ツール・ド・フランスを走ったバイクをチーム順に紹介していく本コーナーの第2弾は、トム・デュムラン(オランダ)を総合2位に送り込んだサンウェブ。彼らが駆ったジャイアントのバイク4種類を紹介します。
トム・デュムラン(オランダ)がほとんどのステージで愛用したTCR ADVANCED SL photo:Makoto.AYANO
パヴェステージでは全選手がDEFY ADVANCED SLを使用。写真はデュムランのバイクで、9070系デュラエースが取り付けられている photo:Makoto.AYANO
PROPEL ADVANCED SLを駆るニキアス・アルント(ドイツ) photo:Makoto.AYANO
サンウェブのメインバイクであり、トム・デュムラン(オランダ)がほぼ全てのステージで使用したのがオールラウンドモデルのTCR ADVANCED SL。フラットステージでは主にルーラーのニキアス・アルント(ドイツ)やエドワード・トゥーンス(ベルギー)がエアロロードのPROPEL ADVANCED SLを使用したほか、パヴェが登場した第9ステージでは振動吸収性能を重視したDEFY ADVANCED SLが用意された。なおツール終了と同時に新型DEFYが発表されたが、発表前だったためか選手たちは先代モデルを使用していた。
TCRはリムバージョンで、PROPELとDEFYはディスクブレーキ専用モデルであるため、サンウェブはリム/ディスク両タイプのバイクを混用したチームの一つということになる。
また、TTステージではTRINITY ADVANCED PRO TTを使用したデュムランが世界王者の貫禄を見せてステージ優勝を達成。この時使用したアルカンシエルカラーのTRINITYは、今ツールでサンウェブが使用した唯一の特別塗装モデルだ。
トム・デュムラン(オランダ)が駆る、アルカンシエルに塗り分けられたTRINITY ADVANCED PRO TT photo:Makoto.AYANO
滑り止めテープが貼り付けられたデュムランのTTハンドル photo:Makoto.AYANO
デュムランのスペアTTバイクは通常のチームカラー photo:Makoto.AYANO
チームカラーを纏う各モデルだが、注目すべきはコンポーネント類。ハンドルやホイールなど#overachieveラベルが貼られた各種パーツ類はサンウェブとジャイアントが共同開発して生み出されたものだという。
ホイールは昨年まで使用したシマノからジャイアント製に切り替わっているが、先行してサンウェブ女子チームがテストしていた#overachieveロゴの製品が投入されたことが熱い。一見すると45mmほどのリムハイトを持つ軽量重視のカーボンチューブラーホイールで、55mmハイトのSLR0 AEROホイール(GIANTロゴ)とコースプロフィールによって使い分けられるか、または前後で混用されていた。パヴェステージでDEFYにセットされたディスクブレーキホイールも市販品には存在しない製品であり、PROPELには昨年同様デュラエースのC60ホイールがセットされるなど、各種ホイールが使い分けられていた模様。
サンウェブとジャイアントの共同開発によって生み出されたという#overachieveラベルが貼られた製品群。ホイールやハンドル、サドルが用意されている模様 photo:Makoto.AYANO
#overachieveロゴの4バトンホイール。PROとも異なるTeXtreamカーボンを使用した新型だ photo:Makoto.AYANO
PROのTeXtream Carbon Discと良く似た新型ディスクホイールが実戦投入された photo:Makoto.AYANO
実戦ではフロントホイールにPROの3バトン式「3-Spoke Wheel」を全選手が使用した photo:Makoto.AYANO
こちらも一般未発売モデルのディスクブレーキ用カーボンチューブラーホイール photo:Makoto.AYANO
TTで使用・準備されたホイールにも注目したい。カーボン柄からOxeon社製のTeXtreamカーボンを使用したと思われる4本バトンホイールは、PROがかつて発売していた4RAYSとも異なる新製品。デュムランのためにアルカンシエルカラーの特別品も用意されたが、レースでは全選手がPROの3バトンホイール「3-Spoke Wheel」を使用していたため実戦投入には至らなかった。リア用のディスクホイールはPROのTeXtream Carbon Discと判別が付きづらいものの、外周部に窪みが付いている(PROは窪みが無いフラット形状)ためこちらも完全な新製品だと思われる。
デュムランのTCRにはステム一体式ハンドルが取り付けられていたが、既にラインアップされている「CONTACT SLR AERO INTEGRATED DROP」とはステムの薄さやコンピュータの取り付けマウントの有無が異なるプロトタイプと思われるもの。今回マイケル・マシューズ(オーストラリア)のバイクに取り付けられていたOver Drive2(ジャイアント独自のヘッド規格)に対応した角度のついたカーボンステムは従来から各選手によって使われてきたものだが、こちらも一般未発売だ。
デュムランのTCRに取り付けられていたステム一体式ハンドルも市販品には存在しない製品だ photo:Makoto.AYANO
マイケル・マシューズ(オーストラリア)はハンドル位置を下げるため、Over Drive2に対応した前下がりステムを使用した photo:Makoto.AYANO
マシューズのサドルはCONTACT SL NEUTRALと似通っているが、カーボンレール仕様であり、全体のフォルムが短いショートタイプ photo:Makoto.AYANO
ジャイアントのCONTACT SLR FORWARDをベースにパッド量を増やしたと思われる、デュムランの肉厚サドル photo:Makoto.AYANO
ボトルケージはコンポジット素材を採用したジャイアントのAIRWAY COMPOSITE。市販されているチームカラー品だ photo:Makoto.AYANO
パワーメーターはシマノ。ジャイアントがツール閉幕後に発表したPOWER PROは未確認 photo:Makoto.AYANO
ノーマルステージでのコンピューターはチームカラーのシグマ ROX 12.0 SPORT photo:Makoto.AYANO
パヴェステージで用意されたDEFYには1グレード下のROX GPS 11.0が取り付けられていた。紛失対策だろうか photo:Makoto.AYANO
また、サドルに関しても一般未発表の#overachieveロゴ製品が存在した。マシューズが使用したサドルは、後部形状や穴の空き方など一見新型DEFYと共に発表されたCONTACT SL NEUTRALと似通ったものだが、カーボンレールタイプかつ前の長さを切り詰めたショートサドル。更にデュムランはCONTACT SLR FORWARDをベースにパッド量を増やしたと思われる肉厚なノーロゴ品を使用していた。
また、タイヤはヴィットリアで、CORSAを基本にパヴェステージでは極太のCORSA CONTROLを、TTではCORSA SPEED(一部雨となった20ステージではCORSA)と各製品が使い分けられていた。コンピュータは市販品に存在しないチームカラーのシグマ ROX 12.0 SPORT(パヴェステージはROX GPS 11.0)。
text:So.Isobe
photo:Makoto.AYANO



