2018/04/20(金) - 09:04
イタリアンバイクブランド、カレラよりインパクトのある有機的なフォルムが人気の「PHIBRA(フィブラ)」がフルモデルチェンジ。同シリーズに特徴的な弓なりのフレーム形状はそのままに、エアロダイナミクスと剛性を強化し、よりレーシーな性能を獲得した「PHIBRA NEXT」として登場した。同じく新モデルの「VELENO LITE」、ブランド初のホイール・コックピットパーツも発表されている。
創設当時からプロレースシーンと深い関わりを持ち、現在までに通算500勝以上もの勝利を収めてきたイタリアのレーシングバイクブランド、カレラ。同社ラインアップの中でも一際異彩を放つモデルとして2008年に登場したのが「PHIBRA(フィブラ)」である。大きくアーチを描くトップチューブからシートステーにかけてのデザイン、曲線を多用した有機的でグラマラスなルックスは多くのサイクリストを虜にし、一躍カレラを代表する人気モデルとなった。
その後2011年にはモノコックフレーム化した弟分の「PHIBRA TWO」が、2014年にはより性能を洗練させた「PHIBRA EVO」が登場。時代のトレンドに沿ったアップデートを加えながら10年に渡ってラインアップを守ってきたPHIBRAだが、今回4年ぶりのフルモデルチェンジを果たし、4代目となる「PHIBRA NEXT」としてブランニューデビューした。
同バイクのアイコンとも言える弓なりのフレーム形状は踏襲しつつ、エアロなチューブデザインを積極的に取り入れたという今作は、従来のグランフォンドモデルとしての走りはそのままに、よりレーシーな走行性能を付加したという。チューブ形状の最適化、カーボン素材・積層の調整によって快適性を維持しつつ、より空力性能と剛性を強化、軽量化も図られている。
初代PHIBRAより受け継がれる独自のダブルアーチ構造を今作にも用いており、フレーム上部のトップチューブ・シートステーからなる「コンフォートアーチ」が振動吸収性を担い、ダウンチューブ・チェーンステーからなる「パワーアーチ」がレーシングな走行性能を生み出す。
その上でダウンチューブやシートチューブは翼断面の後端を切り落としたエアロチューブ形状へアップデートされた他、フロントフォークもTTバイクからインスパイアされた整流効果の高いデザインへ変更されており、従来よりもスマートなルックスと優れたエアロダイナミクスを獲得している。
シフトケーブルもダウンチューブ上部からアクセスするルーティングとなるとともに、ブレーキは新たに前後ダイレクトマウントへ。BBも前作のPF30からPF86へと変更されている。フレームセット販売でレッド、ブラック、ブルーの3色がラインアップ。XS、S、M、L、XLの5サイズ展開で価格は280,000円(税抜)だ。
今回の新モデル発表に合わせカレラCEOのダヴィデ・ボイファヴァ氏、カレラのセールスマネージャーであるマルコ・カンパニョーニ氏、元プロレーサーのクラウディオ・キャプーチ氏の3名が来日。会場を訪れた関係者に製品をアピールしたり写真撮影に応じたりしてくれた。
その中でもカンパニョーニ氏は、PHIBRA NEXTに関して「PHIBRAらしい美しいデザインは残しつつ、より走行性能を高めました。ジオメトリーも同社ピュアレーシングモデルのSL7の要素を取り入れて再調整しています。カレラのテクノロジーを惜しみなく投入することで、グランフォンドモデルのコンセプトは崩さず、より速いバイクが完成しました。
結果、ユニークなルックスに惹かれて購入したライダーも妥協のないパフォーマンスを得ることができます。4年という開発期間を経てまさに”NEXT”と言えるニューバイクに仕上がったカレラの自信作です」と語ってくれた。
カレラ PHIBRA NEXT
カラー:A9-171(レッド)、A9-172(ブラック)、A9-173(ブルー)
サイズ:XS、S、M、L、XL
重量:フレーム990g、フォーク350g
BB:PF86×41
価格:280,000円(税抜、フレームセット)
