2018/05/28(月) - 18:56
8日間764kmを走ったツアー・オブ・ジャパンは、今年も日本人選手の活躍が目立った。京都ステージ優勝の雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)、個人総合9位の中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)、山岳賞を獲得した鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)、山岳賞争いをした大学生草場啓吾(日本ナショナルチーム)に話を聞いた。
京都ステージ優勝 雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)「今後のキャリアの中で重要な優勝になったと思う」
「京都ステージで勝てるとは思っていませんでした。飯田(南信州ステージ)とか伊豆の方が得意なので、勝つならそっちだと思っていました。実際勝った時は本当に驚きましたが、その後があまり良いところがなかったので、勝ててホッとしています。
僕としてはUCIレースで何としても勝ちたかったというのがあったので、今後のキャリアの中で重要な優勝になったのではないかと思っています。でも一番目標にしていた上位進出が出来なかったこと、チームとしては山岳賞は取れたけれど3人になってしまったので、今は残念という気持ちの方が大きいです。
課題は、総合優勝争いに絡むには力が足りないと感じました。バーレーン・メリダやイスラエル(サイクリングアカデミー)、NIPPO(ヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)、に比べたら力が欠けていると感じているので、何としても埋めていかないと海外で走れないなと痛感しました。
昨年のジャパンカップ3位で今年はチームが強いところを見せられているので、イヤでも期待されているのを感じます。それはありがたいことだし、期待に応えていかなければならないと思っています。別府さんや新城さんに続く選手が出てきてほしいという話もよく聞きますが、僕らの世代がどんどん出ていかなければと思っているので、その筆頭として僕が出ていかなかればいけないと感じています。
手応えですか?・・・うーん、やっぱりヨーロッパで走ってみないとわからないですね。国内である程度成績を残していても、ヨーロッパは違うよな、とか、もっとレベル高いしな、と思っているので、手応えはわからないというのが正直なところです。
落車の影響でちょっと膝の状態がよろしくないのですが、ツール・ド・熊野は重要なレースですし、今年の世界選手権の出場枠を取れるようにしたい。全日本は僕よりも他のメンバーの方が得意だとは思うのですが、チャレンジはして行きたいです」
個人総合9位 中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)
「来年TOJに戻ってきたら、さらに良い結果を出せるようにしたい」
「怪我なくゴールできてホッとしています。総合もトップ10以内に入れたので、自分にとって大きな収穫だったと思います。チームとしてはカノラ選手を助けつつUCIポイントを取るように言われていたのでそれを意識して走りました。
後半は富士山で自分が前でゴールできたので、総合順位を守りつつ可能なら上位を狙い、あとはカノラのステージ優勝を目標にしていました。ダミアーノ(・クネゴ)が体調を崩していたので、本来なら彼をサポートしていく予定だったのですが、コンディションが優れなかったのでアシストに回ってくれました。
伊豆ステージではチャンスがあればとは思っていましたが、自分の力であの展開を打開できるだけのものを持ってないので、そこは今後の課題だと思っています。各ステージでトップ10に入って勝負に絡めるようになっているので、どこかでステージ優勝ができるようになったと感じました。
僕自身もこの1週間で確実に力がついたなというのを実感しました。僕よりも強いチームメイトに守られたら良い結果が出て当然ですが、本当にみんなに助けられた結果だと思います。もし来年ツアー・オブ・ジャパンに戻って来られたら、さらに良い結果を出せるように頑張りたいと思います」
山岳賞 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)「トラブルがあった中で何か出来ることを示せた」
