2018/08/17(金) - 09:10
チームスカイが使用するホームトレーナーKICKRをリリースするアメリカのワフー。バーチャルライドでの勾配変化に応じて負荷を調整してくれるKICKRと連動させることで、フロントフォークをリフトしてくれる革新的デバイス「KICKR CLIMB」をリリースする。2019年モデルでマイナーチェンジするKICKRも合わせて紹介する。
ズイフトやキノマップ、フルガズといったバーチャルライドアプリ内で登場する勾配変化に対して、負荷を自動調節することで斜度を再現してくれるスマートトレーナー。これらのソフトとハードが、飽きやすいとされていた室内トレーニングをシリアスアスリートのためだけではなく、フィットネス目的のファン層も楽しめるものへと裾野を広げてくれた。
スマートトレーナーのラインアップも充実してきており、次のフェイズとして、各社それぞれインドアトレーニングを身近なものにするプロダクトにアプローチしている。チームスカイをサポートするアメリカのフィットネス機器ブランドのワフーは、スマートトレーナーシリーズ「KICKR(キッカー)」と連動させる「KICKR CLIMB(キッカークライム)」をマーケットに投入する。発表自体は既に行われている上、日本国内でもイベントブースなどで試す機会があり注目を集めていたプロダクトだ。そして、いよいよデリバリーが開始されるという。
KICKR CLIMBは、仮想サイクリング内で登場する勾配変化に応じて、フロントフォークをリフトアップしてくれるデバイス。これまでのスマートトレーナーでは足で感じる負荷調整だけだったが、KICKR CLIMBを組み合わせることで体全体でバーチャルコースの勾配変化を感じ取ることが可能となるのだ。
再現可能斜度は上り勾配で20%、下り勾配で-10%。ヒルクライム中はハンドルポジションが高くなり、ダウンヒル時はバイク前方が低くなるため、バーチャルライドへの没入感やリアル感は増す。また、バーチャルライドアプリと連動させずに、マニュアルでフロントフォークのリフト位置を固定して使用することもできるため、ヒルクライムポジションで必要な筋肉、ペダリングを鍛える事もできる。1%単位で斜度を再現し、狙ったポジションでの練習も可能となり、室内トレーニングの充実度は高くなるだろう。
対応するのはズイフトやキノマップだけではない。ワフーのサイクルコンピューターELEMNT、ELEMNT BOLTで記録したライドログとも連携させられる。各社のサービスに収録されていないヒルクライムレースコースなどを再現できるため、特定のレースに特化したトレーニングも行える。
対応するフォークエンド規格は、9mmシャフトのクイックリリース、12×100mmスルーアクスル、15×100mmスルーアクスル、15×110mmスルーアクスル。工具不要のアタッチメントを差し替えるだけで作業が完了するのは嬉しい仕様だ。価格は79,250円(税込)。
さて、実際に使用し驚いたのはリフトのスムースさ。あまりにも滑らかに動くためズイフト内で斜度が0%~3%まで変化していても、リフトアップされている感覚は薄い。ただ、斜度の5%以上の上り坂になると、流石に体でもフォークがリフトアップされていることに気がつく。実走行時でも1、2%の上り坂は感ずることは少ないので、フィーリングとしてはリアルに近いと言えるだろう。不意にググッとフォークを押し上げるような動きをすることもあるが、それが没入感を損なわせることはほぼない。
手動で20%の斜度を再現した時にハンドルにしがみつく感覚や、トレーニング後に室内トレーニングで使ったことのない部位に刺激が加えられていたことに気がつく瞬間こそが、KICKR CLIMBを使用した満足感を得られる時。それだけKICKR CLIMBによる没入感が高く、ライド中の苦しさが増していると言えるだろう。
勾配変化は普段のライドで感じ取っているため、最初の数分間は想像の範囲内に収まるかもしれない。しかし、ズイフトの山岳コースなどで長い長いヒルクライムに挑戦している時、ふと今までの室内トレーニングでは感じ取ったことのない辛さに気がつくはず。その辛さと没入度の高さがKICKR CLIMBの魅力だ。
