2018/05/18(金) - 14:15
有力勢のパンクや落車が相次いだ末の集団スプリントで、カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)を打倒したフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)が圧勝。大会2勝目を飾った。
カリフォルニア州を北上しているツアー・オブ・カリフォルニア(UCIワールドツアー)は大会5日目。農業や酪農が盛んなストックトンからS字を描いてエルクグローブを目指す176.5kmは、前半の3級山岳(登坂距離700m/平均勾配7.9%)を除いてほぼ真っ平らの完全スプリンター向けコース。個人TTと難関山岳に挟まれたこの日は、スプリントステージの定石通りの展開で進行した。
序盤のエスケープに加わったのは、山岳ポイントランキング5位につけるホロウェスコ・シタデルのルーベン・コンパニオーニ(キューバ)と、チームメイトのファビアン・ラインハルド(スイス)、マイケル・ライス(アメリカ、ハーゲンスベルマン・アクセオン)、タナー・プット(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)、そしてスティーン・ヴァンデンベルフ(ベルギー、アージェードゥーゼル)。ヴァンデンベルフは今大会ワールドチーム所属選手として初めて逃げに乗った。
メイン集団ではBMCレーシングやスプリンターチームが主導権を握ってコントロール。唯一設定された山岳では狙い通りコンパニオーニが先頭通過し、この日終了時点で山岳ランキングをエガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)と同ポイントの2位に上げることに成功している。
残り15kmを切るとチームスカイが横風区間でペースアップを試みたが、隊列を引き延ばしただけで分裂には繋がらない。しかし緊張感の高まる集団内では、他選手との接触によってリアホイールを壊したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)がストップ。更に残り10km付近でカレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)が、残り7kmを切ってマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)が相次いでパンクで遅れてしまう。カヴェンディッシュとユアンはチームメイトの助けを受けて復帰したが、キッテルはペースを上げ続ける集団に追いつくことはなかった。
逃げを飲み込み、広大なアメリカらしい直線路で各チーム入り乱れてポジションを争う中、残り4.5kmというタイミングで落車が発生した。サンウェブはスプリンターのマキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ)を含む6名が地面に投げ出され、ポジションを上げていたカヴェンディッシュも落車寸前でストップ。第1ステージの集団スプリントでカビリアに食って掛かったジャスパー・フィリプセン(ベルギー、ハーゲンスベルマン・アクセオン)は深い擦過傷を負い、今ステージ唯一のDNFとなってしまう。
これによってキッテル、ヴァルシャイド、フィリプセンというスプリンター3名が不在となり、集団に戻ったカヴェンディッシュも前方復帰には間に合わない。集団最前線ではイーリョ・ケイセ(ベルギー)、アルバロ・ホッジ(コロンビア)、マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)というクイックステップフロアーズの最強スプリントトレインが発進した。
ユアンが復帰する際にアシストを使ってしまったミッチェルトン・スコットは及ばず、リケーゼが最高の形でガビリアを発射。後方を確認してから加速したコロンビアンスプリンターが、伸び悩む世界王者ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)や追い上げるユアンを抑えて大会2勝目。ゴール手前でガッツポーズを繰り出す余裕の勝利だった。
「ラスト20kmは特にカオスだっった。逃げをすぐ前方に捉えた時と残り4〜5kmの時に落車が起きたけれど、チームに位置取りしてもらった自分はトラブルとは無縁だった」と語るガビリア。「最終盤は経験豊富でどうやったら僕を完璧にリードアウトできるかを知り尽くしたマックス(リケーゼ)の後ろをキープしただけ。初参加のカリフォルニアでステージ2勝できたなんてファンタスティックだ。レースやファンの応援を楽しめているし、アメリカを発つ前にもう一度結果を狙っていきたい」と余裕を感じさせるコメントを残している。
ポイント賞ジャージはエガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)からユアンの手に渡った。「勝てなかったのでフラストレーションが溜まっているけれど、あの状況でもチームのおかげで冷静だった。すぐ助けに来てくれたのでパニックにならずに済んだんだ。彼らに感謝したい」と”ポケットロケット”はチームに感謝している。
総合成績は23秒遅れた総合4位タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームスカイ)が1つポジションを落とした以外に変動はなし。平穏な1日を過ごしたティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)はベルナルから23秒差で獲得標高4876mの最終山岳決戦に挑む。
また、この日から3日間で争われる女子レース(UCIワールドツアー、正式名称アムジェン・ブレーカウェイフロムハートディズィーズ・ウィメンズレース・エンパワードバイスラム)も開幕。チームイルミネイトの一員として樫木祥子も参戦中だ。
