2018/09/03(月) - 11:07
「まだこの勝利をうまく飲み込めずにいる。これほどまで深く苦しんだ経験は初めてだ」と語るのは、超級山岳ラ・コバティーヤで今大会ステージ2勝目を飾ったベンジャミン・キング。惜しくも2位に入ったバウケ・モレマや首位に立ったサイモン・イェーツら、ブエルタ前半戦のクライマックスで主役を担った選手たちのコメントを紹介します。
ステージ1位 ベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)
ピュアクライマーでもない自分が超級山岳で優勝するなんて。ピエール・ロランやルイス・マテマルドネスを下した1勝目に続いて、バウケ・モレマを退けての2勝目。まだこの勝利をうまく飲み込めずにいる。これほどまで深く苦しんだ経験は初めてだ。
単純な登坂勝負では勝ち目がなかったので、ライバルたちからリードした状態で麓に到達する必要があった。まずはトーマス・デヘントのアタックに反応して、警戒していたルイス・マスと先行することに成功した。最後の登りは急勾配区間もあって、モレマに追いつかれるんじゃないかと思ったよ。20秒程度しかリードがなかったので、切れるか切れないかという気持ちの戦いだった。大いに苦しんだけど、逃げ切れると信じ続けて、やり遂げたんだ。
再びチームカラーを見せつけることができて誇らしい気持ち。特別なブエルタに訪れた特別な一日。しかもまだブエルタは終わっていない。
ステージ2位 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
残念だ。目の前を走る彼(キング)とのタイム差を最後まで詰めることができなかった。1分40秒差を15秒差まで詰めたのに。良い逃げグループに入ったと思う。残り25kmを切ってから逃げグループが分裂して、突然キングが先行した。結果的に、その時点で彼に大きなリードを許してしまったことが敗因になってしまった。本当に残念でならない。
ステージ3位 ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング)
ステージ3位は歓迎すべき成績。逃げに乗ったからには集団から逃げ切りたかった。力を使うことなく逃げグループに入ることができたし、力を温存しながら終盤まで走ることができたと思う。ただ、今日は自分より強い選手が2人いた。最後の登り(ラ・コバティーヤ)はとてもキツくて、残り3kmの時点で後方からメイン集団が迫ってきているのを感じた。そこから全開で踏んで、なんとか振り切ったんだ。
ステージ4位 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)
向かい風が強かったので早めにアタックして飛び出すことができなかった。今日は風の影響でリードを奪うのがとても難しかった。風向きが変わった瞬間にアタックしたものの、フィニッシュ手前は勾配が緩かった。ステージ優勝にも手が届かなかったものの、今日の自分のパフォーマンスには満足している。
ステージ5位&総合3位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
チームはとても集中して勝負をお膳立てしてくれた。ラ・コバティーヤは強い向かい風が吹く特殊な登りであり、ライバルたちの後ろに入れば大いに力を温存できるんだ。今日も高い気温が多くの選手を苦しめていたと思う。
リチャル(カラパス)の素晴らしいペース作りによって総合のライバルたちが遅れていった。彼はチームに欠かせない存在になっている。来週はイェーツがリーダージャージを守る走りを見せるはず。自分たちはコースをチェックして、タイムを奪えるチャンスがないかを日々研究したい。
ステージ6位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)
向かい風が強く吹いていたし、そこまで調子が良いと感じなかったので、最後の登り(ラ・コバティーヤ)を抑えながら走っていた。アタックするつもりはなかったけど、突然チャンスがやってきたので飛び出してみたんだ。すると何人かのライバルが遅れたので、タイム差を奪うことができた。何日か前に(落車に伴うメカトラで)大きくタイムをロスしてしまったけど、まだブエルタは前半戦であり挽回のチャンスは残されている。久々の出場となるこのブエルタに日々馴染んでいっていることを感じるよ。
ステージ8位 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)
今日は総合争いは重要な局面を迎えた。残り2km地点でミゲルアンヘル・ロペスとナイロ・キンタナがアタックした時、問題なく彼らの加速に対応できた。でも残り500mで彼らに先行を許してしまい、数秒を失う結果になってしまった。第9ステージまでを終えて自分のパフォーマンスには満足している。
