2019/01/11(金) - 09:43
ジロやローターといったレース系製品から、ノグやブルックスなど自転車生活を充実させる製品を展開するダイアテック。1月の上旬に東京で2019モデル展示会を開催し、これから本格展開が始まる新製品をお披露目した。
こたつでのんびり過ごしたお正月は終わり、世の中も仕事モードに変わった1月の第2週。仕事始めの週は暖機運転のように調子を徐々に上げていこうかと思っていた矢先、スタートダッシュとばかりに自転車業界は展示会シーズンに突入した。ジロ、ローター、レザインなど数多くのブランドを束ねる代理店ダイアテックもその1つ。
年初のニュースはジロのフラッグシップAETHER MIPS、SYNTHE MIPSを始めとする様々なモデルがアジアンフィット化を果たしたこと。ジロと言えばカッコいいデザインでヘルメットを彩りつつ、レーサーからも支持を集める高性能が魅力のブランド。これまではユーロフィットのみの展開で、ジロを使いたくてもフィットせずに諦めていた方も多かったはず。少なくとも、ジロのヘルメットを前に指をくわえて眺めていた私にとっては朗報だ。
ダイアテックの担当者によると日本人の8割がアジアンフィットに合うといい、サイクルモードの出展ブースに訪れたほとんどのユーザーにフィットしたという。今回の展示会でも数多くの販売店関係者たちが、アジアンフィットモデルを試していたので、近くの店舗で話を聞くことができるかもしれない。
アジアンフィットモデルの展開スケジュールについてだが、新モデルのSYNTAX AFは1月に入荷予定。AETHER MIPS AF、SYNTHE MIPS AFは春頃に日本に到着するという。3月開催のサイクルモード大阪にもダイアテックは出展する予定のため、関西方面の方はその機会に試着できるかもしれない。
新製品が多く並んでいたのはオーストラリアのアクセサリーブランドのノグだ。ユニークなアイデアを具現化したプロダクトを次々にリリースするブランドで、ノグの新しい製品の登場はいつだってワクワクする。「今度もOh Yeah!と唸らせてくれるのかな」と期待を抱いてしまう。
今回の展示会で並べられていた新製品は、クラウドファンディングで注目を集めていたマルチツール「FANG」、新型ライト「COBBER」、Oiのマイナーアップデート版「Oi LUXE」という3種類。モジュラー式を採用したライト、「PWR」シリーズの製品も続々と登場している。
FANGは10種類のもの機能を備えたマルチツールであり、「牙」といった意味を持つモデル名を表すデザインとされている。SNS上で見かける画像だけではサイズは大きいのかなと想像していたが、実際は手のひらにポンと乗せられる大きさで、iPhone7よりも小さい。そのサイズでありながら、折りたたみ式のマルチツールではないため、どこにツールが隠れているのか一見わからない。まるで忍者屋敷のように色々と仕組みが隠されている。初めて手にした時はどこにツールがあるのかワクワクしながら遊べそう。
COBBERは330°もの照射範囲を照らしてくれるセーフティーライトだ。これまでノグのセーフティーライトとして定番であったBlindrシリーズは前方もしくは後方のみを照らし出す配光だったが、今回のCOBBERは一気に照射範囲が広げられたため安全性が向上する。
COBBERがユニークなのは、チップオンボードのLEDをサイド部分まで配している点。一般的に、照射範囲が広いリアライトは、サイドまでクリアボディを採用することで透過した光が側方へ届くという間接的な方式を採用している。LEDを側面まで敷き詰めてしまうのはノグらしい発想だろう。ラインアップはフロントとリア用がそれぞれ用意されている。
Oi LUXEの"luxe"とは、ラグジュアリーと同じく"華美、ぜいたく"という意味を持つ。基本的には通常モデルと変わりないが、鎚の部分が樹脂製から金属製にアップグレードされている。見た目にもクラシカルになり、街乗り自転車にもより似合うデザインとなった。試しに鳴らしてみたところ、音もなんとなく上品になっていたような?
