2018/05/02(水) - 11:07
ドイツで最も歴史のあるレース、エシュボルン・フランクフルトで新城幸也(バーレーン・メリダ)がロングエスケープ。25名程度に絞り込まれた集団スプリントで、アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)が大会4連覇を飾った。
エシュボルン・フランクフルトは、その名の通りエシュボルンからドイツ第5の都市フランクフルトに至るワンデーレース。長年HC(超級)レースとして開催されてきたが、8月に開催されるユーロアイズ・サイクラシックス(元サイクラシックス・ハンブルグ)に続くドイツ第2のUCIワールドツアーへとランクアップした。なお、初開催は1962年とサイクラシックス(1996年初開催)よりも歴史は古く、今年で57回目の開催を迎えた。
登坂区間を生き残ったスプリンターによる勝負に持ち込まれることが通例の本レース。大会中止となった2015年を飛ばし、2014年、2016年、2017年と3連覇中のアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)を始め、フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)、マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)、直前のロマンディ最終日に勝利したパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)などピュアスプリンターが勢揃い。新城幸也(バーレーン・メリダ)と別府史之(トレック・セガフレード)、NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニの初山翔と小林海という4名の日本人選手たちも顔を揃えた。
昨年よりも登りを増やし、獲得標高3500mに達する212.5kmコースに向けて逃げを決めたのは新城幸也だった。アレクセイ・サラモティンス(ラトビア、ボーラ・ハンスグローエ)やダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、コフィディス・ソルシオンクレディ)ら同調した6名とエスケープする。
サンウェブとUAEチームエミレーツの連合軍が集団をコントロールし、中盤の登坂区間でマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)は脱落。時を同じくしてグレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)、ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル)、ミヒャエル・ゴグル(オーストリア、トレック・セガフレード)が集団からジャンプ。1分弱に迫っていた新城グループに合流して先を急いだ。
断続的にアタックが掛かる状況を嫌ったサンウェブがペースを落とそうとするものの、スプリンターのキッテルとリック・ツァベル(ドイツ)が遅れたカチューシャ・アルペシンが積極的に展開する。
最後から2番目の登坂区間マンモルスハインで、ニルス・ポリッツ(ドイツ)とシモン・スピラク(スロベニア)がアタックし、エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、ジュリアン・ベルナール(フランス、トレック・セガフレード)、ローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)、そしてグレガ・ボーレ(スロベニア、バーレーン・メリダ)も同調。最初から逃げていたメンバーの中で最後まで粘った新城がここに合流し、ボーレのアシストをこなしつつ先頭グループに追いつくのを見届け離脱した。
最後のマンモルスハインではマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)自ら抜け出し、マルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)やメルハウィ・クドス(エリトリア、ディメンションデータ)らと共に暫く前を追ったものの、ハイスピードで逃げる先頭8名に追いつくことは叶わない。逆に20kmを残してメイン集団に吸収され目論みは失敗に終わった。
先頭8名は1分のリードを削りつつ、最終盤に用意されたフランクフルト市街地の周回コースに突入。アタックやコースミスも重なってブッフマン、ボーレ、ベルナール、スピラックだけが生き残って逃げを続行したが、ガビリアを従えたイヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ)が残り3kmでキャッチ。わずか25名程度に絞り込まれた集団にはクリストフやマシューズ、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)らも生き残っていた。
ランパールト一人で散発的なアタックを封じ込め、残り1kmを切って加速したショーン・ドゥビー(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)にはガビリア自ら反応する。アシスト不在のガビリアは残り400mからロングスプリントを開始したが、至近距離を先行するモーターバイクの退避につられてミスコースしてしまう。
ハンドルを叩いて悔しがるガビリアを追い抜き、サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)を先頭に最終ストレートでのスプリント合戦が勃発。オリヴァー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼル)が先頭に上がったが、番手から加速したクリストフの勢いは群を抜いていた。遠距離から追い込んだマシューズも届かず、クリストフが史上初となる大会4連覇を成し遂げた。
2月の中東レースで2勝しつつも、パリ〜ニースやミラノ〜サンレモでは勝利に届かなかったクリストフが今季3勝目。「今年は例年よりも獲得標高が増して、中盤の登りでは遅れかけたんだ。でもチームメイトの力を借りて何とか食い下がった。終盤の市街地コースに入ると調子が上がってきて、勝利を確信し始めたんだ。チームも終始よく働いてくれたし、クイックステップが逃げを潰してくれたのも大きかった。彼らはガビリアがミスコースするまで主導権を握っていたけれど、それで助かった部分も多い。勝利から離れていたものの好相性のレースで4連覇を記録できたので素晴らしい気分だ」とヨーロッパ王者は喜びを語る。
中盤までレースを作った新城は1分43秒遅れの59位でフィニッシュし、別府と初山、小林は途中でレースを離脱。別府は「ロマンディで体調がおかしくなってから昨日のレースでは上手くリカバリー出来たけど、あと一歩が足りなかった。ここ最近の連戦では力み過ぎてうまくパフォーマンスが出せていない、またトレーニングを積み重ねてリフレッシュしてカムバックしたい!」と自身のTwitterでコメントしている。
エシュボルン・フランクフルトは、その名の通りエシュボルンからドイツ第5の都市フランクフルトに至るワンデーレース。長年HC(超級)レースとして開催されてきたが、8月に開催されるユーロアイズ・サイクラシックス(元サイクラシックス・ハンブルグ)に続くドイツ第2のUCIワールドツアーへとランクアップした。なお、初開催は1962年とサイクラシックス(1996年初開催)よりも歴史は古く、今年で57回目の開催を迎えた。