エントリーグレードの新作VELENO LITE、ブランド初のホイール・ハンドル・ステムも登場
PHIBRAと同じく2008年に登場したカレラのミドルグレードカーボンバイク「VELENO(ヴェレーノ)」。こちらも数度のモデルチェンジを経て現在はVELENO TSとしてラインアップされているが、今回新たにエントリーグレードとなる末弟モデル「VELENO LITE」が追加された。
VELENO TSとフレーム形状は同じながら、カーボン素材の比率や製造工程を見直すことでよりリーズナブルなプライスを実現した同バイク。オーソドックスなスタイルが素直な乗り味を生み出すオールラウンドレーサーとして、よりビギナーライダー向けに開発されたのだという。
VELENO TSと比較すると若干の重量増はあるものの、カンパニョーニ氏によると「より上級ライダーが乗り比べれば登りでその性能差を感じるかもしれませんが、それ以外のフィーリングはほぼ変わらない程度に仕上がっており、高いコストパフォーマンスを実現しています」とのこと。マットブラックカラーの1色展開で、XS~XLの5サイズがラインアップ。フレームセット販売で価格は98,000円(税抜)だ。
同時にカレラ史上初となるホイール・ハンドル・ステムも発表された。ホイールは近年各社がこぞってリリースしているフルカーボンクリンチャー仕様で、エアロなワイドリムには大きくカレラのロゴステッカーをあしらう。同じくエアロプロファイルを採用したコックピットパーツは、同社エアロロードAR-01から着想を得たもので、ハンドルからステム内部までケーブル内蔵が可能となっている。これらのパーツ類の発売時期や価格は今後の情報待ちとなる。
カレラ VELENO LITE
カラー:A8-150(マットブラック)
サイズ:XS、S、M、L、XL
重量:フレーム1080g、フォーク410g
BB:PF86×41
価格:98,000円(税抜、フレームセット)
サンマルコから3つの新規プロジェクトモデルが発表
カレラの国内代理店を務めるポディウムが取り扱うサドルブランド、サンマルコも本国からマーケティング担当のパウロ氏が来日し新製品を展示した。発表された新作は「スーパーコンフォート」「YOG(ヨグ)」「チームエディション」の3つのプロジェクト製品だ。
フラット形状の座面を持つレーシングサドル「アスピデ」には既にラインアップされていた、スーパーコンフォートモデルが今回ラウンド形状の「マントラ」にも追加。より大きなホール形状と、フォーム密度を調整した厚手のパッド、ゲル素材の挿入によって快適性を高めている。
イエロー・オレンジ・グリーンの頭文字を取ってYOGと名付けられたニューカラーモデルは、よりカラフルでエネルギッシュなカラーカスタムをイメージして作られたもの。パフォーマンスサドルから「ショートフィット」が、コンフォートサドルから「コンコール」がチョイスされ、それぞれ3色展開で販売される。「バーテープと色を合わせてバイクをコーディネートして欲しいね」とはパウロ氏。
最後にプロチーム用に供給しているチームエディションモデルも販売を開始するという。プロ選手が使用する製品を自身でも使いたいというカスタマーの要望を受けたもので、後部にかけてドット柄があしらわれるグラフィックだ。ワンティ・コフィディス・アクアブルースポートといったチームが実際に使用しているレッド、ホワイト、ゴールド、ピンクカラーが用意される。いずれのモデルも発売時期や価格については続報待ちだ。
パウロ氏にサンマルコのサドル開発についてインタビューすると「日本以上にヨーロッパではMTB、eMTBが普及しています。その背景を受け、近年はe-BIKE専用のサドル開発に力を入れているんです。e-BIKEはシリアスにペダルを漕ぐ乗り物ではないからポジションが変わってくるし、当然サドルへの圧力のかかり方も違ってくるんです。