完全フラットコース上で集団スプリントに持ち込まれ、アメリカチームのライアン・ケンダル(アメリカ、ティブコSVB)が勝利。樫木は集団内でフィニッシュしている。
カリフォルニア州を北上しているツアー・オブ・カリフォルニア(UCIワールドツアー)は大会5日目。農業や酪農が盛んなストックトンからS字を描いてエルクグローブを目指す176.5kmは、前半の3級山岳(登坂距離700m/平均勾配7.9%)を除いてほぼ真っ平らの完全スプリンター向けコース。個人TTと難関山岳に挟まれたこの日は、スプリントステージの定石通りの展開で進行した。
序盤のエスケープに加わったのは、山岳ポイントランキング5位につけるホロウェスコ・シタデルのルーベン・コンパニオーニ(キューバ)と、チームメイトのファビアン・ラインハルド(スイス)、マイケル・ライス(アメリカ、ハーゲンスベルマン・アクセオン)、タナー・プット(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)、そしてスティーン・ヴァンデンベルフ(ベルギー、アージェードゥーゼル)。ヴァンデンベルフは今大会ワールドチーム所属選手として初めて逃げに乗った。
メイン集団ではBMCレーシングやスプリンターチームが主導権を握ってコントロール。唯一設定された山岳では狙い通りコンパニオーニが先頭通過し、この日終了時点で山岳ランキングをエガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)と同ポイントの2位に上げることに成功している。
残り15kmを切るとチームスカイが横風区間でペースアップを試みたが、隊列を引き延ばしただけで分裂には繋がらない。しかし緊張感の高まる集団内では、他選手との接触によってリアホイールを壊したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)がストップ。更に残り10km付近でカレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)が、残り7kmを切ってマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)が相次いでパンクで遅れてしまう。カヴェンディッシュとユアンはチームメイトの助けを受けて復帰したが、キッテルはペースを上げ続ける集団に追いつくことはなかった。
逃げを飲み込み、広大なアメリカらしい直線路で各チーム入り乱れてポジションを争う中、残り4.5kmというタイミングで落車が発生した。サンウェブはスプリンターのマキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ)を含む6名が地面に投げ出され、ポジションを上げていたカヴェンディッシュも落車寸前でストップ。第1ステージの集団スプリントでカビリアに食って掛かったジャスパー・フィリプセン(ベルギー、ハーゲンスベルマン・アクセオン)は深い擦過傷を負い、今ステージ唯一のDNFとなってしまう。
これによってキッテル、ヴァルシャイド、フィリプセンというスプリンター3名が不在となり、集団に戻ったカヴェンディッシュも前方復帰には間に合わない。集団最前線ではイーリョ・ケイセ(ベルギー)、アルバロ・ホッジ(コロンビア)、マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)というクイックステップフロアーズの最強スプリントトレインが発進した。
ユアンが復帰する際にアシストを使ってしまったミッチェルトン・スコットは及ばず、リケーゼが最高の形でガビリアを発射。後方を確認してから加速したコロンビアンスプリンターが、伸び悩む世界王者ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)や追い上げるユアンを抑えて大会2勝目。ゴール手前でガッツポーズを繰り出す余裕の勝利だった。
「ラスト20kmは特にカオスだっった。逃げをすぐ前方に捉えた時と残り4〜5kmの時に落車が起きたけれど、チームに位置取りしてもらった自分はトラブルとは無縁だった」と語るガビリア。「最終盤は経験豊富でどうやったら僕を完璧にリードアウトできるかを知り尽くしたマックス(リケーゼ)の後ろをキープしただけ。初参加のカリフォルニアでステージ2勝できたなんてファンタスティックだ。レースやファンの応援を楽しめているし、アメリカを発つ前にもう一度結果を狙っていきたい」と余裕を感じさせるコメントを残している。
ポイント賞ジャージはエガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)からユアンの手に渡った。「勝てなかったのでフラストレーションが溜まっているけれど、あの状況でもチームのおかげで冷静だった。すぐ助けに来てくれたのでパニックにならずに済んだんだ。彼らに感謝したい」と”ポケットロケット”はチームに感謝している。
総合成績は23秒遅れた総合4位タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームスカイ)が1つポジションを落とした以外に変動はなし。平穏な1日を過ごしたティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)はベルナルから23秒差で獲得標高4876mの最終山岳決戦に挑む。
また、この日から3日間で争われる女子レース(UCIワールドツアー、正式名称アムジェン・ブレーカウェイフロムハートディズィーズ・ウィメンズレース・エンパワードバイスラム)も開幕。チームイルミネイトの一員として樫木祥子も参戦中だ。
