2018/08/09(木) - 11:17
イエロージャージを着るミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)がステージ2連勝。登り緩斜面のスプリントでピュアスプリンターたちを撃破したポーランドチャンピオンが総合リード拡大に成功した。
イエロージャージを着て走るミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) photo:Tour de Pologne
ツール・ド・ポローニュ2018第5ステージ photo:Tour de Pologne
ツール・ド・ポローニュ2018第5ステージ photo:Tour de Pologne
コパルニア・ソリ・ヴィエリチカ(ヴィエリチカ岩塩坑)からビェルスコ=ビャワまでの152kmで行われたツール・ド・ポローニュ第5ステージ。中盤にかけて2級山岳2つと1級山岳(全長6.5km/平均5%)1つを越えてからビェルスコ=ビャワの周回コースに入る。合計3周する7.2km周回コースは決して平坦ではなく、勾配3%前後の登りと下りの繰り返し。残り2.4km地点からフィニッシュラインまでは勾配3.5%の登りが続いているため決してピュアスプリンター向きとは言えないレイアウトだ。
総合敢闘賞ジャージのイエンセ・ビエルマンス(ベルギー、カチューシャ・アルペシン)や山岳賞ジャージのヤン・トラトニク(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)、ミカエル・ドゥラージュ(フランス、グルパマFDJ)らを含む7名逃げが序盤に形成され、チームスカイ率いるメイン集団が2分前後のタイム差で追う展開。狙い通りこの日全てのカテゴリー山岳を先頭通過したトラトニクは山岳賞トップの座を固めている。
逃げグループはそのままビェルスコ=ビャワの周回コースに突入したものの、ミッチェルトン・スコットが懸命にメイン集団のペースを上げたためタイム差は縮小。逃げグループは残り2周回突入と同時に吸収される。まだフィニッシュまで14km残っているため、バーレーン・メリダやボーラ・ハンスグローエ、UAEチームエミレーツが積極的に新しい逃げを作るために動いたが、ミッチェルトン・スコットがこれらをすべて封じ込めた。
総合敢闘賞ジャージのイエンセ・ビエルマンス(ベルギー、カチューシャ・アルペシン)らが逃げる photo:Tour de Pologne
逃げるザンドス・ビジギトフ(カザフスタン、アスタナ)やヤン・トラトニク(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)ら photo:Tour de Pologne
ビェルスコ=ビャワの周回コースに入ったメイン集団 photo:Tour de Pologne
最終周回に入るとグルパマFDJとバーレーン・メリダ、そしてボーラ・ハンスグローエが隊列を組んで先頭に上がる。70名弱に絞られた集団の中に、開幕2連勝を飾ったパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)やジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード)といったスプリンターも残った。
周回遅れのベルンハルト・アイゼル(オーストリア、ディメンションデータ)らを追い抜いて、いよいよフィニッシュまでの勾配3.5%の緩斜面に突入した集団。スプリンター、パンチャー、クライマーが入り混じった集団によるスプリントへのカウントダウンが始まる。残り500mでロングスパートを仕掛けたゲオルク・プライドラー(オーストリア、グルパマFDJ)を追いかける形でスプリントがスタート。
緩斜面を40km/h前後のスピードで走り続ける集団から、残り300mでイエロージャージのクウィアトコウスキーがスプリントを開始する。一気に50km/hまで加速したクウィアトコウスキーに反応したのはドイツチャンピオンジャージのアッカーマン。しかし獲得標高差2,000mの山岳コースのダメージの影響か、それとも登り勾配の影響か、アッカーマンはシッティングでクウィアトコウスキーに食らいつくことしかできない。
アッカーマンに代わってディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング)やエンリコ・バッタリーン(イタリア、ロットNLユンボ)が追いかけたが、ダンシングでもがき続けるクウィアトコウスキーは先頭を譲らなかった。地元ポーランドの大歓声を受けて、クウィアトコウスキーは両手でヘルメットを抱えてフィニッシュした。
ミッチェルトン・スコット率いるメイン集団が逃げを追う photo:Tour de Pologne
イエロージャージのミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)が2連勝 photo:Tour de Pologne
「攻撃は最大の防御」。イエロージャージを着てステージ2連勝を飾ったクウィアトコウスキーはそうコメントする。「チームは作戦通り完璧にレースを進めた。最後の周回コースの予備知識はなかったけど、実際に走ってみてから無線でチームメイトたちに伝えたんだ。『このレイアウトのスプリントであれば戦える』ってね。最後はゴラス、パヴェル(シヴァコフ)、サルヴァ(プッチョ)が抜群のリードアウトを見せてくれた。トゥーンスがずっと番手につけていたし、アッカーマンよりも早めに仕掛ける必要があった。結果的に、完璧だった」。
2日連続ステージ優勝を飾ったクウィアトコウスキーは、2日連続ステージ2位のトゥーンスとの総合タイム差を12秒にまで拡大することに成功している。ツール・ド・ポローニュは残り2日。第6ステージと第7ステージはいずれもカテゴリー山岳が断続的に登場する本格的な山岳ステージだ。
ステージ3位バッタリーン、ステージ優勝クウィアトコウスキー、ステージ2位トゥーンス photo:Tour de Pologne
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コパルニア・ソリ・ヴィエリチカ(ヴィエリチカ岩塩坑)からビェルスコ=ビャワまでの152kmで行われたツール・ド・ポローニュ第5ステージ。中盤にかけて2級山岳2つと1級山岳(全長6.5km/平均5%)1つを越えてからビェルスコ=ビャワの周回コースに入る。合計3周する7.2km周回コースは決して平坦ではなく、勾配3%前後の登りと下りの繰り返し。残り2.4km地点からフィニッシュラインまでは勾配3.5%の登りが続いているため決してピュアスプリンター向きとは言えないレイアウトだ。
総合敢闘賞ジャージのイエンセ・ビエルマンス(ベルギー、カチューシャ・アルペシン)や山岳賞ジャージのヤン・トラトニク(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)、ミカエル・ドゥラージュ(フランス、グルパマFDJ)らを含む7名逃げが序盤に形成され、チームスカイ率いるメイン集団が2分前後のタイム差で追う展開。狙い通りこの日全てのカテゴリー山岳を先頭通過したトラトニクは山岳賞トップの座を固めている。
逃げグループはそのままビェルスコ=ビャワの周回コースに突入したものの、ミッチェルトン・スコットが懸命にメイン集団のペースを上げたためタイム差は縮小。逃げグループは残り2周回突入と同時に吸収される。まだフィニッシュまで14km残っているため、バーレーン・メリダやボーラ・ハンスグローエ、UAEチームエミレーツが積極的に新しい逃げを作るために動いたが、ミッチェルトン・スコットがこれらをすべて封じ込めた。
