2010/02/20(土) - 08:06
第1回ツアー・オブ・オマーンの最終日は、18.6kmの個人タイムトライアル。起伏のあるコースで最速タイムを叩き出したエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)が優勝を飾った。総合優勝はボアッソンから17秒遅れのステージ2位に入ったファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)。
最終走者、リーダージャージのダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス) photo:A.S.O.第1回大会の最後を締めくくる個人タイムトライアルの舞台は、細かなアップダウンが続く18.6kmコース。各チームともTTバイクは持ち込まず、ノーマルバイクを使用して「時間との闘い」に挑んだ。
注目を集めたのは、変動の可能性が高い総合争いだ。前日の第5ステージを終えた時点で、総合成績30秒以内に32名がひしめいている状態。総合上位のスプリンターに対し、総合10位台につけるTTスペシャリストたちが攻勢をかけた。
18.6kmのコースを平均スピード43.9km/hで駆け抜け、25分58秒のトップタイムをマークしたのは、総合34位に沈んでいたボアッソン。10km地点の中間計測でも16分01秒のトップタイムを記録した現ノルウェーTTチャンピオンは、世界TTチャンピオンのカンチェラーラを17秒上回るタイムで優勝を飾った。
ノルウェーTTチャンピオンのエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)が25分58秒のトップタイムで優勝 photo:A.S.O.
アルカンシェルを着るファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)は17秒遅れのステージ2位 photo:A.S.O.
オーストラリアTTチャンピオンのキャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・トランジションズ)が45秒遅れのステージ3位 photo:A.S.O.
横風が吹いた第4ステージでライバルチームの攻撃に敗退し、リーダージャージを失うとともに総合争いから脱落したボアッソンが最終日に魅せた。昨年までクイックステップの選手で現在チームスカイの監督を務めるステフェン・デヨンフは「信じられないほど素晴らしい走りだった。スタート直後からハイペースで、アップダウン区間でもタイムを稼いだ。とにかくエクセレントだった」と、若き才能の走りに驚く。
スタートの時点で総合34位・1分01秒遅れだったボアッソンは一気に総合2位にジャンプアップ。これが第3ステージに次ぐ2勝目で、ポイント賞と新人賞でもトップに返り咲いた。昨年優勝を飾ったヘント〜ウェベルヘムを含め、春のクラシックシーズンにおいてボアッソンは注目の存在だ。
ノルウェーTTチャンピオンのエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)が最終個人TT制覇 photo:A.S.O.
オマーン初代総合優勝者に輝いたファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク) photo:A.S.O.
最終日にポイント賞トップに輝いたエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) photo:A.S.O.
総合リーダージャージを着て走ったダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス)はステージ10位。ベンナーティに代わって、ステージ2位のカンチェラーラが総合優勝に輝いた。世界TTチャンピオンが、最後の最後でオマーン総合優勝の座を射止めた。
総合2位ボアッソン(チームスカイ)、総合優勝カンチェラーラ(サクソバンク)、総合3位マイヤー(ガーミン) photo:A.S.O.「オリンピックと世界選手権の優勝者として、プレッシャーを感じながら走った。体調不良の影響で、1月に充分なトレーニング時間を作れなかったので、今日のタイムトライアルはかなり苦しかった。調子はピークからほど遠いものだったんだ。この総合優勝は、カタールとオマーンで過ごした2週間の総決算。チーム一丸となって走った結果だと思う」。カンチェラーラはその輝かしいキャリアにまた一つ勝ち星を加えた。
45秒遅れのステージ3位は、オーストラリアTTチャンピオンのキャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・トランジションズ)。イタリアTTチャンピオンのマルコ・ピノッティ(イタリア、チームHTC・コロンビア)が4位に入っている。両者は総合3位と総合4位でレースを終えた。
レース展開はレース公式サイト、コメントはチームスカイ公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2010第6ステージ結果
1位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) 25'58"
2位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク) +17"
3位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・トランジションズ) +45"
4位 マルコ・ピノッティ(イタリア、チームHTC・コロンビア) +48"
5位 アルテム・オヴェチキン(ロシア、カチューシャ) +1'01"
6位 ニキ・テルプストラ(オランダ、チームミルラム) +1'11"
7位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +1'19"
8位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム)
9位 ジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ) +1'20"
10位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス)
個人総合成績
1位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク) 16h02'52"
2位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) +28"
3位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・トランジションズ)
4位 マルコ・ピノッティ(イタリア、チームHTC・コロンビア) +31"
5位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス) +47"
6位 ニキ・テルプストラ(オランダ、チームミルラム) +54"
7位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム) +1'02"
8位 マーティン・ベリトス(スロバキア、チームHTC・コロンビア) +1'07"
9位 ユルゲン・ファンデワール(ベルギー、クイックステップ) +1'12"
10位 ダニエル・オス(イタリア、リクイガス) +1'13"
ポイント賞
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
新人賞
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
チーム総合成績
チームHTC・コロンビア
text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.
