2018/04/19(木) - 08:45
第82回ラ・フレーシュ・ワロンヌで繰り広げられた「ユイの壁」激坂バトル。大会5連覇がかかった王者バルベルデを引き離したジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)が初優勝を飾った。
ワロン地域の丘陵地帯に向かってリエージュ近郊のセランをスタートしたのは175名の選手たち。気温が25度まで上がる暖かな一日で、時にレース展開に大きく影響することもある風は弱め。アントニー・ルー(フランス、グルパマFDJ)やチェザーレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)を含む8名の逃げをモビスターとUAEチームエミレーツの連合軍が追いかける形で前半のアップダウンをこなした。
しばらく5分で推移したタイム差は、前半の4つの坂を越え、1回目の「ユイの壁」に差し掛かる頃に2分まで縮小する。そこからフィニッシュまでは58km(29km周回を2周)。アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)の6度目の優勝を阻止したいライバルチームが攻撃を開始した。
1回目の「ユイの壁」でルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)やミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)らが動き、ここにミケル・ランダ(スペイン、モビスター)がチェックに入って封じる。その後も断続的にアタックが繰り返されたが、モビスター勢が先頭に立ってこれらを吸収する。すると今度は「コート・デレッフ」でミヒャエル・ゴグル(オーストリア、トレック・セガフレード)やエンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)が加速。さらにはヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)までが動いた。
メイン集団を抜け出したニバリやジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)、タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ)、マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)は、それまで逃げ続いていたルーとベネデッティまでブリッジ成功。「コート・ド・シュラーブ」でカウンターアタックしたクウィアトコウスキーとアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシング)は集団に引き戻された。
モビスター率いるメイン集団から40秒のリードで2回目(残り29km)の「ユイの壁」をクリアした先頭グループ。優勝候補の一角ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)やラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)らはここでメイン集団から脱落している。
ニバリを含む逃げグループは、ランダが懸命にリードするメイン集団に50秒差をつけることに成功する。ディメンションデータやチームスカイ、ロット・スーダルが集団牽引に加わったことでタイム差は縮小に転じ、ストラーデビアンケ覇者ティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル)らの牽引でタイム差は30秒に。最後から2つ目の「コート・ド・シュラーブ」でルーとベネデッティらが力尽き、先頭はヘイグとシャフマン、カンゲルト、ニバリの4名に絞られた。
やがて下り&平坦区間で先頭からニバリとカンゲルトが脱落。ヘイグとシャフマンが10秒に満たないリードで最後の「ユイの壁」へと入っていく。ロット・スーダルが集団先頭に立った一方で、先頭にシャフマンを送り込んでいたクイックステップフロアーズは人数(アラフィリップ、ジルベール、ユンゲルス、セリー)をそろえながらも協力しない。
ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)のために集団先頭でハイペースを刻んだイエール・ヴァネンデル(ベルギー)。しかしウェレンスのペースが上がらないため、逃げ続けるシャフマン(ヘイグは吸収)を追いかける形でヴァネンデルがそのまま残り400mの急勾配区間を踏んでいく。
ヴァネンデルはアラフィリップを引き連れる形で残り200mで先頭シャフマンをパス。5〜6番手にポジションを落としていたバルベルデの姿を振り返って確認し、アラフィリップが残り150mから一段ペースを上げて踏んでいく。バルベルデが猛追したが、力強いダンシングで急勾配区間を踏み抜いたアラフィリップのペースが落ちない。諦めて腰を下ろしたバルベルデを背に、フィニッシュラインまでもがき切ったアラフィリップが先着した。
「これまで2回表彰台を経験していて、3年前は驚きの結果だったけど、2年前はフラストレーションのたまる結果だった。と同時に、勝てるという自信を得ていたんだ。自分を信じ続け、いつかこのクラシックで勝てると思い続けた。今日はチームの働きが最高で、全てが完璧だった」と、1997年以来のフランス人によるラ・フレーシュ・ワロンヌ制覇を果たしたアラフィリップは語る。クイックステップフロアーズは今シーズン26勝目で、UCIワールドツアーチームランキングでは首位を走る。
「ピーター(セリー)がシュラーブでのアタックをすべて封じ込め、そこからボブ(ユンゲルス)とフィリップ(ジルベール)が最高のポジションをキープしながらユイの麓に到着。そこから勝負を自分の脚に委ねた。落ち着いて、自分のテンポで上りをこなし、正しいタイミングでアタックしたんだ」。アラフィリップはこれが今シーズン4勝目。アムステルゴールドレースを7位で終えている25歳は、当然日曜日に目を向ける。「リエージュ〜バストーニュ〜リエージュも自分向きのレースであり、初出場した2015年に表彰台に上っている。再び日曜日に成功をつかみたい」。
「この結果には失望していない。勝利するのはそんなに簡単なことじゃないし、トップ選手と渡り合えたことに満足している」と語るのは大会5連覇を逃したバルベルデ。「終盤のニバリやカンゲルトを含む逃げは強力だった。すべてのチームが攻撃を仕掛けてきたけど、チームメイトたちは上手くレースを運んでくれたんだ。最大のライバルがアラフィリップであることはわかっていたけど、最後のユイの上り始めの時点で少しポジションを落としてしまい、予想よりも早めに仕掛けた彼にすぐ反応できなかった。ジュリアン(アラフィリップ)の走りには脱帽だったし、彼のチームの走りを讃えたい。アムステルの5位に続く2位という結果で、日曜日に向けて好調さを確認できたよ」。
ワロン地域の丘陵地帯に向かってリエージュ近郊のセランをスタートしたのは175名の選手たち。気温が25度まで上がる暖かな一日で、時にレース展開に大きく影響することもある風は弱め。アントニー・ルー(フランス、グルパマFDJ)やチェザーレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)を含む8名の逃げをモビスターとUAEチームエミレーツの連合軍が追いかける形で前半のアップダウンをこなした。