登坂区間を生き残ったスプリンターによる勝負に持ち込まれることが通例の本レース。大会中止となった2015年を飛ばし、2014年、2016年、2017年と3連覇中のアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)を始め、フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)、マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)、直前のロマンディ最終日に勝利したパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)などピュアスプリンターが勢揃い。新城幸也(バーレーン・メリダ)と別府史之(トレック・セガフレード)、NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニの初山翔と小林海という4名の日本人選手たちも顔を揃えた。
昨年よりも登りを増やし、獲得標高3500mに達する212.5kmコースに向けて逃げを決めたのは新城幸也だった。アレクセイ・サラモティンス(ラトビア、ボーラ・ハンスグローエ)やダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、コフィディス・ソルシオンクレディ)ら同調した6名とエスケープする。
サンウェブとUAEチームエミレーツの連合軍が集団をコントロールし、中盤の登坂区間でマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)は脱落。時を同じくしてグレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)、ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル)、ミヒャエル・ゴグル(オーストリア、トレック・セガフレード)が集団からジャンプ。1分弱に迫っていた新城グループに合流して先を急いだ。
断続的にアタックが掛かる状況を嫌ったサンウェブがペースを落とそうとするものの、スプリンターのキッテルとリック・ツァベル(ドイツ)が遅れたカチューシャ・アルペシンが積極的に展開する。
最後から2番目の登坂区間マンモルスハインで、ニルス・ポリッツ(ドイツ)とシモン・スピラク(スロベニア)がアタックし、エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、ジュリアン・ベルナール(フランス、トレック・セガフレード)、ローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)、そしてグレガ・ボーレ(スロベニア、バーレーン・メリダ)も同調。最初から逃げていたメンバーの中で最後まで粘った新城がここに合流し、ボーレのアシストをこなしつつ先頭グループに追いつくのを見届け離脱した。
最後のマンモルスハインではマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)自ら抜け出し、マルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)やメルハウィ・クドス(エリトリア、ディメンションデータ)らと共に暫く前を追ったものの、ハイスピードで逃げる先頭8名に追いつくことは叶わない。逆に20kmを残してメイン集団に吸収され目論みは失敗に終わった。
先頭8名は1分のリードを削りつつ、最終盤に用意されたフランクフルト市街地の周回コースに突入。アタックやコースミスも重なってブッフマン、ボーレ、ベルナール、スピラックだけが生き残って逃げを続行したが、ガビリアを従えたイヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ)が残り3kmでキャッチ。わずか25名程度に絞り込まれた集団にはクリストフやマシューズ、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)らも生き残っていた。
ランパールト一人で散発的なアタックを封じ込め、残り1kmを切って加速したショーン・ドゥビー(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)にはガビリア自ら反応する。アシスト不在のガビリアは残り400mからロングスプリントを開始したが、至近距離を先行するモーターバイクの退避につられてミスコースしてしまう。
ハンドルを叩いて悔しがるガビリアを追い抜き、サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)を先頭に最終ストレートでのスプリント合戦が勃発。オリヴァー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼル)が先頭に上がったが、番手から加速したクリストフの勢いは群を抜いていた。遠距離から追い込んだマシューズも届かず、クリストフが史上初となる大会4連覇を成し遂げた。
2月の中東レースで2勝しつつも、パリ〜ニースやミラノ〜サンレモでは勝利に届かなかったクリストフが今季3勝目。「今年は例年よりも獲得標高が増して、中盤の登りでは遅れかけたんだ。でもチームメイトの力を借りて何とか食い下がった。終盤の市街地コースに入ると調子が上がってきて、勝利を確信し始めたんだ。チームも終始よく働いてくれたし、クイックステップが逃げを潰してくれたのも大きかった。彼らはガビリアがミスコースするまで主導権を握っていたけれど、それで助かった部分も多い。勝利から離れていたものの好相性のレースで4連覇を記録できたので素晴らしい気分だ」とヨーロッパ王者は喜びを語る。
中盤までレースを作った新城は1分43秒遅れの59位でフィニッシュし、別府と初山、小林は途中でレースを離脱。別府は「ロマンディで体調がおかしくなってから昨日のレースでは上手くリカバリー出来たけど、あと一歩が足りなかった。ここ最近の連戦では力み過ぎてうまくパフォーマンスが出せていない、またトレーニングを積み重ねてリフレッシュしてカムバックしたい!」と自身のTwitterでコメントしている。
結果
1位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | 5h13’24” |
2位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | |
3位 | オリヴァー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼル) | |
4位 | アンドレア・パスカロン(イタリア、ワンティ・グループゴベール) | |
5位 | ショーン・ドゥビー(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) | |
6位 | グレガ・ボーレ(スロベニア、バーレーン・メリダ) | |
7位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | |
8位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) | |
9位 | ヤン・トラトニク(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) | |
10位 | フアンホセ・ロバト(スペイン、NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ) | |
59位 | 新城幸也(バーレーン・メリダ) | +1’43” |
DNF | 別府史之(トレック・セガフレード) | |
DNF | 初山翔(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ) | |
DNF | 小林海(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ) |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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