2018/09/01(土) - 08:27
ブエルタ・ア・エスパーニャらしい登りを含む『平坦ステージ』で30名の精鋭集団から残り2km地点で抜け出したトニー・ガロパンが独走勝利。終盤の下りで落車したミカル・クウィアトコウスキーは30秒のタイムを失った。
プエルト・ルンブレラスをスタートしていくプロトン photo:CorVos
ブエルタ・ア・エスパーニャ2018第7ステージ photo:Unipublic
ブエルタ・ア・エスパーニャ2018第7ステージ photo:Unipublic
大会主催者による格付けは『平坦ステージ』だが、すんなりと集団スプリントに持ち込まれないようなコースレイアウトがブエルタらしい。序盤からカテゴリーの付いていない標高1,000mクラスの峠が連続して登場し、一旦フィニッシュラインを逆向きに通過してから残り12km地点で3級山岳セアル峠(全長4.5km/平均5.4%)を越える。標高886mのフィニッシュラインまで続く勾配2〜3%の緩斜面が、獲得標高差2,600mの『平坦ステージ』を締めくくる。
エーススプリンターのエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)には厳しすぎるコースレイアウトであるとして、クイックステップフロアーズが集団コントロールを放棄したこの日、総合8分25秒遅れのマイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)やアレクシ・グジャール(フランス、アージェードゥーゼール)、フローリス・デティエ(ベルギー、ロットNLユンボ)ら7名が逃げグループを形成する。総合リードを守りたいグルパマFDJと、スプリント狙いのボーラ・ハンスグローエとモビスターが集団牽引を担った。
先頭7名のリードは最大3分40秒をマークしたものの、道幅のある幹線道路でメイン集団は順調でタイム差を削り取った。広大なオリーブ畑を貫く直線路や緩やかなアップダウンでタイム差は縮まり続け、残り23km地点で1分を割り込んで行く。いよいよ最後の3級山岳セアル峠が迫ったところでタイム差は15秒に。集団落車に伴ってメイン集団がペースを落としたためタイム差は再び40秒まで広がったが、逃げグループに分が悪い状況には変わりなかった。
レース序盤に落車しながらも逃げ続け、3級山岳セアル峠で独走に持ち込んだウッズもモビスターが率いるメイン集団に吸収される。ヴィヴィアーニは70名程度に絞られた集団内で3級山岳セアル峠をクリアしたが、その後の登りで脱落している。
逃げるマイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)ら photo:CorVos
暑いムルシア州の内陸部を走る photo:CorVos
モビスターがメイン集団のコントロールを担う photo:CorVos
テクニカルコーナーが続く3級山岳セアル峠の下り区間でルイス・マス(スペイン、カハルーラル)が独走に持ち込んだ一方で、総合2位ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)が落車する。緑のポイント賞ジャージを着るクウィアトコウスキーはチームメイトのバイクを借りてすぐにレースに復帰したが、メイン集団とのタイム差40秒が縮まらない。
メイン集団の前方ではジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)やジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)らがアタックを仕掛け、先頭のマスを追い抜いていく。ピュアスプリンターを欠いた50名ほどのメイン集団からは断続的にアタックがかかり、残り5km地点でヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)が単独で飛び出した。
エラダを視界にとらえながら、残り2kmアーチ通過とともにメイン集団から飛び出したのがトニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール)だった。徐々にスピードを失うエラダを勢いよく抜き去ったガロパンが独走のままポソ・アルコンの街中に突入。独走モードに入ったガロパンが、ペテル・サガン(スロバキア)のためにボーラ・ハンスグローエが牽引するメイン集団を振り切った。
サガンとアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)を先頭にスプリント体制に入ったメイン集団に5秒差をつけてガロパンが逃げ切り。30名のメイン集団は勾配2%を刻む残り2kmを平均スピード44km/hで駆け抜けているがガロパンには届かなかった。また、セルジオルイス・エナオ(コロンビア)の力を借りて追走したクウィアトコウスキーは30秒遅れでフィニッシュに飛び込んでいる。
終盤まで逃げたマイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト・ドラパック) photo:CorVos
集団を振り切ったままフィニッシュにやってきたトニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール) photo:CorVos
メイン集団を振り切ったトニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール) photo:CorVos
5秒遅れでフィニッシュするペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:CorVos
2014年ツール・ド・フランス第9ステージでも逃げ切り勝利を飾っている30歳のガロパンがブエルタでステージ初優勝。「ただただ素晴らしい。ファンタスティックだ」と、総合で5位までジャンプアップしたガロパンは語る。
「総合成績を目標としながらも、チャンスがあればステージ優勝を狙う作戦だった。残り20kmを切ってからは道も狭くて、テクニカルなダウンヒルも登場。落車やアタックがあちこちで発生していたけど、良いポジションを守って良いタイミングでアタックしたんだ。サガンやバルベルデの前で勝利するのは特別。これからも総合成績を狙っていくけど、失うものは何もない。総合争いから脱落した場合はもう一度ステージ優勝を狙うよ」とガロパン。過去のグランツール成績を見ると2017年ツールの総合21位が最高位。これが2010年に続く2度目のブエルタ出場だ。