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最終周回に入るとグルパマFDJとバーレーン・メリダ、そしてボーラ・ハンスグローエが隊列を組んで先頭に上がる。70名弱に絞られた集団の中に、開幕2連勝を飾ったパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)やジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード)といったスプリンターも残った。
周回遅れのベルンハルト・アイゼル(オーストリア、ディメンションデータ)らを追い抜いて、いよいよフィニッシュまでの勾配3.5%の緩斜面に突入した集団。スプリンター、パンチャー、クライマーが入り混じった集団によるスプリントへのカウントダウンが始まる。残り500mでロングスパートを仕掛けたゲオルク・プライドラー(オーストリア、グルパマFDJ)を追いかける形でスプリントがスタート。
緩斜面を40km/h前後のスピードで走り続ける集団から、残り300mでイエロージャージのクウィアトコウスキーがスプリントを開始する。一気に50km/hまで加速したクウィアトコウスキーに反応したのはドイツチャンピオンジャージのアッカーマン。しかし獲得標高差2,000mの山岳コースのダメージの影響か、それとも登り勾配の影響か、アッカーマンはシッティングでクウィアトコウスキーに食らいつくことしかできない。
アッカーマンに代わってディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング)やエンリコ・バッタリーン(イタリア、ロットNLユンボ)が追いかけたが、ダンシングでもがき続けるクウィアトコウスキーは先頭を譲らなかった。地元ポーランドの大歓声を受けて、クウィアトコウスキーは両手でヘルメットを抱えてフィニッシュした。
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「攻撃は最大の防御」。イエロージャージを着てステージ2連勝を飾ったクウィアトコウスキーはそうコメントする。「チームは作戦通り完璧にレースを進めた。最後の周回コースの予備知識はなかったけど、実際に走ってみてから無線でチームメイトたちに伝えたんだ。『このレイアウトのスプリントであれば戦える』ってね。最後はゴラス、パヴェル(シヴァコフ)、サルヴァ(プッチョ)が抜群のリードアウトを見せてくれた。トゥーンスがずっと番手につけていたし、アッカーマンよりも早めに仕掛ける必要があった。結果的に、完璧だった」。
2日連続ステージ優勝を飾ったクウィアトコウスキーは、2日連続ステージ2位のトゥーンスとの総合タイム差を12秒にまで拡大することに成功している。ツール・ド・ポローニュは残り2日。第6ステージと第7ステージはいずれもカテゴリー山岳が断続的に登場する本格的な山岳ステージだ。
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ツール・ド・ポローニュ2018第5ステージ
1位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | 3:39:14 |
2位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング) | |
3位 | エンリコ・バッタリーン(イタリア、ロットNLユンボ) | |
4位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
5位 | エンリーコ・ガスパロット(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
6位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | |
7位 | シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
8位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
9位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) | |
10位 | ヤン・バークランツ(ベルギー、アージェードゥーゼール) | |
110位 | 別府史之(日本、トレック・セガフレード) | 0:02:31 |
個人総合成績
1位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | 17:30:26 |
2位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング) | 0:00:12 |
3位 | ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ) | 0:00:20 |
4位 | セルゲイ・チェルネトスキー(ロシア、アスタナ) | 0:00:24 |
5位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | |
6位 | ダニエル・モレーノ(スペイン、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | |
7位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | 0:00:27 |
8位 | エンリーコ・ガスパロット(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
9位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ) |
ポイント賞
1位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 66pts |
2位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード) | 63pts |
3位 | アルバロホセ・ホッジ(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | 58pts |
山岳賞
1位 | ヤン・トラトニク(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) | 50pts |
2位 | マレク・ルトケヴィッチ(ポーランド、ポーランドナショナル) | 14pts |
3位 | パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームスカイ) | 10pts |
チーム総合成績
1位 | BMCレーシング | 52:33:03 |
2位 | アスタナ | 0:00:10 |
3位 | クイックステップフロアーズ | 0:00:13 |
text:Kei Tsuji
photo:Tour de Pologne
photo:Tour de Pologne
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