フロントフォークがリフトしていく様子を眺めているだけでも強いインパクトを受けるが、実際に使用し今までのインドアトレーニングには無い感覚を自分の体で味わうと、より一層の衝撃を受ける。ワフーはイベント出展や、ショップにデモエリアを設置していくという。気になる方はワフーからの情報はチェックした方が良いだろう。
KICKR CLIMBで注意したいのは、連携できるスマートトレーナーがKICKRとKICKR SNAP(2017年モデル以降)のみということ。年式も関わってくるため、購入する前には手持ちのKICKRが対応するか確認したほうが良い。
KICKRがマイナーチェンジで、より静かに
今回、KICKR CLIMBと組み合わせたのはランニングチェンジが行われるというKICKRの最新モデル。基本的な作りは現行モデルと同一だが、フライホイールをより重量のあるものに変更することで、実走感、最大パワー出力(新型2200w/現行2000w)を向上させたという。これによりローラー台全体の重量も増している。
また、フライホイールと負荷装置を繋ぐベルトも新しいものが装着される。このアップデートによりKICKRの静粛性は大幅に改善されたという。実際に使用してみても音の発生は現行モデルより非常に少ないと感じる。特に高回転で回す時に発生しがちな高音が抑えられているようだ。これによって集合住宅に住むサイクリストでも手を出しやすくなっているだろう。
ワフー KICKR CLIMB
サイズ:65.41cm(高さ)x 12.95cm(幅)x 17.78cm(長さ)
対応エンド規格:QR(9mm)、12x100、15x100、15x110
再現可能斜度:+20%、-10%
対応トレーナー:KICKR、KICKR SNAP
価格:79,250円(税込)
ワフー KICKR
重量:21.3kg
対応ホイールサイズ:24”、650c、700c、26”、27.5”、29”
対応ハブタイプ:130/135mm QR、142x12mm Thru Axle with Adapter
精度:+/-2%
最大ワット数:2200W
最大斜度:20%
価格:152,550円(税抜)
ズイフトやキノマップ、フルガズといったバーチャルライドアプリ内で登場する勾配変化に対して、負荷を自動調節することで斜度を再現してくれるスマートトレーナー。これらのソフトとハードが、飽きやすいとされていた室内トレーニングをシリアスアスリートのためだけではなく、フィットネス目的のファン層も楽しめるものへと裾野を広げてくれた。
スマートトレーナーのラインアップも充実してきており、次のフェイズとして、各社それぞれインドアトレーニングを身近なものにするプロダクトにアプローチしている。チームスカイをサポートするアメリカのフィットネス機器ブランドのワフーは、スマートトレーナーシリーズ「KICKR(キッカー)」と連動させる「KICKR CLIMB(キッカークライム)」をマーケットに投入する。発表自体は既に行われている上、日本国内でもイベントブースなどで試す機会があり注目を集めていたプロダクトだ。そして、いよいよデリバリーが開始されるという。
KICKR CLIMBは、仮想サイクリング内で登場する勾配変化に応じて、フロントフォークをリフトアップしてくれるデバイス。これまでのスマートトレーナーでは足で感じる負荷調整だけだったが、KICKR CLIMBを組み合わせることで体全体でバーチャルコースの勾配変化を感じ取ることが可能となるのだ。
再現可能斜度は上り勾配で20%、下り勾配で-10%。ヒルクライム中はハンドルポジションが高くなり、ダウンヒル時はバイク前方が低くなるため、バーチャルライドへの没入感やリアル感は増す。また、バーチャルライドアプリと連動させずに、マニュアルでフロントフォークのリフト位置を固定して使用することもできるため、ヒルクライムポジションで必要な筋肉、ペダリングを鍛える事もできる。1%単位で斜度を再現し、狙ったポジションでの練習も可能となり、室内トレーニングの充実度は高くなるだろう。