しばらく5分で推移したタイム差は、前半の4つの坂を越え、1回目の「ユイの壁」に差し掛かる頃に2分まで縮小する。そこからフィニッシュまでは58km(29km周回を2周)。アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)の6度目の優勝を阻止したいライバルチームが攻撃を開始した。
1回目の「ユイの壁」でルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)やミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)らが動き、ここにミケル・ランダ(スペイン、モビスター)がチェックに入って封じる。その後も断続的にアタックが繰り返されたが、モビスター勢が先頭に立ってこれらを吸収する。すると今度は「コート・デレッフ」でミヒャエル・ゴグル(オーストリア、トレック・セガフレード)やエンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)が加速。さらにはヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)までが動いた。
メイン集団を抜け出したニバリやジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)、タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ)、マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)は、それまで逃げ続いていたルーとベネデッティまでブリッジ成功。「コート・ド・シュラーブ」でカウンターアタックしたクウィアトコウスキーとアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシング)は集団に引き戻された。
モビスター率いるメイン集団から40秒のリードで2回目(残り29km)の「ユイの壁」をクリアした先頭グループ。優勝候補の一角ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)やラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)らはここでメイン集団から脱落している。
ニバリを含む逃げグループは、ランダが懸命にリードするメイン集団に50秒差をつけることに成功する。ディメンションデータやチームスカイ、ロット・スーダルが集団牽引に加わったことでタイム差は縮小に転じ、ストラーデビアンケ覇者ティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル)らの牽引でタイム差は30秒に。最後から2つ目の「コート・ド・シュラーブ」でルーとベネデッティらが力尽き、先頭はヘイグとシャフマン、カンゲルト、ニバリの4名に絞られた。
やがて下り&平坦区間で先頭からニバリとカンゲルトが脱落。ヘイグとシャフマンが10秒に満たないリードで最後の「ユイの壁」へと入っていく。ロット・スーダルが集団先頭に立った一方で、先頭にシャフマンを送り込んでいたクイックステップフロアーズは人数(アラフィリップ、ジルベール、ユンゲルス、セリー)をそろえながらも協力しない。
ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)のために集団先頭でハイペースを刻んだイエール・ヴァネンデル(ベルギー)。しかしウェレンスのペースが上がらないため、逃げ続けるシャフマン(ヘイグは吸収)を追いかける形でヴァネンデルがそのまま残り400mの急勾配区間を踏んでいく。
ヴァネンデルはアラフィリップを引き連れる形で残り200mで先頭シャフマンをパス。5〜6番手にポジションを落としていたバルベルデの姿を振り返って確認し、アラフィリップが残り150mから一段ペースを上げて踏んでいく。バルベルデが猛追したが、力強いダンシングで急勾配区間を踏み抜いたアラフィリップのペースが落ちない。諦めて腰を下ろしたバルベルデを背に、フィニッシュラインまでもがき切ったアラフィリップが先着した。
「これまで2回表彰台を経験していて、3年前は驚きの結果だったけど、2年前はフラストレーションのたまる結果だった。と同時に、勝てるという自信を得ていたんだ。自分を信じ続け、いつかこのクラシックで勝てると思い続けた。今日はチームの働きが最高で、全てが完璧だった」と、1997年以来のフランス人によるラ・フレーシュ・ワロンヌ制覇を果たしたアラフィリップは語る。クイックステップフロアーズは今シーズン26勝目で、UCIワールドツアーチームランキングでは首位を走る。
「ピーター(セリー)がシュラーブでのアタックをすべて封じ込め、そこからボブ(ユンゲルス)とフィリップ(ジルベール)が最高のポジションをキープしながらユイの麓に到着。そこから勝負を自分の脚に委ねた。落ち着いて、自分のテンポで上りをこなし、正しいタイミングでアタックしたんだ」。アラフィリップはこれが今シーズン4勝目。アムステルゴールドレースを7位で終えている25歳は、当然日曜日に目を向ける。「リエージュ〜バストーニュ〜リエージュも自分向きのレースであり、初出場した2015年に表彰台に上っている。再び日曜日に成功をつかみたい」。
「この結果には失望していない。勝利するのはそんなに簡単なことじゃないし、トップ選手と渡り合えたことに満足している」と語るのは大会5連覇を逃したバルベルデ。「終盤のニバリやカンゲルトを含む逃げは強力だった。すべてのチームが攻撃を仕掛けてきたけど、チームメイトたちは上手くレースを運んでくれたんだ。最大のライバルがアラフィリップであることはわかっていたけど、最後のユイの上り始めの時点で少しポジションを落としてしまい、予想よりも早めに仕掛けた彼にすぐ反応できなかった。ジュリアン(アラフィリップ)の走りには脱帽だったし、彼のチームの走りを讃えたい。アムステルの5位に続く2位という結果で、日曜日に向けて好調さを確認できたよ」。
ラ・フレーシュ・ワロンヌ2018結果
1位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) | 4:53:37 |
2位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 0:00:04 |
3位 | イエール・ヴァネンデル(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:00:06 |
4位 | ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ミッチェルトン・スコット) | |
5位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | |
6位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | |
7位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | |
8位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) | |
9位 | ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) | |
10位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:12 |
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