「最初は山岳賞を取るという予定はなかったのですが、飯田(南信州ステージ)で動けるメンバーが少ない中で自分と雨澤で立ち回って、自分が逃げに乗ったとことから山岳賞が見えてきました。後半は目標を絞らざるを得ない状況だったので、その中でうまく山岳賞を取れたのは個人的には良かったし、チームもトラブルがあった中で何かできることを示せたと思うので、今後のレースに繋がると思います。
シーズン序盤からチームは好調を維持してきましたが、トラブルが続いてしまったのでここで一度立て直したいですね。
(東京ステージの)スタート前に昨年山岳賞の初山選手と引き継いだよという話をしました。山岳賞を日本人が取れたというのは大事なことなんですけれど、もっと上を目指して若い選手には総合争いに加われるようになって欲しいです。特に中根選手はすごく良い位置で走っていたので、そういう選手を排出していかなければいけないなと思います。
このレースで優勝出来れば世界への扉は開くと思います。雨澤選手は国内生え抜きで今回ステージ優勝しました。国内チームとしてしっかり地力をつけて、さらに上へのステップとしてツアー・オブ・ジャパンがあって、ここから世界に羽ばたく選手が出れば、海外に行かなくてもこういうステップがあるというところを示せるようになれば良いですね」
山岳賞争いを演じた草場啓吾(日本ナショナルチーム)「美濃で山岳賞ジャージを取り返せたことは自信になった」
「伊豆ステージは修善寺駅からスタートした後の最初の登りが一番長くて、そこで10人くらいの逃げが決まった時に譲さんと小石さんが乗っていて、自分は足がなくて乗れませんでした。周回に入ってからも譲さんの勢いがあって、気付いた時には6人の逃げが決まっていたので何もできませんでした。その後はどれだけ周回をこなせるか耐えるレースになりましたが、残り2周まで耐えたので、昨年よりも進歩できたかなと感じています。
ツール・ド・北海道では学生同士で山岳賞争いをしましたが、ツアー・オブ・ジャパンではプロを相手に毎日山岳賞争いをして、美濃でジャージを取り返せたことは自信にもなりました。これまで(日本ナショナルチーム監督の)浅田さんから評価してもらったことはあまり無かったのですが、今回は評価してもらって自信になりました。でもそのおかげで誰よりも疲労が溜まっていたという自信もあります(笑)。
東京ステージが終わったら翌日から教育実習です。その週末(6月2日、3日)がタイムトライアルの大学選手権。その後のことは山岳賞争いで頭いっぱいだったので、まずは教育実習ですね。監督と教員免許を取ると約束したので、漏らすわけにはいきません」
text:Satoru Kato
京都ステージ優勝 雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)「今後のキャリアの中で重要な優勝になったと思う」
「京都ステージで勝てるとは思っていませんでした。飯田(南信州ステージ)とか伊豆の方が得意なので、勝つならそっちだと思っていました。実際勝った時は本当に驚きましたが、その後があまり良いところがなかったので、勝ててホッとしています。
僕としてはUCIレースで何としても勝ちたかったというのがあったので、今後のキャリアの中で重要な優勝になったのではないかと思っています。でも一番目標にしていた上位進出が出来なかったこと、チームとしては山岳賞は取れたけれど3人になってしまったので、今は残念という気持ちの方が大きいです。
課題は、総合優勝争いに絡むには力が足りないと感じました。バーレーン・メリダやイスラエル(サイクリングアカデミー)、NIPPO(ヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)、に比べたら力が欠けていると感じているので、何としても埋めていかないと海外で走れないなと痛感しました。
昨年のジャパンカップ3位で今年はチームが強いところを見せられているので、イヤでも期待されているのを感じます。それはありがたいことだし、期待に応えていかなければならないと思っています。別府さんや新城さんに続く選手が出てきてほしいという話もよく聞きますが、僕らの世代がどんどん出ていかなければと思っているので、その筆頭として僕が出ていかなかればいけないと感じています。
手応えですか?・・・うーん、やっぱりヨーロッパで走ってみないとわからないですね。国内である程度成績を残していても、ヨーロッパは違うよな、とか、もっとレベル高いしな、と思っているので、手応えはわからないというのが正直なところです。