パワーバンクというバッテリーを中心としたモジュラー式製品群「PWR」の製品が充実しつつある。最大光量2000ルーメンの明るさ、10000mAhのバッテリーを備えるMOUNTAINの販売が開始されていることに加え、キャンプで活躍するランタンやワイヤレススピーカーの展開も近い内に始まる予定だという。自転車用ライト、ランタン、スピーカーが同じバッテリーで使うことができるというシステムが本格的に充実してくる。ツーリング好きなライダーにとっては、荷物をシンプルにまとめることが出来る魅力的なシステムとなるはずだ。
ローターの展示はダイレクトマウント方式のクランクセットが中心。既に発表となっていた2INPOWER DM、INPOWER DM(DMはダイレクトマウントの意)がいよいよ国内での展開開始となる。ローターのアプリでペダリングを分析することで、自分の状況に見合った仮想最大歯数にセッティングできることがIN POWERシリーズのメリットだ。ダイレクトマウント方式となり変速性能も向上しているため、これからパワーメーターと楕円チェーンリングの導入を考えている方にぴったりな製品だ。
ABUSからはアラート付きブレード式ロックのBORDO Alarm 6000Aのロングモデルが登場した。スマホとのセッティングなどは必要なく鍵を所定の方法で施錠するだけで、振動検知アラームをセットできるというモデルだ。アラームを鳴らさない施錠方法もあるため、使用シチュエーションに合わせて使い分けることができる。セキュリティレベルが10とされており、やすやすと盗まれる心配がない上、アラームで窃盗犯を牽制できるロックとなっている。また、アラーム付きのU字ロックもリリースされるため、用途によって選び分けることもできる。
モビスターが着用していることでご存知だろうが、近年のABUSはヘルメットにも力を入れている。2018年の世界選手権で優勝したアレハンドロ・バルベルデはAIRBEAKERを着用しており、そのスペックは折り紙付き。エアロモデルのGAMECHANGER、通気性に特化したAVENTORなどシチュエーションに応じて使い分けられるラインアップが揃っている。ダイアテックの展示会に飾られていたバルベルデのサイン入りヘルメットに、ミーハーな筆者は吸い寄せられてしまったのであった。
シクロワイアードで特集ページを展開しているレザインは、もちろんGPSサイクルコンピューター推しだ。販売店関係者を対象に、簡単な使い方講習会を開催し、GPSサイコンの導入しやすさをレクチャーしていた。また、数量限定発売の特別カラーの展示もあり、実物をチェックすることができた。ボディはパール系の輝きを持っており、カタログ画像で見るよりも綺麗な発色だ。
そして、ダイアテックは2019年よりアメリカのホイールメーカー「レイノルズ」を取り扱うこととなった。レイノルズと言えば、ポール・リューによるアンダー900gのカーボンホイール「RZR」を2009年にリリースしたことで知られるブランドだ。圧倒的な軽さと3枚のリアフランジで当時のサイクリスト達に驚かれた逸品である。
他にも独自のカーボンリム用ブレーキトラックテクノロジー「CTG」の採用や、いち早くチューブレスレディホイールを展開するなど、優れた開発力を持つレイノルズ。ロードからグラベル、MTB用まで取り揃えているブランドだけに今後の展開が気になる所。詳しいラインアップ情報は後日発表とのこと。
text&photo : Gakuto Fujiwara
今回の展示会に関連するシクロワイアード記事は下記一覧をご確認ください。
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こたつでのんびり過ごしたお正月は終わり、世の中も仕事モードに変わった1月の第2週。仕事始めの週は暖機運転のように調子を徐々に上げていこうかと思っていた矢先、スタートダッシュとばかりに自転車業界は展示会シーズンに突入した。ジロ、ローター、レザインなど数多くのブランドを束ねる代理店ダイアテックもその1つ。
年初のニュースはジロのフラッグシップAETHER MIPS、SYNTHE MIPSを始めとする様々なモデルがアジアンフィット化を果たしたこと。ジロと言えばカッコいいデザインでヘルメットを彩りつつ、レーサーからも支持を集める高性能が魅力のブランド。これまではユーロフィットのみの展開で、ジロを使いたくてもフィットせずに諦めていた方も多かったはず。少なくとも、ジロのヘルメットを前に指をくわえて眺めていた私にとっては朗報だ。
ダイアテックの担当者によると日本人の8割がアジアンフィットに合うといい、サイクルモードの出展ブースに訪れたほとんどのユーザーにフィットしたという。今回の展示会でも数多くの販売店関係者たちが、アジアンフィットモデルを試していたので、近くの店舗で話を聞くことができるかもしれない。
アジアンフィットモデルの展開スケジュールについてだが、新モデルのSYNTAX AFは1月に入荷予定。AETHER MIPS AF、SYNTHE MIPS AFは春頃に日本に到着するという。3月開催のサイクルモード大阪にもダイアテックは出展する予定のため、関西方面の方はその機会に試着できるかもしれない。
新製品が多く並んでいたのはオーストラリアのアクセサリーブランドのノグだ。ユニークなアイデアを具現化したプロダクトを次々にリリースするブランドで、ノグの新しい製品の登場はいつだってワクワクする。「今度もOh Yeah!と唸らせてくれるのかな」と期待を抱いてしまう。
今回の展示会で並べられていた新製品は、クラウドファンディングで注目を集めていたマルチツール「FANG」、新型ライト「COBBER」、Oiのマイナーアップデート版「Oi LUXE」という3種類。モジュラー式を採用したライト、「PWR」シリーズの製品も続々と登場している。
FANGは10種類のもの機能を備えたマルチツールであり、「牙」といった意味を持つモデル名を表すデザインとされている。SNS上で見かける画像だけではサイズは大きいのかなと想像していたが、実際は手のひらにポンと乗せられる大きさで、iPhone7よりも小さい。そのサイズでありながら、折りたたみ式のマルチツールではないため、どこにツールが隠れているのか一見わからない。まるで忍者屋敷のように色々と仕組みが隠されている。初めて手にした時はどこにツールがあるのかワクワクしながら遊べそう。
COBBERは330°もの照射範囲を照らしてくれるセーフティーライトだ。これまでノグのセーフティーライトとして定番であったBlindrシリーズは前方もしくは後方のみを照らし出す配光だったが、今回のCOBBERは一気に照射範囲が広げられたため安全性が向上する。
COBBERがユニークなのは、チップオンボードのLEDをサイド部分まで配している点。一般的に、照射範囲が広いリアライトは、サイドまでクリアボディを採用することで透過した光が側方へ届くという間接的な方式を採用している。LEDを側面まで敷き詰めてしまうのはノグらしい発想だろう。ラインアップはフロントとリア用がそれぞれ用意されている。
Oi LUXEの"luxe"とは、ラグジュアリーと同じく"華美、ぜいたく"という意味を持つ。基本的には通常モデルと変わりないが、鎚の部分が樹脂製から金属製にアップグレードされている。見た目にもクラシカルになり、街乗り自転車にもより似合うデザインとなった。試しに鳴らしてみたところ、音もなんとなく上品になっていたような?