総合トップ10の中で唯一遅れたクウィアトコウスキーはライバルたちから25秒を失う結果に。チームスカイのガブリエル・ラッシュ監督は「チームスカイは集団前方の良いポジションで走っていたものの、下りのコーナーでタオ(ゲオゲガンハート)とセルジオ(エナオ)、クウィアトが同時に落車。クウィアトはチームメイトからバイクを受け取って再スタートし、そこからセルジオのアシストを得てタイムロスを最小限に抑え込んだ。ダビ(デラクルス)がメイン集団に残ってライバルたちの動きを監視して、集団のペースを落とす役割を担ってくれた」と語る。
クウィアトコウスキーに代わって、この日ステージ3位のバルベルデが総合2位に浮上。バルベルデはポイント賞と複合賞でもトップに立っている。
ステージ初優勝を飾ったトニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール) photo:CorVos
マイヨロホを守ったルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ) photo:CorVos
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大会主催者による格付けは『平坦ステージ』だが、すんなりと集団スプリントに持ち込まれないようなコースレイアウトがブエルタらしい。序盤からカテゴリーの付いていない標高1,000mクラスの峠が連続して登場し、一旦フィニッシュラインを逆向きに通過してから残り12km地点で3級山岳セアル峠(全長4.5km/平均5.4%)を越える。標高886mのフィニッシュラインまで続く勾配2〜3%の緩斜面が、獲得標高差2,600mの『平坦ステージ』を締めくくる。
エーススプリンターのエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)には厳しすぎるコースレイアウトであるとして、クイックステップフロアーズが集団コントロールを放棄したこの日、総合8分25秒遅れのマイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)やアレクシ・グジャール(フランス、アージェードゥーゼール)、フローリス・デティエ(ベルギー、ロットNLユンボ)ら7名が逃げグループを形成する。総合リードを守りたいグルパマFDJと、スプリント狙いのボーラ・ハンスグローエとモビスターが集団牽引を担った。
先頭7名のリードは最大3分40秒をマークしたものの、道幅のある幹線道路でメイン集団は順調でタイム差を削り取った。広大なオリーブ畑を貫く直線路や緩やかなアップダウンでタイム差は縮まり続け、残り23km地点で1分を割り込んで行く。いよいよ最後の3級山岳セアル峠が迫ったところでタイム差は15秒に。集団落車に伴ってメイン集団がペースを落としたためタイム差は再び40秒まで広がったが、逃げグループに分が悪い状況には変わりなかった。
レース序盤に落車しながらも逃げ続け、3級山岳セアル峠で独走に持ち込んだウッズもモビスターが率いるメイン集団に吸収される。ヴィヴィアーニは70名程度に絞られた集団内で3級山岳セアル峠をクリアしたが、その後の登りで脱落している。
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テクニカルコーナーが続く3級山岳セアル峠の下り区間でルイス・マス(スペイン、カハルーラル)が独走に持ち込んだ一方で、総合2位ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)が落車する。緑のポイント賞ジャージを着るクウィアトコウスキーはチームメイトのバイクを借りてすぐにレースに復帰したが、メイン集団とのタイム差40秒が縮まらない。
メイン集団の前方ではジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)やジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)らがアタックを仕掛け、先頭のマスを追い抜いていく。ピュアスプリンターを欠いた50名ほどのメイン集団からは断続的にアタックがかかり、残り5km地点でヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)が単独で飛び出した。
エラダを視界にとらえながら、残り2kmアーチ通過とともにメイン集団から飛び出したのがトニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール)だった。徐々にスピードを失うエラダを勢いよく抜き去ったガロパンが独走のままポソ・アルコンの街中に突入。独走モードに入ったガロパンが、ペテル・サガン(スロバキア)のためにボーラ・ハンスグローエが牽引するメイン集団を振り切った。
サガンとアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)を先頭にスプリント体制に入ったメイン集団に5秒差をつけてガロパンが逃げ切り。30名のメイン集団は勾配2%を刻む残り2kmを平均スピード44km/hで駆け抜けているがガロパンには届かなかった。また、セルジオルイス・エナオ(コロンビア)の力を借りて追走したクウィアトコウスキーは30秒遅れでフィニッシュに飛び込んでいる。
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2014年ツール・ド・フランス第9ステージでも逃げ切り勝利を飾っている30歳のガロパンがブエルタでステージ初優勝。「ただただ素晴らしい。ファンタスティックだ」と、総合で5位までジャンプアップしたガロパンは語る。