落車の影響でちょっと膝の状態がよろしくないのですが、ツール・ド・熊野は重要なレースですし、今年の世界選手権の出場枠を取れるようにしたい。全日本は僕よりも他のメンバーの方が得意だとは思うのですが、チャレンジはして行きたいです」
個人総合9位 中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)
「来年TOJに戻ってきたら、さらに良い結果を出せるようにしたい」
「怪我なくゴールできてホッとしています。総合もトップ10以内に入れたので、自分にとって大きな収穫だったと思います。チームとしてはカノラ選手を助けつつUCIポイントを取るように言われていたのでそれを意識して走りました。
後半は富士山で自分が前でゴールできたので、総合順位を守りつつ可能なら上位を狙い、あとはカノラのステージ優勝を目標にしていました。ダミアーノ(・クネゴ)が体調を崩していたので、本来なら彼をサポートしていく予定だったのですが、コンディションが優れなかったのでアシストに回ってくれました。
伊豆ステージではチャンスがあればとは思っていましたが、自分の力であの展開を打開できるだけのものを持ってないので、そこは今後の課題だと思っています。各ステージでトップ10に入って勝負に絡めるようになっているので、どこかでステージ優勝ができるようになったと感じました。
僕自身もこの1週間で確実に力がついたなというのを実感しました。僕よりも強いチームメイトに守られたら良い結果が出て当然ですが、本当にみんなに助けられた結果だと思います。もし来年ツアー・オブ・ジャパンに戻って来られたら、さらに良い結果を出せるように頑張りたいと思います」
山岳賞 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)「トラブルがあった中で何か出来ることを示せた」
「最初は山岳賞を取るという予定はなかったのですが、飯田(南信州ステージ)で動けるメンバーが少ない中で自分と雨澤で立ち回って、自分が逃げに乗ったとことから山岳賞が見えてきました。後半は目標を絞らざるを得ない状況だったので、その中でうまく山岳賞を取れたのは個人的には良かったし、チームもトラブルがあった中で何かできることを示せたと思うので、今後のレースに繋がると思います。
シーズン序盤からチームは好調を維持してきましたが、トラブルが続いてしまったのでここで一度立て直したいですね。
(東京ステージの)スタート前に昨年山岳賞の初山選手と引き継いだよという話をしました。山岳賞を日本人が取れたというのは大事なことなんですけれど、もっと上を目指して若い選手には総合争いに加われるようになって欲しいです。特に中根選手はすごく良い位置で走っていたので、そういう選手を排出していかなければいけないなと思います。
このレースで優勝出来れば世界への扉は開くと思います。雨澤選手は国内生え抜きで今回ステージ優勝しました。国内チームとしてしっかり地力をつけて、さらに上へのステップとしてツアー・オブ・ジャパンがあって、ここから世界に羽ばたく選手が出れば、海外に行かなくてもこういうステップがあるというところを示せるようになれば良いですね」
山岳賞争いを演じた草場啓吾(日本ナショナルチーム)「美濃で山岳賞ジャージを取り返せたことは自信になった」
「伊豆ステージは修善寺駅からスタートした後の最初の登りが一番長くて、そこで10人くらいの逃げが決まった時に譲さんと小石さんが乗っていて、自分は足がなくて乗れませんでした。周回に入ってからも譲さんの勢いがあって、気付いた時には6人の逃げが決まっていたので何もできませんでした。その後はどれだけ周回をこなせるか耐えるレースになりましたが、残り2周まで耐えたので、昨年よりも進歩できたかなと感じています。
ツール・ド・北海道では学生同士で山岳賞争いをしましたが、ツアー・オブ・ジャパンではプロを相手に毎日山岳賞争いをして、美濃でジャージを取り返せたことは自信にもなりました。これまで(日本ナショナルチーム監督の)浅田さんから評価してもらったことはあまり無かったのですが、今回は評価してもらって自信になりました。でもそのおかげで誰よりも疲労が溜まっていたという自信もあります(笑)。
東京ステージが終わったら翌日から教育実習です。その週末(6月2日、3日)がタイムトライアルの大学選手権。その後のことは山岳賞争いで頭いっぱいだったので、まずは教育実習ですね。監督と教員免許を取ると約束したので、漏らすわけにはいきません」
text:Satoru Kato
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