パワーバンクというバッテリーを中心としたモジュラー式製品群「PWR」の製品が充実しつつある。最大光量2000ルーメンの明るさ、10000mAhのバッテリーを備えるMOUNTAINの販売が開始されていることに加え、キャンプで活躍するランタンやワイヤレススピーカーの展開も近い内に始まる予定だという。自転車用ライト、ランタン、スピーカーが同じバッテリーで使うことができるというシステムが本格的に充実してくる。ツーリング好きなライダーにとっては、荷物をシンプルにまとめることが出来る魅力的なシステムとなるはずだ。
ローターの展示はダイレクトマウント方式のクランクセットが中心。既に発表となっていた2INPOWER DM、INPOWER DM(DMはダイレクトマウントの意)がいよいよ国内での展開開始となる。ローターのアプリでペダリングを分析することで、自分の状況に見合った仮想最大歯数にセッティングできることがIN POWERシリーズのメリットだ。ダイレクトマウント方式となり変速性能も向上しているため、これからパワーメーターと楕円チェーンリングの導入を考えている方にぴったりな製品だ。
ABUSからはアラート付きブレード式ロックのBORDO Alarm 6000Aのロングモデルが登場した。スマホとのセッティングなどは必要なく鍵を所定の方法で施錠するだけで、振動検知アラームをセットできるというモデルだ。アラームを鳴らさない施錠方法もあるため、使用シチュエーションに合わせて使い分けることができる。セキュリティレベルが10とされており、やすやすと盗まれる心配がない上、アラームで窃盗犯を牽制できるロックとなっている。また、アラーム付きのU字ロックもリリースされるため、用途によって選び分けることもできる。
モビスターが着用していることでご存知だろうが、近年のABUSはヘルメットにも力を入れている。2018年の世界選手権で優勝したアレハンドロ・バルベルデはAIRBEAKERを着用しており、そのスペックは折り紙付き。エアロモデルのGAMECHANGER、通気性に特化したAVENTORなどシチュエーションに応じて使い分けられるラインアップが揃っている。ダイアテックの展示会に飾られていたバルベルデのサイン入りヘルメットに、ミーハーな筆者は吸い寄せられてしまったのであった。
シクロワイアードで特集ページを展開しているレザインは、もちろんGPSサイクルコンピューター推しだ。販売店関係者を対象に、簡単な使い方講習会を開催し、GPSサイコンの導入しやすさをレクチャーしていた。また、数量限定発売の特別カラーの展示もあり、実物をチェックすることができた。ボディはパール系の輝きを持っており、カタログ画像で見るよりも綺麗な発色だ。
そして、ダイアテックは2019年よりアメリカのホイールメーカー「レイノルズ」を取り扱うこととなった。レイノルズと言えば、ポール・リューによるアンダー900gのカーボンホイール「RZR」を2009年にリリースしたことで知られるブランドだ。圧倒的な軽さと3枚のリアフランジで当時のサイクリスト達に驚かれた逸品である。
他にも独自のカーボンリム用ブレーキトラックテクノロジー「CTG」の採用や、いち早くチューブレスレディホイールを展開するなど、優れた開発力を持つレイノルズ。ロードからグラベル、MTB用まで取り揃えているブランドだけに今後の展開が気になる所。詳しいラインアップ情報は後日発表とのこと。
text&photo : Gakuto Fujiwara
今回の展示会に関連するシクロワイアード記事は下記一覧をご確認ください。
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