「総合成績を目標としながらも、チャンスがあればステージ優勝を狙う作戦だった。残り20kmを切ってからは道も狭くて、テクニカルなダウンヒルも登場。落車やアタックがあちこちで発生していたけど、良いポジションを守って良いタイミングでアタックしたんだ。サガンやバルベルデの前で勝利するのは特別。これからも総合成績を狙っていくけど、失うものは何もない。総合争いから脱落した場合はもう一度ステージ優勝を狙うよ」とガロパン。過去のグランツール成績を見ると2017年ツールの総合21位が最高位。これが2010年に続く2度目のブエルタ出場だ。
総合トップ10の中で唯一遅れたクウィアトコウスキーはライバルたちから25秒を失う結果に。チームスカイのガブリエル・ラッシュ監督は「チームスカイは集団前方の良いポジションで走っていたものの、下りのコーナーでタオ(ゲオゲガンハート)とセルジオ(エナオ)、クウィアトが同時に落車。クウィアトはチームメイトからバイクを受け取って再スタートし、そこからセルジオのアシストを得てタイムロスを最小限に抑え込んだ。ダビ(デラクルス)がメイン集団に残ってライバルたちの動きを監視して、集団のペースを落とす役割を担ってくれた」と語る。
クウィアトコウスキーに代わって、この日ステージ3位のバルベルデが総合2位に浮上。バルベルデはポイント賞と複合賞でもトップに立っている。
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ブエルタ・ア・エスパーニャ2018第7ステージ結果
1位 | トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール) | 4:18:20 |
2位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:05 |
3位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | |
4位 | エデュアルド・プラデス(スペイン、エウスカディ・ムリアス) | |
5位 | オマール・フライレ(スペイン、アスタナ) | |
6位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | |
7位 | ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | |
8位 | エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) | |
9位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | |
10位 | セップ・クス(アメリカ、ロットNLユンボ) | |
36位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | 0:00:30 |
敢闘賞 | アレックス・アランブル(スペイン、カハルーラル) |
個人総合成績
1位 | ルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ) | 26:44:40 |
2位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 0:00:47 |
3位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:48 |
4位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 0:00:51 |
5位 | トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール) | 0:00:59 |
6位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | 0:01:06 |
7位 | ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | 0;01:11 |
8位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:01:14 |
9位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) | 0:01:18 |
10位 | エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) | 0:01:23 |
ポイント賞
1位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 51pts |
2位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | 48pts |
3位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 43pts |
山岳賞
1位 | ルイス・マテマルドネス(スペイン、コフィディス) | 42pts |
2位 | ピエール・ロラン(フランス、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | 20pts |
3位 | ベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ) | 12pts |
複合賞
1位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 14pts |
2位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | 26pts |
3位 | ベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ) | 37pts |
チーム総合成績
1位 | アスタナ | 80:12:58 |
2位 | ロットNLユンボ | 0:02:39 |
3位 | モビスター | 0:04:41 |
text:Kei Tsuji
photo:CorVos
photo:CorVos
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