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注目を集めたのは、変動の可能性が高い総合争いだ。前日の第5ステージを終えた時点で、総合成績30秒以内に32名がひしめいている状態。総合上位のスプリンターに対し、総合10位台につけるTTスペシャリストたちが攻勢をかけた。
18.6kmのコースを平均スピード43.9km/hで駆け抜け、25分58秒のトップタイムをマークしたのは、総合34位に沈んでいたボアッソン。10km地点の中間計測でも16分01秒のトップタイムを記録した現ノルウェーTTチャンピオンは、世界TTチャンピオンのカンチェラーラを17秒上回るタイムで優勝を飾った。
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横風が吹いた第4ステージでライバルチームの攻撃に敗退し、リーダージャージを失うとともに総合争いから脱落したボアッソンが最終日に魅せた。昨年までクイックステップの選手で現在チームスカイの監督を務めるステフェン・デヨンフは「信じられないほど素晴らしい走りだった。スタート直後からハイペースで、アップダウン区間でもタイムを稼いだ。とにかくエクセレントだった」と、若き才能の走りに驚く。
スタートの時点で総合34位・1分01秒遅れだったボアッソンは一気に総合2位にジャンプアップ。これが第3ステージに次ぐ2勝目で、ポイント賞と新人賞でもトップに返り咲いた。昨年優勝を飾ったヘント〜ウェベルヘムを含め、春のクラシックシーズンにおいてボアッソンは注目の存在だ。
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総合リーダージャージを着て走ったダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス)はステージ10位。ベンナーティに代わって、ステージ2位のカンチェラーラが総合優勝に輝いた。世界TTチャンピオンが、最後の最後でオマーン総合優勝の座を射止めた。
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45秒遅れのステージ3位は、オーストラリアTTチャンピオンのキャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・トランジションズ)。イタリアTTチャンピオンのマルコ・ピノッティ(イタリア、チームHTC・コロンビア)が4位に入っている。両者は総合3位と総合4位でレースを終えた。
レース展開はレース公式サイト、コメントはチームスカイ公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2010第6ステージ結果
1位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) 25'58"
2位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク) +17"
3位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・トランジションズ) +45"
4位 マルコ・ピノッティ(イタリア、チームHTC・コロンビア) +48"
5位 アルテム・オヴェチキン(ロシア、カチューシャ) +1'01"
6位 ニキ・テルプストラ(オランダ、チームミルラム) +1'11"
7位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +1'19"
8位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム)
9位 ジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ) +1'20"
10位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス)
個人総合成績
1位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク) 16h02'52"
2位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) +28"
3位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・トランジションズ)
4位 マルコ・ピノッティ(イタリア、チームHTC・コロンビア) +31"
5位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス) +47"
6位 ニキ・テルプストラ(オランダ、チームミルラム) +54"
7位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム) +1'02"
8位 マーティン・ベリトス(スロバキア、チームHTC・コロンビア) +1'07"
9位 ユルゲン・ファンデワール(ベルギー、クイックステップ) +1'12"
10位 ダニエル・オス(イタリア、リクイガス) +1'13"
ポイント賞
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
新人賞
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
チーム総合成績
チームHTC・コロンビア
text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.
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