2018/08/29(水) - 12:50
「ようやく夢が叶った」と語るのは1級山岳アルファカル峠で自身初のステージ優勝を飾ったベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)。第73回ブエルタ・ア・エスパーニャ最初の本格的な山岳ステージを終えた選手たちのコメントを紹介します。
ステージ優勝 ベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)
あまりにも衝撃が大きくて呆然としている。ようやく夢が叶った。ここ数年間ずっとグランツールのステージ優勝を目標に走ってきた。自分を信頼してくれているチームに報いるために、今日こうして逃げに乗り、ステージ優勝を達成したことを誇りに思う。このブエルタに合わせて自宅でトレーニングを積み、チームとして目標に向かって走ってきたんだ。
今日は残り40km地点に差し掛かってようやく逃げ切りのチャンスを感じた。とは言え逃げグループの中には自分よりも強力な選手が揃っていたし、登りで彼らに対抗できるとは思っていなかった。逃げグループの中で最良のポジションをキープして、登りが始まってすぐに飛び出した。そこから頂上まではTTモード。もし自分にマイヨロホ獲得のチャンスがあればスタルノフにステージ優勝を譲ることも考えた。暑い中で身体もあちこち攣っていたけど気持ちを強く持ち続けたんだ。
チームが辛いシーズンを過ごしているのは秘密でもなんでもないけど、チームの雰囲気はとても良い。自分たちの活動と、チームの潜在能力を信じている。アフリカに自転車を送るキュベカ基金のためにチームはモチベーション高くレースに挑んでいて、この勝利がその活動の周知につながればと思う。
ステージ2位 ニキータ・スタルノフ(カザフスタン、アスタナ)
全力を尽くしたので何も文句は言えない。もちろんステージ優勝したかったけど、惜しいところでチャンスを失ってしまった。どちらにしても、良いレースをしたと思う。最後の登りはとてもタフだったので、後続から逃げ切るので精一杯だった。スプリントではなく早めにアタックして(キングを)引き離したかったけど、残り数キロは限界ギリギリだったので加速できず。このステージ2位という結果は残りのステージに向けての大きなモチベーションになるよ。
ステージ敢闘賞 ルイス・マテマルドネス(スペイン、コフィディス)
今日最大の目標は逃げに乗って最初の1級山岳で山岳ポイントを獲得すること。3日連続の逃げで身体が疲れて切っていたので、その後メイン集団に戻る作戦だった。でもメイン集団の追撃が弱く、タイム差が広がったので逃げグループに残ったんだ。でも逃げグループ形成のための序盤のアタック合戦と山岳ポイントを取るための走りで力を使っていたので、ステージ優勝争いには絡めなかった。明日からは少し身体を休めて、回復してからレース展開に合わせて新たな作戦を立てたい。
ステージ8位 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
予定していた動きではなくて、本能的にアタックした。とても調子が良く、チャンスがあると判断してアタックしたんだ。登りの麓からずっとロットNLユンボが良いペースで引いていたけど、(残り4kmを切って)ペースが落ち始めたのでそこからアタックした。自分でも、何のためにアタックしたのか分からなかった。気取ってアタックしたというより、ライバルたちを試したかったのだと思う。初日のタイムトライアルで失ったタイム差を挽回できたので、結果的には良い動きだったと思う。
ステージ9位 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
今日も脚が良く回った。合宿で最後の1級山岳を走っていたので、頂上近くで勾配が緩むことを把握していた。ずっと集団内で走っていたけど、まだタンクの中に燃料が残っていることを感じたのでアタック。ライバルたちがラファ(マイカ)をマークしている状況は自分にとって好都合だった。タイム差を奪うことができたけど、ブエルタが決まる3週目まで体力を温存しないといけない。
ステージ10位 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)
イェーツがアタックした時、誰も積極的に追わなかった。だから残り1.5km地点でライバルたちにタイム差をつけるために自分からアタックしたんだ。残り1kmから先は勾配が緩んだものの、少しのタイム差を奪うことができた。全体的に見て良いステージだったと思う。ニキータ(スタルノフ)の強力な走りにも感化されたよ。
ステージ12位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
とてもとてもハイスピードな登りだった。イェーツがアタックした時、彼に大きなタイム差を与えないことに注意しながら追走。カウンターアタックで飛び出そうとしたけどライバルたちを引き離せなかった。カウンターアタックに失敗してからはナイロ(キンタナ)のために集団を引いたんだ。大きなタイム差はつかなかったし、まだブエルタには重要なステージが多く残されている。自分とナイロが総合上位をキープしている状況に満足している。
ステージ13位 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)
総合争いの指標になるステージを終えてリーダージャージを着ていることに満足している。逃げ切りを容認するイージーな展開に見えたかもしれないけど、実際には気温が35度まで上がるとても暑くてハードなステージだった。予想していた通りロットNLユンボが最後の登りでハイペースを作ったけど、チームとして上手く状況を切り抜けることができたし、悪くない1日だった。
自分は総合優勝候補ではないので、今日レースを動かす役目を担ったのはキンタナやバルベルデ、ベネット、ブッフマン。今日は自分にとって集団内で力を温存できるパーフェクトな展開だった。この先の山岳ステージも楽しみだ。