対応するのはズイフトやキノマップだけではない。ワフーのサイクルコンピューターELEMNT、ELEMNT BOLTで記録したライドログとも連携させられる。各社のサービスに収録されていないヒルクライムレースコースなどを再現できるため、特定のレースに特化したトレーニングも行える。
対応するフォークエンド規格は、9mmシャフトのクイックリリース、12×100mmスルーアクスル、15×100mmスルーアクスル、15×110mmスルーアクスル。工具不要のアタッチメントを差し替えるだけで作業が完了するのは嬉しい仕様だ。価格は79,250円(税込)。
さて、実際に使用し驚いたのはリフトのスムースさ。あまりにも滑らかに動くためズイフト内で斜度が0%~3%まで変化していても、リフトアップされている感覚は薄い。ただ、斜度の5%以上の上り坂になると、流石に体でもフォークがリフトアップされていることに気がつく。実走行時でも1、2%の上り坂は感ずることは少ないので、フィーリングとしてはリアルに近いと言えるだろう。不意にググッとフォークを押し上げるような動きをすることもあるが、それが没入感を損なわせることはほぼない。
手動で20%の斜度を再現した時にハンドルにしがみつく感覚や、トレーニング後に室内トレーニングで使ったことのない部位に刺激が加えられていたことに気がつく瞬間こそが、KICKR CLIMBを使用した満足感を得られる時。それだけKICKR CLIMBによる没入感が高く、ライド中の苦しさが増していると言えるだろう。
勾配変化は普段のライドで感じ取っているため、最初の数分間は想像の範囲内に収まるかもしれない。しかし、ズイフトの山岳コースなどで長い長いヒルクライムに挑戦している時、ふと今までの室内トレーニングでは感じ取ったことのない辛さに気がつくはず。その辛さと没入度の高さがKICKR CLIMBの魅力だ。
フロントフォークがリフトしていく様子を眺めているだけでも強いインパクトを受けるが、実際に使用し今までのインドアトレーニングには無い感覚を自分の体で味わうと、より一層の衝撃を受ける。ワフーはイベント出展や、ショップにデモエリアを設置していくという。気になる方はワフーからの情報はチェックした方が良いだろう。
KICKR CLIMBで注意したいのは、連携できるスマートトレーナーがKICKRとKICKR SNAP(2017年モデル以降)のみということ。年式も関わってくるため、購入する前には手持ちのKICKRが対応するか確認したほうが良い。
KICKRがマイナーチェンジで、より静かに
今回、KICKR CLIMBと組み合わせたのはランニングチェンジが行われるというKICKRの最新モデル。基本的な作りは現行モデルと同一だが、フライホイールをより重量のあるものに変更することで、実走感、最大パワー出力(新型2200w/現行2000w)を向上させたという。これによりローラー台全体の重量も増している。
また、フライホイールと負荷装置を繋ぐベルトも新しいものが装着される。このアップデートによりKICKRの静粛性は大幅に改善されたという。実際に使用してみても音の発生は現行モデルより非常に少ないと感じる。特に高回転で回す時に発生しがちな高音が抑えられているようだ。これによって集合住宅に住むサイクリストでも手を出しやすくなっているだろう。
ワフー KICKR CLIMB
サイズ:65.41cm(高さ)x 12.95cm(幅)x 17.78cm(長さ)
対応エンド規格:QR(9mm)、12x100、15x100、15x110
再現可能斜度:+20%、-10%
対応トレーナー:KICKR、KICKR SNAP
価格:79,250円(税込)
ワフー KICKR
重量:21.3kg
対応ホイールサイズ:24”、650c、700c、26”、27.5”、29”
対応ハブタイプ:130/135mm QR、142x12mm Thru Axle with Adapter
精度:+/-2%
最大ワット数:2200W
最大斜度:20%
価格:152,550円(税抜)
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