完全フラットコース上で集団スプリントに持ち込まれ、アメリカチームのライアン・ケンダル(アメリカ、ティブコSVB)が勝利。樫木は集団内でフィニッシュしている。
ステージ結果
1位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | 4h04’34” |
2位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | |
3位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | リック・ツァベル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) | |
5位 | ジョン・マーフィー(アメリカ、ホロウェスコ・シタデル) | |
6位 | シーン・ベネット(アメリカ、ハーゲンスベルマン・アクセオン) | |
7位 | セバスティアン・アエド(アルゼンチン、ユナイテッドヘルスケア) | |
8位 | イヴォ・オリヴェイラ(ポルトガル、ハーゲンスベルマン・アクセオン) | |
9位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | |
10位 | トラヴィス・マケイブ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア) |
個人総合成績
1位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) | 16h55’29” |
2位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | +23” |
3位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | +37” |
4位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | +1’07” |
5位 | タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームスカイ) | +1’15” |
6位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | +1’29” |
7位 | ブランドン・マクマルティ(アメリカ、ラリーサイクリング) | +2’08” |
8位 | ローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ) | +2’13” |
9位 | クリスティアン・デュラセク(クロアチア、UAEチームエミレーツ) | +2’15” |
10位 | ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング) | +2’34” |
ポイント賞
1位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 33pts |
2位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | 30pts |
3位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 25pts |
山岳賞
1位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 15pts |
2位 | ルーベン・コンパニオーニ(キューバ、ホロウェスコ・シタデル) | 15pts |
3位 | トームス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード) | 13pts |
ヤングライダー賞
1位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 16h55’52” |
2位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | +14” |
3位 | タオ・ゲガンハート(イギリス、チームスカイ) | +52” |
チーム総合成績
1位 | BMCレーシング | 50h52’30” |
2位 | チームスカイ | +2’00” |
3位 | トレック・セガフレード | +5’15” |
女子レース第1ステージ結果
1位 | ライアン・ケンダル(アメリカ、ティブコSVB) | 3h07’08” |
2位 | エマ・ホワイト(アメリカ、ラリーサイクリング) | |
3位 | アネット・エドモンソン(オーストラリア、ウイグル・ハイファイブ) | |
4位 | アレクシス・ライアン(アメリカ、キャニオン・スラム) | |
5位 | コリン・リヴェラ(アメリカ、サンウェブ) | |
6位 | ジェニファー・ヴァレンテ(アメリカ、ショーエアー2020) | |
7位 | ヴィットリア・スペロット(イタリア、ビーピンク) | |
8位 | リリィ・ウィリアムズ(アメリカ、ハーゲンスベルマン・スーパーミント) | |
9位 | ロレッタ・ハンソン(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア) | |
10位 | スカイラー・シュナイダー(アメリカ、アメリカナショナルチーム) | |
59位 | 樫木祥子(チームイルミネイト) |
text:So.Isobe
photo:CorVos,Amgen Tour of California
photo:CorVos,Amgen Tour of California
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