第3ステージでの落車負傷に加え、8月のビンクバンクツアー第1ステージでの右肘骨折など、相次ぐ怪我によってレース出場数が前年比マイナス21日の52日間(合計13レース)にとどまった新城。2019年シーズンに向けて、恒例となったタイ合宿で新城は乗り込みを行って来た。
「去年より調子よく走れたと思います。去年よりも準備期間は短かったんですが、去年あまりレースに出れなかった分、中国でシーズンが終わって、タイ合宿で身体にすぐスイッチが入った感じ。12月にクロアチアで行われたチームキャンプでは、寒くて天気も悪くて、新しい自転車だったりで、思うような走りができなかった。乳酸テストもFTPテストも良くなかったんです。タイに行けば調子が上がることは自分ではわかっていたけど、チームは自分をダウンアンダーに連れて来たくなかったんじゃないかと思います」と新城は笑う。「だから今回のパワーデータの数値を見て、コーチ兼トレーナーも喜んでくれています」と、新城ならではの調整法をチームに証明できてホッとした様子だ。
「チームキャンプから1ヶ月で自転車に慣れて、乗りこなせるようになって、このダウンアンダーで走れるようになった感じ。シーズン初戦としてこの暑いダウンアンダーは好きですね。自分の場合、まだ仕上がっていないシーズン序盤は暑いところじゃないと身体が動かないんです。暑いところで仕上げてから寒いレースを走る分にはいいけど、寒いところで乗り込んで寒いレースを走ってもダメ。自分がどうすれば調子が上がるのかわかっている。まあでもそれができないときにどうするのか、それがこれからの課題ですね」。
所属するバーレーン・メリダは年を追うごとに国際色が豊かになっている印象。2018年と比べると、イタリア人選手が減り、ドイツ人選手が増加した。ここ数年で明確にイタリア語の話力を向上させている新城だが、現在は英語でのコミュニケーションが増えたと言う。「例えばローハン(デニス)はイタリア語がゼロ。逆にヴィンチェンツォ・ニバリが少しずつ英語を喋るようになってます」と、変わりゆくチームの雰囲気を明かす。
シーズンの目標を聞くと「やはりグランツールに出場することですね」と言う迷いのない答えが返ってくる。「どのレースに行ってもエースが決まってくるチームなので、1週間のステージレースだと必ずエースのために毎日働かないといけない。今回のダウンアンダーでも『逃げていい』という日はゼロでした。だから自分にチャンスが回ってくるのはグランツールしかない」。
「ツール・ド・フランスとブエルタ・ア・エスパーニャのリクエストをしています。ジロ・デ・イタリアは寒いし、寒いのが苦手だし、最初からチームのメンバーに入っていません」ときっぱり。ダウンアンダー閉幕翌日のフライトで新城は日本に帰国し、すぐに沖縄で行われる日本ナショナルチームの合宿に参加する。その後、タイ合宿を再開し、2月のツアー・オブ・オマーン出場後に再びタイ合宿。3月のボルタ・ア・カタルーニャの1週間前に渡欧する予定だ。
text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia
自身4度目の出場となったダウンアンダーをバーレーン・メリダの新城は総合39位で終えた。これは2014年総合56位、2017年総合70位、2018年総合43位と比べて最も良い成績だが、「今回と同じコークスクリューとウィランガヒルが登場した2014年の方が総合順位は良かったんじゃないですか?」とインタビュアーに聞き返すほど、順位は気にしていなかった。
「総合50位以内であれば10ポイント獲得できることは知っていましたが、自分の総合成績は全く気にしていませんでした。第3ステージを終えた時点で総合50位以内にいたので、そこから大きく下がることはなかった。最終的にローハン(デニス)が総合5位に入ったので、チームとしては悪くない結果だったと思います。とても良い結果ではないけど、悪くない結果」。総合39位フィニッシュにより新城はUCIポイントを10ポイント獲得している。
平坦ステージでフィル・バウハウス(ドイツ)のスプリントを、そして山岳ステージではローハン・デニス(オーストラリア)とドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア)の総合成績を狙って走ったバーレーン・メリダ。そのいずれのステージでも、新城はアシストとして常にエースの傍にいた。「スプリントの日も総合の日も働いて、今回の働きぶりはしっかりと評価されています。去年はスプリンターがいなくて総合狙いだけだったので、どのステージでも働くことができた今年の方がチームからの評価は高い」と言う。
2018年は5月のツアー・オブ・ジャパン第3ステージでの落車負傷に加え、8月のビンクバンクツアー第1ステージでの右肘骨折など、相次ぐ怪我によってレース出場数が前年比マイナス21日の52日間(合計13レース)にとどまった新城。2019年シーズンに向けて、恒例となったタイ合宿で新城は乗り込みを行って来た。
「去年より調子よく走れたと思います。去年よりも準備期間は短かったんですが、去年あまりレースに出れなかった分、中国でシーズンが終わって、タイ合宿で身体にすぐスイッチが入った感じ。12月にクロアチアで行われたチームキャンプでは、寒くて天気も悪くて、新しい自転車だったりで、思うような走りができなかった。乳酸テストもFTPテストも良くなかったんです。タイに行けば調子が上がることは自分ではわかっていたけど、チームは自分をダウンアンダーに連れて来たくなかったんじゃないかと思います」と新城は笑う。「だから今回のパワーデータの数値を見て、コーチ兼トレーナーも喜んでくれています」と、新城ならではの調整法をチームに証明できてホッとした様子だ。
「チームキャンプから1ヶ月で自転車に慣れて、乗りこなせるようになって、このダウンアンダーで走れるようになった感じ。シーズン初戦としてこの暑いダウンアンダーは好きですね。自分の場合、まだ仕上がっていないシーズン序盤は暑いところじゃないと身体が動かないんです。暑いところで仕上げてから寒いレースを走る分にはいいけど、寒いところで乗り込んで寒いレースを走ってもダメ。自分がどうすれば調子が上がるのかわかっている。まあでもそれができないときにどうするのか、それがこれからの課題ですね」。
所属するバーレーン・メリダは年を追うごとに国際色が豊かになっている印象。2018年と比べると、イタリア人選手が減り、ドイツ人選手が増加した。ここ数年で明確にイタリア語の話力を向上させている新城だが、現在は英語でのコミュニケーションが増えたと言う。「例えばローハン(デニス)はイタリア語がゼロ。逆にヴィンチェンツォ・ニバリが少しずつ英語を喋るようになってます」と、変わりゆくチームの雰囲気を明かす。
シーズンの目標を聞くと「やはりグランツールに出場することですね」と言う迷いのない答えが返ってくる。「どのレースに行ってもエースが決まってくるチームなので、1週間のステージレースだと必ずエースのために毎日働かないといけない。今回のダウンアンダーでも『逃げていい』という日はゼロでした。だから自分にチャンスが回ってくるのはグランツールしかない」。
「ツール・ド・フランスとブエルタ・ア・エスパーニャのリクエストをしています。ジロ・デ・イタリアは寒いし、寒いのが苦手だし、最初からチームのメンバーに入っていません」ときっぱり。ダウンアンダー閉幕翌日のフライトで新城は日本に帰国し、すぐに沖縄で行われる日本ナショナルチームの合宿に参加する。その後、タイ合宿を再開し、2月のツアー・オブ・オマーン出場後に再びタイ合宿。3月のボルタ・ア・カタルーニャの1週間前に渡欧する予定だ。
text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia
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