ステージ9位 総合1位 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
今日レッドジャージを獲得できるとは思っていなかった。トップ選手たちの動きにできるだけ反応した結果、ライバルたちから数秒遅れたものの総合首位に手が届いたんだ。グランツールでリーダージャージを着ることはジロ・デ・イタリアですっかり慣れた。自分の調子は良いけど、まだ総合タイム差は僅差。今日は標高2,000mに達するステージだったので、高地慣れしているコロンビア勢に有利だったと思う。明日の休息日をしっかり休息に充てて、次の総合バトルに向けて作戦を立てるよ。
ステージ11位&総合2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
何名かのライバルたちには先行されてしまったけど大きくタイムを失わずに済んだし、これまでの中で最高のラ・コバティーヤ登坂だったと思う。今日は最初から最後まで脚の感触が良かったけど、断続的に登りが登場する厳しいステージだった。総合首位に立ったイェーツを祝福したいし、自分の走りにも満足している。リーダージャージまで1秒差の総合2位というポジションにつけており、この先にまだまだチャンスが残されている。
何よりも重要なのはナイロ(キンタナ)が総合ライバルたちからリードを得ていること。自分はすでにステージ2勝を飾っているし、しっかりとチームリーダーであるナイロをアシストしたい。リーダージャージを獲得できなかったことは残念だけど、総合2位であればレースをコントロールする義務が発生しないので、大会3週目に向けてチームメイトたちの力を温存することにつながる。
チームスカイのガブリエル・ラッシュ監督
クウィアトは落車の影響を引きずっていて、100%の状態ではなかった。今日はタイムロスを最小限に抑える走りに徹するしかなかった。ダビ(デラクルス)は登り前半のハイペースに苦しんだけど、自分のペースで登ることで後半にかけて盛り返した。彼は暑さに苦しめられてきたので、この先の比較的涼しいステージで巻き返してくれるはず。2週目と3週目に調子が上がるはずなので、まだチームスカイが総合争いから脱落したわけではない。
マイヨロホを失ったルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ)
今日までマイヨロホを着続けるという目標を達成することができた。4日間赤いジャージを着るのは魔法にかかったような経験だった。今日も素晴らしい走りをしてくれたチームメイトたちを誇りに思う。
text:Kei Tsuji
ステージ1位 ベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)
ピュアクライマーでもない自分が超級山岳で優勝するなんて。ピエール・ロランやルイス・マテマルドネスを下した1勝目に続いて、バウケ・モレマを退けての2勝目。まだこの勝利をうまく飲み込めずにいる。これほどまで深く苦しんだ経験は初めてだ。
単純な登坂勝負では勝ち目がなかったので、ライバルたちからリードした状態で麓に到達する必要があった。まずはトーマス・デヘントのアタックに反応して、警戒していたルイス・マスと先行することに成功した。最後の登りは急勾配区間もあって、モレマに追いつかれるんじゃないかと思ったよ。20秒程度しかリードがなかったので、切れるか切れないかという気持ちの戦いだった。大いに苦しんだけど、逃げ切れると信じ続けて、やり遂げたんだ。
再びチームカラーを見せつけることができて誇らしい気持ち。特別なブエルタに訪れた特別な一日。しかもまだブエルタは終わっていない。
ステージ2位 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
残念だ。目の前を走る彼(キング)とのタイム差を最後まで詰めることができなかった。1分40秒差を15秒差まで詰めたのに。良い逃げグループに入ったと思う。残り25kmを切ってから逃げグループが分裂して、突然キングが先行した。結果的に、その時点で彼に大きなリードを許してしまったことが敗因になってしまった。本当に残念でならない。
ステージ3位 ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング)
ステージ3位は歓迎すべき成績。逃げに乗ったからには集団から逃げ切りたかった。力を使うことなく逃げグループに入ることができたし、力を温存しながら終盤まで走ることができたと思う。ただ、今日は自分より強い選手が2人いた。最後の登り(ラ・コバティーヤ)はとてもキツくて、残り3kmの時点で後方からメイン集団が迫ってきているのを感じた。そこから全開で踏んで、なんとか振り切ったんだ。
ステージ4位 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)