サンウェブのメインバイクであり、トム・デュムラン(オランダ)がほぼ全てのステージで使用したのがオールラウンドモデルのTCR ADVANCED SL。フラットステージでは主にルーラーのニキアス・アルント(ドイツ)やエドワード・トゥーンス(ベルギー)がエアロロードのPROPEL ADVANCED SLを使用したほか、パヴェが登場した第9ステージでは振動吸収性能を重視したDEFY ADVANCED SLが用意された。なおツール終了と同時に新型DEFYが発表されたが、発表前だったためか選手たちは先代モデルを使用していた。
TCRはリムバージョンで、PROPELとDEFYはディスクブレーキ専用モデルであるため、サンウェブはリム/ディスク両タイプのバイクを混用したチームの一つということになる。
また、TTステージではTRINITY ADVANCED PRO TTを使用したデュムランが世界王者の貫禄を見せてステージ優勝を達成。この時使用したアルカンシエルカラーのTRINITYは、今ツールでサンウェブが使用した唯一の特別塗装モデルだ。



チームカラーを纏う各モデルだが、注目すべきはコンポーネント類。ハンドルやホイールなど#overachieveラベルが貼られた各種パーツ類はサンウェブとジャイアントが共同開発して生み出されたものだという。
ホイールは昨年まで使用したシマノからジャイアント製に切り替わっているが、先行してサンウェブ女子チームがテストしていた#overachieveロゴの製品が投入されたことが熱い。一見すると45mmほどのリムハイトを持つ軽量重視のカーボンチューブラーホイールで、55mmハイトのSLR0 AEROホイール(GIANTロゴ)とコースプロフィールによって使い分けられるか、または前後で混用されていた。パヴェステージでDEFYにセットされたディスクブレーキホイールも市販品には存在しない製品であり、PROPELには昨年同様デュラエースのC60ホイールがセットされるなど、各種ホイールが使い分けられていた模様。





TTで使用・準備されたホイールにも注目したい。カーボン柄からOxeon社製のTeXtreamカーボンを使用したと思われる4本バトンホイールは、PROがかつて発売していた4RAYSとも異なる新製品。デュムランのためにアルカンシエルカラーの特別品も用意されたが、レースでは全選手がPROの3バトンホイール「3-Spoke Wheel」を使用していたため実戦投入には至らなかった。リア用のディスクホイールはPROのTeXtream Carbon Discと判別が付きづらいものの、外周部に窪みが付いている(PROは窪みが無いフラット形状)ためこちらも完全な新製品だと思われる。
デュムランのTCRにはステム一体式ハンドルが取り付けられていたが、既にラインアップされている「CONTACT SLR AERO INTEGRATED DROP」とはステムの薄さやコンピュータの取り付けマウントの有無が異なるプロトタイプと思われるもの。今回マイケル・マシューズ(オーストラリア)のバイクに取り付けられていたOver Drive2(ジャイアント独自のヘッド規格)に対応した角度のついたカーボンステムは従来から各選手によって使われてきたものだが、こちらも一般未発売だ。








また、サドルに関しても一般未発表の#overachieveロゴ製品が存在した。マシューズが使用したサドルは、後部形状や穴の空き方など一見新型DEFYと共に発表されたCONTACT SL NEUTRALと似通ったものだが、カーボンレールタイプかつ前の長さを切り詰めたショートサドル。更にデュムランはCONTACT SLR FORWARDをベースにパッド量を増やしたと思われる肉厚なノーロゴ品を使用していた。
また、タイヤはヴィットリアで、CORSAを基本にパヴェステージでは極太のCORSA CONTROLを、TTではCORSA SPEED(一部雨となった20ステージではCORSA)と各製品が使い分けられていた。コンピュータは市販品に存在しないチームカラーのシグマ ROX 12.0 SPORT(パヴェステージはROX GPS 11.0)。
text:So.Isobe
photo:Makoto.AYANO
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