text:Kei Tsuji
ステージ優勝 ベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)
あまりにも衝撃が大きくて呆然としている。ようやく夢が叶った。ここ数年間ずっとグランツールのステージ優勝を目標に走ってきた。自分を信頼してくれているチームに報いるために、今日こうして逃げに乗り、ステージ優勝を達成したことを誇りに思う。このブエルタに合わせて自宅でトレーニングを積み、チームとして目標に向かって走ってきたんだ。
今日は残り40km地点に差し掛かってようやく逃げ切りのチャンスを感じた。とは言え逃げグループの中には自分よりも強力な選手が揃っていたし、登りで彼らに対抗できるとは思っていなかった。逃げグループの中で最良のポジションをキープして、登りが始まってすぐに飛び出した。そこから頂上まではTTモード。もし自分にマイヨロホ獲得のチャンスがあればスタルノフにステージ優勝を譲ることも考えた。暑い中で身体もあちこち攣っていたけど気持ちを強く持ち続けたんだ。
チームが辛いシーズンを過ごしているのは秘密でもなんでもないけど、チームの雰囲気はとても良い。自分たちの活動と、チームの潜在能力を信じている。アフリカに自転車を送るキュベカ基金のためにチームはモチベーション高くレースに挑んでいて、この勝利がその活動の周知につながればと思う。
ステージ2位 ニキータ・スタルノフ(カザフスタン、アスタナ)
全力を尽くしたので何も文句は言えない。もちろんステージ優勝したかったけど、惜しいところでチャンスを失ってしまった。どちらにしても、良いレースをしたと思う。最後の登りはとてもタフだったので、後続から逃げ切るので精一杯だった。スプリントではなく早めにアタックして(キングを)引き離したかったけど、残り数キロは限界ギリギリだったので加速できず。このステージ2位という結果は残りのステージに向けての大きなモチベーションになるよ。
ステージ敢闘賞 ルイス・マテマルドネス(スペイン、コフィディス)
今日最大の目標は逃げに乗って最初の1級山岳で山岳ポイントを獲得すること。3日連続の逃げで身体が疲れて切っていたので、その後メイン集団に戻る作戦だった。でもメイン集団の追撃が弱く、タイム差が広がったので逃げグループに残ったんだ。でも逃げグループ形成のための序盤のアタック合戦と山岳ポイントを取るための走りで力を使っていたので、ステージ優勝争いには絡めなかった。明日からは少し身体を休めて、回復してからレース展開に合わせて新たな作戦を立てたい。
ステージ8位 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
予定していた動きではなくて、本能的にアタックした。とても調子が良く、チャンスがあると判断してアタックしたんだ。登りの麓からずっとロットNLユンボが良いペースで引いていたけど、(残り4kmを切って)ペースが落ち始めたのでそこからアタックした。自分でも、何のためにアタックしたのか分からなかった。気取ってアタックしたというより、ライバルたちを試したかったのだと思う。初日のタイムトライアルで失ったタイム差を挽回できたので、結果的には良い動きだったと思う。
ステージ9位 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
今日も脚が良く回った。合宿で最後の1級山岳を走っていたので、頂上近くで勾配が緩むことを把握していた。ずっと集団内で走っていたけど、まだタンクの中に燃料が残っていることを感じたのでアタック。ライバルたちがラファ(マイカ)をマークしている状況は自分にとって好都合だった。タイム差を奪うことができたけど、ブエルタが決まる3週目まで体力を温存しないといけない。
ステージ10位 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)
イェーツがアタックした時、誰も積極的に追わなかった。だから残り1.5km地点でライバルたちにタイム差をつけるために自分からアタックしたんだ。残り1kmから先は勾配が緩んだものの、少しのタイム差を奪うことができた。全体的に見て良いステージだったと思う。ニキータ(スタルノフ)の強力な走りにも感化されたよ。
ステージ12位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
とてもとてもハイスピードな登りだった。イェーツがアタックした時、彼に大きなタイム差を与えないことに注意しながら追走。カウンターアタックで飛び出そうとしたけどライバルたちを引き離せなかった。カウンターアタックに失敗してからはナイロ(キンタナ)のために集団を引いたんだ。大きなタイム差はつかなかったし、まだブエルタには重要なステージが多く残されている。自分とナイロが総合上位をキープしている状況に満足している。
ステージ13位 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)
総合争いの指標になるステージを終えてリーダージャージを着ていることに満足している。逃げ切りを容認するイージーな展開に見えたかもしれないけど、実際には気温が35度まで上がるとても暑くてハードなステージだった。予想していた通りロットNLユンボが最後の登りでハイペースを作ったけど、チームとして上手く状況を切り抜けることができたし、悪くない1日だった。
自分は総合優勝候補ではないので、今日レースを動かす役目を担ったのはキンタナやバルベルデ、ベネット、ブッフマン。今日は自分にとって集団内で力を温存できるパーフェクトな展開だった。この先の山岳ステージも楽しみだ。
text:Kei Tsuji
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