せっかくお金をかけて買った格好良いバイクも快適に乗れなければ意味がありません。ひたすら最軽量のフルカーボンサドルを作ることはむしろ簡単、パフォーマンスと快適性の両立を追求していくことこそがサンマルコの目指すところですね」と語ってくれた。
report:Yuto.Murata
創設当時からプロレースシーンと深い関わりを持ち、現在までに通算500勝以上もの勝利を収めてきたイタリアのレーシングバイクブランド、カレラ。同社ラインアップの中でも一際異彩を放つモデルとして2008年に登場したのが「PHIBRA(フィブラ)」である。大きくアーチを描くトップチューブからシートステーにかけてのデザイン、曲線を多用した有機的でグラマラスなルックスは多くのサイクリストを虜にし、一躍カレラを代表する人気モデルとなった。
その後2011年にはモノコックフレーム化した弟分の「PHIBRA TWO」が、2014年にはより性能を洗練させた「PHIBRA EVO」が登場。時代のトレンドに沿ったアップデートを加えながら10年に渡ってラインアップを守ってきたPHIBRAだが、今回4年ぶりのフルモデルチェンジを果たし、4代目となる「PHIBRA NEXT」としてブランニューデビューした。
同バイクのアイコンとも言える弓なりのフレーム形状は踏襲しつつ、エアロなチューブデザインを積極的に取り入れたという今作は、従来のグランフォンドモデルとしての走りはそのままに、よりレーシーな走行性能を付加したという。チューブ形状の最適化、カーボン素材・積層の調整によって快適性を維持しつつ、より空力性能と剛性を強化、軽量化も図られている。
初代PHIBRAより受け継がれる独自のダブルアーチ構造を今作にも用いており、フレーム上部のトップチューブ・シートステーからなる「コンフォートアーチ」が振動吸収性を担い、ダウンチューブ・チェーンステーからなる「パワーアーチ」がレーシングな走行性能を生み出す。
その上でダウンチューブやシートチューブは翼断面の後端を切り落としたエアロチューブ形状へアップデートされた他、フロントフォークもTTバイクからインスパイアされた整流効果の高いデザインへ変更されており、従来よりもスマートなルックスと優れたエアロダイナミクスを獲得している。
シフトケーブルもダウンチューブ上部からアクセスするルーティングとなるとともに、ブレーキは新たに前後ダイレクトマウントへ。BBも前作のPF30からPF86へと変更されている。フレームセット販売でレッド、ブラック、ブルーの3色がラインアップ。XS、S、M、L、XLの5サイズ展開で価格は280,000円(税抜)だ。
今回の新モデル発表に合わせカレラCEOのダヴィデ・ボイファヴァ氏、カレラのセールスマネージャーであるマルコ・カンパニョーニ氏、元プロレーサーのクラウディオ・キャプーチ氏の3名が来日。会場を訪れた関係者に製品をアピールしたり写真撮影に応じたりしてくれた。
その中でもカンパニョーニ氏は、PHIBRA NEXTに関して「PHIBRAらしい美しいデザインは残しつつ、より走行性能を高めました。ジオメトリーも同社ピュアレーシングモデルのSL7の要素を取り入れて再調整しています。カレラのテクノロジーを惜しみなく投入することで、グランフォンドモデルのコンセプトは崩さず、より速いバイクが完成しました。
結果、ユニークなルックスに惹かれて購入したライダーも妥協のないパフォーマンスを得ることができます。4年という開発期間を経てまさに”NEXT”と言えるニューバイクに仕上がったカレラの自信作です」と語ってくれた。
カレラ PHIBRA NEXT
カラー:A9-171(レッド)、A9-172(ブラック)、A9-173(ブルー)
サイズ:XS、S、M、L、XL
重量:フレーム990g、フォーク350g
BB:PF86×41
価格:280,000円(税抜、フレームセット)
エントリーグレードの新作VELENO LITE、ブランド初のホイール・ハンドル・ステムも登場
PHIBRAと同じく2008年に登場したカレラのミドルグレードカーボンバイク「VELENO(ヴェレーノ)」。こちらも数度のモデルチェンジを経て現在はVELENO TSとしてラインアップされているが、今回新たにエントリーグレードとなる末弟モデル「VELENO LITE」が追加された。
