2018/08/03(金) - 18:32
今年も熱い戦いが繰り広げられたツール・ド・フランスを走った各チームのプロバイクたちを紹介。今年は1チームずつ、ロードバイクとTTバイクをセットにして紹介します。まずは総合ワン・スリーを飾ったチームスカイのピナレロバイクから。
ピナレロ DOGMA F10、F10 Xlight、K10-S、K10、BOLIDE TT
真っ黄色のDOGMA F10を駆りシャンゼリゼに凱旋したゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto.AYANO
ファウスト・ピナレロ氏の感謝のサインが入る photo:Makoto.AYANO
チェーンステイにはCOURIERとステッカーが貼られる photo:Makoto.AYANO
チームスカイのメインバイクは、これまでと同じくピナレロの最高峰モデルであるDOGMA F10シリーズ。フラットステージではトレカT1100Gを使用したノーマルF10を、山岳ステージではカーボンレイアップの見直しやプリプレグ含有量、そして成形方法の見直しによって60gの軽量化を図ったF10 Xlightを、そしてパヴェが登場した第9ステージではeDSS 2.0電子制御アクティブ・サスペンションを搭載するK10-S、そしてサスペンションを搭載しないK10(スペアバイク)を使用するなど、4種類あるDOGMAラインアップを全て乗り分けた。なおパンク時のホイール交換に際しての不安があるディスクブレーキモデルは今回選ばれていない。
通常のチームカラーに加え、当初5連覇を目指したクリストファー・フルーム(イギリス)はこれまでのグランツール制覇歴を示すイラストが入ったF10 Xlightが少なくとも2パターン用意されたほか、マイヨジョーヌを射止めたゲラント・トーマス(イギリス)には、最終日スタート前に真っ黄色のF10がファウスト・ピナレロ社長から手渡された。
ゲラント・トーマス(イギリス)のピナレロ DOGMA F10 Xlight photo:Makoto.AYANO
トーマスは市販品のTALON Aero Compact 1Kハンドルを使用する photo:Makoto.AYANO
イエローロゴは通常のチームカラーの上からデカールを貼り付けたもの photo:Makoto.AYANO
クリストファー・フルーム(イギリス)のピナレロ DOGMA F10 Xlight photo:Makoto.AYANO
少なくとも2種類のパターンが確認されたフルームの特別ペイント。ヘッド寄りのメッセージは「クリス!全力!」 photo:Makoto.AYANO
フルームのリクエストにより3Dプリンタで作られた、粉体チタン溶融結合により製作されたカスタムハンドル photo:Makoto.AYANO
フルームのグランツール6勝を表すイラスト。ハンドルに変速スイッチが取り付けられていることにも注目 photo:Makoto.AYANO
ドイツのフィッティング会社「gebioMized」とシンクロスがコラボレーションしたロゴが記された、フルームの特製サドル photo:Makoto.AYANO
フルームは継続してオーシンメリトック製チェーンリングを使用する。通常52/38T、ステージによっては54/42Tが取り付けられた photo:Makoto.AYANO
フルームのバイクには3Dプリンター製と思われるチェーン落ちガードが取り付けられる photo:Makoto.AYANO
ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド)のDOGMA F10 Xlight photo:Makoto.AYANO
主にフラットステージで使用されたDOGMA F10。こちらはフルームのバイク photo:Makoto.AYANO
なおトーマスが20ステージまで乗っていた黒字にイエローロゴのF10 Xlightは、通常カラーの上からデカールを貼り付けたもの。また、ポーランドナショナル王者のミカル・クウィアトコウスキーには白と赤のナショナルカラーに塗り分けられたバイクが用意されていた。
TTバイクはピナレロがチームスカイと共同開発したBOLIDE TTだ。こちらもツール直前の各国ナショナル選手権で勝利した選手4名には特別カラーのバイクが用意され、トーマスはユニオンジャック、ジャンニ・モスコンはトリコローレ、エガン・ベルナルは赤青黄のコロンビア国旗、ヨナタン・カストロビエホ(スペイン)は赤と黄色のスペイン国旗に倣ったBOLIDE TTを使用した。
シマノサポートチームだけあって、コンポーネントは当然R9150系デュラエースDi2を使うが、フルームは通常通りオーシンメトリック製楕円チェーンリング(52/38T)を3Dプリンター出力と思われるチェーン落ちガードと組み合わせて使用した。ホイールはロードステージではC40とC60を使い分け、TTではフロントにC60、リアにPROのロードディスクホイールTextreamという組み合わせだ。3バトンタイプの3Sはチームスカイにおいて使用されなかった。
パヴェステージのために用意されたDOGMA K10-S photo:Makoto.AYANO
FMBのPARIS ROUBAIXタイヤをセットアップした。タイヤ幅は27mm photo:Makoto.AYANO
上ハンドルを持ったままシフト操作できるよう、ステムクランプ両側にはサテライトスイッチを装備 photo:Makoto.AYANO
砂埃を防ぐため、Di2ジャンクション部分をビニールテープで養生するメカニック photo:Makoto.AYANO
サードバイクはサスペンション無しのDOGMA K10。旧世代のC50ホイールをセットしたバイクも存在した photo:Makoto.AYANO
また、先のジロ・デ・イタリア終盤戦において、フルームはスペシャライズドのS-Works Powerサドルを使用していることが目撃されたものの、今ツールではメーカー不詳のサドルに切り替わっていた。PowerやPROのStealthサドルとも似通っているが、チタンレール仕様のサドル裏側にはドイツのフィッティング会社「gebioMized」とスコット傘下のシンクロスがコラボレーションしたロゴが記されていた。
ハンドルとステムは今季からピナレロがプロデュースするMOSTに切り替わっているが、フルームのバイクにセットされたステム一体式ハンドルは、本人のリクエストによって粉体チタン溶融結合により製作されたカスタムハンドルだという。MOST公式サイトによれば、その名は「TALON AERO XLIGHT TI DI2」。
