バイクを選ぶとき、何を基準に選べば良いのだろう。ピナレロの場合、どのモデルにも共通する高い走行性能を持たせてあるというのが、他のブランドと大いに異なる点だ。設計思想と各モデルの特徴を、ファウスト・ピナレロが自ら解説する。

ファウスト・ピナレロ氏ファウスト・ピナレロ氏

すべて"グランフォンド"品質。
全モデルにピナレロの極上が生きる


ロードバイクの性能を語るとき、多くのメーカーはリリースする複数のラインナップの中で、個々の違いを「レース向け」や「ロングライド向け」などと表現することが多い。
しかし"ドグマ60.1"や"プリンス"のように、実際にツール・ド・フランスで使用されているモデルから、"FP2""FP1"のように比較的手ごろな価格のものまで、全8モデルのロードバイクをラインナップしているピナレロでは、強くそのような区分をすることがない。それは何故か――自身もホビーレースからグランフォンドまで出場するファウスト・ピナレロ社長に聞いた。

新生プロツアーチームのチームスカイ(イギリス)はピナレロ・ドグマ60.1を駆る新生プロツアーチームのチームスカイ(イギリス)はピナレロ・ドグマ60.1を駆る photo:Kei Tsujiファウスト: ピナレロバイクを、もしそのような「レース向け」や「ロングライド向け」と区分するとしたら……すべてが「レース向け」で、すべてが「ロングライド向け」と言えるでしょう。

もちろん"ドグマ60.1"や"プリンス"には、いま手にできる最高の素材と技術が投入され、世界最高峰の闘いで勝利を獲得できる素晴らしさにあふれています。しかし、これらのモデルもレースに使って最上なことはもちろんですが、ロングライドに使っても素晴らしいものなのです。

ツール・ド・フランスで走っているピナレロバイクを見てください。平坦の長距離コースでも、短距離の山岳コースでも、さらにスプリントコースでも、すべて同じバイクが使用されています(TTレース除く)。スプリンターも山岳スペシャリストも、すべての選手が満足し、勝利をつかむことができるバイク――ピナレロは「何かを捨てて何かを活かす」のではなく、「その一台で、すべて最上のものを生み出す」ことを追求しているのです。

この考えは、FP1、FP2、FP3にも共通します。もし「このモデルは低価格だから、○○の性能は犠牲にして、ロングライド(またはレース)だけに使いやすいものにしています」と言われて、そのバイクに乗る気になりますか? これらのモデルは上位モデルと比べて低い弾性率の素材を採用し、入手しやすい価格を実現していますが、「低価格だからレース(またはロングライド)には使いにくい」ということはありません。さらに言えば、FP1やFP2、FP3などのモデルもすべてレースを走る性能を持ち合わせているのです。

ドグマを駆り、グランフォンド八ヶ岳を走るファウスト・ピナレロ氏ドグマを駆り、グランフォンド八ヶ岳を走るファウスト・ピナレロ氏 クルマに例えるとわかりやすい各モデルの性格

あえて区分するとすれば、ピナレロバイクはすべて「グランフォンドモデル」ということになるでしょうか。イタリア発祥のロングライドイベントであるグランフォンドでは、先頭は本格的なロードレースが展開され、後方では完走ペースで走っている人もいます。そのすべての人にとって最上なモデルという意味で、「グランフォンドモデル」なのです。

しかし「細かな乗り味」……というより、「味付け」とでも言えばいいでしょうか、各モデル間でライダーが感じるフィーリングは少しずつ異なっているかもしれません。例えばFP1、FP5、FP7は、パワー伝達性をダイレクトに感じられる味付けです。これをクルマで例えればF1(フォーミュラワン)です。

それに対してFP2、FP3、FP6は、振動吸収性とのバランスのよさを感じやすい味付け。こちらは、レースにも出場できる性能を持ち合わせた高級モデルという意味で、GT(グランツーリスモ)と考えればわかりやすいかもしれません。

さらに、価格的な上位モデルと入門用モデルの違いは、より上位モデルのほうが重量的に軽くなり、剛性と振動吸収性のバランスが高次元で取れ、最上な走りを手にできるレンジ(対応する脚力や走行シーンの幅)が広くなります。

しかし入門モデルであっても、その本質は変わりません。ピナレロは、プロ選手からホビーサイクリストまで、すべてのライダーに最上の一台を提供し続けます。


ファウストの話に登場した PINARELLOバイク ラインナップ
※各モデルの画像をクリックするとピナレロオフィシャルサイトの各バイク詳細ページにジャンプします(外部リンク)。

ドグマ60.1ドグマ60.1 プリンス Carbonプリンス Carbon
FP7 CarbonFP7 Carbon FP6 CarbonFP6 Carbon
FP5 CarbonFP5 Carbon FP3 CarbonFP3 Carbon
FP2 CarbonFP2 Carbon FP1FP1




提供:ピナレロジャパン
文:Tomo.Hoshino

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