向かい風が強かったので早めにアタックして飛び出すことができなかった。今日は風の影響でリードを奪うのがとても難しかった。風向きが変わった瞬間にアタックしたものの、フィニッシュ手前は勾配が緩かった。ステージ優勝にも手が届かなかったものの、今日の自分のパフォーマンスには満足している。
ステージ5位&総合3位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
チームはとても集中して勝負をお膳立てしてくれた。ラ・コバティーヤは強い向かい風が吹く特殊な登りであり、ライバルたちの後ろに入れば大いに力を温存できるんだ。今日も高い気温が多くの選手を苦しめていたと思う。
リチャル(カラパス)の素晴らしいペース作りによって総合のライバルたちが遅れていった。彼はチームに欠かせない存在になっている。来週はイェーツがリーダージャージを守る走りを見せるはず。自分たちはコースをチェックして、タイムを奪えるチャンスがないかを日々研究したい。
ステージ6位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)
向かい風が強く吹いていたし、そこまで調子が良いと感じなかったので、最後の登り(ラ・コバティーヤ)を抑えながら走っていた。アタックするつもりはなかったけど、突然チャンスがやってきたので飛び出してみたんだ。すると何人かのライバルが遅れたので、タイム差を奪うことができた。何日か前に(落車に伴うメカトラで)大きくタイムをロスしてしまったけど、まだブエルタは前半戦であり挽回のチャンスは残されている。久々の出場となるこのブエルタに日々馴染んでいっていることを感じるよ。
ステージ8位 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)
今日は総合争いは重要な局面を迎えた。残り2km地点でミゲルアンヘル・ロペスとナイロ・キンタナがアタックした時、問題なく彼らの加速に対応できた。でも残り500mで彼らに先行を許してしまい、数秒を失う結果になってしまった。第9ステージまでを終えて自分のパフォーマンスには満足している。
ステージ9位 総合1位 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
今日レッドジャージを獲得できるとは思っていなかった。トップ選手たちの動きにできるだけ反応した結果、ライバルたちから数秒遅れたものの総合首位に手が届いたんだ。グランツールでリーダージャージを着ることはジロ・デ・イタリアですっかり慣れた。自分の調子は良いけど、まだ総合タイム差は僅差。今日は標高2,000mに達するステージだったので、高地慣れしているコロンビア勢に有利だったと思う。明日の休息日をしっかり休息に充てて、次の総合バトルに向けて作戦を立てるよ。
ステージ11位&総合2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
何名かのライバルたちには先行されてしまったけど大きくタイムを失わずに済んだし、これまでの中で最高のラ・コバティーヤ登坂だったと思う。今日は最初から最後まで脚の感触が良かったけど、断続的に登りが登場する厳しいステージだった。総合首位に立ったイェーツを祝福したいし、自分の走りにも満足している。リーダージャージまで1秒差の総合2位というポジションにつけており、この先にまだまだチャンスが残されている。
何よりも重要なのはナイロ(キンタナ)が総合ライバルたちからリードを得ていること。自分はすでにステージ2勝を飾っているし、しっかりとチームリーダーであるナイロをアシストしたい。リーダージャージを獲得できなかったことは残念だけど、総合2位であればレースをコントロールする義務が発生しないので、大会3週目に向けてチームメイトたちの力を温存することにつながる。
チームスカイのガブリエル・ラッシュ監督
クウィアトは落車の影響を引きずっていて、100%の状態ではなかった。今日はタイムロスを最小限に抑える走りに徹するしかなかった。ダビ(デラクルス)は登り前半のハイペースに苦しんだけど、自分のペースで登ることで後半にかけて盛り返した。彼は暑さに苦しめられてきたので、この先の比較的涼しいステージで巻き返してくれるはず。2週目と3週目に調子が上がるはずなので、まだチームスカイが総合争いから脱落したわけではない。
マイヨロホを失ったルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ)
今日までマイヨロホを着続けるという目標を達成することができた。4日間赤いジャージを着るのは魔法にかかったような経験だった。今日も素晴らしい走りをしてくれたチームメイトたちを誇りに思う。
text:Kei Tsuji
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