ステムの根元部分右側にはDi2のスイッチが露出するよう工夫されていることや、下ハンドルが広がったハの字形状など、市販品と異なるカスタムフィットならではの工夫が見て取れる。チタン製ではあるが非常に薄く製造できることで、カーボンに比べて剛性と軽量性が向上しているという。なお、トーマスのハンドルは市販品のTALON Aero Compact 1K。
イギリスTT王者であるゲラント・トーマスのBOLIDE TT photo:Makoto.AYANO
各選手の好みを反映させた、3Dプリンタによる粉体チタン溶融結合のカスタムハンドルは一台一台の形状が異なる photo:Makoto.AYANO
ヨナタン・カストロビエホが乗る、スペインカラーに塗られたBOLIDE TT photo:Makoto.AYANO
コンチネンタルのプロ供給専用品、COMPETITON PRO LTD(25mm) photo:Makoto.AYANO
ダイレクトマウントタイプのリアディレイラーハンガーを使用する photo:Makoto.AYANO
ナンバープレートはボルトではなく接着剤留め。軽量化のためだろうか photo:Makoto.AYANO
その他、タイヤはコンチネンタルのプロ供給専用品「COMPETITON PRO LTD(25mm)」。ナンバープレートは軽量化を狙ってかカーボン製台座とボルト留めではなく接着剤によって取り付けられていることもユニーク。リアディレイラーハンガーはここ最近の流行であるダイレクトマウントタイプが使用されていた。ボトルケージはわずか15gと超軽量を誇るエリートのLeggeroで、パヴェステージでは高い保持力を誇るCiussi Gelが用いられていた。
photo:Makoto.AYANO
text:So.Isobe
ピナレロ DOGMA F10、F10 Xlight、K10-S、K10、BOLIDE TT
![真っ黄色のDOGMA F10を駆りシャンゼリゼに凱旋したゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/07/30/ayano2018tdf21e-708.jpg)
![ファウスト・ピナレロ氏の感謝のサインが入る](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/07/31/ayano2018tdf21e-1966.jpg)
![チェーンステイにはCOURIERとステッカーが貼られる](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/07/31/ayano2018tdf21e-1963.jpg)
チームスカイのメインバイクは、これまでと同じくピナレロの最高峰モデルであるDOGMA F10シリーズ。フラットステージではトレカT1100Gを使用したノーマルF10を、山岳ステージではカーボンレイアップの見直しやプリプレグ含有量、そして成形方法の見直しによって60gの軽量化を図ったF10 Xlightを、そしてパヴェが登場した第9ステージではeDSS 2.0電子制御アクティブ・サスペンションを搭載するK10-S、そしてサスペンションを搭載しないK10(スペアバイク)を使用するなど、4種類あるDOGMAラインアップを全て乗り分けた。なおパンク時のホイール交換に際しての不安があるディスクブレーキモデルは今回選ばれていない。
通常のチームカラーに加え、当初5連覇を目指したクリストファー・フルーム(イギリス)はこれまでのグランツール制覇歴を示すイラストが入ったF10 Xlightが少なくとも2パターン用意されたほか、マイヨジョーヌを射止めたゲラント・トーマス(イギリス)には、最終日スタート前に真っ黄色のF10がファウスト・ピナレロ社長から手渡された。
![ゲラント・トーマス(イギリス)のピナレロ DOGMA F10 Xlight](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf2ndreposcarcassonne-202.jpg)
![トーマスは市販品のTALON Aero Compact 1Kハンドルを使用する](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf2ndreposcarcassonne-193.jpg)
![イエローロゴは通常のチームカラーの上からデカールを貼り付けたもの](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf2ndreposcarcassonne-170.jpg)
![クリストファー・フルーム(イギリス)のピナレロ DOGMA F10 Xlight](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf2ndreposcarcassonne-291.jpg)
![少なくとも2種類のパターンが確認されたフルームの特別ペイント。ヘッド寄りのメッセージは「クリス!全力!」](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf2ndreposcarcassonne-317.jpg)
![フルームのリクエストにより3Dプリンタで作られた、粉体チタン溶融結合により製作されたカスタムハンドル](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf2ndreposcarcassonne-396.jpg)
![フルームのグランツール6勝を表すイラスト。ハンドルに変速スイッチが取り付けられていることにも注目](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf2ndreposcarcassonne-284.jpg)
![ドイツのフィッティング会社「gebioMized」とシンクロスがコラボレーションしたロゴが記された、フルームの特製サドル](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf2ndreposcarcassonne-312.jpg)
![フルームは継続してオーシンメリトック製チェーンリングを使用する。通常52/38T、ステージによっては54/42Tが取り付けられた](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf8e-69-2.jpg)
![フルームのバイクには3Dプリンター製と思われるチェーン落ちガードが取り付けられる](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf2ndreposcarcassonne-351.jpg)
![ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド)のDOGMA F10 Xlight](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf5e-117.jpg)
![主にフラットステージで使用されたDOGMA F10。こちらはフルームのバイク](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf8e-15.jpg)
なおトーマスが20ステージまで乗っていた黒字にイエローロゴのF10 Xlightは、通常カラーの上からデカールを貼り付けたもの。また、ポーランドナショナル王者のミカル・クウィアトコウスキーには白と赤のナショナルカラーに塗り分けられたバイクが用意されていた。
TTバイクはピナレロがチームスカイと共同開発したBOLIDE TTだ。こちらもツール直前の各国ナショナル選手権で勝利した選手4名には特別カラーのバイクが用意され、トーマスはユニオンジャック、ジャンニ・モスコンはトリコローレ、エガン・ベルナルは赤青黄のコロンビア国旗、ヨナタン・カストロビエホ(スペイン)は赤と黄色のスペイン国旗に倣ったBOLIDE TTを使用した。
シマノサポートチームだけあって、コンポーネントは当然R9150系デュラエースDi2を使うが、フルームは通常通りオーシンメトリック製楕円チェーンリング(52/38T)を3Dプリンター出力と思われるチェーン落ちガードと組み合わせて使用した。ホイールはロードステージではC40とC60を使い分け、TTではフロントにC60、リアにPROのロードディスクホイールTextreamという組み合わせだ。3バトンタイプの3Sはチームスカイにおいて使用されなかった。
![パヴェステージのために用意されたDOGMA K10-S](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf9e-52.jpg)
![FMBのPARIS ROUBAIXタイヤをセットアップした。タイヤ幅は27mm](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf9e-64.jpg)
![上ハンドルを持ったままシフト操作できるよう、ステムクランプ両側にはサテライトスイッチを装備](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf9e-63.jpg)
![砂埃を防ぐため、Di2ジャンクション部分をビニールテープで養生するメカニック](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf9e-43.jpg)
![サードバイクはサスペンション無しのDOGMA K10。旧世代のC50ホイールをセットしたバイクも存在した](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf9e-70.jpg)
また、先のジロ・デ・イタリア終盤戦において、フルームはスペシャライズドのS-Works Powerサドルを使用していることが目撃されたものの、今ツールではメーカー不詳のサドルに切り替わっていた。PowerやPROのStealthサドルとも似通っているが、チタンレール仕様のサドル裏側にはドイツのフィッティング会社「gebioMized」とスコット傘下のシンクロスがコラボレーションしたロゴが記されていた。
ハンドルとステムは今季からピナレロがプロデュースするMOSTに切り替わっているが、フルームのバイクにセットされたステム一体式ハンドルは、本人のリクエストによって粉体チタン溶融結合により製作されたカスタムハンドルだという。MOST公式サイトによれば、その名は「TALON AERO XLIGHT TI DI2」。
ステムの根元部分右側にはDi2のスイッチが露出するよう工夫されていることや、下ハンドルが広がったハの字形状など、市販品と異なるカスタムフィットならではの工夫が見て取れる。チタン製ではあるが非常に薄く製造できることで、カーボンに比べて剛性と軽量性が向上しているという。なお、トーマスのハンドルは市販品のTALON Aero Compact 1K。
![イギリスTT王者であるゲラント・トーマスのBOLIDE TT](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf3e-381.jpg)
![各選手の好みを反映させた、3Dプリンタによる粉体チタン溶融結合のカスタムハンドルは一台一台の形状が異なる](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf3e-386.jpg)
![ヨナタン・カストロビエホが乗る、スペインカラーに塗られたBOLIDE TT](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf20e-48.jpg)
![コンチネンタルのプロ供給専用品、COMPETITON PRO LTD(25mm)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf2ndreposcarcassonne-179.jpg)
![ダイレクトマウントタイプのリアディレイラーハンガーを使用する](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf8e-71-2.jpg)
![ナンバープレートはボルトではなく接着剤留め。軽量化のためだろうか](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/08/03/ayano2018tdf8e-64-2.jpg)
その他、タイヤはコンチネンタルのプロ供給専用品「COMPETITON PRO LTD(25mm)」。ナンバープレートは軽量化を狙ってかカーボン製台座とボルト留めではなく接着剤によって取り付けられていることもユニーク。リアディレイラーハンガーはここ最近の流行であるダイレクトマウントタイプが使用されていた。ボトルケージはわずか15gと超軽量を誇るエリートのLeggeroで、パヴェステージでは高い保持力を誇るCiussi Gelが用いられていた。
photo:Makoto.AYANO
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