VELENO TSとフレーム形状は同じながら、カーボン素材の比率や製造工程を見直すことでよりリーズナブルなプライスを実現した同バイク。オーソドックスなスタイルが素直な乗り味を生み出すオールラウンドレーサーとして、よりビギナーライダー向けに開発されたのだという。
VELENO TSと比較すると若干の重量増はあるものの、カンパニョーニ氏によると「より上級ライダーが乗り比べれば登りでその性能差を感じるかもしれませんが、それ以外のフィーリングはほぼ変わらない程度に仕上がっており、高いコストパフォーマンスを実現しています」とのこと。マットブラックカラーの1色展開で、XS~XLの5サイズがラインアップ。フレームセット販売で価格は98,000円(税抜)だ。
同時にカレラ史上初となるホイール・ハンドル・ステムも発表された。ホイールは近年各社がこぞってリリースしているフルカーボンクリンチャー仕様で、エアロなワイドリムには大きくカレラのロゴステッカーをあしらう。同じくエアロプロファイルを採用したコックピットパーツは、同社エアロロードAR-01から着想を得たもので、ハンドルからステム内部までケーブル内蔵が可能となっている。これらのパーツ類の発売時期や価格は今後の情報待ちとなる。
カレラ VELENO LITE
カラー:A8-150(マットブラック)
サイズ:XS、S、M、L、XL
重量:フレーム1080g、フォーク410g
BB:PF86×41
価格:98,000円(税抜、フレームセット)
サンマルコから3つの新規プロジェクトモデルが発表
カレラの国内代理店を務めるポディウムが取り扱うサドルブランド、サンマルコも本国からマーケティング担当のパウロ氏が来日し新製品を展示した。発表された新作は「スーパーコンフォート」「YOG(ヨグ)」「チームエディション」の3つのプロジェクト製品だ。
フラット形状の座面を持つレーシングサドル「アスピデ」には既にラインアップされていた、スーパーコンフォートモデルが今回ラウンド形状の「マントラ」にも追加。より大きなホール形状と、フォーム密度を調整した厚手のパッド、ゲル素材の挿入によって快適性を高めている。
イエロー・オレンジ・グリーンの頭文字を取ってYOGと名付けられたニューカラーモデルは、よりカラフルでエネルギッシュなカラーカスタムをイメージして作られたもの。パフォーマンスサドルから「ショートフィット」が、コンフォートサドルから「コンコール」がチョイスされ、それぞれ3色展開で販売される。「バーテープと色を合わせてバイクをコーディネートして欲しいね」とはパウロ氏。
最後にプロチーム用に供給しているチームエディションモデルも販売を開始するという。プロ選手が使用する製品を自身でも使いたいというカスタマーの要望を受けたもので、後部にかけてドット柄があしらわれるグラフィックだ。ワンティ・コフィディス・アクアブルースポートといったチームが実際に使用しているレッド、ホワイト、ゴールド、ピンクカラーが用意される。いずれのモデルも発売時期や価格については続報待ちだ。
パウロ氏にサンマルコのサドル開発についてインタビューすると「日本以上にヨーロッパではMTB、eMTBが普及しています。その背景を受け、近年はe-BIKE専用のサドル開発に力を入れているんです。e-BIKEはシリアスにペダルを漕ぐ乗り物ではないからポジションが変わってくるし、当然サドルへの圧力のかかり方も違ってくるんです。
せっかくお金をかけて買った格好良いバイクも快適に乗れなければ意味がありません。ひたすら最軽量のフルカーボンサドルを作ることはむしろ簡単、パフォーマンスと快適性の両立を追求していくことこそがサンマルコの目指すところですね」と語ってくれた。
report:Yuto.Murata
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